私は、ただ憧れていただけ。
魔法で人を幸せにし、どんな危機にも挫けたりしない、そんな魔法少女に。
§
姫河小雪が、自室で目を覚ましたのは夜のことだった。
目覚めは最悪。先ほどまで悪夢に苦しめられ、何度も寝返りを打ってうなされていたからだ。
小雪は意識を覚醒させると、現実逃避したいがあまりに二度寝したくなる欲を抑えて、魔法の端末を取り出す。
直後、小雪が光に包まれたかと思うと、そこには小雪とは別人――否、小雪の変身した姿があった。
学生服をモチーフにした、薄い桜色の髪をした少女がそこにいた。しかしそれは、単なる学生服ではなく「コスチューム」といった趣が強い。その清楚さはどこか「白」を思わせる。
彼女は、「姫河小雪」でいる時は中学生の少女だが、変身すれば所謂魔法少女になることができる。元いた世界では、「スノーホワイト」という名が与えられていた。
「……」
スノーホワイトは変身した後も浮かない顔のまま自分の部屋の中に佇む。
少なくとも、かつての姫河小雪が憧れていた魔法少女の姿に似つかわしくない。
雑念を振り払うかのように、そのまま窓を開け、そこから部屋の外へと出ようとする。
「今日も人助けですか?精が出ますね」
そんなスノーホワイトの背後から声がかかる。
声の方へ向くと、魔法少女とは程遠い格好をした少女が、もう一人立っていた。
背中から生えている悪魔の翼に、頭に生えた一対の角、そしてその瞳や頬に浮かび上がっている闇色の星。
乳房をニプレスのみで隠した際どい衣装も相まって、どちらかといえば魔法少女というより悪の組織の女幹部といった風貌だ。
「……アルターエゴ」
スノーホワイトは突如現れた少女の名を呼ぶ。
この少女こそが、此度の聖杯戦争に巻き込まれた姫河小雪/スノーホワイトの召喚に応じた、アルターエゴ。
「……何か言いたいことでもあるの?」
「いえ?私は素晴らしいと思っていますよ。尊敬の念すら感じます。その在り方は魔法少女そのものですから」
「ッ……!」
魔法少女という言葉を聞いて、キッとスノーホワイトの目が険しくなる。
「ただ……あなた単独では他のサーヴァントにあっさり倒されてしまわないかと思いまして。ネット上にはあなたの目撃情報もありますから少し心配で――」
「――いらないよ」
アルターエゴの台詞に被せるようにスノーホワイトは言う。
「『魔法少女の敵』である、あなたの助けなんて……!」
記憶を取り戻し、初めてアルターエゴを召喚して開口一番放たれた口上が思い返される。
『私の名前はマジアベーゼ。魔法少女《あなたたち》の悪となるものであり――魔法少女《あなたたち》の敵です』
魔法少女の敵にして悪の組織・エノルミータの総帥となった女マジアベーゼ――彼女がスノーホワイトの召喚したアルターエゴのサーヴァントだった。
「それに……私は魔法少女なんかじゃない」
自嘲するようにスノーホワイトは言う。
そうだ。スノーホワイトはもう、魔法少女ではない。
森の音楽家クラムベリーとファヴによって引き起こされた、N市での魔法少女同士の凄惨な殺し合いで、スノーホワイトはずっと争いから逃げていた。
選択せず、戦うことを拒否して流されるがまま、歪められた魔法少女見習いの卒業試験を、生き残っていた。生き残ってしまった。
結果、自分とリップルを除いた魔法少女が死んだ。その悲劇を、止めることができなかった。
こんな自分に比べれば、自ら選択して戦うことを選んだリップルの方がまだ魔法少女といえるだろう。
「いいえ」
直後、マジアベーゼがそれを否定する。
「あなたは魔法少女です」
真っ直ぐにスノーホワイトを見つめながら、マジアベーゼは言う。
「……違う」
「こんな状況になっても人を助けることをやめない」
「違う……」
「魔法少女の矜持をまだ見失っていない」
「違う……っ」
「誰もが憧れる魔法少女になれる人が、ここにいます」
「違うっ!」
声を荒げるスノーホワイト。
「あなたもハードゴア・アリスみたいなことを言うの……!?」
「ハードゴア・アリス……ええ、知ってますよ。あなたが夢を見ている時に私の頭にも流れ込んできました。目に隈を作った黒い魔法少女ですよね」
魔力パスが繋がっていることで流れ込んできた記憶を見たというマジアベーゼは、「一見怖いけど、根は優しそうですよね。うちの組織にもネロアリスって子がいて、とっても可愛いんですよ」などとぺらぺらと語り始める。
そんなマジアベーゼを無視して、スノーホワイトが外へ出ようとした時、「声」が聞こえてきた。
それは、スノーホワイト固有の魔法である「困っている人の心の声が聞こえるよ」で拾うことのできる心の声だ。
“ああ、困りましたねぇ……”
”スノーホワイトの持つ願いは、まさに私の憧れる魔法少女”
“けれど、今の彼女は危うい。少しでも間違えば取り返しのつかない方向へ行ってしまう”
“戦闘能力も魔法少女としてはまだ足りない”
「っ……」
マジアベーゼの心の声は、スノーホワイトに刺さるものがあった。
特に実力が足りないことは、自分自身もよく分かっている。
しかし、その直後に聞こえてきた声にスノーホワイトは顔色を変えることになる。
“そんなスノーホワイトがあらゆる面で成長したら、どんな顔で私に立ち向かって来てくれるのでしょう”
“綺麗だからこそぐちゃぐちゃにしてあげたい……。痛めつけたら、どんな声で鳴いてくれるのでしょう。辱めたらどんな格好になるんでしょう”
“ああ、今すぐに見れないのがもどかしいです”
“それにしても、魔法少女が多くいたというのに、それを殺し合いで減らしてしまったとかいうクラムベリーとファヴとやらには腹が煮えくり返りますねぇ”
“ラ・ピュセルには「くっ、殺せ!」と言わせたいです”
“ハードゴア・アリスやスイムスイムは身体のどの部位をまさぐれば表情を変えてくれるでしょうか?”
“リップルを辱めて、舌打ちしながら睨んでくるその顔を思いきり眺めたい”
“たまをペットにして身体だけ操って戸惑う様を楽しみたい”
“ねむりんを四六時中くすぐって寝られないようにしたい”
“トップスピードを蜘蛛の糸に絡めとって身動きできない彼女を手籠めにしたい”
“ルーラとカラミティ・メアリはセットで辱めて、脳内フィルタで幼女にして「ごめんなさい」を言わせたいですねぇ”
“ピーキーエンジェルズには二人どちらかを犠牲にするプレイをさせて仲違いでも狙ってみましょうか”
“マジカロイド44は回路をいじくって喘がせたい”
“シスターナナとヴェス・ウィンタープリズンはお姫様と王子様のポジションを逆転させて、ウィンタープリズンの処刑宣言をしてシスターナナがどう出るかみてみたいです”
魔力パスが繋がっているだけに、マジアベーゼの性癖から来る妄想が、映像付きで脳内に流れ込んできた。
ぞわぞわと肌を這うような、死に対するそれとはまた違った恐怖が、全身を駆け巡った。
「ッ!!!!!」
スノーホワイトは、逃げるかのように部屋を飛び出していた。
「あ……そういえばスノーホワイトは心の声が聞こえるんでしたね」
§
この聖杯戦争のマスターの資格を得る前も、得た後も、欠かさず人助けをしていた。
こうして聖杯戦争の舞台である都内を巡っている今も、脱走したペットを探した。迷子の子供を家に送り届けた。正面衝突しそうな二台の車を間一髪で停止させた。神社の境内の掃除をしておいた。
けれど、スノーホワイトは薄々気づいている。そんな小さな親切は、聖杯戦争を止めることに何の役にも立たないのだと。
聖杯戦争。スノーホワイトには分かる。これはクラムベリーとファヴが引き起こした殺し合い以上に、血を血で洗う争いになるだろう。
そこに「人を殺したくない」だとか「無関係な人間を巻き込みたくない」ような綺麗事は通用しない。
ましてや小さな親切など、言うまでもない。
そんな聖杯戦争を前にして、スノーホワイトに何ができる?
魔法少女として最低限の身体能力と耐久力はある。けど、ラ・ピュセルやリップルのように武器を扱う魔法もなければ、ハードゴア・アリスのように耐久面に優れた魔法もない。
怖かった。泣き叫んだ。またあの悪夢が蘇ると思うと胸が張り裂けそうだった。
サーヴァントのアルターエゴは「魔法少女の敵」であり、何より考えは読めるが考えていることが理解できず、迂闊に信頼できない。
これ以上殺し合いによって起きる悲劇を見たくないし、止めたいと思っている。
しかし頼れる者もおらず、答えの出ない問いの中でスノーホワイトは逃避するかのように人助けをする毎日だった。
“助けて……”
「!!」
すると、スノーホワイトが心の声を拾う。
それは日常の中で起きる困りごとではなく、まるで今にも消えてしまいそうな、苦悶と苦痛に満ちた小さな声だった。
声のする方へ急行すると、すぐに見つかった。
部屋着だろうか、だらしない服装の女が、コートを来た男と槍を携えた時代錯誤な格好をした男――おそらくランサーのサーヴァントだろう――に追い詰められていた。
脇腹をやられたようで、その服は血が滲んでいた。
命に別状はないだろうが、おそらく次の一突きですべてが終わるだろう。
「っ……」
咄嗟に動こうとするも、足がすくんでしまう。
このまま動けば、きっとスノーホワイトは負ける。そして死ぬ。いくら魔法少女と言えども、マスターがサーヴァントに何の策もなく挑もうなど無謀もいいところだ。
それでも、それでも。
ラ・ピュセル、シスターナナ、ハードゴア・アリス、リップル。
死んでしまった魔法少女達の顔が、次々と浮かんでくる。
(いやだ……もう私は、あの時の私に戻りたくない!)
そう思うと、すくんでいた足は自然と動いていた。
「やめてっ!!」
ランサーの槍が女に向けて突かれようとした時、間一髪でスノーホワイトは女と主従の間に割って入った。
§
真名、マジアベーゼ。
彼女はアルターエゴとして、本来の変身元の「柊うてな」から切り離された、「マジアベーゼ」の側面が一人歩きして形を為したサーヴァントだ。
「可愛い変身ヒロインをめちゃくちゃにしたい」と願う生粋のサディストであり、同時に「魔法少女の輝きの先を見たい」とも願う魔法少女の大ファン。
それがエノルミータの総帥であるマジアベーゼだ。
マジアベーゼから見てみれば、スノーホワイトは実力的には半人前だった。
しかも、身勝手な者達が引き起こした事件に巻き込まれて間もないとあって、精神的にかなり危うい。
道を間違えれば引き返せない場所まで行ってしまうような、例えるならば、少し力を加えただけで崩れてしまいそうな儚い花のようだった。
だが、マジアベーゼはそれでよかった。
スノーホワイトは、優しさと挫けない心を、魔法少女に不可欠なものを持っている。
マジアベーゼが憧れた理想の魔法少女になる素質を、彼女は持っている。
だからこそ、マジアベーゼは見たいと思った。スノーホワイトが魔法少女として成長した時に見せる輝きを。
だからこそ、マジアベーゼは導かねばならぬと思った。スノーホワイトが正しき魔法少女になれるよう、魔法少女の矜持を失わぬように。
そして、マジアベーゼは望んだ。
魔法少女の敵として、成長したスノーホワイトに討ち取られたい、と。
§
「がっ……はっ……」
あまりに一方的だった。
どうにか女は逃がせたものの、槍の刺突の直撃を避けるのに精一杯であった。
ランサーの心の声を聞いたことで、どうにか次に来る動作を予測していたが、それでも避けきれずに身体へのダメージは蓄積していき、最後には槍を囮にした蹴りで大きく弾き飛ばされた。
“こいつ……マスターか。サーヴァントが近くにいるのか……?”
「殺せ、ランサー。こいつは恐らく、ネットに出回っているあの魔法少女とかいう奴だろう」
「承知した」
「う……ぐ……!」
目の前の主従の「困っている心の声」は聞こえる。
なのに、振り上げられる槍を見上げることしかできない。
自分の無力さに涙が出てくる。
これまで散っていった魔法少女達やリップルに詫びながら目を閉じた、その瞬間のことだった。
スノーホワイトとランサーの間に人影が飛来し、次いで金属と金属が激しくかち合う音と共に、ランサーの槍が阻まれた。
「何っ!?」
ランサーとそのマスターの目が見開かれる。
倒れているスノーホワイトの前に、遮るようにして、マジアベーゼが立ち塞がっていたのだから。
「相手が両方男なら幸いです。女であれば甚振ってしまいますから、気兼ねなくやれますね」
「アルターエゴ……?」
「無事ですか、マスター」
無事を確認して振り返ってくるマジアベーゼは、どこか印象が違っていた。
心なしか、髪が伸びて角が逆立ち、頬に刻まれた星が増えた……気がする。
「……かっこよかったですよ」
「え?」
「どんな強大な力にもめげず、誰かの前に立てる。それでこそ魔法少女です」
「見てた、の?」
「ええ。私、そういうの見るの好きですので」
臆面もなく、マジアベーゼは言う。
しかし、スノーホワイトは不思議とそれに悪い印象は持てなかった。
「スノーホワイト。あなたは小さな親切は何の役にも立たないと思っていますが、私は違うと思いますよ」
「……」
「少なくとも、私はあなたの小さな親切に動かされました。あなたの親切を見て、私はあなたの力になりたいと思った」
マジアベーゼは自身の宝具でもある『支配の鞭』を取り出し、目の前の主従と対峙する。
「そんな魔法少女《スノーホワイト》の輝きを見たい。強くなったあなたをこの目で見たいのです」
「どうしてあなたがそんなことを……」
その時振るわれたランサーの槍を、マジアベーゼは鞭でいなし、体勢を崩したところを大きく薙ぎ払ってマスター諸共吹き飛ばす。
「私、こう見えて魔法少女に憧れてますから」
「でも、あなたは魔法少女の敵だって――」
スノーホワイトの言葉を遮るように投擲されてきた槍を、マジアベーゼは造作もなく掴み取った。
そして、槍を放り捨てながら、マジアベーゼは言う。
「忘れないでください。私は魔法少女の敵であり――スノーホワイト、あなたの味方です」
そうして、立ち向かっていくマジアベーゼの後ろ姿を見て、スノーホワイトは思った。
このサーヴァントはきっと、私と同じなんだ。魔法少女に、夢を見ているんだ、と。
【CLASS】
アルターエゴ
【真名】
マジアベーゼ@魔法少女にあこがれて
【ステータス】
筋力C 耐久C 敏捷C 魔力EX 幸運D 宝具EX
【属性】
混沌・善
【クラススキル】
対魔力:C
第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。
単独行動:B
魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
マスターを失っても二日間現界可能。
陣地作成:A
自らに有利な陣地を作り上げる。
既に基地「ナハトベース」を所有している。
道具作成:A
魔力を帯びた器具を作成できる。
マジアベーゼはその性癖からか、魔法少女を辱めるための道具を作るのに特化している。
「マジアベーゼが満足するまで出られない部屋」を作ることもできる。
【保有スキル】
加虐体質:EX
戦闘において、自己の攻撃性にプラス補正がかかるスキル。
EXともなると興奮に比例して全ステータスが強化されていき、「理性」と「欲望」を調和させているのでデメリットもない。
「魔法少女」に対してはただでさえ強い加虐体質がさらに強化され、この状態のマジアベーゼは「勃起状態」と説明されている。
カリスマ:D+++
軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。団体戦闘に置いて自軍の能力を向上させる。
マジアベーゼはエノルミータの総帥ではあったが、組織の構成員は少なく、構成員からも大方「やべー女」と認識されていたため、ランクは高くない。
しかし「魔法少女」が関わっている時、なおかつ味方を自分の性癖に付き合わせる時に限っては、卓越した総帥としての能力を発揮する。
戦闘続行:B
戦闘を続行する為の能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。
「往生際の悪さ」あるいは「生還能力」と表現される。
スノーホワイトが真なる魔法少女になった姿を見ないで死ねるわけがない。
仕切り直し:B
戦闘から離脱、あるいは状況をリセットする能力。機を捉え、あるいは作り出す。
また、不利になった戦闘を初期状態へと戻し、技の条件を初期値に戻す。同時にバッドステータスの幾つかを強制的に解除する。
マジアベーゼの場合、良きところで撤退する悪役ムーブがスキルに昇華されたもの。
【宝具】
『支配の鞭(フルスタ・ドミネイト)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~5 最大捕捉:6人
マジアベーゼの使用していた先端に十字星の付いた鞭。
近接戦の武器としても魔法少女を辱める用の鞭としても使用できる他、鞭が触れた物を生物・非生物問わず魔物に変えて使役することができる。
鞭に触れて変身する魔物は、どれもマジアベーゼの趣味、つまり魔法少女を辱めるための能力を持つ。
『真化・夜蜘蛛の帳(ラ・ヴェリタ・よぐものとばり)』
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:100人
強い想いがオーバーフローすることで会得できる魔法少女の強化形態「真化」。
マジアベーゼ自身も真化でき、強化形態に変身することができる。
単純な戦闘能力もさらに上昇する他、マントを蜘蛛の糸のように変形させて敵を絡めとったり、糸を分離させ拘束具を生成できる。単純に拘束するだけでなく、糸を攻撃・防御にも応用できる。
糸による拘束力は非常に強固で、同ランク以上の宝具でなければ、拘束を破壊することは不可能。
総じて敵の身動きを封じて辱めるマジアベーゼの趣味に合致した能力を持つ。
『魔法少女にあこがれて(マイ・ドリーム・マジカルガール)』
ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:∞ 最大捕捉:-
マジアベーゼの魔法少女への憧れ、そしてその性癖と欲望そのもの。
その想いの強さは留まることを知らず、一つの宝具として昇華されてしまった。
限定的ながら世界の法則を歪め、マジアベーゼの性癖に沿う形で思い描いた妄想を具現化することができる。
たとえばトラップダンジョンを作りたいと思えばその場に作ることもできるし、
少女とはかけ離れた大人の女性を「脳内フィルターをかけ、幼女だと思い込む」と、本当にその人物はマジアベーゼの思った姿になってしまう。
言わば、常時展開している性癖の固有結界。
その能力に際限はなく、マジアベーゼが望まなければ変質した世界は元に戻らない。
実際のところ、マジアベーゼの逸話にはネロアリスをはじめとした強力な能力持ちの幹部の協力あってのものだが、
マジアベーゼが主導したという逸話があまりにも強いために、それすらも宝具という形でマジアベーゼ自身の能力になってしまった。
【weapon】
『支配の鞭』
『真化・夜蜘蛛の帳』
己の性癖
【人物背景】
悪の組織「エノルミータ」を統べる総帥であり、魔法少女の敵。
本来は柊うてなという少女が変身した姿だったが、アルターエゴとして召喚に応じたことでマジアベーゼの側面が独り歩きした形でサーヴァントとなった。
そのため、うてな本人に比べて性癖により正直で、「可愛い変身ヒロインをめちゃくちゃにする」という欲望や「魔法少女の輝きの先を見る」という欲求が前面に出ている。
【サーヴァントとしての願い】
スノーホワイトを正しき魔法少女として導き、そして魔法少女スノーホワイトに倒される
【マスターへの態度】
スノーホワイトの抱く想いは魔法少女として決して失ってはならぬ大切なものだが、
同時に導く者が間違っていれば取り返しのつかない方向へと進んでしまう危うさを抱えていると知っている。
そのため、スノーホワイトには自分が憧れられるような正しき魔法少女として成長してほしいと願っており、
成長したスノーホワイトに倒されることを望んでいる。
「私は魔法少女の敵であり、スノーホワイトの味方」の言葉に嘘偽りはない。
【マスター】
姫河小雪@魔法少女育成計画
【マスターとしての願い】
聖杯戦争が齎す悲劇を止めたい。
かつての戦えなかった自分でいたくない。
【能力・技能】
周囲に困っている人がいる場合、その人の心の声が聞こえてくる。
範囲も非常に広い。
戦闘においても敵の困った声が聞こえてくるため、実質的な読心能力としても使える。
【人物背景】
魔法少女スノーホワイトに変身できる、魔法少女に憧れていた中学生。
森の音楽家クラムベリーとファヴによって殺し合いと化した、魔法少女見習いの卒業試験の生き残り。
元々争い事が苦手で、戦うことを拒否して状況に流され続けた結果、生き残ってしまった。
それを激しく後悔しており、いずれはとある人物のもとで「魔法少女狩り」として頭角を現していくことになるが、
現在の彼女はその人物に合う前のスノーホワイト。
時系列的には、「魔法少女育成計画(無印)」終了後、「スノーホワイト育成計画」開始前。
【方針】
聖杯戦争の舞台で人助けをする傍らで、強くなりたい。
強くなるのにアルターエゴを頼るかは……。
【サーヴァントへの態度】
「魔法少女の敵」ということで、アルターエゴのことは疑っていたが、その疑いは薄れかけている。
とはいえその思考は変態そのものなので、完全に信頼を置いているかというと微妙なところだが、
同じ魔法少女に憧れる者であるという点に関しては親近感を抱いている。
命を助けてくれたし、力になってくれるとのことだが、彼女を頼るしかないのだろうか……?
最終更新:2024年04月23日 23:34