アットウィキロゴ

避-968

明日は日曜日。今夜はちょっとだけ夜更かしして、せつなと映画を見ることにした。

「これはね、アメリカ人の女の子がダンサーになるまでの半生を描いた映画なんだよ。
せつなと一緒に見たかったんだ」
「ニューヨーク、ダンスの本場ブロードウェイのお話ね。本で読んだことがあるわ」

せつなも嬉しそう。DVDをわくわくしながら挿入する。

『あ、だめっ、やめて! 無理、嫌っ。やだ、そうじゃないの、ほんとはやめちゃ、嫌っ!』

絡み合う肢体。若い女性同士が求め合う姿はとても淫靡で、そして美しかった。

「………………………………」
「………………………………」

一瞬何が起こったのかわからなかった。2人とも硬直しちゃって、しばらく呆然と画面を見て
た。
やがてせつなが、がばっと立ち上がって二階に駆け上がっちゃって。ようやくあたしもテレビ
のスイッチを切った。
タイトルは無地。何かの間違いで混入したんだろう……。



コンコン

「せつな、いいかな? さっきはゴメンね。びっくりしたよね」
「ううん。私こそ勝手に上がって来ちゃってごめんなさい」

そう言ってドアを開けてくれたせつなの顔はまだ赤かった。

「驚いたけど、嫌じゃなかったわ。でも、女の人同士でもあんなことするのね。男の人とじゃ
ないと、その――赤ちゃん、できないんでしょ?」

上目使いであたしの顔を覗き込むようにして話してくる。ショックが大きくないことに安心し
た。

「そうだね、でも愛し合うのに性別はないのかも。赤ちゃんを作るためだけじゃないみたいだ
よ。お互いが好きって気持ちを伝え合うために、一つになろうとするんだって」
「それが、愛し合うってことなのね」

恥ずかしいけど、素晴らしいことなのかもしれない。そう言ってせつなは告白した。

「私は人と触れたことがあまりないの。手を握ってくれたのも、抱きしめてくれたのもラブが
初めてよ。それが、とても嬉しくて気持ちよかったの。だから、好きな人と肌を合わせること
ができたら――」

それはどんなに素敵なことなんだろうって。いじらしくて純粋な思いに胸を打たれる。

そっと、せつなの手にあたしの手を近づけてみた。触れるか触れないかの微妙な距離。
せつなの方から指を絡めてきた。熱い手と潤んだ瞳。思い切って口にする。

「ね、せつな。もし、もしだよっ! 良かったら、あたしと――その――してみる?」

せつなはびっくりして目をまん丸に開いてこちらを見てる。
あちゃ~しまった。引かれたかな。

「ごめん、あたしとなんて嫌だよね。ほんと、どうかしてる。忘れて!」

手を合わせて、ごめんなさいって頭を下げる。
開かれた目が艶を帯びて潤む。せつなはあたしの手を解いて頬に押し当てた。

「嫌じゃないわ、ラブ。私はラブとなら――。ラブとしかしたくないもの」



――プチン――パサ――シュル――

お互いに背を向けて、服を一枚づつゆっくり脱いでいく。
言葉もない。何て言っていいかわからない。
最後の一枚を脱ぐのは、本当に物凄く勇気がいった。

「不思議ね。一緒にお風呂に入ったこともあるのに、こんなに緊張するなんて」

せつなの声が震えている。両手で体を懸命に隠してる。あたしも同じようにした。恥ずかしい。
期待と不安がせめぎ合い、震えが止まらない。

「え、と、よろしくおねがいします」
「ラブ――よろしくおねがいします」

二人で同じこと言って、そして吹きだした。でも、おかげで少しリラックスできたみたい。

胸を隠すように覆う、せつなの手を取って抱き寄せる。お互いの裸身が露になる。

「せつな。キス、するよ」
「うん……」

そっと唇を重ねる。ふっくらと柔らかい感触。せつなの甘い髪の匂いが鼻をくすぐる。
うっとりとした表情、潤んだ瞳がとても色っぽかった。あたしもこんな顔になってるのかな。
恥ずかしくなって、照れ隠しに言葉を探した。

「お互い、ファーストキスだよね」
「うん――。普通、こんな形でしないわよね」
「裸でベッドでなんて、そんな人居ないよね」

おかしくなって二人で少し笑ってから、また唇を求めた。
重ねてはすぐ離れ、それを繰り返す。そのほうがより唇の柔らかさを感じられた。やがて、そ
れも物足りなくなる。
唇の奥の湿った感覚。それを求めて唇を、舌を割り込ませようとした。せつなは歯を閉じて拒
もうとした。
それなら――。
空いた左手でせつなの胸をそっと撫でた。ぞくっと、せつなの体が震えて叫び声をあげる。
その瞬間に舌を滑らせた。

「んっ、んん、ん~」

せつなの細い舌先を探り当てる。舌と舌が触れ合った時、あたしの体にも電流が走る。
(なに、これっ、気持ちいい)
ただこれだけのことが、こんなに気持ちいいなんて思わなかった。
味なんてあるわけないのに、甘い。頭がとけてしまいそうになるくらい、せつなの舌は甘かっ
た。
夢中になって、息をするのも忘れてキスをした。絡ませあった。長い時間のあと、荒い呼吸が
静かな部屋に響き渡る。

せつなを抱き寄せてベッドに倒れこんだ。
せつなの肌。せつなの髪。せつなの布団。胸いっぱいにせつなの空気を吸い込んだ。
髪の匂いが特に好き。シャンプーの香りなんてとっくに飛んでる。せつな本来の匂いは、例え
るなら花のよう。

髪に顔を埋めると目の前に耳たぶがあった。そっと咥える。

「あっ!」

ビクン! せつなの体が跳ねる。圧し掛かってるあたしの体まで、一瞬浮いたような気がした。
感じてる? そう思ったら、もっと反応が見たくなった。
反対の耳たぶを指でなぞりながら、舌を耳の中に挿入していく。腕の中で声をあげながら跳ね
るせつなが可愛くて仕方がなかった。
一息ついてせつなを見る。涙浮かべて、恨みがましい目でこっちを見てる。
――ごめんなさい、やりすぎました。

でも、もっとせつなを喜ばせてあげたい。ううん、それは嘘。せつなの声が聞きたい。
あたしの手で反応するせつなを見たくてたまらない。
欲望なのか、いたずら心なのか、なんなのかわからない衝動に突き動かされる。

せつなの胸に指をかけた。下から上に、天辺近くまで来たらその中心を避けて円を書くように。そして、
また下に。左手は合間に少し力を入れて揉みしだく。同時に出来るほど器用じゃないけど。
突起を避けるようにやんわりと愛撫する。

じれったい快感の波に襲われてるのだろう。ゆっくりと体をくねらせて悶えていった。
眉間にしわを寄せ、荒い呼吸で苦しさを訴える。
ころあいを見計らって頂点を咥える。今度は右手の指で軽くつまみ、こねて、弾く。

「やっ、んっ、やぁぁ、やだ、ラブ、辛い。辛いわ」

足をばたつかせ必死に逃げようとする。肩を押さえ込んで無理やり続けた。どうしてだろう、
止まらない、やめたくない。

「ラブ、やめてっ。もういい、おかしくなる、おかしくなるわ」

両手であたしの顔を押さえて、涙の浮かんだ目で抗議される。

「……ごめん、せつな。なんか止まらなくなっちゃて、怒らないで」

しゅんとして、落ち込んだあたしの髪を、そっとせつなは撫でてきた。

「ごめんなさい、ラブ。いざとなったら怖くなっちゃって。今度はちゃんと我慢するから。
ラブのしたいようにして」

せつなの膝辺りから内股へ、そして秘部に向けてゆっくりと撫であげる。ビクビクッと痙攣し
ながら、せつなは上に上に逃げようとする。指が割れ目にかかる。

「あぁっ! ん~っっ、んんん」

懸命にせつなは声を殺そうとしてる。白く細い指が凄い力でシーツを掴み、引っ張る。

「そっか、せつな。自分でしたことも無いんだね。ここはね――」

しばらくぴったりと固く閉じた割れ目を往復した後、すっと指を立てて潜りこみ第一関節まで
を挿入する。

「嫌っ」

バンッ!! 凄い勢いでせつなの体が跳ね上がった。

「待って、せつな。我慢するんでしょ。あたしを信じて。きっと良くなるから」

小刻みに指をちょっとだけ入れては出す。前後左右に動かしながら、不規則に刺激を与えた。

「ん、ん、ん~~、ん、んん、う~~、むぅ~~」

今度は枕を顔に押し付けて、声を出さないように必死で耐えている。そして、ついに女の子の
核に手を伸ばした。

ビクッ、ビクビクビク、ビクン!

これまでと全く違う激しい反応。唐突な乱れ方は、意志を介してのものではないのだろう。
恐怖が快楽を飲み込み、苦悶の表情を浮かべる。

「だめッ…やめてっラブ、こんな……無理っ。嫌よ、駄目だってば……。
あっ、あっ、やっ、やだっ、やぁ」

喘ぎはやがて嗚咽に変わり、ついにせつなは泣き出した。

「ひっく、ひっく……、えっ、えっ、えっ……」

すすり泣く声に意識を取り戻す。あ、あたし、どうして。何をやってたんだろう……。
夢中になっていた。熱に突き動かされるように、せつなを責めていた。
いかせてあげたかった。でもまだ未開発のせつなにいきなりは無理だったのかもしれない。

「ごめん。ごめんね、せつな。虐めてるつもりじゃなかったの。この後に来る気持ちよさを教
えてあげたくて。いきなりは無理だったよね。ごめんね」

背を向けて、体を丸くして泣き続けるせつなを後から抱きしめた。激しい後悔が襲う。

(ほんと、何やってたんだろう。せつなは快楽が欲しかったんじゃない。肌を合せたかっただ
けなのに)

もうしないから、許して。そう言って謝り続けたら、せつなのほうからあたしの胸に頭を預け
てきた。

「ごめん――なさい、ラブ。私、初めてだから怖くて……。我慢、できなくて――期待に応え
てあげられなかった。私のほうこそごめんなさい」
「うん、今日はもうやめとこう。このまま朝まで寝ちゃおうか」

足を絡ませて、頭をくっつけるよにして抱き合った。ぽかぽかにあったまったお互いの体の熱
さが心地いい。
頬を摺り寄せる。指を絡ませあう。出来る限りの方法で密着する。

せつなが安心した声で話しかけてくる。

「ねえ、ラブ。私はラブが好き。今、とっても幸せなの」
「あたしもだよ。せつな。今日はごめんね。ゆっくり、一緒に幸せゲットしようね」

甘い香りとやめらかな肌。温かい体温と控えめな吐息。また一つ仲良くなれた充実感につつま
れて、疲れた体を休めるべくゆるやかな眠りに付いた。




避2-41
最終更新:2010年04月09日 21:07