「よくぞ来た!わしが王の中の王、竜王である」
「わしは待っておった。そなたのような若者があらわれることを」
「もしわしの 味方になれば世界の半分をおまえにやろう」
「どうじゃ?わしの味方に なるか?」

 はい
 >いいえ

「どうした?世界の半分を欲しくはないのか?悪い話ではあるまい」









 >はい
 いいえ









§





「もっと早くこうすべきだった……μよ、現実を薙ぎ払え!
「現実を……崩壊……」

「μはどこへ向かったんだ」
「あれは……メタバーセス!?」
「人間の集合無意識と化したネットの中枢……でしたか」
「まもなく崩壊が始まる……これでようやく、絶望を消し去ることができる」
「まだ追いかければ止められる……!」
「わたしたちも行きましょう!メタバーセスに!!」









 帰宅部のみんなと現実へ帰る
 >いや……現実へは帰らない









§




――Curiosity killed the ■■■■■.

――好奇心は■■をも殺す。




§




 聖杯戦争が行われる都市でのことだ。
 圏内のあらゆる学校で、匿名でバンドメンバーの募集が為されていた。

――バンドメンバー募集!!
――争いの絶えぬこの世界に反逆を!!
――かの時代の音楽の箱に英雄の詩を乗せて
――バンド名:【帰宅部】

 メッセージとバンド名だけを書いて集合場所や日時も書いていない告知に見向きをする生徒はおらず、それぞれの学校の新入生に向けて出されていた部活の募集に埋もれていくだけだった……ごく一部を除いて。
 聖杯戦争のマスターとしてこの地に招待された者達の中でも、この広告の意味するところを理解し、なおかつ他の主従と接触を試みる積極的な者だけが、募集の誘いに乗るのであった。

 聖杯戦争の舞台某所にあるライブハウス「グラン・ギニョール」。今となっては廃業し、打ち捨てられたライブハウスの一つだ。
 ここのオーナーは変わり者で、ホラーやスプラッターな芝居をやっていたバリの劇場をリスペクトした、古風なデザインをしている。
 そんなグラン・ギニョールにこっそりと侵入していった少女は、あのバンドメンバーの募集に乗った者の一人であった。

 争い。すなわち聖杯戦争。
 この世界。すなわち死者の記憶を基にして造られた架空の都市。
 かの時代、すなわち昔の。
 音楽の箱。すなわちライブハウス。
 英雄。すなわちサーヴァント。

 昔のライブハウスといえば、グラン・ギニョールの他にない。
 グラン・ギニョールに入り、自身のサーヴァントに頼んで魔力の気配を流すことで、彼女は帰宅部への接触に成功するのであった。
 少女はそこで待っていた者に加わることを即決したのだった。

「式島君!」

 少女がステージの上に佇んでいた者を見つけると、顔を明るくして声をかける。
 その先に立っているのが、少女が接触した帰宅部の部長の青年――式島律(しきじま りつ)だった。

「やあ、今日は早いね。学校の部活はもういいのか?」
「部活って、私もう帰宅部員だよ?」

 少女は既に帰宅部に入ったことを暗に強調する。割り当てられたロールよりも帰宅部の活動の方が大事だと考えたからだ。
 帰宅部は表向きはバンド名ということで募集をかけているものの、実際はその名の通り帰宅することを活動の主体とする、学校の垣根を越えた部活である。
 しかし、その帰宅する先はこの世界の仮の自宅ではなく、自身が元いた現実世界の家であることは、マスターであればすぐに察しがつくだろう。
 つまるところ、帰宅部の活動はこの聖杯戦争が終わるまで続くのである。

「ねぇねぇ、今日の帰宅部の活動はどうするの?」
「ふむ、グラン・ギニョールで主従が接近してくるのを待つのもいいけど……こっちから探しに行くのもいいかもしれない」

 少女の問いに、律は顎を手でさすりながら言う。
 帰宅部の活動といっても、元の世界に戻れることであればよほど人道に外れない限りは大体のことはする。
 グラン・ギニョールで待ち受けるのは勿論、それぞれのサーヴァントと共に調査のために街を回ったりする他、交流を深めるために学生らしく遊び回るのも活動のうちだ。

「探しに行く、かぁ……でも当てもなく探すのもなぁ……」
「――それなら下手に郊外へ行かず、副都心部を回るのが無難だろう」
「セイバー」

 律が自身のサーヴァントの名を呼ぶと、その姿が実体を見せる。
 蒼い甲冑と紅いマントを身に纏った、剣と盾を携えた凛々しい顔をした剣士が律の隣に立つ。

「人が集まっている分、騒ぎも起こしにくいし燻っているマスターが来ている可能性も高い」
「確かに……俺達が巡回する場所としては無難かもしれないな」
(式島君のサーヴァントはセイバーなんだよね。確か最優のクラスなんだっけ。いいなあ……)

 少女は羨望混じりの憧憬の視線でセイバーを見る。
 少女のサーヴァントであるアーチャーの見立てによると、そこらの英雄とは違う、ともすれば世界を破滅から救った大英雄――勇者ともいえる存在らしい。
 かといって自分のサーヴァントが弱いとは全然思わないが、そんなサーヴァントが帰宅部部長を支えていると思うととても心強い。

「それじゃあさっ、アーチャーには別行動してもらおうよ!人手はある方がいいでしょ?」
「それはいいけど、君は大丈夫なのか?」
「大丈夫大丈夫、私は式島君と一緒にいるし、セイバーに護衛してもらうってアーチャーにも言っておくから!……それに、式島君とはまた遊びに出かけたかったし」

 少し恥ずかしげになりながら、少女は言う。
 少女は律のことを部長としてだけでなく、人間としても心から信頼していた。
 律は、部長として、同じ志を持つ仲間として、彼女の抱えている悩みや葛藤に寄り添ってくれたのだ。
 仮初の世界でできた家族や友人のこと、元の世界の自分のこと、聖杯戦争で人を殺めてしまうかもしれない不安や葛藤。
 律はこれらを親身に聞いてくれ、そんな彼女の望みも可能な限り叶えてくれると約束してくれた。
 律が言うには「部長としての責任」とのことらしいが、少女はそれがとても嬉しかった。

 まだ帰宅部は自分と律の二人しかいないが、これから色んな主従が帰宅部の門を叩くだろう。
 帰宅部はきっと、主従の枠を越えて協力し合い、元の世界へ帰るために戦っていく。
 律なら、帰宅部を纏め上げられるしそれを成し遂げられる。
 少女はそう思っていた。




§




 体内の細胞が急転直下 かなり安定感なくて

 「逃避」以外考えられん Oh-oh-oh-oh-oh-oh

 早々見つかってた弱み 飄々と責めるエネミー

 もうこれ以上躱せない Oh-oh-oh-oh-oh-oh




§




 夜の静まり返った都市のどこかで、あまりにも救いのない結末が訪れようとしていた。

「――なんで」

 先ほど見せていた様子からは想像できないほどの様子で、少女は何もかも自棄になったような声を出す。
 その眼前には自身のサーヴァントだったアーチャーの骸が捨て置かれており、魔力が霧散し始めていた。

「どうして……!!」

 さらにその奥には、アーチャーをそんな姿にした下手人が立っている。
 絶望。諦念。落胆。憎悪。そんな感情を足して1で割れないほどの歪んだ表情で少女は敵を見やる。

「信じてたのに……!!」




「式島君……!!」

 そこに立っていたのは、帰宅部部長であったはずの式島律――否、式島律の姿をしていた者だった。
 黒い骸骨の形をした頭部がかろうじて見える、黒服とハットで身を固めた透明な身体を持つ謎の透明人間。それが式島律の正体だった。

「なんでこんなことするの……?どうして帰宅部なんか作ったの……?元の世界に帰るために仲間を集めてたんじゃなかったの……?」
「――その顔だ」
「……へ?」

 非難する少女に、透明人間は静かに言う。

「その顔が見たかったんだ」
「……」
「君を帰宅部に入れて、ずっと興味があった。心から信頼を寄せていた相手に裏切られた時、君はどんな顔をして、どんな言葉を俺に吐くのか」
「っ……」
「実に心地の良いものだった。このまま君と帰宅部を続けてもいいと思えるくらいには」

 少女は、目の前の奴が何を言っているのか分からなかった。
 もはや、バケモノが人間の形をして喋っているとしか思えなかった。

「……ずっと、心の中で嘲笑っていたの?」

 心に沸き立つ負の感情がキャパシティを超え、無の表情となった少女の問いかけに、透明人間は髑髏の顔の口角を僅かに吊り上げた。

「……最低。あんた最低を超えたド最低なクズよ。……なんでそんなことができるの?……何をしたいの?……何がそんなに楽しいの?私を追い詰めるためだけにあんなマネをしていたの?」

 少女は立ち上がり、ふら付きながらおぼつかない足取りで透明人間へと近づく。
 この男の身勝手な好奇心で、自分は願い諸共無に消えようとしている。それがとてもやるせなく、悔しかった。

「っ……アアアアアアアアアアァァァァァァ―――ッ!!!!!」

 少女は断末魔のような咆哮を上げながら、透明人間に突進する。
 せめて。せめてこの男を一発でも殴らないと納得できなかった。

「もうやっていいぞ、セイバー……いや、バーサーカー」

 その時、少女の視界が反転する。
 少女の目には、首のなくなった自分の身体と、透明人間のサーヴァントが映っていた。
 同時に理解する。自分は、剣の一振りで斬首されたのだと。
 最期に見えていた透明人間のサーヴァントのクラスは、セイバーからバーサーカーに変わっていた。

(ああ……虚しいなあ……何もかも……)

 そんなことを思いながら、少女は予選段階で脱落した。




§




――逃げられるのなら、逃げ出したかった。勇者の使命と責任から。

――勇者の血を引く者としてもてはやされ、それに相応しい振る舞いを求められてきた。

――そこに俺という『個』はなく、勇者という肩書だけが人々に見えていた。俺にとって、それはもはや呪いに等しかった。

――自分で自分の道を決める選択肢が与えられたことなど一度もなかった。

――たとえ死のうものなら「死んでしまうとは何事だ」と王に叱咤される。死ぬことすらも許されなかった。





 Runnaway, runaway, runaway




§




「どうだった、バーサーカー?」

 すべてが終わった後、透明人間は己のサーヴァントに問う。

「裏切られた仲間が見せた顔とその結末は」
「実に……見ていて楽しかったよ、Lucid」

 バーサーカーは、口角を僅かに吊り上げながらLucid(ルシード)と呼ばれた自身のマスターを見る。

「お前はこうして仲間を裏切り、世界を崩壊させたのか」
「ああ、これからμ……バーサーカーの世界では竜王と言った方が分かりやすいか。そいつを倒そうと仲間が意気込んだタイミングでな」
「それは……俺も見てみたかった。実に好奇心を刺激されるな」

 バーサーカーは心から口惜しそうに言う。
 彼――Lucidは、元は仮想世界メビウスから現実に戻ろうとする帰宅部の部長にして、その裏ではメビウスを維持するオスティナートの楽士の一人だった。

「帰宅部の部員達も楽士の仲間も……興味深い観察対象で――愛おしかった」

 帰宅部部長と楽士――敵対する2陣営を行き来して活動し、仲間達の心の闇に触れる中で、その歪な好奇心はムクムクと膨れ上がっていった。
 Lucidは、本当に仲間達が好きだったのだ。喜ぶ顔も、怒る顔も、哀しい顔も、楽しい顔も。各々の抱える心によって、Lucidの選択肢によってコロコロと反応を変えるその姿が。

「だから、俺は見てみたくなったんだ。俺に心から信頼を寄せる仲間が最後の最後で裏切られたら、どうなるのか」

 その結末を見届ければ、他のことはどうでもよかった。仲間と敵対することになっても、世界が滅んだとしても、自分が死ぬとしても。
 ”好奇心”。それだけがLucidを駆り立てるモノなのだから。

「……羨ましい。俺にも仲間の一人や二人、つけることを許されていればもう少し楽しめたんだがな——世界が滅ぶ様を」

 そう言って、バーサーカーは虚空を見上げる。
 その凛々しくも堂々とした佇まいは、傍から見れば勇者のようだ。
 しかし、ここにいるサーヴァントは「勇者だった戦士」。セイバーではなく、バーサーカーだ。

「俺が言うのも何だが……バーサーカーは世界を滅ぼすことに罪悪感は感じなかったのか?」
「――無いわけでなかった。だが……それ以上に”快感”が勝った。俺自身が選んだ選択の結末を見届けることに」

 バーサーカーは口元を歪める。

「あの時、竜王がやっと俺という個に選択肢をくれたんだ」

 バーサーカーは本来、アレフガルドにて竜王を倒し、世界に光を取り戻すはずのロトの勇者だった。
 しかしここにいるのは、ロトの勇者ではない。

「勇者なら、そんな誘惑は跳ね除けるべきだろうな。だが、俺はとてつもなく惹かれたんだ。『はい』と答えたらどうなるんだろう、とな」

 竜王の「世界の半分をやる」という提案に「はい」と答えた側面が色濃く反映された姿。
 いわばアレフガルドの闇と呪いの元凶であり、ロトの勇者・オルタ。

「確かに、世界――アレフガルドは破滅へと向かった。だが、それ以上に俺の心は彩られていた。それは……勇者として期待される結末を迎えるよりも、遥かに魅力的で目新しさがあった」

 バーサーカーは、勇者として生きることに虚しさを感じていたのかもしれない、と語る。
 周囲の人間から見られるのは、等身大の自分ではなく常に勇者としての肩書のついた自分だった。
 常に勇者として選択肢の与えられない人生を強制されていた中で、彼は「はい」と答えた。

「その時俺は……ようやく俺らしさを見つけられた気がした」

 そんな「勇者らしくない選択をした自分」に対し、バーサーカーはやっと自分らしさを見出せた。
 ようやく見つけられた自分らしさが心地よく、それがもたらした結末に誇らしささえ感じた。

「たとえ竜王に裏切られて『セカイノハンブン』に閉じ込められたとしても、それはもはや重要じゃない。あの時確かに、「俺という個」がいたんだ」

 そう言うバーサーカーの顔は醜悪な笑みを形作っていた。
 世界が終わろうとも、竜王に裏切られようとも構わなかった。
 勇者らしくない選択とその好奇心。それだけがバーサーカーのアンデンティティとなったのだから。

「だから、Lucid」

 バーサーカーはその笑みを崩すことなくLucidに向き直る。

「俺にも協力させてくれ。お前が帰宅部部長として振る舞うならば、俺も勇者として振る舞おう。お前の見たい光景を、俺も見たい」

 そんなバーサーカーに応じるようにして、Lucidもまた、髑髏同然の顔を歪ませる。
 帰宅部として同胞となった主従の信頼を集め、最後の最後でそれを壊す。
 かつてのメビウスでやっていたことと同じことを、Lucidはこの聖杯戦争でもやろうとしていた。

「――楽しもうじゃないか、バーサーカー。この”聖杯戦争”を」

 好奇心を満たせれば、それでいい。
 たとえ、滅ぶことになろうとも。




§




――俺は、『自分らしく』生きたかった。

――だが、『勇者』はそれを許さない。

――勇者の俺に残されていたのは、「勇者らしくない」自分らしさだけ。

――俺だけの名前を得て、自分の人生を自分で決める。

――俺はただ……一人の人間として生きたかっただけなんだ。





 大改造したいよ この機構とエゴを

 己でさえ 分かっている 破損個所

 大脱走した後 どこに行こうかなんて

 知らないよ もう無いよ 宛ても価値もないよ




【クラス】
バーサーカー

【真名】
 ****@ドラゴンクエスト、およびドラゴンクエストビルダーズ

【ステータス】
筋力A+ 耐久A+ 敏捷B+ 魔力B+ 幸運E 宝具A+

【属性】
混沌・悪

【クラススキル】
狂化:EX
世界を闇で覆った元凶として召喚された、勇者だった者の孕む狂気。
宝具『偽りの王』を発動していない間はステータス上昇もない代わりに意思疎通が可能。
勇者(偽)スキルも相まって狂化しているとは思えないが、その行動原理はすべて「好奇心」に集約される。
自らの好奇心を満たすためであれば、他人を欺き、陥れることも厭わない。
他人どころか自分が破滅する結末が待っていようと迷わず行動する。

【固有スキル】
勇者(偽):A
世界の救うために戦う使命を授けられた特別な存在。
同ランクの「勇猛」「戦闘続行」「カリスマ」を内包する複合スキル。
アレフガルドを死の大地へと追いやった元凶の側面が強いバーサーカーにとっては、「自分を勇者に見せる」スキルでもある。
本来は筋肉隆々な身体に、王冠を被り豪華なマントを覆面にしたパンツ一丁という外見であるが、
普段はこのスキルによって自身の存在を勇者だった頃の自分に塗り替え、クラスもセイバーに見せかけている。
規格外の看破能力でもないと、たとえサーヴァントであろうと「勇者のセイバー」と「やみのせんしのバーサーカー」を全く別のサーヴァントと誤認してしまうだろう。

対魔力:B
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。
アレフガルドの闇と呪いの元凶として召喚されたことでランクが落ちてしまっている。
それでもランクがBなのは元のランクが高いためである。

単独行動:B
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。

対竜種:EX
竜王を打ち倒した逸話に基づくスキル。
本来は竜種に対しての追加ダメージと圧倒的に有利な判定を得ることのできるスキル。
しかし、竜王の甘言に乗ってしまった側面が強く反映されたバーサーカーにとっては、
竜種による精神干渉への耐性がなくなるマイナススキルへと変質してしまっている。

ロトの血筋:-
伝説の勇者ロトの血を引く者であることを示すスキル。
精霊の加護や復活の呪文などのロトの勇者代々に受け継がれてきた加護を授かることができるが、
アレフガルドを破滅に導いたバーサーカーにはその資格はない。

【宝具】

『ロトの剣』
ランク:E- 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
伝説の勇者ロトが扱っていたと言われるオリハルコン製の剣。
しかし、バーサーカーが世界の破滅と元凶となってしまったことでその剣身の宝玉は抜き取られ、ランクを著しく落としてしまった。
しかしその硬度と切れ味は健在で、威力に限ればAランク相当の宝具に比肩する。

『偽りの王(やみのせんし)』
ランク:A+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~100 最大補足:1000人
竜王の「世界の半分をやる」との提案に「はい」と答えた勇者の成れの果てであり、バーサーカーの真の姿。
この宝具を発動すると、狂化によるステータスアップの恩恵を得ることができ、幸運以外のステータスが倍加する。
しかし、立ち振る舞いもバーサーカーのそれと化し、かろうじて会話はできるものの意思疎通が困難になる。
また、バーサーカーが竜王の甘言に乗ったことでアレフガルドは荒廃し、人々からモノづくりの力が失われたという逸話から、
レンジ内の者達から「物を作る」という概念を奪い、「道具作成」およびそれから派生する能力をすべて封印する。

『勇者の築きし新天地(セカイノハンブン)』
ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:1~20 最大補足:敷地面積の許す限り
竜王に「はい」と答えたバーサーカーが与えられた、「世界の半分」であり、「セカイノハンブン」という看板と共に建つ建物。
気の遠くなるような年月の間、バーサーカーが竜王によって幽閉された建物であり、バーサーカーに残された最後の国を召喚する。
非常に堅牢な建物であり、内外からどんなに力を加えても破壊することは不可能。
一度幽閉されてしまえば最後、外界からは切り離され、バーサーカーが消滅するまで出ることはできない。
また、外界と建物内部の時間の流れは異なり、外の1時間経過するごとに、建物内部では100年もの時間が経過するようになる。
ここに閉じ込められた者は、バーサーカーが幽閉された逸話をその身を持って味わうこととなる。
仮にバーサーカーが勇者としての正常な形で召喚されていれば、この宝具は勇者が竜王を倒した果てに建国したローレシア王国が顕現する宝具だった。

【人物背景】
竜王を打倒し、アレフガルドに光を取り戻したロトの勇者。
しかし、マスターのLucidの歪んだ心に呼応した結果その存在は歪められ、竜王の「世界の半分をやる」という提案に「はい」と答えてしまった闇の戦士の側面を濃く反映して召喚された、いわばロトの勇者・オルタ。
真名については、周囲からは勇者という肩書きだけを見られて彼という個人を見られなかったため、固有名を持たず、本人も覚えていない。
上記の経緯のため、勇者の血を引く選ばれし者としてもてはやされ、それに相応しい振る舞いを求められることを嫌悪している。
同時に、「勇者らしくない選択肢」を自分で選び、その結末を見届けることに快感を感じ、その好奇心の虜になっている。
好きなものは闇、自由、ショッピング(買うものを自分で選べるから)、ぱふぱふ。
嫌いなものは光、勇者という肩書き、他力本願な人、ケチくさい王様、無限ループ。

【サーヴァントとしての願い】
Lucidと共に好奇心の赴くままに生きる。
しかし、聖杯に願うのであれば自分だけの名を手に入れ、一人の人間として自分だけの生を全うしたい。

【マスターへの態度】
Lucidの「仲間の信頼を積み上げて最後の最後にすべてを壊す」という方針にとてつもない好奇心を覚えており、彼に協力している。




【マスター】
Lucid@Caligula Overdose-カリギュラオーバードーズ

【マスターとしての願い】
帰宅部部長として仲間の信頼を集めた上で、Lucidとしてすべてを壊す。
たとえ、その先に待っているのが破滅だとしても。

【能力・技能】
  • カタルシスエフェクト、或いは楽士の力
アリア或いはμから授かった、帰宅部或いは楽士の戦闘能力。
帰宅部部長としても楽士としても活動していたので両方使えるが、戦闘能力は大差ない。

  • 変身能力
帰宅部部長としての姿とLucidとしての姿を行き来できる。
μがアリアの目を欺くためにLucidにかけた情報秘匿は未だ有効で、
看破系能力を持たぬマスター、サーヴァントの目からもそれぞれの姿が別人に見える。

  • Suicide Prototype
帰宅部部長がLucidという楽士としての名を得て、制作した楽曲。
音響設備を利用して曲を流すことで、仮想空間に依存しているNPCやマスターのデジヘッド化を誘発することができる。

  • 人心掌握
人間と交流を深め、その心の闇に踏み入って立ち直らせて信頼を得る能力。
彼に信頼を寄せた人間は、まさに「運命の人」とも言える好感を彼に抱くことになる。
サーヴァントにおける「人間観察」スキル換算でBランク相当。
なお、Lucidは帰宅部部長として部員全員と「運命の人」になりながら、最後の最後に裏切って部員全員を絶望と憎悪に叩き落とした。

【weapon】
  • カタルシスエフェクト、或いは楽士の力で発現した二丁拳銃

【人物背景】
メビウスにおける帰宅部部長でありながら、その裏では仲間を裏切り楽士として活動していた男。
持ち前の人心掌握術で帰宅部や楽士の仲間と「運命の人」ともいえる間柄になりながら、「裏切られたと知った仲間の顔を見たい」という好奇心からすべてをぶち壊し、現実を破滅へと導いた。
此度の聖杯戦争では、「式島律」という名前で高校生をやっている。

【方針】
帰宅部部長として帰宅部の仲間達の信頼を積み上げ、最後の最後にすべてを壊す。
すべては、好奇心を満たすためだけに。

【サーヴァントへの態度】
同じ心の歪みと願いを共有する仲間であり、同志だと思っている。

【備考】
楽士END後からの参戦です。

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最終更新:2024年04月23日 23:33