太陽浮かばぬ人気のない空を、竜は廻る。

見下ろした先にいるのは、一組の主従。

だが、もう、手を下す必要はない。


なぜ、なぜなのだ。
あれほど自分に忠誠を誓った己のサーヴァントが、こちらへと牙を剥く。

思想の対立?違う、自分が原因ではない。

空を見上げると、廻り続ける竜が一匹。

アイツだ、アイツのせいだ。
ばら撒かれた鱗粉の様な物で、己のサーヴァントは狂った。

しかし、睨みつけても、魔竜は気にしない。
もちろん、それで牙が止まるわけでもない。

無念のうち、一組の主従が、灰塵となり消え去った。


大都市、東京には、地位を上げた者たちが住むマンションがある。

場所は銀座、そこに住むのは、投資家などといった成功者。
もちろん、そこに常人狂人の区別はない。

そこに住む、医者もその一人だ。

(…ん、キャスターか、どうした?そうか、敵主従をやったか)
医者――村雨礼二は霊体化した己のサーヴァントから、歓喜の鳴き声、という形で成果が送られる。

(今日はあいにく医者の仕事でな…その主従を解剖してみたかったな)
村雨は堅実な狂人だ、医者の裏側にギャンブラーの経歴を持つ、しかしそれは、命がいくらあっても足りないような、狂気の沙汰のゲームだ。
そしてもう一つ、彼を象徴する欲、それは、解剖欲。
外面の良い女を、口先だけの男を、解剖すれば、すべてが分かる。
誠意が、性格が、すべてわかる。

(なるほど、魔術師にしてはまともな倫理観か…とにかく、よくやってくれた、ありがとう)
そして、魔竜は何処かへと再び飛び去っていく。
またしても、主従殲滅の為だろう。
単独行動のスキルを持つお陰で、こちらが出向かなくても、自動的に勝利へと近づいていく。

「聖杯戦争…これもまた、一つのギャンブルの様な物か…」
ギャンブルと同じで、これにも仕組みやルールがある。
冥界という存在、太陽が無い、令呪…儀式を円滑に進めるための、しっかりとしたルール。

「とはいえ、私も、あまり命は賭けてられない、五体満足で、元の世界でこの医者は続けたい…」
脱出不可能の迷宮、それでも村雨は出ることを考える。
「…だが、聖杯は魅力的だ、私とて、特にあるものには目をつけたい」
聖杯さえあれば自分の欲は満たさせる。
あの天廻の魔竜と共に。

「脱出する…願いも叶えたい…欲望というものは…つくづく厄介だな」
窓から夜景を見下ろす。
その夜景を通す鏡には、村雨の。
不気味な笑みが浮かび上がっていた。


天を廻る龍は、何を願うか。

その鱗片で世界の破滅を願うか。

すべての魔獣の支配者となり、永遠の王として君臨するか。

否、天廻龍の願いはただ一つ。

夢見た故郷を目指すだけだ。

幼体から夢見た、あの故郷を、懐かしの、故郷を。

天廻龍シャガルマガラ、冥界の聖杯に、いざ、願いを叶えるために、空を舞う。


【CLASS】キャスター
【真名】シャガルマガラ@モンスターハンターシリーズ
【ステータス】
筋力A 耐久B+ 敏捷A 魔力C 幸運D 宝具B+
【属性】混沌・中立
【クラススキル】

陣地作成:D
 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
 ”巣”の形成が可能。

道具作成:C
 魔術的な道具を作成する技能。
キャスターは道具ではなく特殊な鱗粉を作成する。

【保有スキル】

単独行動:A+
 マスター不在でも行動できる能力。
本来はアーチャーのクラススキル。

心眼(偽):B
 直感・第六感による危険回避。

千里眼:C
 視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。

【宝具】
『狂い狂えや廻り申せ(狂竜の力)』
ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:―― 最大捕捉:100人
キャスターの体から発せられる特殊な鱗粉。
その鱗粉の成分――通称狂竜ウイルスは、すべてのモンスターを狂わせることができる、魔の力。
聖杯戦争に当たって、サーヴァントや一般人に当たっても、魔物などに当たった時と同じ扱いなるようになっている。
またキャスターはこの力を使いこなしているため、自身の強化にも使用できる。
【weapon】
無し ブレスなどの自らの身体を使った攻撃
【人物背景】
魔竜 ゴア・マガラの成体。
それは、故郷に帰るため、空を廻り続ける龍。
【サーヴァントとしての願い】
故郷への帰還。
【マスターへの態度】
サーヴァントな以上、願いを邪魔しないなら付き従う。

【マスター】村雨礼二@ジャンケットバンク
【マスターとしての願い】
最高の解剖をする
【能力・技能】
類まれなるギャンブルと医師の才能
【人物背景】
かつては頂点にまで登りつめたギャンブラー。
人の本性を見届けるために、解剖を求める狂人。
【方針】
聖杯に願いを叶えてほしいため、脱出の手段を別で考える。
キャスターには率先して敵主従の殲滅をさせる
【サーヴァントへの態度】
悪くない、命令にも従順だ。
ん…?竜種の解剖…?興味は一様あるが…感情などがわからないかからな、当分は無しだ。

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最終更新:2024年04月20日 22:50