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あれから私は、どんどんおかしくなっていく。
考えることと言えば、ラブちゃんに触れてほしい、そのことばかり。
ラブちゃんにまたキスしてほしい。
キス以上のことも…

示し合わせた訳ではないのに、ふたりで過ごす時はなぜだか、せつなちゃんのことは話さなくなっていた。
まるでそれが暗黙の了解のように。

だって、私はずるいから。
せつなちゃんの名前を出せば、私を選んでと言いたくなる。
だけどそれは、終焉を意味するも同然。
ずるい私は、終わりにしないために敢えて沈黙を選んだのだから。

ラブちゃんを困らせたら、ふたりっきりで会ってもらえなくなるのは分かってた。
ラブちゃんにとって、せつなちゃんは永遠の恋人。
別れるなんてありえない。
だから、決めた。
例え、遊びでもいい。
ラブちゃんに求めてもらえるなら、それだけで充分だった。

リンクルンが鳴る。
『逢いたい…祈里に…触れたい…』
私を求める掠れた声。
「…私もだよ…来て」

これから始まるつかの間の逢瀬に比べて、待っている時間はなんて長いのだろう。
ラブちゃんに逢える。
その思いで胸がはり裂けそうになる。

ベッドに腰かけて、瞳を閉じた。
階段を上がる音。
ドアを開け、閉める音。
そして、鍵をかける音。
目の前に人の気配を感じ、無意識に身を硬くする。




強く抱きすくめられ、耳元で囁かれた。
「あたしは祈里を泣かせるかもしれない。ツライ思いをさせてしまうだけかもしれない。…それでも許してくれる?」
「…それでもいい」

私の返事を聞くなり、いきなりラブちゃんは強くくちづけてくる。
息もできないくらい、激しく。
まるでおもちゃを取られまいと焦る子供みたいに。

「私は…逃げたりしないよ?」
それには答えず、ラブちゃんは慣れた手つきで制服を脱がせてゆく。
いつもしてあげてるんだろうな…。
その考えを、慌てて思考の隅に追いやる。
今はふたりだけの時間に集中しなきゃ。

ブレザーを脱がされ、ブラウスの上から胸を揉まれる。
自分以外の人に触れられるのは始めての感覚で、相手がラブちゃんという事実に、改めて興奮してくる。

自然と声が漏れ、胸の頂きが、ブラを押し上げるように硬く尖るのがわかる。

耳たぶを舐められ、首すじを吸われる。
いつのまにかボタンが外され、ブラがずり上げられる。
熱した胸元が露出し、部屋の空気が少しだけ肌寒い。

「大きいね…」
ラブちゃんは放心したように呟き、膨らみを捏ねまわす。
「やん…」
恥ずかしさに顔が火照る。
「恥ずかしがらないで見せて…すっごく綺麗だよ」
胸の大きさを嬉しいと感じたのは、これが初めてだった。

胸にくちづけられ、舐められる。
執拗に愛撫され、息づかいが荒くなってゆく。
何処をどうすれば私が喜ぶのか、ラブちゃんには全部分かっているみたい。




脚のあいだが熱い。
下着の中が湿り気を帯びてくる。
それに気づいたように、スカートをまくり上げられ脚を開かされ、まじまじと見つめられる。

「…染みちゃってるね」
「やっ…言わないで…」
そうする間にも、奥からどんどん溢れ出る。
まだ触れられてもないのに、見つめられてるだけなのに。

ラブちゃんは下着の上から割れ目をなぞるように擦る。
敏感な芽を探り当て、指の腹でぐりぐりと押し潰す。
下着をつけたままこんなこと…。
より一層恥ずかしくなる。

やがて下着の中に手を入れられ、じかに触れられると、嬉しくて身体がのけ反り、身もだえする。
こりこりと中心をよじられ、快感の波に流されてゆく。
私の蜜が愛しい人の指を濡らしている。その喜びに身体が震える。

「なんで泣いてるの…」
「…わかんない」
だけど涙が止まらない。
あんまり幸せで、哀しくて。

やがて、余りの気持ち佳さに何も考えられなくなる。
高まりが近づいてくる。噛み締めながら少しずつ昇ってゆき、大きなもののなかに飛び込み、そして飲み込まれた。



果てた私を優しく抱きしめ、ラブちゃんは何度となくキスの雨を降らせる。
「ごめん…」
「謝っちゃヤだ」
「…ごめんね」
「また今日みたいに逢いたい」
「うん」
「逢える日だけでいいの」
「うん…」
「…好き」
「あたしも…」

私、決して欲張らない。あなたがくれる時間を大切にする。
だから…
ラブちゃんの肩にしがみつく。
ラブちゃんは黙って、ただ抱きしめ続けた。

「もう…行って」
「うん」
ラブちゃんは身支度をして、ドアの前に立つ。
何か言いたげで、言わないままに。
ガチャリ。
帰ってゆく音を聴きながら、つうっと涙が頬を伝って、シーツに落ちた。



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最終更新:2009年10月10日 20:06