ラブが私の耳を繕ってくれた。
指を傷だらけにしても、一針一針丁寧に縫ってくれた。
縫い目は不揃いだったけど、自分で繕ってくれたその心が嬉しい。
前にラブは私を押し入れに入れたまま忘れていたことを気に病んでいた。
そんなラブに私は「ラブは私を捨ててないよ」と答えた。
ラブは私を捨ててない・・・だけど、いつかは離れていくと感じていた。
そう、別れは必ず来る。
子供たちがおもちゃを捨てなくても、
子供が大きくなっていけば、おもちゃから自然と離れていく。
それは大人へと成長していく証。
寝る前のひととき。ラブ達がベランダで話をしている。
ここからは話の内容は聞こえないけど、横顔が楽しそう。
今夜は朧月夜なのかな・・・
ラブ達の背中がなんだか霞んで見えた。
了
最終更新:2010年08月07日 22:22