その戦場に、善悪の概念はなかった。
 正誤も、罪罰も、因果応報も考えないでよかった。
 少なくとも、戦場を縦横無尽に駆ける彼女にとってはそうだった。

 刺客たちはこちらを悪だと見定めており、それに伴なっての憎悪はある。
 少なくとも、眼前の敵集団は『幕府の犬』だの『狂犬』だのと、耳慣れた罵倒を口走ったまま抜刀を見せている。
 この哨戒に連れ立ってきた背後の同志たちには、それで動揺した者もあったようだが。
 先頭でそれを受ける己が胸の内に、余分な感情の揺らぎはいささかもない。
 ただ、臨戦態勢を取る集中と、必殺の気合があるのみ。 

 殺すつもりで向かってこられた以上は、斬る。
 戦端が開かれてから先に、それ以外の道理があるだろうか。

 地面を蹴りつけ、一歩目を飛ぶ。
 着地点にいた敵集団の先陣は、それで袈裟懸けに胴を割られていた。
 仕掛けてきた側だというのに、何が起こったという鈍さを顔に表したまま一人目が斬られる。
 返り血を浴びながらも視界は保持。
 二歩目の到達点にいる、敵と視線が合った。
 眼光を受けた相手が幽霊でも見たような慄き方をする。やりやすい。
 懐に入った勢いのままに二人目の上体を蹴り上げ、後ろへと仰け反ったその首を一刀に刎ねる。
 頭部がぼとりと落下している死体を踏み台にしてさらに跳び、 三人目を上空から襲う。
 愛刀を振りぬくではなく振り下ろし、のどの気道を貫いてずぶりと突き立てた。
 刺突であればそこに穴をあけた時点で、人間は例外なく絶命する。
 背後から、■■さんに続けと味方を鼓舞する声に続いて。
 そこに混ざる、聞き慣れぬ声質のどよめきが耳に引っ掛かった。

 そう言えば、今宵の見回りには新入りも数名いたのだったかと思い出した。 
 ならば斬り合いは『こういうもの』だと見せておくに越した事はないだろうと。
 刀を抜いたばかりの遺体を引きずり起こし、押し出す。
 さらに向かってくる敵集団へと、その刺突を妨害する障害物として。
 仲間の身体を盾に利用されたことへの、躊躇と動揺が露骨な者。
 怒りの気配を纏うも、表面上は冷静さを崩さない者。
 その差異によって、先に倒しておくべき輩、警戒を割り振るべき取捨選択は読める。
 もっとも熟練だと判明した侍へと向かい、率先して難敵を引き受ける。

 怖気づき、後悔する、そんな余白など彼女の戦いにはどこにもない。

 逃げれば、士道不覚悟。
 進めば、斬れる。

 世界はとても単純明快にできている。
 主張など要らぬ。ただひたすらに斬るのみ。

 大勢は決し、戦いのありようが囲みの突破から掃討へと移った頃合いだった。
 己の身体に違和感を覚えたのは。
 息切れとは別に、のどもとをせり上がるつかえがあった。
 忌んだのは、その違和感がこれまでにもあり、心当たりがあるものだったこと。


 斃れながらも息のある敵に捕縛の指示を出す仲間の群れを抜け出す。 
 独り、戦場から逃げのびようとする首領格の男を追った。
 合理としては、討ち漏らしを出すつもりはなかったから。
 本音としては、この違和感の先に急変を、他の者に見せたくは無かったから。
 戦わなければ、長生きできるものを。
 これは、医師からはそう言われるものだ。
 刀を奮えば奮うほど彼女は死に近づく。
 それは自明でありながら、しかし心の内に恐れはない。
残敵が龕灯に当たらず、夜闇に溶けそうであることにいささか安堵して、終わらせるために地を蹴る。

 ――――ドッ

 一歩目で、踏み込みが音越えをする。
 景色から不純物が消えて彼我だけが残る。
 己の鼓動の音、生者の証さえ置き去りに聴こえなくなる。不要になる。
 斬るためには刀身をぶつけるのではなく、身体ごと一刀と化してぶつけるものだから。

 ――――ヒュッ

 二歩目で、『間』が無きものと化す。

 踏みしめる地が縮み、位置取りを自在にする。
 距離を詰め、正面に回り込まれるという本来であれば敵の視界に追われる手順が省略される。
 剣術のしのぎ合いで決闘に勝つためではない、暗殺の為に研ぎ澄ませて一方的に命を獲るための奇襲。

 三歩目で、全てが断たれる。


 ――絶刀(slash)。


 剣戟は、単なる刺突に留まらない粉砕破壊と化す。
 三連瞬いた刀身が抜かれると、人体の局部は形を崩す。
 幽鬼でも見たような顔をした敵が、その顔のまま眼の光を失う。
 返り血は大輪の華と化し、刀身と手先はねっとりと濃い血糊をかぶる。 

 残心を解くと同時に、違和感は咳となった。
 返り血を呑んで噎せたという振り。 
 しかし己のそれだと分かり切った命脈が、肺から喉元を越えて体外にあらわになった。
 刀の柄から外れた片手の手のひらに、彼女自身の血潮の一部だった雫が落ちる。
 それは手のひらを、闇夜を、三千世界を、絶望的なまでの真っ赤に色付ける。

 どんな時代も、どんな戦い方をする世の中でも、深紅とは不吉な警告の色だ。 
 回顧的な心情と視界だけを借りた傍観者の身の上でも、悟ることができた。
 彼女はそう長くは生きられない。
 その時代においては例外なき死をもたらす病魔に呪われている。

 ――逃げればいいのに。

 戦場を放棄することは敵前逃亡であっても、『病休』という安全な逃げ道はこの世界にもあったはず。
 しかし 『赤い液体を吐いたとは知られないように秘そうとした』時点で、彼女がそれを望まなかったことは明らかだ。
 きっとその女性に、最後まで『逃げる』という選択肢はなかった。
 逃げれば何より大事なたったひとつ、己の寿命が守られるのだとしても。


 いや、そもそも逃げたいという感情さえ持つことはなかったのだろう。
 逃げたかったのに逃げなかった、何も手に入らないと分かっていても奪おうとした、あの女とは違う。

 逃げればいいのに、という独白に反論したのは、過去夢の彼女ではなくあの女だった。
 彼女に似た声音をした、でも違う少女の声は、夢ではなく己の耳に残っている。


 ――逃げて……その次はどうするの?


 地球の人斬りではなく、地球の魔女が言ったことだった。 


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「――とまぁ、こんなものをお見せすることになりましたが、いかがでしょうか?」

へにゃり、と力の抜けた笑顔で手を差し伸べられた。
返り血は既にぬぐわれた後の、若い女性の色白ですべらかな手のひらだった。
淡雪を思わせる白い色彩を宿した立ち姿に、少女性を強調するように後ろ髪で揺れる大きな飾り布(リボン)。
西日を浴びた木の葉色のような、ほの暗さと透明感をどちらも併せ持った双眸。
第一印象の儚さと清らかさだけなら、あのベネリットグループの総裁令嬢にさえ引けは取らないかもしれない。

逆に、第一印象以外は全くそうではない女性だった。
地面に様々な濃淡の血の海ができあがる中で、彼女が絶命させた葬者(マスター)を足元に転がして。
その光景にいささかも心揺れることなく、手甲脚絆や浅葱色の羽織を緋色に濡らしても平然と微笑している。
地面に腰をついていたところを、容姿にそぐわぬ力強さで引き上げられて立たされた。
緩んでいるのは、頭頂部で跳ねたアホ毛と、その発言のみ。

「感想を言ってもいいなら……返り血は控えめにしてほしかったな。
 どうやって目立たないように帰ったものか、悩んでるところだよ」

動揺を封じ込めるためにもと、憎まれ口で返した。
サーヴァント・セイバーの呼び名を持った女は、はっと真顔になりぺこぺこと頭を下げる。

「しまった……辻斬りの横行する京(みやこ)の夜道を歩くようなものと心得ていました。
 この時代では、人斬り包丁だと露見するような恰好で路地を歩くのは憚られることでしたね」
「返り血だらけで歩いても通常営業扱いかよ。旧時代は地獄かな?」


 もっとも、たった今絶命したばかりの男からしてみれば、再現された過去の地球、東京という都で過ごしたここ数日だってまさに地獄の日々だったのかもしれない。
 もともと『サーヴァントとしての実力を見せてくれ』とセイバーに要望したのは、ほかならぬ自分だ。
 だが、街と冥界の境目へと到達した矢先に、ここで遭ったが運の尽きとばかりに使役された死霊や屍蝋鬼(グール)達に囲まれたのは想定外だった。
 すぐさまセイバーが冥界への境を越えて数歩のところで、神速の剣技によって死霊たちの越境を食い止めた。
 眼にもとまらぬ速さで死霊たちの霊格や腐乱死体を次々と斬り伏せ、再殺の血だまりに周囲を一変させていく。
 その速攻を境界の手前で目の当たりにしながら、それにしたって自然発生したにしては頭数が多くなかったかと疑問を抱いたその時だった。
 刃物を振りかざした、浮浪者然とした服装の成人男性が襲い掛かってきたのは。

「それに、マスターのお手も煩わせてしまったことは、重々すみません。
 けれどマスターが躊躇わずに得物を奮える方で、本当によかった」

 それは明確に落ち度だったと、やや歯噛みした面持ちで謝罪してくる。

 それについて言えば、こちらも『死霊たちを逆利用して襲撃する敵性葬者(マスター)』まで想定しなかったという反省点がある。
 なるほど、サーヴァントの性能試験や戦闘資源の確保、あるいはシンプルに逃走しようとして冥界に踏み込むマスターは序盤であれば他にもいるだろうと、警戒はしていたつもりだった。
 そういった『初めて冥界に踏み込んだ者』を、自然発生の死霊たちのみならず『魔術によって使役した霊魂』でもってサーヴァントを過度に包囲し、やや孤立したマスターを乾坤一擲に奇襲する。
 まだ冥界に踏み込み慣れない主従であれば、『いくら何でも死霊が多すぎる』とはすぐに気付かれないのも併せて、博打ではあれど賢明に勝ち筋をつくろうとした上での襲撃だった。
 ……と、まで想像がついたのは、刃物を握った遺体の手先が血の気をなくした、屍蝋のそれに変質していたからだ。
 つまりサーヴァントを失い、残り6時間の余命になったことで追い詰められた葬者だった。
 であれば交渉の余地もないと、問答無用でマスターを殺してセイバーを奪おうとしたのだろうとも察せる。
 使役した死霊たちは、サーヴァントが遺した置き土産か。この男が持ち合わせていた最後の切り札だったのか。
 どちらにしても、セイバーは死霊の全てを投入してやっと足留めが叶うぐらいに手練れだった。そして、男の白兵戦能力はそこまで高くなかった。その二つが生き残る葬者を分けた。

「いつもこういう風にはいかないさ。魔術師でも何でもない学生一人に制圧されたこともあるよ」

 いまだにバチバチと火花を散らす、スタンガンの電源を切った。
 振り下ろされる刃を交わし、背後に回り込んで男の総身に電気ショックを与える。
 それだけの反撃を終えた時点で、セイバーはもう囲みを突破して男を袈裟斬りにしていた。

 逆に言えば。
 襲撃したマスターが、いつかのトマト菜園のように白兵戦の訓練を経た工作員をものともしないポテンシャルを秘めていれば。
 この戦いの生死は入れ替わっていたかもしれない。
 それを実感してしまったからこそ、憎まれ口で紛らわせても、心はぞっとしたままだった。

「腕前ではなく。マスターが血と人の生き死にに慣れていることです。
 恐怖だけでなく確かな順応がある。戦場では、そうできない者から順に死んでいきますから」

 しかし、そんなおぼつかない緒戦であっても、セイバーからすれば及第点であったらしい。
 そこには確かに、生前に『慣れ』を覚えられずに命を落として行った戦場の駒を数多く見てきたという実感があった。

 しかし、セイバーに何ら皮肉はない、素直な賞賛だったとしても。
 彼女にとっての戦場とは順応すれば生きていける場所であるらしいことが、今だけは、いささか棘のように感じた。
 彼――モビルスーツ操縦士兼、特殊工作員の強化人士5号にとって、命を安いものと扱うのは慣れたことだった。
 そのはずだったのに。


「僕が見てきた戦場では、死にやすい奴はもっと別にいたよ」

 彼がごく最近まで触れ合っていた、戦場育ちの少女は。
 戦場に慣れ、奪う生き方に慣れ過ぎて、それ以外を閉ざしたせいで死に向かってしまった。
 表層ではセイバーのように冷たい狂犬として振る舞いながらも、殺し合いに向かない本質を手帳の中だけに隠していた。
 本当なら戦場を生き場所としても死に場所としても選びたくないと、怯えて嘆いていた。

「戦場に慣れきっていたのに戦場では生きられなかった、君とぜんぜん似てない女の子だった」

 冷たい狂犬のような振舞いだけは同じであっても、彼女たちは全く違う。
 戦場を己の生きる場所だと定めて。
 憎悪や恐怖の揺らぎもなく、淡々と血の雨を降らせて。
 あまつさえ他人(マスター)の為に命を捧げることも受け入れる。
 ただただ己の殺戮の成果を、どうだったか、役に立てたかと感想を求める。
 そんな死者(サーヴァント)の在り方は、強化人士5号が共感するにはあまりに遠かった。

「死にたくないのが本音だったのに、絶対に死ぬような戦場に飛びこんで行った。
 僕なんかより、よっぽど人生のやり直しを懸けて聖杯戦争に来てもよさそうな奴だったよ」

 こんな場所に堕ちこむとしたら、自分ではなく彼女の方では無いのかと疑った。
 たしかに自分は生まれて初めてパーメット・スコアを危険域にまで上げた経験をしたばかりだが。
 それなら彼女の方が、よほど積極的に死に向かっていたし、死にたくないとも怯えていた。
 何より、死んだも同然の人生じゃなくて、ちゃんと生きたかったと言っていた。

「マスターにとって、大切な人だったのですか?」

 刀を鞘に収め、まっすぐにこちらを見つめてセイバーは問いかけてきた。 
 斬り合いで見せていた、明度と彩度の一切が欠落した無の眼光はもう無い。
 尽くすと定めた相手には、もう心を向ける相手がいるのかという興味。そして、心を見透かしてくるような無垢。
 冷徹さと狂犬のような暴力性を二重塗りにして、内面を隠していた地球の魔女には無かった素朴さだった。
 返り血をしっかりと拭ってから手を伸ばす真っ当さも、かえって捉えどころがない。

 ともあれ、今の少女はただ少しだけ首をかしげて、好奇心と一抹の寂しさを覗かせていた。


「いいや、まだ何も始まってない奴だよ」

 彼女を取りもどすために戦う。
 そんな目的を振りかざすには、彼女は元から彼のところにいなかった。
 まだ、彼女に本当の名前を教えていない。
 彼女がいなければ、あの絵の場所に行ってみるのだって何年かかるか分からない。 
 生きるのも死ぬのもどっちつかずな命の安い者同士だって、生きていいんだと証明できてない。

「僕は僕の為に最後まで生き残る。彼女に還ってきて欲しいと願うのは、その後のことだ」

 だからこれは、彼女に再び人生を与えるための戦いではなく、自分のための戦いなのだ。 
 同盟だろうと潜伏だろうと奇襲だろうと手を尽くして、ただ生きのびる為に聖杯を掴む。
 そして願いが叶うというなら、また会えた彼女に嫌味っぽく言ってやろう。
 どうだ、命の安い捨て駒だって生き延びていいと証明されたじゃないか、と。

「ええ、そうです。マスターがすぐにいなくなってしまっては、私も『最後まで』戦えません」
「君も最後まで勝ち抜き狙いなの? マスターに命を捧げる割に、願いはしっかりあるんだね」

 嫌味だと受け取らなかったらしく、セイバーはこくりと頷いた。
 言葉の代わりに賛同を告げる、狂人ならざる瞳だった。

 あるいは。
 彼女に似てないセイバーであっても。
 一緒にいれば、ヒントぐらいは掴めるのかもしれないと思った。 
 死の恐怖や奪おうとする敵への憎悪とはまったく別の境地で戦っている彼女であれば。
『誠』などという己には聞いたことのない概念を言い回しに用いているような彼女であれば。

 ――じゃあ!逃げるだけのあなたは!?
 ――ただ息を潜めて!目をそらして!そんなの死んでるのと同じ!

 死の恐怖を超越して人を動かすものを、知っているかもしれない。
『死んでないだけ』から『生きてる』へと、からっぽの人間を満たすもの。
 もしも、それを示せていれば真の意味で彼女を救えたかもしれないもの。
 時に人間の余命を縮めて、しかし本当にそれを持った奴がいれば、羨ましいと仰いでしまいそうなもの。


「ただ、最後まで『ここに』、『ともに』……その二つで、私は満たされます」


 一人にしないでほしい。


 そういう風に聞こえたのは、『一人にしないで』と懇願する彼女に会っていたせいだろうか。

 あるいは、まるで私心なく命を捧げる少女よりも、そういう少女の方が理解しやすいという願望かもしれない。
 彼は今でも『自分が生きてさえいれば、他のことは二の次でいい』という考えは変えていないから。
 進めば何かが手に入るとか、殻を破って進めば世界が広がるとかよりも。
 まず生き延びなければ全てを失うことになるから。

 ただ一つだけ、彼女が死ぬ前と後とで、決定的に変わったところがあるのだとすれば――。 

「そうは言っても、年相応の服ぐらいは欲しがってほしいんだよなぁ……」
「当世風の服、ですか? そ、それは気が惹かれないと言えばウソですが、ああでも、この流れで欲を出すのは……」
「まず自分の恰好を客観視してから言ってくれよ」

 彼女の生きていた時代の常識は知らないが、それでも『極めて彩度の強い空色で、袖口だけぎざぎざに白く縁どられた服』が真名バレ余裕なぐらいに特異だというのは分かる。
 短絡的なところはあの地球人二人と同じかと、将来に不吉さを抱かずにいられないことにまで、既視感を持ちたくはなかった。 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 ――もう、逃げることはしない。


【クラス】
 セイバー
【真名】

 沖田総司@帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline


【ステータス】
 筋力C 耐久E 敏捷A+ 魔力E 幸運D 宝具C
【属性】
 中立・中庸
【クラススキル】
 対魔力(E) セイバーのクラススキル。魔術に対する抵抗力。神秘の薄い時代の英霊の為、『対魔力』は殆ど期待出来ない。

 騎乗(E) セイバーのクラススキル。乗り物を乗りこなす能力。彼女に限らず、新選組に馬を駆って活躍したという逸話はないので、こちらも申し訳程度のクラス別補正。


【保有スキル】
心眼(偽)(A) 直感・第六感による危険回避能力がスキル化したもの。虫の知らせとも言われる、天性の才能による危険予知。同時に視覚妨害による補正への耐性も併せ持つ。

病弱(A) 生来の虚弱体質。生前の病に加えて後世の人々からのイメージを塗り込まれた結果、『無辜の怪物』に近い呪いを受けている。発動する確率こそ低いものの、あらゆる行動に急激なステータス低下のリスクを伴い、特に戦闘中だと致命的な隙を生む危険がある。生前患ったのが肺結核だった為か、劇中では度々吐血する。

縮地(B→B+) 瞬時に相手との間合いを詰める技術。多くの武術、武道が追い求める歩法の極致。単純な素早さではなく、足捌き、体捌き、呼吸、死角など幾多の条件が複雑に絡み合う事で成立する。Aランクともなると、最早テレポーテーションの類であり、人の身では届かない仙術の範疇である。その為、人間が実現出来る技術の最高峰に相当するのがBランクと思われる。後述する『無明三段突き』の要ともなる技術。

無明参段突き
種別:対人魔剣 最大捕捉:1人
稀代の天才剣士、沖田総司が誇る必殺の魔剣。「壱の突き」に「弐の突き」「参の突き」を内包する。
平晴眼の構えから“ほぼ同時”ではなく、“全く同時”に放たれる平突き。超絶的な技巧と速さが生み出す、防御不能の秘剣。
FGOのみ宝具扱いとされているが、それ以外の媒体ではスキル扱いされている。

【宝具】
『誓いの羽織』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
幕末に京を震撼させた人斬り集団「新撰組」の隊服として有名な、袖口にダンダラ模様を白く染め抜いた浅葱色の羽織。
サーヴァントとして行動する際の戦闘服と呼べるもので、装備する事によりパラメータを向上させる。
また通常時のセイバーの武装は『乞食清光』だが、この宝具を装備している間、後年に「沖田総司の愛刀」とされた『菊一文字則宗』へと位階を上げる。

 『誠の旗』
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:1~200人
最終宝具。新選組隊士の生きた証であり、彼らが心に刻み込んだ「誠」の一字を示す一振りの旗。
帝都聖杯奇譚本編ではまだ使用していないため、性能は『Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚』などの他媒体に準拠する。
(当人に最終宝具を使用できる自覚がないらしいところは、他媒体と共通している)
使用者本人も気付いていなかったが、一度発動すると、かつてこの旗の元に集い共に時代を駆け抜けた、近藤勇を始めとする新選組隊士達が一定範囲の空間内に召喚される。
各隊士はそれぞれ全員が独立したサーヴァントで、宝具は持たないが全員がE-ランク相当の「単独行動」スキルを有しており、短時間であればマスター不在でも活動可能となる。

【weapon】
 乞食清光(→菊一文字則宗)

【人物背景】
 ぐだぐだしてない時の沖田さん。
 FGOのみを頼りに把握しようとすれば痛い目を見るので要注意。
 少女の心から人でなしの刃を生やした壬生の狼。
 死ぬのは怖くなかったが、置いて行かれることには耐えられない狂人ならざる病人。

【サーヴァントとしての願い】
 戦争の最後まで、主(マスター)のそばで戦い抜くこと。

 【マスターへの態度】
 忠犬。
 姿勢きりっ。尻尾ぱたぱた。外敵に対しては威嚇がるるる。
 これらの態度を豹変ではなく同時に両立させる。


【マスター】
 エラン・ケレス(強化人士5号)@機動戦士ガンダム 水星の魔女

 【能力・技能】
 MSの高い操縦技術。それに付随する(作中のパイロットに共通の特徴として)単車などの運転技術。
 工作員として相応の白兵戦能力は持ち合わせており、特に拳銃射撃についてはプロスぺラおよびハロ二機を相手に足止めをする、ヘルメットだけを撃ちとばして殺さずに制圧するなどかなり戦い慣れている。
 しかしスレッタを篭絡しようとして(以前と別人のように変わったという違和感もあったとはいえ)盛大に滑ったり、失敗が許されない焦りから雑な実力行使に及んで失敗したりと、驕りや焦りによる行動のムラもある。
 ただ基本的には口八丁にも長けており、ふてぶてしくもちゃっかりした立ち回りをする。変わり身も早い。

【人物背景】
 アスティカシア学園パイロット科3年。学籍番号「KP002」。
 ペイル社が擁立するパイロットで、寮の筆頭にして決闘委員会所属……という肩書、名前、声を借りて学園に潜入した特殊工作員。その5代目。
 天使のような笑顔を見せる一方で、本物と同じくらい性格が悪いと評される。
 パイロットとしての力量も高いが、「死ぬのは御免」という理由からGUNDフォーマットの使用を避けようとする。
 同じく『命の安い少女』『死を恐れるガンダムパイロット』と出会い、短い期間ながらも同室で暮らして影響を受ける。
 20話終了時、機体離脱後から参戦。
 設定(ロール)は某国からの留学生扱い。名義はエラン・ケレスとなっている。

【マスターとしての願い】
 奪うだけでは手に入らないと身に染みた。
 それでも命『ひとつ』を抱えて生還する為に、進む。
 ただし、奇跡がつかめるならば『ふたつ』を手に入れる。

 【サーヴァントへの態度】
 共感できない、分からない奴。
 隣にいるだけでいいなら、それはやぶさかではない。

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最終更新:2024年05月19日 08:54