太陽浮かばぬ人気のない空を、竜は廻る。 見下ろした先にいるのは、一組の主従。 だが、もう、手を下す必要はない。 ◆ なぜ、なぜなのだ。 あれほど自分に忠誠を誓った己のサーヴァントが、こちらへと牙を剥く。 思想の対立?違う、自分が原因ではない。 空を見上げると、廻り続ける竜が一匹。 アイツだ、アイツのせいだ。 ばら撒かれた鱗粉の様な物で、己のサーヴァントは狂った。 しかし、睨みつけても、魔竜は気にしない。 もちろん、それで牙が止まるわけでもない。 無念のうち、一組の主従が、灰塵となり消え去った。 ◆ 大都市、東京には、地位を上げた者たちが住むマンションがある。 場所は銀座、そこに住むのは、投資家などといった成功者。 もちろん、そこに常人狂人の区別はない。 そこに住む、医者もその一人だ。 (…ん、キャスターか、どうした?そうか、敵主従をやったか) 医者――村雨礼二は霊体化した己のサーヴァントから、歓喜の鳴き声、という形で成果が送られる。 (今日はあいにく医者の仕事でな…その主従を解剖してみたかったな) 村雨は堅実な狂人だ、医者の裏側にギャンブラーの経歴を持つ、しかしそれは、命がいくらあっても足りないような、狂気の沙汰のゲームだ。 そしてもう一つ、彼を象徴する欲、それは、解剖欲。 外面の良い女を、口先だけの男を、解剖すれば、すべてが分かる。 誠意が、性格が、すべてわかる。 (なるほど、魔術師にしてはまともな倫理観か…とにかく、よくやってくれた、ありがとう) そして、魔竜は何処かへと再び飛び去っていく。 またしても、主従殲滅の為だろう。 単独行動のスキルを持つお陰で、こちらが出向かなくても、自動的に勝利へと近づいていく。 「聖杯戦争…これもまた、一つのギャンブルの様な物か…」 ギャンブルと同じで、これにも仕組みや[[ルール]]がある。 冥界という存在、太陽が無い、令呪…儀式を円滑に進めるための、しっかりとしたルール。 「とはいえ、私も、あまり命は賭けてられない、五体満足で、元の世界でこの医者は続けたい…」 脱出不可能の迷宮、それでも村雨は出ることを考える。 「…だが、聖杯は魅力的だ、私とて、特にあるものには目をつけたい」 聖杯さえあれば自分の欲は満たさせる。 あの天廻の魔竜と共に。 「脱出する…願いも叶えたい…欲望というものは…つくづく厄介だな」 窓から夜景を見下ろす。 その夜景を通す鏡には、村雨の。 不気味な笑みが浮かび上がっていた。 ◆ 天を廻る龍は、何を願うか。 その鱗片で世界の破滅を願うか。 すべての魔獣の支配者となり、永遠の王として君臨するか。 否、天廻龍の願いはただ一つ。 夢見た故郷を目指すだけだ。 幼体から夢見た、あの故郷を、懐かしの、故郷を。 天廻龍シャガルマガラ、冥界の聖杯に、いざ、願いを叶えるために、空を舞う。 【CLASS】キャスター 【真名】シャガルマガラ@モンスターハンターシリーズ 【ステータス】 筋力A 耐久B+ 敏捷A 魔力C 幸運D 宝具B+ 【属性】混沌・中立 【クラススキル】 陣地作成:D 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。 ”巣”の形成が可能。 道具作成:C 魔術的な道具を作成する技能。 キャスターは道具ではなく特殊な鱗粉を作成する。 【保有スキル】 単独行動:A+ マスター不在でも行動できる能力。 本来はアーチャーのクラススキル。 心眼(偽):B 直感・第六感による危険回避。 千里眼:C 視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。 【宝具】 『狂い狂えや廻り申せ(狂竜の力)』 ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:―― 最大捕捉:100人 キャスターの体から発せられる特殊な鱗粉。 その鱗粉の成分――通称狂竜ウイルスは、すべてのモンスターを狂わせることができる、魔の力。 聖杯戦争に当たって、サーヴァントや一般人に当たっても、魔物などに当たった時と同じ扱いなるようになっている。 またキャスターはこの力を使いこなしているため、自身の強化にも使用できる。 【weapon】 無し ブレスなどの自らの身体を使った攻撃 【人物背景】 魔竜 ゴア・マガラの成体。 それは、故郷に帰るため、空を廻り続ける龍。 【サーヴァントとしての願い】 故郷への帰還。 【マスターへの態度】 サーヴァントな以上、願いを邪魔しないなら付き従う。 【マスター】村雨礼二@ジャンケットバンク 【マスターとしての願い】 最高の解剖をする 【能力・技能】 類まれなるギャンブルと医師の才能 【人物背景】 かつては頂点にまで登りつめたギャンブラー。 人の本性を見届けるために、解剖を求める狂人。 【方針】 聖杯に願いを叶えてほしいため、脱出の手段を別で考える。 キャスターには率先して敵主従の殲滅をさせる 【サーヴァントへの態度】 悪くない、命令にも従順だ。 ん…?竜種の解剖…?興味は一様あるが…感情などがわからないかからな、当分は無しだ。