ホテルベーチタクル東京の高層階、スイートルームの一室。
 華美な調度品に囲まれ、窓ガラスからは都会のネオン煌めく夜景が見える。
 そして当然のことながら空調設備は完璧であり、年度末のまだ肌寒い外気を遮断しつつ、室温は快適に保たれている。

 そんな一室で、男は滝のような汗をかいていた。
 壮年の男だった。やや成金臭さのある、オーダーメイドらしいスーツに大量の汗をしみこませて、男は立っていた。
 極度の緊張に晒され、胃液がせりあがってくるので、全神経を集中させてそれを押しとどめている。
 眼前にある、生命の危機に対しての緊張。死への恐怖と生への渇望をブレンドさせた感情図。
 危機的状況から逃げ出すこともできず、出来ることといえば膝に手をつき、せめて倒れないようにと踏ん張ることだけ。
 顔中から噴き出した汗を拭うこともできず、雫が鼻を伝って床の絨毯に落ちていっても、それをただそれを見つめるしかない。

「余は命じたはずだぞ。細心の注意を払い、決して気取られるなと」

 声は至って平坦であった。あくまで言葉の意味の上での叱責に、しかし男は喉を鳴らした。
 それは緊張からか、はたまた嘔気からか。
 ふと、空気が動いた気配を感じた男は、膝に手をつき俯いたままの姿勢は相手に悪感情を抱かせるかもしれないと思い至る。
 ふらつきそうになるのをこらえながら、男はなんとか顔だけは前を向いた。


 異形が、そこにいた。


 おおまかなシルエットは人型に見える。だがシルエットですら"おおまか"に見なければ人の範疇から逸脱する。
 人の範疇から逸脱する大きな要因は、臀部から伸びる尻尾だった。見るからに筋肉質な直径の逞しさもさることながら、注射器を彷彿とさせる先端の凶器的な鋭利さに男の背筋が凍る。
 有尾人は頭部も異形であった。一言でいえば、異常な隆起。遠目からなら風変りなヘルメットや被り笠をしているようにも見えるが、しかしその表面を見てみれば肌とも殻とも鱗ともつかない、しかし確かに生体らしい生々しさがある。少なくとも男にとっては、生理的嫌悪感を禁じ得ない部類のもの。
 そもそも、灰色がかった緑褐色の体表は人間はおろか類人猿の皮膚の色ですらないし、加えてその相貌の冷淡さにおいてはもはや人形以上に感情が欠落したかのような無表情。いっそマネキンに仮装させていると言われたほうが納得ができるほどの、無感情。
 それでも、男は怪物に叱責の言葉を投げかけられ、それに心底怯えている。

 ピッ、と水が弾かれる音がした。
 それは異形が腕を振るい、手についた血液を払った音。
 異形の足元には、胸を貫かれてこと切れた死体が転がっていた。

「では、この者はなぜ余のいる部屋に辿り着いたのだ?」

 異形の言葉に耐え切れず、男は再び顔を床へ向けた。
 質問であって、質問ではない。
 公衆の面前に姿を晒し騒ぎになることを嫌った異形に代わり、外部で動くのが男の役割だった。
 そして、己の役割を悟られないこと、つまり男を小間使いとしている異形が背後にいることを、誰にも知られないことが、男が最も守らなければならない任務だった。

 それを、違えた。
 不審な動きを敵に見つかり、後をつけられ、主の姿を見られた。
 そしてその不始末は、異形の主が自ら処理することで片が付いた。
 そのことを、この異形はすでに理解している。

 男が迂闊であり、ヘマをした。そのため、異形は相応のリスクを背負った。
 背負いたくないと考えていたはずのリスクを、手駒のために背負ったのだ。
 対して大切というわけでもない手駒のために。
 端的に言えば、そういうことだった。

 残る問題は、問題を引き起こした原因を明らかにし、その責任を果たすこと。
 責任とは任を果たすことであり、任の結果の責めを負うことである。

 命を以って。

「……す、全て、オレの責任で……」

 言葉を言い終えれば自分は死ぬ。
 それがわかっていても、男は正直に言葉を吐き出すしかなかった。
 下手に取り繕ったり、少しでも時間を稼ごうとすれば、自分の死がより凄惨なものになると直感していた。
 だから、恐怖で舌がもつれることを唯一の足掻きとしながら、男は自分自身の死刑宣告を口にする。
 異形による断罪が速やかに行われ、自分にもたらされる苦痛が少しでも軽いものになることを祈りながら。


 だが。



 ――――――ぶわりと、一陣の風が男と異形との間に吹き込んだ。



「そこまでにしておこう。彼はよくやってくれているだろう?」

 部屋に充満する血液の臭いが、開けられた窓から入り込む風で一気に押し出される。
 そのあとで、奥の部屋から漂う紅茶の甘く芳醇な香りと、天日干しをした布団のような温かい匂いが、男の鼻孔をくすぐった。

 いつのまにか、男の傍らに人影があった。
 長身の男を優に超える巨躯が少しだけ腰をかがめ、うずくまる男の頭に手を置いていた。
 断りもなく突然頭に手を置かれるなど、平時であれば屈辱的とも思える状況に、しかし男の胸中は平穏だった。
 数秒前までの恐怖心さえもなく、ただ頭の上から感じる温もりを堪能していた自分に、男は少しだけ驚いた。
 古から大地に根差した巨木に身を預けているかのような、驚きさえもかすむほどの安心感が、男の胸の内を満たしていた。

「人前に出ることのできないわたしたちのために、身を粉にして働いてくれている。
 こちらも事情があるとはいえ、脅かすような真似をして、無理な頼みを押し通して、その上で彼は十分わたしたちを助けてくれている。
 一度の失敗で、しかも取返しがつかないほどでもない状況でそこまで詰めては、さすがに可哀そうだ」

 男の頭に手を置いたソレは、異形から男を庇っていた。
 あの異形、暴威の化身、烈火の具現のような怪物から、男を護ろうとしていた。
 そこで男が気付く。いつの間にか、異形から放たれていた殺気と圧力が霧散している。

 頭に乗せられていた手が背中に添えられ、促されるように立ちあがる。
 優しく語りかけてくる巨躯の存在を、男は穏やかな心持ちで見上げた。
 最初に目についたのは、金色の鬣だった。
 頭から生えた角と突き出した鼻口部を持つ頭部は、人間よりも山羊の造形に近い。
 紫色のマントに身を包む山羊頭の大男は、しかし柔和な笑みと平穏な声色で男を優しく気遣ってくる。
 こちらもまた異形ではある。異形ではあるが、今もなお男を見下ろしている無表情のそちらとは外観以上に違っていた。

「さあ、向こうの部屋に紅茶を淹れてある。心が落ち着く、ローズヒップ・ティーだよ。
 それを飲んだら、今日はもう休んで、また明日からお願いを聞いてほしい。
 わたしたちには、きみの助けが必要なんだ」

 それから、無理な頼みを聞いてもらって申し訳ない、感謝していると山羊頭は言った。

 実際その通りだ。無茶難題を押し付けられて、それを違えれば苛烈な叱責を受ける。
 そして、もうこりごりだと投げ出してしまうには異形の恐ろしさに屈服しすぎている。
 逃げ場のない状況にある男に、それでも山羊頭は労いと詫びと感謝の言葉を吐き出す。
 ひどい奴だと、男は思った。
 庇いはすれど、救うつもりはない。
 守りはすれど、解放するつもりはない。
 上っ面だけの気遣いにどれだけの価値があろうか。

 結局、男は促されるままに紅茶を飲み、スイートを後にした。
 別の階に取った自室に戻って身体を休めたら、明日からまたあの異形にこき使われるのだとわかっていて、それでも逃げ出すこともできず。

 だが、その山羊頭の表情と声色から、彼が心底お人よしであることは伝わっていた。
 行動はいまいち伴っていなかろうと。労いと詫びと感謝の言葉が本心であることは理解できていた。
 元々、男は暴力を背景としたビジネスのために日本へやってきていた。言わずもがな違法行為だ。
 それをよりによってあの異形に見つかり、強請られる形で協力を強制されている。
 どうあろうと男は異形に歯向かえない。その上で、異形の仲間らしいあの山羊頭はこちらに対して気遣っているのだ。

 一つ、大きく息を吸って。
 一つ、大きく息を吐いた。
 数分前に口にした紅茶の残り香を確かめながら、男はもう一度だけ深呼吸する。
 どうあろうと男は異形たちに歯向かえない。
 違法行為を見咎められ、命を脅されている以上、保身のために従うしかない。

 どうせ従うならば、だ。
 あの恐ろしい異形のためではなく、あのお人よしな山羊頭のためになら。
 強請り、脅す対象でしかない自分を異形から庇い、気遣い、心を砕くあの柔和な山羊頭のためになら、もう少し働いてやろうと。
 どっちみち逃げ場のない男にとって、それが精いっぱいの現実逃避で、妥協点だった。

 部屋に戻った男は熱いシャワーを浴びて全身の汗を流した後、電話を手に取った。

「オレだ。動ける組の者を全員こっちへ呼び寄せろ。
 大事なクライアントだ、四月までには成果を挙げる。少なくとも……―――」

 男は身を休める直前まで電話をかけ続けた。
 異形の顔は、一度も思い出さなかった。


  × × × ×

「まだ、人間は苦手かい?」

 男が去ったあとスイートルームでのこと。
 山羊頭がそう問いながら、自分で淹れた紅茶に口をつける。
 異形は、窓から夜の東京を見下ろしながら、心底つまらなさそうに吐き捨てた。

「苦手ということはない。距離感を掴みかねているだけだ」
「苦手意識は無くても気兼ねなく対話が出来ないなら、得意とは言えなさそうだね」

 そう言って笑う山羊頭を、異形が睨む。
 心底不快そうな表情に、山羊頭は笑みを収めた。

「済まない。気を悪くしたかな」
「あぁ、すこぶるな。貴様、あの男の失態を庇い紅茶を淹れるためだけにわざわざ戻ってきたのか?」

 異形は足元に転がっていた死体に片足を乗せ、その頭蓋を踏みつぶして見せた。
 血液と脳漿の飛沫が撥ね、山羊頭のマントの裾を汚す。
 続けて異形が死体の右手を蹴り上げれば、引きちぎれた手首が山羊頭の足元へと転がっていった。

「この葬者がここまで潜り込めたのはアサシンのバックアップがあったからだろう。
 英霊の加護を受け、当人の技量も一定の水準にはあった。油断のならない相手ではあった。余の敵ではなかったがな。
 そして当然、マスターたる余の手を煩わせた貴様は、敵を仕留めたのだろうな? "ランサー"」
「あぁもちろん。正直気は進まなかったが、"みのがす"という選択肢は存在しえないね」
「……どうだかな。貴様の性根はすでに把握している。
 アサシンを倒したというのは信用するが、貴様は闘争を好まなぬ草食獣のような……」
「メルエム」

 今度は異形―――メルエムと呼ばれた異形が、口を噤んだ。
 山羊頭のランサーは紅茶のカップをテーブルに置き、己がマスターの足元、頭を砕かれた死体に手をかざす。
 メルエムが足を退けた直後、死体が発火、炎上し、数秒後には跡形もなく燃え尽きていた。
 後に残った遺灰も、開け放たれたままの窓からの風に乗って外へ運ばれ霧散してゆく。
 その様子を見届けたメルエムが視線を戻せば、唯一残った死体の手首をランサーが拾い上げるところだった、

 手首には、欠損のない令呪が遺されている。

「確かにわたしは闘争を望まない。誰も傷つけたくはない。
 だがきみの苦悩は、その十分の一くらいは理解できると思う。
 きみが出す答えがどんなものであろうと、最後まで付き合えるのはわたしくらいのものだ。
 きみの、王直属の護衛軍(ロイヤルガード)として。そして同じ怪物の王として」

 そう言ってランサーは、令呪の刻まれた手首にかぶりついた。
 肉を咀嚼、骨を粉砕、そして嚥下。
 そうして三角もの令呪を取り込んだランサーは、宝具の限定解放を行う。


「―――――『山で眠る王(Bergentrückung)』」


 それは、決して派手なものではなかった。
 ただランサーの内部に蓄えられた令呪三角分もの魔力が、一定の指向性を得ただけのこと。
 鳴動だの威圧だのという変化もないままランサーは静かに、再びテーブルの紅茶に手を伸ばした。

「これでわたしも多少は外を出まわれるようになった。
 明日からはノストラードくんについていこうと思う」
「……なに?」

 怪訝な顔をするメルエムに、ランサーは心底驚いた様子で片方の眉を跳ね上げた。

「わたしたちが頼っているマフィアのボス。さっきまでここにいた彼だよ。
 メルエム、興味ないかもしれないが名前くらい覚えてあげてくれ?」
「そうじゃない。貴様が外に出る意義を聞いている」

 あぁそちらか、と紅茶をすすり、ランサーは言葉を紡ぐ。

「ノストラード組(ファミリー)が行ってくれている。わたしたちの活動基盤の拡大作業の監督。
 敵勢力を調査し、わたしたちの障害となる場合はなんらかの工作、あるいは排除が必要だからね。
『山で眠る王(Bergentrückung)』の限定解放で得た『単独行動』スキルのおかげで活動範囲は広がっている。
 もちろん霊体化は必須であるし、無用な戦闘は避けて目立たないことを最優先にするよ。
 あぁ、これでも地下世界を統治していたんだ。治安維持や軍略についての知見もそれなりに持っているさ」

 すらすらと並びたてる言葉は、確かに理屈は通っているように思える。
 マスターを孤立させるリスクも、平時は外部との関係を遮断する以上は最低限にまで抑えられるだろう。
 居場所を探られるとすれば、それは今回のように配下の後をつけられる可能性であるが、その場合はランサーが外部で処理するという選択肢を増やすことにも繋がる。
 いざとなれば令呪での瞬間移動もある以上、別行動という選択肢は決してなしではない。

 そしてなにより。

「そしてなにより、わたしが外部で敵の目を引けば、当然きみへ向けられる視線は減るだろう。
 きみが答えを出すまでの時間を作るために、わたしが囮になるというのは決して悪くない選択肢だと思うよ」
「……」

 メルエムは言葉を見つけることが出来ずにいた。
 それでも時間は有限である以上、答えは出さなくてはならない。
 自分が抱えている苦悩と同じように。

「いくつかの拠点、物資。……手足となる人員、資金、情報。それがそろうまでだ。
 どんな結論に至るにせよ、然るべき時には打って出る。飛車角落ちというわけでもなしに、守勢ばかりは性に合わん」
「そうだね。引きこもってばかりでは身体にもよくない」
「……アズゴア」

 ランサーの真名を、マスターが口にするのは初めてだった。
 ランサーは、地底世界の王は今一度紅茶のカップをテーブルに置き、蟻の王と視線を合わせる。

「貴様は、人間を憎んでいないのか。
 今回のこともそうだ。お前は人間を庇った。そして今後は、人間と肩を並べるという。
 愛するものを奪われた憎しみは、押し殺せる程度のものだったか」
「いいや」

 返答は短く、即座に返された。
 メルエムは、続く言葉を傾聴する。
 黙って人の話を聞くというのは、蟻の王にとっては珍しいことだった。

「今でも人間は憎い。
 だが、すべての人間を滅ぼしたいと思えるほどの憎悪は、きっと抱けなかったのだと、今は思う。
 当時は、怒りに任せてかなり振り切れたマニフェストを掲げたものだがね」


――――人間たちを滅ぼし、モンスターたちの手で地上に平和な世界を築く


「だがあれはわたしの本心からの言葉とは、とても言えないと思う。
 ただ国民に希望を与えたいがために、国民の顔色を窺った結果の宣言でしかない。
 そしてそれは、ただ地上から落ちてくる人間を待つしかないという、ずいぶんと消極的なものだった。
 種の頂点として産み落とされたキミの使命や責務に比べれば、なんとも気の抜けた話だ。
 わたしは人間を、憎み切れていない。だが諦めきれたわけでも、許しきれたわけでもない」

 きみと同じだ、とアズゴアは言う。

 メルエムは想起する。
 人間の代表者としてやってきた老戦士との闘い。賞賛すべき技巧、修練の果ての粋。
 そんな才を持つ者がそれをかなぐり捨てなくてはならない状況に追い込まれるという状況、そこから推し量れる、人間社会の醜悪さ。
 人間の、底知れない悪意という進化。その果てに、蟻の王は死を迎えた。


 そして、お供しますと付き添ってくれた愛する人の手をうっかりと放してしまった蟻の王は、独り冥府から這い出す機会を得てしまった。


「わたしたちが蘇ったとしても、そこは愛する者のいない世界だろう。
 大多数が到底愛せないであろう、概ね愚かで醜悪と言わざるを得ない、人類が蔓延る世界。
 そこで、わたしたちがどう振舞うべきか。
 どんな答えであっても、最後まで付き合えるのはわたしだけ。
 どんな答えであっても、その答えをわたし自身も欲しているからね」

【CLASS】
 ランサー

【真名】
 Asgore Dreemurr(アズゴア・ドリーマー)@UNDERTALE

【ステータス】
 筋力B 耐久B 敏捷C 魔力A+ 幸運E 宝具C

【属性】
 秩序・中庸

【クラススキル】
 対魔力:C
 ランサーのクラススキル。魔術に対する抵抗力。
 二節以下の詠唱による魔術は無効化出来るが、大魔術・儀礼呪法などの大がかりな魔術は防げない。

【保有スキル】
 魔力放出(炎):B
 武器、ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させる。

 カリスマ:C-
 人を率いる才能。
 マイナス補正がつくほどの優しすぎるその性格は指導者として有利にも不利にもなる。
 施政者として甘い、あるいは極端な判断に失望されることすらあれど、それでも民に愛される高い人望は、その性格故。

 単独行動:A
 本来、ランサーは『単独行動』スキルを保有するに足る逸話を持たない。
 しかし後述の宝具により、高ランクのスキルを獲得している。

【宝具】
『決意を力に変える者(determination)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
「* You know what we must do./* わたしたちには やらなくては ならない ことがあるね。」
 ランサーは争いを好まない。しかし覚悟を持って敵と相対したとき、決して容赦はしない。
 彼こそは
 戦闘が終了するまで対象の逃走、降伏、交渉行為を阻害しそれを遮断する。
 完全に一対一の決着がつくまでの間にのみ機能する宝具であり、決着とはランサーか敵対者どちらかの死以外にありえない。
 例え敵対者が勝利したうえでランサーの命を見逃すつもりであっても、ランサーは最後に自身の死でもって対象を宝具から解放しようとする。
 ランサーが決意を固めた以上、両者が生き延びるという甘い話が通用することはない。
 ただし、外部からの横槍が入った場合は即座に効力が失われる。

『山で眠る王(Bergentrückung)』
ランク:EX 種別:対人類宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000人
 地底世界からの解放を掲げ、それを成し遂げてしまったモンスターの王のイフの姿。
 7人の人間の魂を吸収することで自身を強化し、地底より現れるモンスターの群れを引き連れ、人類種を蹂躙する。
 聖杯戦争においては7人の魂、すなわち令呪21画分の魔力を取り込むことで発動が可能。
 自身と召喚したモンスター群にAランクの『単独行動』と『狂化』スキル、そして"人"属性に対する特攻を付与し、際限なく暴れまわる。
 呼び出されるモンスターはかつてランサーが統治した地底世界の住人たちであるが、闘争を好まない者、荒事に不向きな者、袂を分かった者、そしてランサーが愛する者は絶対に現れない。
 ちなみに、令呪3画のみを取り込んだ時点で限定解放が可能であり、その場合はモンスターの召喚はなく、自身にAランクの『単独行動』スキルのみが付与される。
 本編開始時点でこの限定解放はすでに行われており、したがって宝具の完全開放に必要な令呪はあと18画となる。

【weapon】
 トライデント

【人物背景】
 イビト山の地下に広がるモンスターたちの世界、そこに君臨する偉大な王。

【サーヴァントとしての願い】
 誰かを傷つけたくはない。
 ただ、マスターの結論には最後まで付き合う。

【マスターへの態度】
 自分よりも大きな器、自分よりも大きな苦悩。
 それでも真にその気持ちを汲めるのは、同じ王たる自分だけ。

【マスター】
 メルエム@HUNTER×HUNTER

【マスターとしての願い】
 向かうべき先を知る。それが第一義。

【能力・技能】
『放出系念能力者』
 体からあふれ出す生命エネルギー『オーラ』を自在に操る能力者。
 中でもオーラを体から離して留めることを得意とする。
 圧縮したオーラを砲撃として放ったり、光子と化したオーラを散布することで周囲の様子を把握することが出来る。
 また、他者を喰らうことでその念を自らのものにすることが出来る。
 生前に得た能力として、自身の肉体を変形させる能力、散布した自身のオーラが付着した者の心理状況を読み取る能力を獲得している。

【人物背景】
 キメラ=アントの王。

【方針】
 目立つのは避け、行動は最小限に。
 ただし然るべき時に打って出る。
 敵は殺す。

【サーヴァントへの態度】
 自分とは決定的に違うが、自分と同じ人外の王。
 その在り方は惰弱であり、懇篤であり、醜くもあり、あるいは……。

【備考】
 ノストラード・ファミリーのボス、ライト=ノストラードを脅迫し手駒としています。
 ファミリーのモブ構成員が多数日本に訪れていますが、原作に登場したキャラがどの程度まで再現されているかは未定です。

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最終更新:2024年05月28日 19:12