【1】
「ジェルばんは!!インターネット・エンジェル超てんちゃんだよ!」
『ジェルばんは!』
『ジェルばんは』
『ジェルばんは!!』
『今日も顔がいい』
「この前は配信休んじゃってごめんね!超てんちゃんの可愛さに免じて許してくれると嬉しいな!」
『許すよ』
『色々事情があるから仕方ないね』
『超てんちゃんの健康が最優先よ』
「ありがとみんな~~これがヌクモリティなんだね……」
『あったけえなぁ』
『仲間がいるよ!!』
『媚びるなよ』
『初見』
「初見さんありがとね~。
突然だけどさ、超てんちゃん和食にハマってるんだよね」
『マジで突然すぎない?』
『草』
『湯豆腐好き』
『話ヘタクソか?』
「うっさいぞオタク!休んだ配信で使う予定だったネタなんだよ!
話戻すけど、最近和食もアリだなって思うようになってるんだよね。ちくぜんに?とか!」
『正直すぎて草』
『筑前煮美味しいよね』
『人気配信者の姿か……これが……?』
「あとアレ、ごぼうと人参炒めたヤツ!名前何だっけ、忘れたけど美味かったなぁ~」
『それってきんぴらだよね』
『きんぴら大好き』
『おばさん臭え』
「それそれ!詳しいなお前ら!あとおばさん臭えってお前の方がチーズ牛丼臭えぞ」
『辛辣で草』
『残当』
『■■■の死亡事故についてコメントお願いします』
「ようは、オタクもたまには新しい扉開いてみなって話!わかったか?」
『ただおかず変えただけでは?』
『初見です!』
『今日もかわいいね』
『つまんね』
『チャンネル登録しました』
「そういえば、最近お化けが出るって噂多いよね。
超てんちゃんもお前らもインターネットを彷徨う亡霊みたいなものだけどな!
お化けといえばこんな話を前に聞いたんだけどね……」
【1】
その配信者は、最初は目立たぬ存在だった。
動画配信が大衆にも広く認知されるようになった昨今、配信者を志す者は今も数多い。
事務所でオーディションを受けずとも、スカウトマンの目に留まらずとも、芸能人に並ぶ名声を手に入れられるかもしれない。
そんな淡い期待を抱きながら、この世界の扉を叩く者も少なくない。
しかし、この世界で夢を掴むのは想像を絶する困難を伴い、かつ相応しい才能と豪運が求められる。
なにしろ数が多い。簡単に始められるというのは、裏返せばそれだけ多くの人間に参加の機会があるという事だ。
にも関わらず、用意された栄光の数は、減りはすれど増えはしない。
数が多ければ多いほど、それだけ埋没される才能は増えていく他なかった。
その配信者も、「超絶さいかわ天使ちゃん」なんて仰々しい名前をした彼女も、埋没されるであろう才能の一つだった。
彼女は容姿こそ優れていた少女であったが、そんな長所一本ではこの赤い海を泳ぐのは困難を極める。
それだけならまだしも、彼女は社会的な常識というものに疎い上、精神が酷く不安定だった。
配信という不特定多数から好奇の目に晒される環境で、この欠点は致命的だ。
当然のように彼女は初配信から問題を起こして炎上し、その後も懲りずにしくじりを繰り返し、
いつしかネットでは腫物扱いされるようになっていた。
当時の彼女を追っていたのは、物珍しさで見物する愉快犯と、ほんの僅かな風変りのファンぐらいのものだった。
そのファンでさえ「ここから浮上する事はないだろう」と諦観し、最期を看取る覚悟をしていた始末だ。
もはや誰の目にも未来はないことは明らか、明らかな筈、だったのだが。
彼女は不思議と――まるで魔法でも使っているかのように――配信の世界で勝ち続けた。
ある時を境に、彼女のチャンネルの登録者数が爆発的に伸び始めたのだ。
理由は極々単純で、動画の編集技術やマネジメントが、何もかもが別人のように様変わりしたからだ。
話の内容自体はそれほど変わりない、だが何故か彼女から視線が離せなくなってしまうのだ。
どうすれば大衆を自分の虜にできるかを知り尽くしたかのような立ち振る舞いに、無数のネットユーザーは否応がなく狂乱する。
これまで彼女をせせら笑っていたユーザーでさえ、掌を返して熱狂の渦に飛び込む程だった。
最初期から彼女を追っているファンは、皆口を揃えてこう言うだろう。まるで手慣れた者が彼女を操っているようだ、と。
依然として、出てくる言葉は品がないものが混ざるものの、今となってはそれすらも彼女の魅力の一部として受け入れられている。
ネット上では「超てんちゃん」はすっかり著名人であり、誰もが羨む栄光の椅子に座する者として崇拝の対象にすらなっていた。
だがそれと同時に、彼女の周りで不穏な噂が流れ始めた。
どうも、彼女が目の敵にした者が、次々に不幸に遭っているのだという。
より人気を得るのに目障りな同業者やアイドルにインフルエンサー、そういった人々が次々に炎上し、失踪し、酷い時には不慮の事故で命を落とす事さえあるのだとか。
通常なら訝しまれる案件であるし、事実それを理由に彼女を嫌悪する者も少なくない。
しかし、そんな疑念なんてものは、彼女を取り巻く熱狂の前にはノイズも同然だ。
信憑性なんてまるで無いし、それに――無縁な他人の生き死になんかで、こんな愉しい時間が終わっていい訳がない。
まさしく彼女は電子の偶像(アイドル)。
過酷な現実から魂を切り離し、煤けた欲望さえ受け入れてくれる器。
今日も今日とて、数十万もの登録者が、彼女の愛に染められる。
超てんちゃんは、インターネットに顕現した最高級の逃避行。
脆弱性(きじゃくせい)を抱えたか弱き者に、救いを差し伸べてくれる天使様。
浅はかな催眠(メズマライズ)だとしても、向かう先が楽園なら、かからずにはいられない。
【2】
何者かに操られている、というのは半分当たりで半分外れだ。
今の超てんちゃんの背後には、彼女の魅力を最大限に発揮するよう仕向けるプロデューサーの存在がある。
「本日も素晴らしい、理想的な配信でした。
誰もが女王陛下の言葉に心酔し、夢心地のまま夜を過ごす事でしょう」
そう言ってにこやかに微笑むのは、筋骨隆々の紳士だった。
胸筋の形さえ見て取れるほどぴっちりとしたスーツを着たその男は、
あからさまな怪しさを醸し出しながらも、振る舞いには気品と誠実さを感じさせる。
一方で、男が称えた少女はといえば、彼とは正反対に薄暗い印象を受ける。
みすぼらしい訳ではない、むしろ容姿なら美少女にカテゴライズできるだろう。
しかしながら、通行人を振り向かせるようなオーラは無い、近寄り難い陰鬱さが彼女の周囲には立ち込めている。
「今日もオタクの相手するの疲れたわぁ~~ピももっと労ってよ~~」
「おや、私なりに賛辞を送ったつもりでしたが」
「そういうのもいいけど今日はマッサージがいいなぁ」
マスターの要求を察した男は、行儀悪く椅子に座る彼女の肩を揉み始めた。
少女の倍はあるのではないかと疑うほどに大きな掌によるマッサージは、配信のストレスを多少は癒してくれる。
「超てんちゃん」という存在は、動画の中にしか存在しない造られたキャラクターだ。
ウィッグを外して化粧を落とせば、擬態が解けて「あめ」という現実の人格が顔を出す。
我儘な上に飽きっぽく、承認欲求の塊の癖に面倒くさがり屋。
メンヘラという概念が服を着て歩いているかのような歪んだ性格が、ネットで愛を振り撒く天使の本性だった。
自身が召喚したキャスターのサーヴァント――稀代の魔術師「アレッサンドロ・ディ・カリオストロ」に肩揉みを要求するような図太さは、
成長の過程でそうした人格を育んだ故の賜物だろうか。
「ピってホントに何でもできちゃうよねぇ、マジで感謝だわ」
キャスターに顔を向けないままそう言うやいなや、あめはスマートフォンの画面を開き、SNSを閲覧し始めた。
配信の直後はいつもこうだ。超てんちゃんとしてのアカウントで今日の配信の感想を書き、その後は裏垢で自分がどう思われているのかの検索に没頭する。
いわゆるエゴサと呼ばれる行為をしているこの時の彼女は、時折激しく苛立ちを見せる時がある。
自分より注目を集めている配信者の話題や、自分を誹謗中傷するユーザーの投稿を目にすると、あからさまなくらい感情が顔に表れるのだ。
いつもであれば、キャスターは何も口にはしない。
不用意に「どうしましたか?」などと問えば、無視されるどころか逆上が返ってくる恐れがある。
気が立っている状態の彼女に自分から近寄るのは、得策ではない。
しかし、今回ばかりはそうにはいかなかった。
彼女の機嫌を無視してでも伝える必要のある重要事項がある。
「女王陛下、一つ小耳に挟んで頂きたい事が」
「……後にしてくんない?」
「残念ながら火急ですので。聖杯戦争の件です」
だからやめろ、と語気が荒みそうになるが、聖杯戦争という単語を耳にした途端、急激に苛立ちが底冷えするような感覚を覚える。
スマートフォンを弄る指が止まる。捨て垢で他のオタクと言い争いをしている最中だった。
「せーはい、せんそう」
「そうです。これより本格的にサーヴァントによる戦闘が活発化するかと。
女王陛下には、今後聖杯戦争を加味した上での立ち振る舞いをして頂きたいのです」
あめは知っている、聖杯戦争がどういうものかを。
葬者と呼ばれる二十数名のマスターによる蠱毒であり、彼等は一度きりの奇跡の為に血眼になって殺し合う。
現代社会ではゲームの中にしかない非日常の中に、自分は放り込まれている。
「い、いや~~すっかり忘れてたなぁ……お薬の副作用だったり、して……」
嘘である。知ってて逃避していた。
訳も分からぬ内に死者の国に放り込まれ、挙句殺し合いをしろという理不尽な現実をなど、直視し続ければ失明してしまう。
だから配信業なんて聖杯戦争で無意味な活動に没頭し、それどころか自分のサーヴァントにそれを巻き込んでいた。
「その様子ですとまだ覚悟がお決まりにならないようで。心中お察しします女王陛下。
常人がかような環境に置かれては、戸惑うのも無理はありません」
キャスターがあめの前で片膝をつく。さながら本物の女王を相手にするかの如く。
「ですが安心ください。その為に私がいるのです。貴方は何も考える必要はありません。
ただ、私の方針通りに動いていただければ、それだけで貴方の理想は叶うでしょう」
「それってつまり、ピが全部やってくれる……ってこと?」
「ええ」
それを聞いた途端、あめの表情は「わぁ」と歓喜をあげそうなくらい明るくなった。
この少女が先ほどまで荒らし同然の悪行を成していたのだから、人間というものは恐ろしい。
「ピって本当に最高!!私何にも出来ないのに、ピは何でもしてくれる!!」
「当然ですとも、私はサーヴァントで、貴方のピですので」
「顔もいいし万能だし……スパダリかよ……」
今のあめにとって、キャスターは自分の理想を叶えてくれる最愛の存在だ。
何を考えているのか分からない時があるし、常に薄笑いを浮かべていて気味が悪いと感じる時こそあるが、
そんな短所なんて軽く吹き飛ばせる位に、魅力が有り余って溢れていた。
「やるぞやるぞやるぞ!!登録者数100万人まで一直線!!
ピが聖杯戦争?に勝ったら……同接1億人の宇宙最強配信者にジョブチェンジ!!」
言葉にできない強大な感情が、あめを突き動かしている。
いまだかつてない速度でやってくる混沌の時代を前に、彼女が出すのは空元気か、あるいは本気の表れなのか。
キャスターは何も答えず、口元に小さな笑みを浮かべるばかりだった。
【3】
SNSを開いてみれば、社会への怒りをぶつける投稿がすぐに飛び込んでくる。
トレンド欄にはネガティブな話題や著名人のスキャンダルが立ち並び、有識者めいたユーザーがそれに言及してみせる。
それは大抵は極論であり、しかし大衆はその極論を喜んで拡散する。
ネットにおいて怒りや扇動は蜜であり、大衆はそれに蟲の如く集るのだ。
インターネットは、今日も醜悪な混沌で満ち溢れている。
キャスターは、カリオストロという扇動者は、混沌をこよなく愛している。
獣と化した大衆が権力を破壊し、その破壊者が新たな権力となって大衆を苦しめ、そしてまた打倒される。
そうした混沌という名の輪廻を廻し続けたのが、彼の生涯にして功績だった。
そんな彼の目から見た現代の混沌は、果たして如何なるものか。
ささやかな幸福から目を背け、インターネットを毒杯と知りながら飲まずにはいられない。
真実から生まれた善意はひたすら訝しむ癖に、フェイク塗れの悪意は平気で鵜呑みにする。
そんな大衆に、彼は何を思うのか。
「おや」
スマートフォンから通知の音声が鳴る。マスターからだ。
彼女はアプリで連絡を取ってくるが、そのスパンは極めて短い。病的と言っていい。
些細な愚痴から愛の言葉まで種類は多種多様であり、一度でも既読無視などしようものなら著しく気を損ねる。
その注文の多すぎる客に望み通りの返事をプレゼントするのも、キャスターの仕事だった。
カリオストロという男の在り方を一言で説明すれば、人形である。
持ち主の望む衣装を纏い、持ち主が望むままに振る舞い続ける。
マスターが正義に生きよと命ずれば、英雄として他者を鼓舞し、
悪逆を為せと命ずれば、反英雄として屍山血河を作ってみせるだろう。
役を羽織る者、己を詐称する者、世界を騙す者。
キャスターというクラスすら嘘偽り。こんなものはハンドルネームと変わりない。
僭称者(プリテンダー)、それがカリオストロの本来のクラスだ。
今回の聖杯戦争で、プリテンダーは「ピ」を演じている。
好きピのピ、あるいはプロデューサーのピ、らしい。
自分を愛する者として配信業をマネジメントしろ、との事だった。
当然それにも従ったし、現状恐ろしいほど上手くいっている。
扇動などお手の物なカリオストロにとって、一人の少女を偶像に仕立て上げるなど児戯も同然だった。
しかし、プリテンダーのマスターは「あめ」という少女だが、同時に「超てんちゃん」というネット総意の器に仕える身でもある。
話を戻さねばならない。プリテンダーにとって、インターネットという混沌は何なのか。
がらんどうの彼にそのような感情があるか定かではないが、恐らく彼は「退屈」を覚えたのではないか。
確かにネット社会を取り巻く混沌は目を見張るものがある。
だがそれらは所詮「秕(しいな)」――萎びた果実にして、無価値の象徴に過ぎないからだ。
どれだけ電子の海が荒れたところで、現実世界は揺らぎもしない。
頭の中にどれだけ怒りを煮え滾らせたとしても、彼等の多くはただの小市民としての生を受け入れている。
とどのつまり、ネット社会の中でそれらは完結してしまっているのだ。
秩序の上で成り立った「規則正しい混沌」であり、社会を砕く真なる混沌とは程遠い。
ゆえにプリテンダーは、嘘と踊り続ける混沌の配達人は、起こさずにはいられない。
真なる破壊と混沌、憎悪と暴力の嵐、命を代価にした狂乱を。
環境は既に整いつつある。都合のいい扇動者に流されやすい大衆。
高みの見物を決め込む匿名世界の住民は、身勝手な願いを張りぼての天使に注ぎ込む。
彼らは気付かない、気付こうとすらしない。画面の先にいる者もまた、心臓の鼓動を鳴らす同じ人間である事に。
汚濁塗れの願いを抱えた天使の心はやがて決壊し、呪いの言葉を紡ぐだろう。
――――「秩序に死を、遍く世界に混沌を」、と。
例え役者が人形ばかりでも、たった二十数人の葬者の為に拵えられた舞台だとしても。
マスターが求めるのであれば、彼女を崇める者がそれを望むのであれば。
0と1の狭間で眠り続ける革命と暴力の意思を、偽りの東京に顕現させようではないか。
何故か、と聞いたとて意味はない。
それはプリテンダーの「機能」であり、そこに感情が介入する余地はない。
あまねく機械に製造目的があるのと同じで、彼の場合それが混沌の具現だった、というだけの話だ。
人形はただ、求められたから応え、そうあれと命じられたから動くだけ。
がらんどうの道化師が吐いた言葉の裏など、知る由もなしだろう。
【4】
常飲している「おくすり」に手を伸ばす時、たまに背中に冷や汗が一滴垂れる時がある。
過剰摂取すると悪影響があるのは知っている。だがこの感情は、そんな情報に由来するものではない。
これのせいで「致命的な何か」が起こったという「実感」を持ったもので、
その「何か」が起こった時の事だけがすっぱり頭のアルバムから消えてしまっていて。
「そんなわけないよね」
カリオストロが言うには、本来この聖杯戦争には死者が招かれるのだという。
だから自分を含めて葬者と呼ばれている人々は、一度死んでしまっていると考えるのが普通な訳で。
なら、今ここで元気に配信を続けているこの肉体は、どこから此処にやって来たのだろうか。
「ありえないでしょ」
カリオストロだって言っていたではないか。
偶然この舞台に生者が紛れ込む可能性も、十分に考えられる、と。
だから自分もそのケースだ。タチの悪い神様がミスってしまっただけなのだ。
そうに決まっている。そうでなければおかしい。
だがもしそうでなければ、元の世界で自分が■んでいたとしたら、
そんな訳がないと何度も何度も何度も何度も振り払っても疑念が消えなくて消えなくて消えなくて。
思考の外に蹴りたい!蹴りたい!蹴りたい!何でもいいから現実からトビたい!トビたい!トビたい!
だから。
――――薬を、一思いに飲みこむ。当然のように過剰摂取だ。
意識が混濁する、直前まで何を考えていたのかさえ不明瞭になる。
ふわふわと宙に浮くような感覚の中で、不安や恐怖は煙になって解けていく。
これでいい。難しいこと、悍ましい現実など考える必要はない。
今はピと一緒に配信を続けて、夢の登録者数100万人まで突っ走ればそれでいいのだ。
聖杯戦争の事なんて、頭の片隅にちょこんと置いておく程度でいい。
後のことはピがなんとかしてくれる、本人だってそう言っていたんだから、それでいい。
アレッサンドロ・ディ・カリオストロは、冥界に顕現した最高級のサーヴァント。
脆弱性(ぜいじゃくせい)を抱えたか弱き少女に、救いを差し伸べてくれる理想の人(ピ)。
浅はかな催眠(メズマライズ)だとしても、向かう先が楽園なら、かからずにはいられない。
【CLASS】プリテンダー(キャスター)
【真名】アレッサンドロ・ディ・カリオストロ@Fate/Garnd order
【ステータス】筋力:D 耐久:C 敏捷:D 魔力:A+ 幸運:A 宝具:B
【属性】混沌・中庸
【クラススキル】
偽造工作:EX
カリオストロ伯爵は自らの存在を鮮やかに偽装する。
己のクラス及び能力を偽装することができる。
一定の触媒及び時間を費やした上で、幸運判定に成功すれば、敵対者は自分を「味方である」と信じ込む。
敵対者は抵抗判定が可能だが、魔術的効果ではないため対魔力スキルは機能しない。
物品鋳造(偽):EX
『首飾り事件』にまつわる伝承が昇華されたスキル。というのは嘘偽り。
陰謀達成のため、彼は必要な物品を自ら仕立て上げる。
道具作成スキルが変質したモノであり、特に、贋作製造や既存の存在の改造・調整に長ける。
英雄の大敵(偽):E++
英雄(或いは反英雄)を阻む大敵であることを示す。
本来は魔獣や竜種、魔性の存在、反英雄が所有することの多い隠しスキルだが、(偽)が付く場合はその限りではない。
歴史に語られざる出来事として、カリオストロは巌窟王と深い因縁があり、幾度かの対立があった。
このことから、彼は自らを「巌窟王の大敵」と深く認識し、スキルを獲得するに至った。
(マリー・アントワネットを陥れた事実も、獲得の一因となっているようである)
【保有スキル】
我はアシャラなり:EX
錬金術、占星術、降霊術、カバラの奥義、古代エジプトの密儀等々の神秘を行使する在り方――ではない。
本スキルの正体は詐術。王侯貴族を手玉に取り、並の魔術師の目さえ眩ませる領域の、超常の絶技とも言うべき大詐術である。
東方武技:A+
詳細不明。
アルトタス連続体:C
ただひとつだけ、彼は正真正銘の神秘を有する。
幼少期の師であった錬金術師アルトタスの奥義――不老不死の体現である。
実際には不老と超再生。真の不死ではない。
【宝具】
『秩序に死を、遍く世界に混沌を(レベリオン・ウ・モンド)』
ランク:B~EX 種別:対都市/混沌宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:500人
革命の戦火の幻影を伴って、魔力の渦が周囲一帯を薙ぎ払う。
破壊と新生を自らの命題とする精神の具現、心象風景の模倣。固有結界に似て非なるモノ。
秩序特攻の効果を伴う。
この宝具の真価は「秩序の破壊」であり、決して永続的なものではないが、秩序に類する概念を醜悪なまでにねじ曲げる。
法、倫理、規範――時に、聖杯戦争の
ルールさえ一時的に書き換えてしまう。
最大限の規模と効果の運用のためには長時間に渡る儀式と裏工作、リソースの投入が必要となる。
【weapon】
『幻炎』
炎の魔術、ではなく精神攻撃の一種である。
精神を持たない相手には効果が弱い。回路があるタイプであれば機械にも効く。
【人物背景】
18世紀、欧州諸国に出没した伝説的な怪人物。
革命前夜のフランス社交界を暗躍した大魔術師、或いは稀代の天才詐欺師。
王侯貴族のように振る舞うも貧民街で無償治療を行い、民衆に讃えられた傑物。
フランス王妃マリー・アントワネットをも巻き込む世紀の大スキャンダル『首飾り事件』の黒幕として逮捕されるも、
釈放され、市民からの大きな喝采を浴びた。
革命前夜のパリにあって、貴族を翻弄し貧民を救う彼は、まさに英雄であった。
……と、歴史には記されているが、それは偽りである。
その正体はただ一つの神秘以外何も持たぬ扇動家にして、混沌の配達人。
彼の中にあるのは、混沌が齎す秩序の破壊のみ。
【サーヴァントとしての願い】
具体的な願いが彼の口から語られることはない。
がらんどうの男に願いがあるのかどうかさえ定かではない。
【マスターへの態度】
プリテンダーはマスターに都合よく振る舞う。
今の彼はマスターの配信をプロデュースする「ピ」である。
求められているからそうする、それ以上の意味合いはない。
そしてそれは、彼が目的とする「混沌による秩序の破壊」の否定を意味しない。
マスターの影響でちょっとノリが良くなっている、かもしれない。
【マスター】超絶最かわてんしちゃん/あめちゃん@NEEDY GIRL OVERDOSE
【マスターとしての願い】
チヤホヤされたい!目指せ登録者100万人!!
【能力・技能】
優れた配信者になる素質はあり、事実この聖杯戦争でも名のある配信者になっている。
が、生活能力は壊滅的であり精神面も極めて不安定なので、他者の支えなしには生きられない。
【人物背景】
最強配信者を目指す承認欲求強めな女の子。
【方針】
配信業を続ける。聖杯戦争は……ピに任せとけばいいよね。
【サーヴァントへの態度】
恩人であり理想の「ピ」。
最終更新:2024年06月02日 00:48