避-219

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「ふふ、そうやってると本当にラブちゃんってお母さんみたいね」

 眠っているシフォンを抱いて、揺り籠のように腕を揺らしているあたしに、ブッキーは言った。
 ここはあたしの部屋……いつもならせつなと美希たんもいるはずなんだけど、今日はたまたま二人とも
用事があって、珍しくあたし達二人だけ。

「んー、そうかなあ~。あたしからしたらブッキーの方がお母さん役は似合ってると思うけど……」
「え?わ、わたし?」
「だってホラ―――」

 チラッとブッキーの胸元に目をやる。
 ……ど、どうしたら同い年でここまで差がつくんだろ……。

「ら、ラブちゃんどこ見てるの―――!!」

 あたしの視線に気が付いて、顔を真っ赤にして慌てて胸元を押さえるブッキー。
 にはは~と誤魔化すように笑って、あたしはある事を閃いた。

「そだ。今日は二人きりなんだし、どーしんに帰って、おままごとでもしない?」
「おままごと?」
「―――そ。美希たんがいたらバカバカしいって言いそうだし、せつなはおままごとって知らないし―――
あたし達二人だけだったらいいんじゃないかなって」
「―――おままごとかぁ……そう言えば子供の頃よくやってたわよね―――」

 少し遠い目をしながら懐かしむように言うブッキー。
 ……にへへ……あたしの考えてる事も知らないで……。
 気が変わらないうちに、と少し早口であたしは言う。

「じゃ、決まりね。それじゃあブッキーはお母さん。似合ってるかどうか試してみようよ」
「……ん、いいわよ。じゃあシフォンちゃんが赤ん坊役で、ラブちゃんは―――」

 スヤスヤと眠っているシフォンをベビーベッドに寝かせて、あたしはブッキーの隣へと移動する。

「何言ってるの?ブッキー。シフォンじゃまだブッキーがお母さん役に向いてるか発言できないでしょ?」
「え?じゃ、じゃあまさか―――」

 正座しているブッキーの膝へと頭を横たえ、彼女の太股を撫でる。

「あたしに決まってるじゃない」


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「ちょ、ちょっと!!ラブちゃん!!」

 さすがに焦ったのか、ブッキーはあたしを起こそうと両手を肩に……。
 ふふ~ん、そう来ると思ってた。

「びえぇぇぇ~ん!!」
「わ!!どうしたの!?か、髪の毛でも挟んじゃった!?ご、ごめんなさい!!」

 あたしの泣き真似を真に受けて、オロオロするブッキー。
 あたしは笑い出すのを堪えながら。

「赤ちゃんなんだから、もっと丁寧に扱わないとダメだよ。今のでマイナス10点」
「え?も、もう始まってるの?!」
「ブー。赤ちゃんに話し掛けるようにもっと優しく。マイナス20点」
「だ、だってどうしたらいいのか……」

 慌てながらも、じっと見つめるあたしの視線に気が付いたのか、彼女は無理に微笑んで。

「ま、ママどうしたらいいのか分からないんでちゅ~。ご、ごめんね、ラブちゃん」
「プ……キャッキャッ」

 彼女の赤ちゃん言葉が可笑しくて、吹き出しそうになりながらも、あたしも赤ちゃんの真似を続ける。

「あ、よ、喜んでくれたみたいでちゅね……よ、良かったでちゅ……」

 恥かしそうに赤ちゃん言葉を喋り続けるブッキー。
 あたしは彼女の膝の上に顔を仰向けにさせると、カタコトで喋り始める。

「ママ……お腹ちゅいた……」
「え!?……あ、そ、そうだ。たしかキュアビタンの哺乳瓶が……」
「びえぇぇぇぇぇ~ん」
「え!?え!?こ、今度は何……なんでちゅか~、ラブちゃん?」

 再びの泣き真似に、彼女はうろたえ出す。
 ―――さて、と。これからだわ。
 あたしは身体を起こし、彼女へと抱きついて。

「……ママのおっぱいじゃなきゃ、ヤダ」
「え!!!???ら、ラブちゃん!!!???」

 そのまま床へと彼女を押し倒すと、着ているトレーナーを捲くり上げようとする。

「や!いやだ!!!ら、ラブちゃんったら!!やめ―――」
「……あんまり大きい声出すとシフォンが起きるよ。それに、赤ちゃんにはやっぱり母乳でしょ?マイナス
30点」
「で、でもこんなのおままごとじゃな―――」
「はい、赤ちゃん言葉じゃない。マイナス40点」

 ま、おままごとじゃないのは百も承知よ。
 最初からあたしがやりたかったのはこれ。

「ママのおっぱい、ラブ、飲みたいよ~」
「う……ふ、フリだけ……フリだけでちゅよ……ラブちゃん……」

 観念したのか、騒いでシフォンを起こしてしまうのを懸念したのか、彼女は小声で言った。
 こうなればシメたもの。あたしは彼女のトレーナーを、胸につかえそうになりながらも、上まで押し上げた。

「……うわぁ~」

 正直な感想の声がこれ。
 な、何?この大きさ……このボリュームは反則でしょ……。

「……ブッキー、パインじゃなくてメロンの方があってるんじゃ……」
「ば……ばか……」

 両手で恥かしそうに顔を覆ってしまうブッキー。
 その隙に、あたしはフロントホックになっている彼女のレモンイエローのブラジャーの留め金をパチン、と
弾いて。

「ラ、ラブちゃん!!」

 異変に気が付いて、急いで胸を隠そうとするブッキー。
 ……でも残念、あたしは彼女の両腕を咄嗟に押さえつける。
 ブラの拘束から解かれても、横に垂れたりせず、綺麗に形を保っている胸……そして……。

「……綺麗なピンク色……あ、でも乳首の周りの輪っかは少しだけあたしやせつなより大きいでちゅね」
「や、やだぁ……そんなにじっくり見ないで……は、恥かしいよぅ……」
「へへ……ゴメンね、ママ。じゃ、さっそくいただきま~ちゅ!」

 ぱくん、と彼女の乳首を口へと含み、そのままワザと大きな音を立てながら吸う。

「ちゅちゅ……じゅじゅじゅ~……ちゅるうう」
「そ、そんな……や、やらしい音……ん……あ、赤ちゃんは……んん!!」

 大きさのみならず、感度まで良好と見えて、ブッキーの声にはすぐに甘い物が混じり始めた。
 抵抗も収まってきたとみるや、ブッキーの両腕を押さえていた手を片方放す。
 ブッキーは空いた手であたしを突き放すどころか、あたしの頭を優しく抱えてきて。

「ふ、ふぁあ……だ、ダメなんだよ……ホントは……こんなこと……」

 あたしは吸ってない乳房へと手を伸ばし、その感触も楽しむように揉み始める。
 すごい……何このふわふわ……。

「んんっ!!こんなエッチな赤ちゃ……ん……いな……いよぅ……」

 口内にある乳首をねっとりと舌で転がし、時折歯で甘噛みする。
 その一方で、人差し指と中指で挟んだ乳首を刺激し、掌全体で胸を揉み解す。
 ―――そりゃ、こんな赤ちゃんいないよね。
 心の中で苦笑いして、ちょっと目線を上げて彼女の表情を覗き見る。
 真っ赤に火照って目を潤ませ、息も絶え絶えなブッキー。その顔は、同性のあたしから見ても妖艶で。

「……んー、いくら吸ってもミルク出ないでちゅね~」
「………あ、当たり前じゃ……ご、ごめんなちゃい……ま、ママを許ちて……」
「やだ~!ママのミルク吸いたいでちゅ~!!」

 ……駄々を捏ねる真似をして、ブッキーの固く尖った乳首を強めに噛む。

「ぃ……痛いッ!!ら、ラブちゃ……」
「出ちてくれるまでやめまちぇん!!」

 歯に力を込めるたびに彼女は小さな悲鳴を上げる。
 おっかしいの~。止められなくなちゃいそう……。

「ぷはっ!!赤ちゃんにおっぱい吸われて、そんな顔するお母さんだっていないよ?マイナス50点」

 ちゅぽんっ、と乳首から口を離して、にんまり笑いかけた。
 その言葉が羞恥心を刺激したのか、首をふるふると振りながら彼女は否定の言葉を弱々しく口にする。

「ら、ラブちゃんがそんなにママのおっぱいいじるから……でちゅ……い、いけないコ……め!でちゅよ
……」

 この期に及んでまだ赤ちゃん言葉は忘れてないんだ。感心感心。っていうか楽しんでない?ブッキー。

「あ~、おなかいっぱいでちゅ。ごちそうさまでちた、ママ」
「あ……はぁ……も、もう終わりでい、いいの……いいんでちゅね……」

 ホッとしたような声。でもその中に残念そうな響きがある事を、あたしは聞き逃さなかった。
 これなら、まだいけそう。
 顔を逸らしてほくそ笑むと、安心しきった様子の彼女に告げる。

「おいちかったでちゅ~。で、ね。ママ……聞きたいことがあるんでちゅけど……」
「ん……?な、何でちゅか?ラブちゃん……」

 手を彼女の太股へと移動させて、ゆっくりと撫でさすると、少し汗ばんだ感触が伝わってくる。
 この分だときっと―――。

「あのね……赤ちゃんって、どこから生まれてくるんでちゅか?」
「!!」

 ぎこちなく微笑んでいた彼女の顔が、一瞬で凍りついた。


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 閉じようとする彼女の足より、あたしが腰をその間に割り込ませる方が早かった。
 その付け根へと手を伸ばし、下着の上から秘裂を擦る。

「だ、ダメぇ!!ら、ラブちゃん!!そこだけは絶対にダメぇ!!」

 言葉とは裏腹に、彼女のそこはもう充分に潤っている事が下着の上からでも分かる。
 あたしは股布の部分の生地を上へと引っ張り、彼女の淫らな部分へと食い込ませた。

「……赤ちゃんの疑問には答えてくれなきゃ……マイナス60点」

 そのままブッキーの股間に食い込んだ布をゆっくりと上下させる。
 彼女は歯を食いしばって耐えているようだったけど、その足からは込められていた力が徐々に失われて
きていた。
 この分だと音を上げるのもそう時間は掛からないかな。でもそれじゃつまんないし……。
 今度は乳首だけじゃなく、そのボリュームある胸全てに舌を這わせて、からかうように彼女に問う。

「……ね、ママ。あたしがいるって事は、初めてじゃないでちゅよね?じゃあパパは―――美希たん?」
「!!み、美希ちゃんとは―――あ、ああぁッ」

 答えようと口を開いた途端、押さえていた喘ぎ声が流れ出す。
 そうそう、これこれ。嫌がりながら声を漏らすっていうのが好きなんだ。

「ねー、ちゃんと答えてってば~」
「あぁぁっ!……み、美希ちゃ……ん……とは……こ、こんな……やらしい……事」
「ふぅ~ん……じゃあ確かめてもいいよね?」
「うぁ……え……な、なんて……」

 ブッキーが不思議そうにあたしの顔を見つめる。
 へへ~。確かめるって言ったらこれしかないでしょ?
 あたしは布地を動かすのを止めると、その部分を横へとずらした。

「ま、まさか……ら、ラブちゃん……じょ、冗談……だよね……?」
「ブー。また赤ちゃん言葉使えてないよ?マイナス70て~ん」

 にっこりと彼女に微笑みかけると、あたしはブッキーの股間の潤滑油で指を充分に濡らして―――。


 ぬるんっ!!


「あああぁぁぁぁッ!!!!」

 あたしの指を侵入させた途端、彼女は腰を浮かべ、ほとんど悲鳴といってもいい声を上げた。

「――――ほら、やっぱり初めてじゃなかった~。ウソついたから、マイナス80点」
「あ、ああぁ……こ、こんなの……こんなのいやぁ……」

 さすがにショックだったのか、ブッキーは涙を滲ませてあたしを押し放そうとしてくる。
 だけどダメダメ。
 あたしはもう片方の手で彼女の顔を引き寄せる。

「大きな声出すと、シフォンだけじゃなくて近所にも聞こえちゃうよ?」
「あああぁっ!!ひ、ヒドイ……よ……ラブ……ちゃ……」

 さすがにこのままだとマズイかな……もうちょっと嫌がる声聞きたかったけど……。
 最後まで言わせることなく、あたしは彼女の唇を自分の唇で塞ぐ。
 意外にも、というかもうそんな力は残っていないのか、ブッキーはその口内に簡単にあたしの舌を侵入
させた。

「ん―――!!ん―――――!!ん―――……」

 ちゅるるっ、ずずっ、れろぉ……。

 絡まりあう舌と舌。
 お互いの唾液を啜りあうかのような深いキス。
 指はブッキーの膣内を優しく、時には激しく動きつづけ、刺激しつづける。
 やがてその快楽に負けたのか、それとももはや諦めの境地なのか、ブッキーの身体から完全に力が抜けた。



「―――ふう、これでママも素直になった?」
「ん……はぁん……あはぁ……」

 口を放しても、そこからはもう蕩けたような吐息が漏れるばかり。
 その表情も緩みきっていて、口をだらしなく半開きにしたまま、気持ちよさそうに目を潤ませている。

「うっわー……やっらしい顔……そんなエッチな顔赤ちゃんに見せるなんて……マイナス90点」
「ふ……ふあぁ……うん……ん……」
「あーもうすっかり出来上がっちゃった?ダメなママでちゅね~。それじゃあ……」

 あたしは伸ばしている手の親指の腹で、一番敏感な部分……陰核を刺激する。

「ぁああっ!!あ、ふぁ!!ああぁ!!」
「ホラ、気持ちいいでちゅか?気持ちよかったら一番恥かしい顔、あたしに見せてくれてもいいんでちゅよ~?」

 膣内を抉る指のスピードを上げ、陰核を責める親指もその勢いを増す。
 舌は固くしこった彼女の乳首を舐め上げ、もう片方の手は食い込むほどに胸を握っていた。

「……ホラ、イッちゃっていいよ!ママ……ホラ――――」

 ブッキーの身体が、あたしの言葉に合わせたように弓なりに反る。



「ああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」



 一瞬硬直した後、彼女は背中から床へと落ちた。
 その身体はビクビクと震え、うっとりとした顔はまだ余韻に浸っているかのよう。

「わは~……派手にイッたね~、ブッキーママ……」

 ぬるり、とブッキーの中から指を引き抜く。
 すご……ふやけちゃってるじゃない……。
 ワザと彼女に見せつけるように、その指を、ぺロリ、と舐める。

「あ……あ……」
「もう恥かしがる元気も無いか~。つまんないの~。それにしても赤ちゃんに負けちゃうなんて……」

 あたしはブッキーに微笑みかけた。


「……マイナス100点、ゲットだよ?」


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 あ~面白かった。たまにはこういうのもいいよね。
 問題はせつなに告げ口されたらだけど……ま、ブッキーだって美希たんにバレたら困るっしょ。
 う~ん、と背伸びをして、ふと喉の渇きを覚える。
 確かジュースが冷蔵庫に入ってたっけ。ブッキーも起きたら欲しがるかな。運動した後だし。

「よいしょっと」

 身体を起こして、ドアへ向かおうとする。


 ―――ガシッ。


「……へ……?」

 ぐったりと身を横たえていたハズのブッキーが、いつの間にか身を起こし、あたしの手首を捕まえていた。


「あ、あれ?ブッキー?もう大丈夫なの?あたしジュース持ってくるから……」
「………」

 やっばー……やっぱり怒ってるかな……。
 無言のブッキーの迫力に押されるあたし。

「……ジュースなんてダメでちゅ。ラブちゃん」
「――――――へ?」

 ?マークの浮かんだあたしを、ブッキーは思いきり引っ張る。
 そのせいでバランスを失ったあたしは床へと倒れこんだ。
 その上に、ブッキーが身体を被せてくる。

「―――ママを放っておいて、勝手にジュース飲むなんて、ダメでちゅ」
「え?い、いやブッキー、もうおままごとは―――んんッ!!」

 あたしの言葉を遮るように、彼女はあたしの乳首をギュウッ!と摘み上げた。

「い、痛ッ……ちょっとブッキー!」

 非難の声なんて聞いてもいないように、彼女は幼い顔に淫らな微笑を浮かべて。

「ママに対してその言葉遣いはなんでちゅか?ラブちゃん……」

 あたしの耳元に顔を寄せ、ブッキーが囁く。



「マイナス10点」







                                      了




避-262は続きですが閲覧警告です。R-21指定になります。
最終更新:2010年05月04日 23:21