鉄の子守唄(ララバイ)に魘されて。


東京、23区のどこかの高層マンション。
富裕層の多くが住む所に、その男は居た。

ホームシアターで何かを見ている、戦争映画だ。
情熱を滾らせた志願兵が散っていく、無辜の民が犠牲となっていく。
しかし、主人公は死なない、まるで、異能に包まれたか如く。

聖杯戦争――願望機の醜い争い。
彼もその一人だ、しかし、付添のサーヴァントは今はいない。
それは、どこにいるか?

答えは――外にあった。


赤色の機体が、猛スピードで敵の間合いを侵略する。
相手取るのは、なんと三騎士。
セイバー、アーチャー、ランサー。
最優と呼ばれるクラス3人を相手取るのは裁定者(ルーラー)の男。

弓兵の射撃を交わし、左側面からきた槍兵も素早く交わす。
そして正面から来た剣士を迎え撃つ。

(…間に合わないな…なら、これだ)
鉄の魔神のシールドから、ビーム刃が出る、まるで斧の如く、セイバーの剣先とぶつかり合う。
鍔迫り合いは互角、なら、素早く終わらせる。

「そろそろ決着とさせていただこうか!」
セイバーを蹴りで突き放す。
ビーム刃を解き、シールド下から出したのは、バズーカ。
正確無比の射撃が、ランサーを襲う、持ち前のスピードを凌駕し直撃、塵芥と化した。

仲間の仇!と言わんばかりに、アーチャーの弾幕が激しくなる。
しかし、ルーラーは余裕を崩さない。
「射撃戦は君の専売特許だろうが、私も負けてはいない」
懐からビームライフルを取り出し、バズーカと同じく正確無比の射撃を放つ。
荒々しいアーチャーとは異なり、球数は少ない、しかし、それは確実に狙いを定めていた。

弓と弓の合間を抜き、アーチャーに直撃する。
もちろん、結果は物言わぬ躯だ。

「締めは君だ、やらせてもらおう」
今度はアックスを展開しながら、片手にビーム・サーベルも持つ。
そして、セイバーの間合いを急速に侵略する。
「トドメだ」
セイバーの反応を凌駕して、剣と斧を叩き込む。
両断され、セイバーは消滅していく。

「…これより帰投する!」
残されたのは、何もできない、三騎士のマスター達であった。


戦争映画のエンドロールを見ながら、男は思う。
「異能生存体…彼のような傑物を…もう一度目にしたい…」
男・ヨラン・ペールゼンは軍人だ。
あらゆる可能性を見出し、探求する狂人。

「ならそのための過程を…聖杯に願うのも…悪くない…」
男は目を閉じた。
エンドロールに流れる、子守唄(ララバイ)を聞きながら。


――可能性の器。

ルーラー・フル・フロンタルとはその命を定められて生きていた。

赤い彗星の再来、そうもてはやされて来た。

しかし――かの少年との出会いで運命の軸は変わった。

(私も…君のように…なることはできりのであろうか…)
シャアの亡霊――自我を封殺された存在――希望の旗印とされた存在。
しかし、その全体に帰った男は、今、ここに英霊として生きている。

なら。
(私も…私なりの生き方を…模索しよう…)
巨人――シナンジュのスラスターを加速させていく。
冥界の東京に――煌きながら。


【CLASS】ルーラー
【真名】フル・フロンタル@機動戦士ガンダムUC
【ステータス】
筋力D+ 耐久D+ 敏捷D+ 魔力E 幸運E 宝具EX
【属性】混沌・悪
【クラススキル】

対魔力:C
 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
 大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。
本来、ルーラーのクラスの対魔力は高いものが付与されるが。
ルーラーは魔術などが形骸化した世界に生きていたため、最低限のランクとなっている。

真名看破:C 
 ルーラーとして召喚されると、直接遭遇した全てのサーヴァントの真名及びステータス情報が自動的に明かされる。
 ただし、隠蔽能力を持つサーヴァントに対しては発揮されない。
【保有スキル】

単独行動:B
 マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
 ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。

強化人間:A
人為的に体を改造され、新人類へと模倣された存在。
直感:Aと同じ扱い。

赤い彗星の再来:A
かつて一世を風靡した男、シャア・アズナブル。
そんな男の再来と呼ばれた男がルーラーだ。
同クラスの戦闘続行、カリスマを内包する。


【宝具】
『可能性を断つ彗星(シナンジュ)』
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:―― 最大捕捉:――
ネオ・ジオンがアナハイム・エレクトロニクスとの裏取引の元、開発した機体。
ガンダムのデータを流用されて開発されており、高速で圧倒的な破壊力を出すことを実現している。
武装はビームライフル、ビームサーベル、ビームアックス、バズーカなど。

『新世界のための器(ネオ・ジオング)』
ランク:A+ 種別:対軍宝具 レンジ:―― 最大捕捉:――
『可能性を断つ彗星(シナンジュ)』をコアにすることで動かすことができるMA
メガ粒子砲などの多数の大型装備を内蔵しており、単騎で艦隊を相手取ることも可能。
ただ、魔力が大量に必要であり、令呪一画分を要する。

『意思を削ぐ光(サイコシャード)』
ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:∞ 最大捕捉:∞
『新世界のための器(ネオ・ジオング)』を使った戦闘の際、敵機の「殺意」を感じ取り、武器などを破壊、抵抗できなくしたことから由来する宝具。
すべてのサーヴァント・マスターから敵対意識を削ぎ、意志のない存在へと変えていく。
会場全域を覆えるほどを宝具である事から、多量の魔力要求される。
おおよそ令呪3画分が必要。

【weapon】
『可能性を断つ彗星(シナンジュ)』
【人物背景】
器として制作された男。
赤い彗星の再来。
【サーヴァントとしての願い】
生きる意味を探す
【マスターへの態度】
ビジネスパートナー、特に気にしてることはなし

【マスター】ヨラン・ペールゼン@装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ
【マスターとしての願い】
不死身の兵士の軍団を作り出す
【能力・技能】
卓越した頭脳と指揮能力。
悪辣だが、高いカリスマ性を持ち、彼についていくものも少なくはない。
【人物背景】
異能生存体に魅入られ、不死身の軍隊を作ろうとした男。
その野望は、彼と交わった一人の男から始まった。
【方針】
聖杯獲得、そのためにもルーラーをうまく扱う。
【サーヴァントへの態度】
少なくとも今は良き関係を築けている
何を考えているかは謎だが…

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最終更新:2024年05月11日 11:29