「あたし、女のコだから。」
素直なラブしか知らない私。
ラブの全てを知りたくて。
もっとラブの事を好きになりたい。
感情を表に出せるようになったのもラブのおかげ。
もっともっとラブの前で笑顔になりたい。
修学旅行。すごく楽しみだった。
初めての旅行と言う事にも。
けれど、私が期待してる展開とはあまりにも相違していた。
もっと二人きりになれれば良かったのに。
ラブは私にキスをしてくれたのだけど。
でもね。
その先は?
私が怒るのはあなたを――――
表情に出てしまっているのね、私。
会話が続かない。
不器用なのをこんなに恨んだのは初めてだった。
「私…、魅力無いかしら?」
心無い言葉。
命を懸けて救ってくれた人に対して。
だけど…、体はあなたを求めてしまうの。
そう思うのなら、自分から求めれば答えは出るのに…。
タオルで隠されていたラブの体。
思えば幾度となく傷付けてしまったのよね。
―――ごめんなさい。
勝手ね、私。
思う通りに進まない事を根に持って。
「恥ずかしいんだもん。」
やっぱりラブは素直な子。
そうよね…。
私の方が二人でいる事に慣れちゃってたのかも。
それでも私はあなたの事を好きだから。
だから―――
我侭を続けたわ。
素直なラブ。真っ直ぐな瞳に私はどう映っているの?
私の瞳はいつも、あなただけを見ていた。
明るいラブも、笑顔のラブも、悲しむラブも全部。
……全部……
そう思うと、私の体は自然とあなたの事を抱きしめていた。
私が望むもの。
私が望むこと。
―――それは―――
お風呂場と言う事も忘れるぐらい、私はラブに話かけていた。
こんなに私っておしゃべりだったかしら?
そんな私に、ラブも等々愛想を尽かしたみたいで。
「声出しちゃダメなんだからね。」
「え?」
人差し指で私の唇に蓋をして…
~続く~
最終更新:2010年01月11日 16:31