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8-505

 ねぇ、シフォン。
 聞こえているかしら?
 私の、子守唄。

 もし、聞こえていたのなら、教えて欲しいの。
 私――――うまく、歌えてるかしら?

 私ね、シフォン。
 子守唄を歌ってもらった記憶が無いの。
 忘れたとかじゃなく、きっと私は、そんな風に育てられたから。
 子守唄を歌ってくれる人が、いなかったから。

 だから、ね。
 自分がうまく歌えているか――――自信が無いわ。

 でもね。
 でも。
 気持ちだけは、たっぷりと込めているつもり。
 だって、知っているから。
 この気持ちを、私は知ってるから。

 注がれる、愛を。
 決して消えない、希望を。
 穏やかな、祈りを。
 暖かな、幸せを。

 教えてくれたのは、お母さん。
 私とラブのお母さん。
 ――――私の、お母さん。

 お母さんから受け取った、愛。希望。祈り。幸せ。
 それを込めて、私、歌うわ。

 貴方に、伝えたいの。
 私が感じた想いを、貴方にも感じて欲しいの。

 だから、私は歌う。
 シフォン、貴方へと。
 私の大切な、貴方へと――――



         長くもがなと 思いけるかな  ――――Grand Finale――――



「ランラン ランラン ラララララン ランランランラン ラララララン」

 せつなは、歌う。
 目を閉じて、手を広げて。願いを込めて、歌う。
 子守唄を。シフォンに届け、と。

「何を……?」

 戸惑う、ノーザ。当然だろう。突然、戦っていた筈の敵が歌いだしたのだから。
 一体、何が目的で――――困惑する彼女の耳に、

「ランラン ランラン ラララララン ランランランラン ラララララン」

 また一つ、声が重なる。


 歌い始めたのは、キュアピーチ。
 脚をふらつかせながら立ち上がった彼女が、パッションに合わせて、歌う。
 どちらも瞳を閉じていて、互いに視線を交わすことすらない。それでも、二人の歌声は、見事に唱和して。

『ランラン ランラン ラララララン ランランランラン ラララララン』

「なんだ? なんであいつらは、歌っているんだ?」
「一体――――?」

 首を傾げる、ウエスターとサウラーを横目に眺めながら、ベリーとパインも、仲間の意図に気付いて、互いに頷き合う。
 そして、やはり立ち上がったその場所で、

「ランラン ランラン ラララララン――――」
「――――ランランランラン ラララララン」

 歌い始める。


 響く、四つの声。
 重なり合って、溶けていって。


『ランラン ランラン ラララララン ランランランラン ラララララン』
『ランラン ランラン ラララララン ランランランラン ラララララン』

 同じメロディを、繰り返しなぞる。
 何度も、何度も。一心不乱に、何度も。

「なんだというのだ!!」

 得も言われぬ戦慄に戸惑いながら、ノーザは木の根を振るい、彼女達を打ち据えようとした。
 が。

「なにっ!?」

 驚きに、彼女は目を見広げる。
 木の根が少女達の体に達しようとした瞬間、彼女達の腰に付けたリンクルンが突然、輝き始め、その体を包み込ん
 だのだ。
 そうして現れた光の障壁が、木の根を弾き返す。プリキュア達は、何事も無かったかのように歌い続けていて。

『ランラン ランラン ラララララン ランランランラン ラララララン』

「――――くっ!! やりなさい、ソレワターセ!!」
「ソレワターセッ!!」

 ノーザの命令に従い、無数の触手が少女達を襲う。つい先ほどまで、彼女達を苦しめていたその触手は、しかし、
 やはり光に阻まれて届かない。
 どれほど叩いても、弾いても、突き刺しても。
 光は、消えない。むしろその輝きを増すばかり。

 その中で、彼女達は歌う。
 一途に、シフォンを想いながら。


 シフォン。聞こえる?
 元に戻ってよ、シフォン。また一緒に、アタシとドーナツ、食べようよ。

 シフォン。お願い。元に戻って。
 可愛い服を、シフォンに似合う服を、あたしが選んであげる。

 シフォンちゃん、元に戻って!!
 わたし、シフォンちゃんと、まだまだお話したりないわ。もっとお話、しよ?

 シフォン。シフォン。
 元に戻って。そして、またアカルンでお出かけしましょう。シフォンの笑顔、いっぱい見たいわ。


『ランラン ランラン ラララララン ランランランラン ラララララン』


 ノーザ達は、気付いていなかった。
 あまりに、目の前で起きていることが信じられなかったから。
 プリキュア達の歌う姿に驚いていたから。
 気付かなかった。

「ワガナハ インフィニティ ムゲンノ――――ワガナハ……ワガナハ……」

 その背後で、インフィニティに――――シフォンに起きた異変。
 彼女を包んでいた灰色のオーラが、徐々に薄まっていっていること。
 逆に、額のマークが少しずつ、明るい色を取り戻し始めていること。
 少しずつ、その瞳に光が溢れてきたことに。
 気付かなかった。

『ランラン ランラン ラララララン ランランランラン ラララララン』

 響く。響く。
 少女達の歌声が、響く。

 それは、愛のメロディ。
 希望のリズム。
 祈りのハーモニー。
 そして、幸せのラプソディ。

 光が、広がっていく。
 全てをその内に、飲みこんでいく。
 歌い続ける、少女達を。
 成す術もなく立ち尽くす、ラビリンスの幹部三人を。
 シフォンを。

 そして光が、闇を掃う。
 声が、彼女を包み込む。

『ランラン ランラン ラララララン ランランランラン ラララララン』

 その子守唄が――――彼女達の歌う、子守唄が。
 届く。響く。癒す。

 やがて。

「ワガナハ――――キュアキュア、プリプー!!」
「なにっ!?」

 驚くノーザの目の前をすり抜けて、シフォンが飛ぶ。少女達の元へと、一直線に。
 それに気付いたのは、ピーチとパッション。駆け寄り、両手を伸ばす二人。

「キュアキュアー!!」
「シフォン……」



 彼女が飛び込んでいったのは、パッションの――――せつなの、腕の中だった。すっかり元に戻り、楽しげにはしゃぐ
 彼女の様子に、パッションは目を細めて笑う。
 顔を上げると、すぐ側に、ラブがいた。彼女も、笑っている。にこやかに。
 すぐに駆け寄ってきたベリーとパインも、同じく。
 四人の顔に浮かぶのは、充足。取り戻すことが出来たことを、純粋に喜ぶ気持ち。

「お前達っ!!」

 それを打ち破らんと、ノーザが飛び込んでくる。ソレワターセが、触手を振るう。
 だが。

「ふっ!!」

 ノーザが伸ばしてきた手を、ピーチが拳で跳ね上げる。

「はっ!!」
「やぁっ!!」

 ソレワターセの触手を、ベリーとパインが弾く。そして、

「シフォン、また後でね――――アカルン!!」

 最後に一瞬、笑んで見せて。
 パッションがアカルンの力でシフォンを飛ばす。タルト達が待つ、家へと。

「――――!! おのれっ!!」

 呪詛の声を、ノーザが漏らす。ほぼ手中に収めかけたインフィニティが、指の隙間を滑り落ち、こぼれたことを知ったから。
 ギリッ、と歯ぎしりをしながら、彼女は激怒に燃える瞳をパッションへと向ける。

「イース、貴方――――私の言ったことを、覚えていないのかしら」

 言いながら、彼女は服の裾からソレワターセの実を転がす。弾けるようにして膨らみ始めたそれは、すでに在ったソレ
 ワターセを飲み込み、さらに巨大なものへと生まれ変わらせて。

「お母さん――――貴方の大切な彼女が、どうなってもいいと言うのね?」
「――――っ!!」

 彼女のその言葉に、息を飲むピーチ。

「守るわ」

 だがパッションは、短く、そして強い口調で打ち消す。その瞳には、凛とした光が輝いていて、一点の曇りもなく。

「お母さんも、シフォンも――――この世界も。私が――――ううん、私達が守って見せる!!」
「――――パッション!!」

 迷いの感じられない、真っ直ぐな言葉に、ピーチの目が微かに潤む。
 何よりも嬉しかったのは、私達と言ってくれたこと。自分一人で背負いこまず、皆でなんとかすると言ってくれたこと。

「綺麗事を――――!!」

 ノーザの怒りに呼応するかのように、さらに巨大化したソレワターセが暴れ始める。縦横無尽、無茶苦茶に振り回
 される触手が、壁を破り、工事車両を吹き飛ばしながら、少女達へと振り下ろされる。

「どうしてそこまでする、イース!!」

 飛び上がってかわしたキュアパッションに振るわれる、ノーザの拳。受け止めた彼女に顔を寄せて、ノーザは問いかける。




「所詮、貴方はラビリンスの人間。この世界に、不幸をもたらしに来た存在――――どうしたって貴方は、イースであった
 ことからは逃れられない」

 その台詞に、パッションが眉を曇らせたことを、ノーザは見逃さなかった。
 畳みかけるように、彼女は続けざまに攻め込む。

「そんな貴方が、誰かの幸せの為に、この世界を守ろうだなんて――――本当に、貴方の居場所はここにあるのかしら?」
「あるよ!!」

 ノーザの言葉に答えたのは、キュアピーチだった。横合いから、飛びかかってきた彼女の拳を、舌打ちをしながら
 かわし、ノーザは二人から距離を取る。そんな彼女にじっと目を据えて、ピーチは言う。

「パッションは――――せつなはこっちの世界にちゃんと、自分の居場所を持ってる!! だからもう、イースには戻らないよ!!」
「それはただ、プリキュアとしてだけではなくて? プリキュアでなくなれば、貴方達がいなくなれば、その居場所は
 無くなってしまうのでしょう?」
「――――最初は、そう思ってたわ」

 嘲るようなノーザの言葉に、静かに答えたのは、キュアパッションだった。
 背筋を伸ばし、胸を張って、彼女は立つ。しっかりと、大地に――――この世界に、足を踏みしめて。

「私にとって、皆が――――プリキュアだけが、この世界と私を繋ぐものだった。だから、皆がいなくなることが一番
 怖いと、そう思っていた」
「せつな――――」

 ソレワターセの触手にキックを叩きこみ、華麗に着地したベリー、美希は、その言葉に思い出す。いつか、背中越し
 に伝えられた告白――――彼女が一番怖いのは、あたし達がいなくなること、というのを。

「今でもそれは怖いわ。怖くて、たまらない――――だから、あんな夢を見せられたんでしょうけれど」

 脳裏をよぎるのは、あの悪夢のこと。あの中で感じた絶望は、はっきりと思い出される。不思議な現実感を伴いな
 がら。

「でもね――――もう、それだけじゃないのよ」

 そう。それだけじゃない。
 プリキュアであるということだけが、私がここにいる理由じゃない。

「私には、お母さんがいる。お父さんがいる。私がプリキュアでなくても、私の幸せを祈ってくれる、大切な人達がいる!!」
「せつなちゃん――――」

 良かった。心の底から、祈里は思う。ちゃんと伝わっていた、わたしの気持ち。あのジャージに込められた想い。
 キュアパッションの為じゃなく、せつなちゃんの為に作った、せつなちゃんの為だけの、あのジャージ。

「私はもう、イースじゃない!! この世界に生きる、東せつなよ!!」
「それでも!!」

 今度は、ノーザがパッションの言葉を否定しようとする。

「それでも、貴方がラビリンス総統、メビウス様のしもべ、イースであったことは消えないのよ」

 ――――っ!!
 一瞬、言葉に詰まる、せつな。
 その手が、不意に握られる。強く、ギュッと。

「ラブ――――」

 パッションが向けてきた視線に、キュアピーチはゆっくりと、深く頷く。
 伝わってくる、ぬくもり。鼓動。
 それが彼女を目覚めさせてくれたことを、せつなは思い出して。
 ギュッ、と握り返し、力強く頷いて見せる。



「確かに、私はイースだった――――その過去は消せない。一生、背負っていかなければいけないこと」

 けれど――――せつなは、そう続ける。続けながら、皆を見る。
 祈里を。美希を。そして、ラブを。

「それでも――――それを知ってても、私を受け入れてくれる人がいる!!」

 大切な、親友達。
 プリキュアでなくても、きっと、彼女達は。

「こんな私に、優しさをくれる人がいる!!」

 脳裏によぎるのは、あゆみの言葉。うなだれるせつなに、彼女は言ってくれたのだ。
 一つ一つ、やり直していけばいい、と。

「幸せを願ってくれる人達がいる!!」

 お父さん。お母さん。カオルちゃん、ミユキさん、商店街の人達、タルト、長老――――笑顔を向けてくれた人達の
 ことを、せつなは思い出す。

「そんな皆の幸せを、私は守りたい――――!!」

 シフォンの姿が、瞼の裏に浮かぶ。
 かつて、あんなにも渇望したインフィニティ。今はもう、何も感じない。ただ、シフォンを守りたいとだけしか。

「だから私は、もう逃げない!! イースだったことに、押し潰されたりしない!! 私を大切に思ってくれる人がいるから!! 
 そんな皆が大事だから!! 自分がどうなってもいいなんて、思わない!!」

 この世界に、確かな絆があることを、せつなは感じる。
 愛されていることを、感じる。
 どうすればその愛に応えられるだろう――――ずっと悩んでいた。
 わからなくて、ただ、絶対に守ろうと思っていた。
 この命に代えても、と。私なんかの命で、皆の幸せが守れるならば、と。
 それが間違いだったと、今はわかる。
 自分が死ねば、愛をくれた人達が悲しむ。絶望にかられる。
 皮肉にも、それを教えてくれたのは、ソレワターセの力。
 愛し、幸せを願っていたラブが死んだという悪夢を見たことで、彼女は知った。残された者の悲哀を。
 そして、教えられた。自分がいなくなれば、同じように絶望を感じる人がいることを。

 ようやく、せつなは気付いた。
 皆に与えられた愛に応えること、それは――――
 自分が、幸せになること。

「私は幸せのプリキュア、キュアパッション!! 皆の幸せを守る!! そして、私も幸せになる!! それが、私に出来ること!!」

 それが、彼女なりの、贖罪。
 真っ直ぐな瞳で、せつなはノーザを見据える。
 慄く彼女に向けて、しっかりとした声で、せつなは言った。


「幸せになってはいけない人なんて、一人もいないのよ!!」


「ええい、黙れっ!!」

 ノーザの叫びと共に、ソレワターセがさらに巨大化する。ロードローラーや辺りの資材を飲み込みながら、さらに
 大きく、さらに醜悪な形相へと変わる。
 だが、それを見つめるプリキュア達の目に、恐れは無かった。
 澄んだ視線に秘めるのは、決して負けないという強い意志。



「プリキュアを倒せっ、ソレワターセ!!」

 ノーザの声と共に振り回される触手が、辺りの全てをなぎ倒す。
 無数に振り回されるそれをかわし、跳ね飛ばし、彼女達はひとところに集う。

「皆――――行くよ!!」

 ピーチの言葉に、仲間達が頷く。
 そして、世界に響けとばかりに、彼女は朗々と声を上げた。

「クローバーボックスよ。アタシ達に、力を貸して!!」

 ピーチが手を振り上げると同時に、その背後に光の柱が吹き上げる。
 それは、時空を越えて届いた力。
 クローバーボックスが、開く。その中のハートが、桃、青、赤、黄と輝き出して。
 それに呼応するかのように、プリキュア達が腰に下げるリンクルンが光を放つ。

「プリキュア・フォーメーション!!」

 両手を広げて叫ぶピーチ。それに応えるように、少女達は自らの位置に付き、構え、そして、

「レディー――――ゴー!!」

 弾けるように駆け出す。巨大な敵、ソレワターセへと向けて。

「そうやすやすと!!」

 ノーザが叫ぶと同時に、ソレワターセの触手が、駆けるパッションへと振り下ろされる。
 鞭のようにしなるそれが次々に襲いかかってくるのを、だがパッションは全てかわす。
 そして、自らの胸元に手をやって、叫んだ。

「ハピネスリーフ!! セット!!」

 手と手の間に生まれる、幸せの葉。赤に輝くそれを掴み、

「パイン!!」

 パッションは、仲間へと投げる。


「させるか!!」
「ええっ!?」

 はるか前方に投げられたそれを取ろうと走る、パイン。そこに現れたのは、ウエスターだった。
 並ぶようにして走る彼の姿に、彼女は驚きながらも必死に走る。

「とぅっ!!」

 そして、勢い良く飛び付き、投げられたハピネスリーフを奪い取ろうとするウエスター。
 だが、その指先で触れることしか出来ず、彼は無様に地面に転がった。

「むぎゅっ!!」

 そんな彼を横目で眺めながら、パインは、大事に包み込むようにして、パッションから託されたリーフをその手に掴む。

「プラスワン!! プレアーリーフ!!」

 祈りの力が込められた黄色のハートが加えられたそれを、パインは飛ばす。

「ベリー!!」



「行かせない!!」
「邪魔よ!!」

 立ちはだかるサウラーに叫びながら、ベリーは身を低くする。
 させない――――!! 思いながら、自分も腰を落とし、彼女を抜け出させまいとする彼だったが、

「はぁっ!!」

 勢い良く踏み込んだ彼女が、宙に舞う。ちょうどいい位置にあったとばかりに、サウラーの肩に足をかけて、高く、高く。

「僕を踏み台にした!?」

 唖然とする彼に構わず、彼女は、飛び来るリーフを見ることすらなく――――最初からここに来ることがわかっていた
 とばかりに完璧に、片手で受け止める。

「プラスワン!! エスポワールリーフ!!」

 青い、希望のしるしが、彼女の願いに応じて生まれる。三つの葉で出来たそれを、ベリーは託す。

「ピーチ!!」



「はっ!!」

 宙高く舞うそれを受け止めるべく、ピーチは飛び上がる。

「ええいっ!! ちょこまかとっ!!」

 リーフに目を向け、無防備な姿の彼女に向けて、ノーザが飛び上がる。ピーチを叩き落とそうと、彼女が木の根を
 振るおうとした瞬間、

『トリプル・プリキュア・パーンチ!!』
「なに――――っ!?」

 突然、目の前にベリー、パイン、パッションが現れる。咄嗟にガードを固めるが、それでも勢いは殺しきれず、地面に
 叩きつけられてしまって。

「くっ――――瞬間移動か!!」

 立ち上がりながら、呻く彼女。
 パッションはそれを見て、ふぅ、と息を吐く。彼女がピーチを狙っていると勘付いた瞬間、アカルンの力で瞬間移動
 を繰り返し、ベリーとパインと共に彼女を止めようとしたのだ。
 うまくいって、良かった。思い、胸を撫で下ろす彼女の遥か頭上で、ピーチがしっかりと受け止める。
 三人の力が込められたリーフを。

「プラスワン!! ラブリーリーフ!!」

 そして。
 彼女の愛が、ハートとなって現れる。
 そうして、四つの力が込められた四つ葉のクローバーが出来あがって。
 再び飛び上がるベリー達。
 彼女達から集められた想いを胸に、ピーチはクローバーをソレワターセに向けて投げ付ける。

「はっ!!」

 宙で大きくなったそれの上に、四人の少女は立つ。そして、ソレワターセを四人で囲って。
 それは、彼女達のステージ。
 彼女達だけの、ステージ。



 その上で。
 少女達は、手を振り上げ、声を揃えて叫ぶ。

『ラッキークローバー!! グランド・フィナーレ!!』

 愛と希望、祈りと幸せ。
 四つの純粋な気持ちが、光となって集い、ソレワターセをクリスタルの中に包み込む。

「シュワーシュワー」

 そして。
 ソレワターセは、弾け飛んだ。
 彼女達の想いに、浄化されて。



――――後編へ続く――――


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最終更新:2010年01月11日 15:27