地獄みたいな場所にいた。
朝早くから夜遅くまで、ひたすら重い岩を運ばされる。
休んでいるのが見つかれば、鞭で打たれる。
仕事が終われば待っているのは、くさくて汚い休憩部屋。
布団なんて上等なものはないけれど、それでも疲れ切った体は眠りに落ちる。
そんな毎日を繰り返すようになって、どれくらいが経っただろう。
気がつけば、見たことのない建物が建ち並ぶ場所にいた。
そこは、また別の地獄だった。
聖杯戦争。
最後の一人になるまで続く、殺し合い。
どういうわけか、僕はその参加者にされてしまったらしい。
なんで、こんなことに。
そりゃもちろん、今の状況から抜け出したいとは思っていたけど。
だからって、殺し合いなんて。
僕は、帰りたいだけなんだ。
サンタローズの、僕の家に。
そんなことを考えていると、突然目の前の地面が光り出した。
わけがわからないまま眺めていると、光の中から誰かが出てきた。
「やれやれ、年端のいかない子供を、こんな人気の無い場所に放置するとは……。
何を考えてるんですか、聖杯は。
ああ、考える頭もないんでしたね、今回は」
出てきたのは、背の高いお兄さんだった。
見たことのないような作りの、黒い服を着ている。
そしてその頭には……角が生えていた。
「聖杯戦争など、参加することはないと思っていましたが……。
親を亡くした子供が、無理矢理参加させられているのを知ってしまってはね。
おっと、失敬。前置きが長くなりました。
サーヴァント、ランサー。あなたの僕として、参上いたしました」
そう言って、お兄さんは僕の前で膝をついた。
僕の頭の中には、いろんな言葉が浮かんでくる。
でも、上手くまとまらない。
結局口から出たのは、どうでもいいような質問だった。
「お兄さんは……モンスターなの?」
「モンスター……ですか」
僕の質問に、お兄さんは考え込むような様子を見せる。
「マスターの世界でどうかは知りませんが、私の世界の基準で言えば……。
いちおう、モンスターには含まれるでしょうね。
ですが、もっとふさわしい呼び方があります」
僕の目を見つめて、お兄さんが言う。
「私は、鬼です」
【CLASS】
ランサー
【真名】
鬼灯@鬼灯の冷徹
【ステータス】
筋力A 耐久B 敏捷D 魔力A 幸運E 宝具A
【属性】
秩序・中庸
【クラススキル】
対魔力:A
魔術への耐性を得る能力。一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。
Aランクでは、Aランク以下の魔術を完全に無効化する。事実上、現代の魔術師では、魔術で傷をつけることは出来ない。
騎乗:E
乗り物を乗りこなすための能力。
自らが乗り物を駆る逸話に乏しいため、最低ランクである。
【保有スキル】
鬼神:A
鬼の中でも強い力や地位を持ち、敬意をもって接せられる者。
あくまでそういう呼び名というだけで、神の域に達しているわけではない。
「怪力」「カリスマ」などの効果を内包する。
冷徹:A
「鬼たるもの、慈悲なんか持たない!」
「加虐体質」が、本人の逸話により変質したスキル。
戦闘が続くほど攻撃力が上がる一方、冷静さや防御力が低下する「加虐体質」のデメリットは消えている。
【宝具】
『日本地獄』
ランク:A 種別:結界宝具 レンジ:1-30 最大捕捉:10人
閻魔大王の側近であり、地獄を知り尽くしたランサーであるからこそ発動できる固有結界。
200以上存在する日本の地獄の中から一つを選択し、結界内に再現。
「地獄の責め苦」を対象に与える。
対象が日本人であれば、与えるダメージは増加する。
地獄にいる獄卒を再現することも可能だがそれは本人ではなく、ランサーの記憶から作られた影法師にすぎない。
そのため、ランサーの命令に従うことしかできない。
発動には、ランサーが対象を「地獄に堕ちるべき罪人」と認識することが必要。
【weapon】
『金棒』
中国やインドの地獄で使われていた拷問道具を溶かして材料にしたという、曰く付きの金棒。
ふさわしくない者が持てば度々災難に見舞われるが、ふさわしい者が持てば決して劣化しないという。
ランサーは若かりし頃にとある事件でこれを手に入れ、その後ずっと愛用し続けている。
【人物背景】
閻魔大王の第一補佐官を務める鬼。
元は神代の頃に生まれた人間の少年だったが雨乞いの生け贄として殺され、その死体に複数の鬼火が入り込んだことで鬼として転生した。
地獄に堕ちた罪人や自分の周囲に害をもたらす存在には一切の容赦を見せないことから、地獄では閻魔大王以上に恐れられている。
だがその生い立ちゆえ、「みなしご」や「生け贄」には情を見せることもある。
【サーヴァントとしての願い】
マスターの生還
【マスターへの態度】
庇護対象。生き残らせるためなら、非道を働く覚悟もある。
【マスター】
リュカ(主人公)@ドラゴンクエストV
【マスターとしての願い】
家に帰りたい
【能力・技能】
『魔法』
回復呪文、真空呪文などを習得している。
『モンスター使い』
本来は人間の敵であるモンスターと心を通わせ、仲間にすることができる能力。
今の彼はまだこの力を覚醒させておらず、「人ならざるものからの友好度が上がりやすい」程度の効果しかない。
【人物背景】
行方不明の母を探し、父と共に旅をしていた少年。
実はグランバニアという国の王子だが、今の彼はその事実を知らない。
参戦時期は奴隷として働かされていた頃。
【方針】
生還を目指す
【サーヴァントへの態度】
まだ出会ったばかりだが味方だと理解し、信頼を置いている。
最終更新:2024年04月21日 07:43