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避-121

 祈里……アタシ、本当は行かないでってあなたを止めたかったのよ。

 皆が誘われたのならまだしも、祈里ひとりだけ、しかも相手は御子柴財閥のお坊ちゃま。
 心配にならないって言ったら嘘になるわよね。

 でも祈里の前では、アタシはいつだって完璧でいたいから……。

 行かないでなんて、絶対に言えない。言えやしない。

『お土産話、待ってるから!』

 そう言って別れたけれど、後からすっごく落ち込んだわ。
 ダンスタイムになれば、健人くんが誘わない訳ないし。祈里は優しいから、断れないだろうし。
 あんなに可愛い祈里だもの、他にも誰かに誘われるかもしれないし。
 ううん、それだけじゃない。
 もしも……もしもよ。祈里が健人くんを好きになったりしたら……?
 どうしよう……どうしてアタシ、祈里に行かないでって言わなかったの?

 祈里……何処にも行かないで。いつだって、アタシだけを見ていて。
 アタシには他の誰よりもあなたが眩しく見える。

 明日の船上パーティーでもアタシを思い出してほしくて、祈里にメールしちゃった。

『でも、困った事があったらすぐ連絡ちょうだいね』

 そしたらすぐに、あなたから返信が。

『ありがと!絶対連絡するからね』

 アタシはリンクルンをそっと抱きしめた。
 あなたはアタシが見守ってるわ。だから愛しい祈里、ゆっくりおやすみなさい。夢の中で会えますように……


6-792は祈里の気持ち…
最終更新:2010年01月06日 00:03