銃声が二つなった。
その弾丸は直線ではない。
まるで舞踏会(ディスコ)の光体(ミラーボール)のように蠢く。

護衛の雑魚(チンピラ)は一人一人、死角から撃ち殺されていく。
男は畏怖した、東京一帯の半グレをまとめ上げる帝王、そして、冥界下りの一人として選ばれた男。

積み上げられた自信が壊されたのは、部下の死だけではない。
己のサーヴァントが牙を向いたことだ。

忠実だったアーチャーが、己と牙を剥いていく。
そして、男は何か手段をとれるわけでもなく、絶命した。

あとに残ったのは、男と、サーヴァントらしき少女だけだった。


東京都某所ショッピングモール
都市型のコンパクトなその施設の駐車場から、一代の車が出てくる。

いかにも、その手の雰囲気を出している黒塗りの高級車は、そのまま最寄りの首都高のICに入場する。

「良かったっしょ、サーヴァントの身とはいえ、お前はまだ稚児(ガキ)なんだぜ?」
「別にいいのに」
男、殺島飛露鬼は、助手席の少女へと話しかける。
少女から出る雰囲気は、退廃的な、すべてを終わらせたような雰囲。

「私、悪い子だから」
「オイオイ?英霊な以上、天寿は全うしてんだろ?一回ぐらい、幸運(ラッキー)なことあったんじゃねぇか?」
「そんなこと…無いよ…」
やれやれと、殺島がバックミラーを見る。
後ろ白色のバンの動きがおかしい。
俗にゆうあおり運転と言う奴だろう。

「やれやれ…せっかくの仕事帰りだってのに…気分わりーぜ…」
「どうするの?」
「キャスターは何もしなくていいぜ、俺が始末する。」
窓を開け、球を装填する。
「それじゃ、良い旅を(ボンボヤージュ)」
夜空の首都高に、弾丸が踊りだす。
踊りの終末(エンド)は、弾丸がガソリン部に当たり、大爆発、あとに残るのは燃えた車の破片と人の燃えカス。

「で、叶える願いは決まったの?」
「…まだだな…どうも…頭に出てこねぇ…」
「そう、分かった」
「ゆっくり決めてくぜ、キャスター…俺たちの…勝利のために」
夜の首都高、走る黒塗りの高級車。
そこに乗るキャスター、敷島羽鳥。
夜の冥界の月に照らされていた。


(どうしようも…ねぇんだよな…俺の願い…)
殺島はこころの中でぼやく。
(せっかくアイツラとももう一回会えると思ったのに…たっく…死に損見てぇなもんだな…)
あの日、俺は間違えなく忍者の稚児(ガキ)に首を跳ねられ、死んだはずだ。
でもここに生きている。

(しょうがねぇ…やりたくもねぇし…さっさと聖杯に頼んで死なせてもらうか…)
夢は尽きた、聖華天との奴らとも暴れまくった。
俺にもう杭はない。

(死に戦…てっのも変だな、死にてぇけど、男として、わざと負けるマネはしねぇ、キャスターにも悪いし…)
不退転の覚悟は決められた、再び、心のエンジンを蒸す。
(さて…たった二人の共同戦線…やってやるか…)
男、殺島飛露鬼――天寿全うのため――出発(テンパツ)。

【CLASS】キャスター
【真名】敷島羽鳥@アリスと蔵六
【ステータス】
筋力D 耐久E 敏捷C 魔力A++ 幸運D 宝具A
【属性】中立・中庸
【クラススキル】
陣地作成:D
 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
 ”結界”の形成が可能。

道具作成:―
このサーヴァントは道具作成のスキルを持たない

【保有スキル】
魔力保持:A
魔力の蓄え方を知っていることを表すスキル。
膨大魔力を、素の魔力量より蓄えられる。

魔力活用:C
魔力の使い方を知っていることを表すスキル。
宝具を通常の魔力より低い値で使える
【宝具】
『アリスの夢・支配の形』
ランク:A 種別:対城宝具 レンジ:1~??? 最大捕捉:1~???
女性に与えられる特殊能力、アリスの夢。
「人々から意思を奪い、奴隷のようにする力」を行使する。
1区を纒める力を持ち、本聖杯戦争においては、サーヴァント一人から区全体まで、幅広く扱えるよう、仕組みが整えられた。
【weapon】
『アリスの夢・支配の形』
【人物背景】
自分の失敗により、過ちより立ち直れなくなった少女。
その後立ち直るはずだが、本聖杯戦争においては立ち直る前の状態での霊基で参戦した。
…そもそも、武器が宝具頼りであるため、サーヴァントとして選ばれることも滅多にない。
しかし、上記のスキルと元からの魔力の高さもあり、宝具を連続で使用出来るよう、改造されている。
【サーヴァントとしての願い】
すべてを――やり直す
【マスターへの態度】
悪く無い…かな…少しおせっかいかも。

【マスター】殺島飛露鬼@忍者と極道
【マスターとしての願い】
天寿する
【能力・技能】
極道技工(ごくどうスキル)「狂弾舞踏会(ピストルディスコ)」
自身の拳銃から放たれる銃弾を、跳弾に変える能力を持つ。
ただ、それだけなのだが、殺島は高い技能でこれを習得することによって、幹部クラスとなっている。
――もちろん、それは理由の補足的なものであり、本当の理由では無いのだが。
【人物背景】
破壊の八極道の一人、大人になれなかった大人。
一様、極道の組長のロールを持っている。
【方針】
人材を活かしてサーヴァントを殲滅、聖杯に死を叶えてもらう。
…死人が出る幕なんて、無いんだよ。
【サーヴァントへの態度】
幼い稚児(ガキ)だ、サーヴァントとしても戦ってもらうが、しっかり世話してやらねぇとな…
…花奈も成長したらこうだったのかもしれないな…って、未練タラタラじゃねぇか俺…

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最終更新:2024年04月13日 18:49