「精一杯頑張って作りました。おとうさん、おかあさん―――ありがとう」
本当は、ラブと一緒に手渡すはずだったチョコレート。初めてだから、手作りよりも
出来たものを渡す方が良いと思ってた。けれど、頑なに手作りに拘ったのはラブ、あなただったわね。
それは、私を引き止めるラブの――――優しい気持ちだったのよね
ラビリンスへ戻ってから感じる事。それは、一人になる事の寂しさ。
「もっと狭い部屋でも良かったのに」
与えられた部屋に不便な所など、何もなかった。
でも、
それが私には逆に辛かった。部屋に帰って来てから
する事と言えば、ラブ、あなたとの思い出巡り。
いけない。タルトとシフォンのプレゼント準備しなくちゃ。
すっごく楽しみにしてると思うの。昨日電話したら絶対期待してないだって。
タルトは相変わらず食べ物で決まりなんだけど、シフォンには何をあげればいいのかしら。
ねぇ、ラブ。あなたならどうする?
一緒に考えてくれる?一緒に買い物に行ってくれる?
そうね、帰りにはおとうさんとおかあさんを呼んで外食とか…
寂しいのかしら―――私
時々、眠れなくなる。 それはラブの家にいる時もあったけれど。
(ねぇ、せつな。一緒に寝ようか?あたしもさ、寂しいんだよ)
「ラブ!?」
おかしいわね。私は夢を、自分の夢を叶える為に選んだ道を進んでるだけなのに。
もちろん、毎日が充実しているわ。忙しすぎて倒れそうなぐらい。もちろん幸せよ?
2月14日。
カレンダーにはピンク色のペンで大きなマル。
考えるだけで落ち着かない私がいて。
私を想ってくれる人たちへ、精一杯の愛を込めて。
一生懸命作るの。渡す人が多くて大変よ?
どうしよう、隼人と瞬のは。勘違いされても困るし。
大丈夫、私は浮気はしないわ。
「ラブ、愛してる」
一人買い物へ出かける。
変わり始めた私の故郷。
徐々にあの町に似た雰囲気になればいいなって。
小さなお花屋さんへ立ち寄る。
色取り取りの綺麗なお花。
「あっ」
私の目に映った赤いお花。
それはまるで、私の心を表してくれてるようだった。
買い物を済ませ、部屋に戻る。
たくさんのプレゼントとチョコレート。こんなに一人で渡せるかしら。
でも、一つだけ違う物がある。
これは私が最後に届ける物。
待っていてね―――ラブ
恥ずかしいから直接は…ね。
そっと私は手紙を包みに入れ、休む事にした。
(でも…やっぱり―――会いたい)
~END~
最終更新:2010年02月16日 23:47