6-819

「あたし、女のコだから。」


素直なラブしか知らない私。
ラブの全てを知りたくて。

もっとラブの事を好きになりたい。

感情を表に出せるようになったのもラブのおかげ。
もっともっとラブの前で笑顔になりたい。


修学旅行。すごく楽しみだった。
初めての旅行と言う事にも。


けれど、私が期待してる展開とはあまりにも相違していた。
もっと二人きりになれれば良かったのに。


ラブは私にキスをしてくれたのだけど。


でもね。
その先は?


私が怒るのはあなたを――――


表情に出てしまっているのね、私。
会話が続かない。
不器用なのをこんなに恨んだのは初めてだった。


「私…、魅力無いかしら?」
心無い言葉。
命を懸けて救ってくれた人に対して。


だけど…、体はあなたを求めてしまうの。
そう思うのなら、自分から求めれば答えは出るのに…。


タオルで隠されていたラブの体。
思えば幾度となく傷付けてしまったのよね。

―――ごめんなさい。


勝手ね、私。
思う通りに進まない事を根に持って。



「恥ずかしいんだもん。」
やっぱりラブは素直な子。

そうよね…。
私の方が二人でいる事に慣れちゃってたのかも。


それでも私はあなたの事を好きだから。

だから―――
我侭を続けたわ。


素直なラブ。真っ直ぐな瞳に私はどう映っているの?
私の瞳はいつも、あなただけを見ていた。

明るいラブも、笑顔のラブも、悲しむラブも全部。
……全部……


そう思うと、私の体は自然とあなたの事を抱きしめていた。

私が望むもの。
私が望むこと。


―――それは―――


お風呂場と言う事も忘れるぐらい、私はラブに話かけていた。
こんなに私っておしゃべりだったかしら?

そんな私に、ラブも等々愛想を尽かしたみたいで。

「声出しちゃダメなんだからね。」
「え?」

人差し指で私の唇に蓋をして…


~続く~


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最終更新:2010年01月11日 16:31