6-866

誰にも邪魔されない、二人だけの時を。


人差し指で塞いだせつなの唇。ラブはそっと撫で、柔らかさを確認する。
せつなは唇に触れたラブの指を愛おしく、ゆっくりと舌先で転がしながら口に含む。


見詰め合う二人に、言葉など必要なかった。


そっと指を引き抜き、ラブはそれを自分の口へと運ぶ。
居た堪れない感情が襲ってくる。目の前には悪戯に微笑む彼女がいるのだから。


「……しよ?」


ほんの数分の出来事なのに、せつなにはそれが永遠の至福のように思えた。
やっと一緒になれる。本当の幸せを掴み取れるのだと。


愛してる――――ラブ。
小さく頷くとせつなはゆっくりと瞳を閉じた。


重ねる唇。互いの舌と舌とが絡み合う。唇の端からは溢れる唾液。
まるで赤子のような二人だけれど。

恥ずかしさより、今は愛し愛される喜びで満ち溢れていた。


「ん...う...んん.....」

初めて味わう感情。
熱くなるカラダ。
溶けてしまいそうな程の愛。


「もっと……。もっと…、愛して欲しい…。」


「立てる?」
「……。」

ラブは私を優しく抱きしめてくれた。こんな時でも優しくしてくれる。
そう思うだけで、私の中の何かが――――熱くなるのがわかった。




せつなのカラダは、とても女性らしくて。
すごく…魅力的で。

もっと見てみたいなって……思った。
あたしって…、こんなにHだったかな?


そうさせるせつなもHなんだろうけど。
今の二人には理性のカケラなんてない。

だって、ここはお風呂場なんだもん。
普通じゃ考えられないんだろうなって。


「キレイだよせつな。」
形の良い胸に初めて触れる。柔らかな感触。その中にある頂きは、既に突起していて。

手で触れるだけでは満足出来ずに―――

「ぁ...ん」

「ダメだよせつな、声出しちゃ。」
「で、で…も……んっ」


かわいいせつな。
大好きなせつな。

―――私だけのせつな。

漏れる声すら愛おしく。唇でそれを塞いでも尚零れる吐息。
左手は胸を。
右手は秘部を。

あたしだけが触れる事を許された。

―――恋人だから―――




初めて自分以外の人に触れられる感触。
それが誰よりも愛しているラブ、あなたなら。

私はシャワーのレバーを引くと、目一杯の水流に調整した。

「…これなら、聞こえない…でしょ?」
立つ事さえままならぬ状態の私には、これぐらいしか思い付かなくて。


「…せつな。しっかりつかまってて。」

「……わかった。」


秘部にすんなり入っていく指には絡みつく愛液。
それは、シャワーの水とはまた違う濡れ方で。

いやらしくちゅくちゅくと音を立てるが、その割れ目が奏でる音を聞けるのは
目の前にいるラブだけ。


さらに、割れ目の先端にある突起を集中して刺激する。指だけでなく舌先でも。
繰り返される動きにもはや意識も薄れかけ。


「っん―――!ぁ…あ、ぁぁぁぁぁぁ――――!!!」
「イっていいよ?イイんだよっせつな!」
「ぅん―――!はぅ…、も、もぅ―!」
「好き!愛してるせつな!!」
「あぁぁ!ふぁっ――、い、いっちゃ……――――――!!!」


崩れ落ちるせつな。
優しく包み込むラブ。


キュッ、とシャワーのレバーを元に戻すと再び見詰め合う二人。


「はぁ…、はぁ……。……ん」
「…Hだね、あたしたち…」


鏡に映る二人はびしょ濡れで。まるで夢の跡のような光景に思わず苦笑い。

「また…しようね。」

「……ラブ。」
「何?せつな。」

「今度は私が………、してあげたいの…。」
「でも、せつなのぼせちゃうよ。」
「嫌っ!私だけ…。一人だけなんて……」
「……せつな。」


こんなにも好きな人と、愛してる人と一緒になれるのが嬉しい事だなんて。
優しくて温かくていつも素直なラブ。

なのに―――


「私、間違ってたのかも。」


~続く~

6-904で完結です。
6-732ラブ視点で描くエピソード1
6-819せつな視点で描くエピソード2
最終更新:2009年11月18日 23:28