【0】



死とは炎である。


【1】



燃えている。燃え盛っている。
炎が。恩讐の篝火が。消えることなき憎悪の灯火が。
古びた建屋を。瓦礫の山を。折れた信号機を。
そして亡霊どもを――敵を焼いている。

炎の向こうには、2人の少女がいた。
倒れ伏した桃髪の少女を、橙髪の少女が抱き寄せている。
傷付き、血を流し、目も虚ろな少女を。
守るように、支えるように、救うように、もう片方の少女が搔き抱く。
それは、あの日の再現。
2人が出会い、全てが終わり、旅が始まったあの日。
運命転換点。2015年のいつか。


「せん……ぱい……?」


あの日――人類の未来を摘んだ大火災との違いは明白だった。
炎が少女たちを焼いていないのだ。
爆炎も毒煙も高熱も、彼女たちを傷つけることはない。
世界を焼かず、希望を焼かず、未来を焼かず。
むしろ、襲い来る脅威から遠ざけるように、向けられた敵意から優しく包み込むように、獄炎は舞う。
その中心で、魔女が笑った。黒き鎧を纏った灰色の魔女。
哄笑を辺り一面に響かせながら、魔女は槍を振るい、業火を繰り出し、地獄を魅せる。
幽霊(ゴースト)が串刺され、骸骨(スケルトン)は灰になり、影(シャドウサーヴァント)は炎竜の咢にその身を砕かれた。


「どうして、泣いているのですか?」


ボロボロになった自分の身を顧みず、そんなことよりもあなたが心配ですという態度を見せる後輩。
今にも掻き消えそうな声で、精いっぱいの囁きで、大好きな先輩の身を案じるいじらしい乙女。
小さく、弱く、脆く、儚い、そんな少女を見て。


「キリエ」


なんでもないよと、大丈夫だよと、そう言いながらも橙毛の少女――藤丸立香の涙は止まらなかった。
感動と不安と安堵と激情がないまぜになった、そんな表情でくしゃくしゃになりながら。
立香は無理やりに笑みを作る。桃毛の少女――真白キリエを安心させるために。




「今度は絶対守るから」


そして、限界が来た。
いつもの帰り道、突然景色が一変したと思ったら廃墟の只中にいて。
いきなり脳内に流し込まれた多量の情報。聖杯戦争。殺し合い。意味が分からない。
そんな中で無数の敵意に取り囲まれ、逃げて、逃げて、追いつかれ。
刺される。祟られる。殺される。そんな恐怖の中でようやく憧れの先輩に助けられて。
張りつめられた緊張の糸。それがプツンと切れたキリエの視界がブラックアウトする。


「ふう……」


くたりと全身を預ける形になったキリエを決して傷つけぬよう、優しく抱きしめる。
そうやって触れていないと、触れ続けていないと、彼女は知らぬ間に泡となって消えてしまいそうだから。
違う。思い込みだ。そんなことは決してないのに、恐れてしまう。かつてのトラウマが立香の心を乱している。
真白キリエを傷つける者に対しての過剰な怒り。真白キリエに傷がつくことへの過剰な恐れ。


「オルタ」


だから命じる。竜の魔女に。
私の心をかき乱すものに裁きを、と。
炎は轟轟と勢いを増す。怒りという薪を足し、憎しみという種火は膨れ上がる。
少女の瞳は昏く濁る。口元は三日月状に吊り上がる。心は真っ赤に染め上がって。
私たちの敵を殺して、潰して、消して。
嗚呼、それはなんと――■■なのだろうか。


「全部燃やして」


そうして。
戦いが終わり、静寂が訪れる。
いきなり聖杯戦争に巻き込まれ、混乱したまま気を失った真白キリエは倒れ伏し。
そんな彼女を格好の餌と見なし襲い掛かった亡者の群れは、全て冥府の奥に消え。
ただ、復讐者だけがその場に立っている。


復讐者だけが、立ちつくしている。


【2】



気絶したキリエを彼女の家に運ぶのは、思いのほか骨が折れた。
夜であっても東京は人が多い。光が多く、目が多い。
お節介な善人もいれば、隙を窺う悪人だっている。
そんな雑踏を、群衆を、繁華街を、住宅街を、なんとかかんとか乗り越えて。
カルデアでみんなに教えてもらった忍術、隠密術、人払いの魔術、尾行術、ストーカー術、その他諸々の技術を応用して。
キリエがポケットに持っていた鍵を使い(勝手にごめん!)彼女の家に上がり込み、恐らく彼女の部屋と思しき場に辿り着き。
未だに眠りから覚めぬ大切な人を、壊れ物のように優しく、優しくベッドに寝かせて。

一息。

立香はじぃっとキリエを見つめる。
傷は酷くない。転んだのだろう膝に擦り傷。どこかに引っかけたのか、制服の袖口が少し破れている。
絆創膏と、ソーイングセットも必要か。それくらいならば家にあるだろう。
今後のことを考えて、よどんだ溜息が暗い部屋に落ちる。
むやみに外に出て、いつもと違う行動をさせたくはなかった。
何も変わったことなどないと、普通の学生としてキリエに生活して欲しかった。
ただ、生きていて欲しかった。
『敵』はどこに潜んでいるか分からない。
例えば、クラスメイト。例えば、学校の先生。例えば、スーパーやショッピングモールの店員。

例えば、隣家に住む幼馴染だって。

信用するわけにはいかない。

キリエの頬にそっと触れる。柔らかく、しっとりしていて、温かい。温かさは生きている証明だ。
キリエの寝顔を覗き込む。少し苦しそうに眉を下げているが、確かに動いている。変化は生きている証明だ。
だけど、あの日の光景がフラッシュバックする。
今のキリエとかつてのキリエが重なって、呼吸が荒くなる。
一ミリも動かなくなった躯(からだ)。
溢れ出した血が日常を汚し。
自分の喉から慟哭が漏れ出して。
世界が白く赤く黒く染まって。
あんなことは二度と起こさない。起こさせない。
彼女を傷つける可能性がある者は、全て、全て、全て――■して……。




「もしもーし?もしかして私がいること、忘れてんじゃないでしょうね?」


「……そ、そんなことナイヨー?」


いつのまにか、部屋にはもう一人の少女がいた。
白みがかった灰色の髪。ぴょこんと伸びるアホ毛。錆びた金のように鈍い黄色の瞳は半目。
真白キリエと同じく、黒の上着と紺色のインナー。赤いネクタイ。スカートは少し短くないだろうか?
学校の制服を身に纏いながら、彼女……「折田さん」は遠慮もなしにドシンと空いている椅子に座る。

「全く……。近いのよ。ハァハァしちゃって。発情期の犬か」

「ご、ごめんって、オルタ。少し考え事してて……」

「あら、奇遇ですね。私もそれについて話をしたかったところです」

わざとらしい敬語を使い、折田さんことジャンヌ・オルタは意地悪そうに笑った。
先ほどまで敵を燃やし尽くしていた時の黒き鎧は異相にしまい、今は完全にオフ仕様。
渋谷でもうろついていそうなJK(女子高生)然である。
この世の誰よりも雑談を、無駄話を、恋バナを愛する種族へと成り代わって、オルタは先を促した。

「さあ吐きなさい。今すぐゲロりなさい。口に腕突っ込まれる前にね」

「ちょ、ちょっと。なんのこと?」

「バァカ。今の私はアンタの宝具、つまりはアンタの一部みたいなもんなんだから」

「アンタが悩んでる~くらいは感覚で分かんのよ。キリエのことでしょ」

「…………」

立香は黙り込んだ。誤魔化しが効かないことを理解し、逃げ場も狭い部屋にはない。キリエを置いて霊体化する気もない。
いつもの賑やかで、おおらかで、茶目っ気に溢れた立香の顔は、今はただ苦の一文字に覆われている。

「ニセモノの聖女らしく懺悔を聞いてあげましょうか?」

わざとらしくオルタが煽る。混沌・悪の女に遠慮などない。
軽い口調だが、鋭さを増した瞳からは話題を変える気は一切ないという固い意志が垣間見える。
今この場でゲロれと。問題を先延ばしにすることは許さないと言うように。

「それとも、後輩の悩みを聞く先輩ってテイでも良いけど?」

なおも沈黙を保つ立香を見て、ジャンヌ・オルタは核心を抉ることに決めた。
例え藤丸立香に嫌われても、これだけは確認しておかねばならない。
これから共に戦争を戦い抜く仲間として。いや、ただの友達としても。
本当に彼女のことを想うのならば、この設問から逃げてはいけないと分かっているから。

「アンタは……『アヴェンジャー・藤丸立香』はどうすんのよ」

「『マスター・真白キリエ』を、どうしたいの。言ってみなさい」


この『藤丸立香』はマスターにあらず。今を生きる人類にあらず。
『アヴェンジャー』として霊基を成立させたサーヴァントである。
彼女のマスターは、ベッドで眠っている真白キリエ。かつて立香が救えなかった儚き少女。


「……藤丸立香は」


臓腑の奥から絞り出している。心の隙間から捻り出している。
そんな声を、辛そうに吐き出す。

「『人類最後のマスター』藤丸立香は、今まで沢山の旅をしてきた」

「……ええ、そうね」

「特異点だったり、異聞帯だったり、色んな世界を渡って、色んな可能性を見て」

「私たちの世界を救うために、その全ての消してきた」

「だから、きっと」


なんて顔してんのよ。
そう言いたくなる己の喉を、心を、オルタはぎゅっと抑え込む。
最後まで吐き出させる。やっとの思いで歩き出した藤丸立香の足を、止めてはならない。


「きっと私は、この世界も消さなきゃならない」

「それが『人類最後のマスター』である私に求められる役割(ロール)だから」

「私の使命(グランド・オーダー)だから」


「…………チッ」


なんてご立派なんでしょう。
なんて献身的なんでしょう。
まるで聖女。まるで英雄。
反吐が出る。
ああ、反吐が出る。それがどんなに残酷なことか。
あの偽りの東京にて顕在化した藤丸立香の一側面を、恥ずかしげもなく座に登録しやがった人理も。
あの偽りの東京にて死亡した真白キリエを、葬者(マスター)としてこの冥界に呼び寄せた何者かも。
灰にしてやりたくてたまらない。オルタの中で、炎が盛る。


「でも」


「この世界を、特異点を解決したら」


「キリエは消える」




そうだ。

真白キリエは藤丸立香の胸の内、夢の中で生まれ、死んでいった存在である。
例えこの特異点を解決し、囚われた魂全てを解放できたとしても。
真白キリエに帰る世界はない。黄泉還る世界はない。
イドの東京に戻れば、歴史の修正力に抗えず彼女は必ず巌窟王に殺される。
元の現実に放り出されれば、世界の修正力により彼女は存在を許されない。
いずれにしても、キリエを待つのは死だけだ。もしくは存在の消滅。無かったことになる。


「でも、でも!」


「私は、キリエを諦めたくない……!」


もしも、藤丸立香がマスターとしてこの戦争に参加していたら。
もしくは、キャスターや他のクラスで召喚されていたら。
この結論には至らなかったかもしれない。
焼却された世界を救うため。漂白された地球を取り戻すため。
その道程で様々なものを犠牲にしてきた彼女ならば、涙を呑んでこの特異点の解決に臨んだかも知れない。
だけど、この藤丸立香は。
真白キリエの死をきっかけとして溢れ出した憎しみを以て『アヴェンジャー』と定義された彼女だけは。
真白キリエの生存を諦めることだけは。
真白キリエをもう一度殺すという、その選択肢だけは。
取れない。絶対に。
アヴェンジャー(復讐者)は、誰かへの愛より生まれし器(クラス)だから。
その愛を裏切ることだけは、出来ない。


「だから、私は」

「他の何もかもを犠牲にしてでも優勝したい」

「奇跡を、キリエに届けたい」


奇跡の力があれば。
聖杯の力に頼れば。
あるいは、真白キリエの生を勝ち取れるかもしれない。
だからアヴェンジャー・藤丸立香には最初からその選択肢しか許されていない。
それが、どれだけ険しい道のりだとしても。
罪なき人々を手にかけ、かつての友たちに蔑まれ、世界を危機に陥れるとしても。
悲しみに潰されながら罪を背負い、苦しみに呻きながら罰を埋め込み、絶望にさえ貫かれながら。
それでも前に進むことを、立香は選ぶ。


「バカね」


一刀両断の返答だった。
うぐ、と言葉を詰まらせた六香を横目に、ジャンヌ・オルタは嗤う。

「どうせ、私たちに遠慮してたんでしょ?」

「世界を救うために、未来を掴むために、私たちを置いて行った貴女が」

「今更、たった一人のためにその覚悟を曲げるのかって」

「…………」

沈黙は肯定の証だった。
立香は、ジャンヌ・オルタの顔を直視できない。俯いてしまう。
大切な友人に幻滅されるのが怖い。
そんな、まるでただの子供のような感情。
今はまだキリエのことで頭がいっぱいな立香は、その他に対する覚悟をすぐには出来そうにない。
サーヴァントにだって心がある。心には許容量がある。
泥水のような濁った不安が、溢れそうになる。



「もう一度言うわ。バカよ、アンタは」

グイ、と。
立香の顔が強制的に前を向かされた。
ジャンヌ・オルタは両手で立香の顔を掴む。無遠慮に。まるで友達にするように。
立香の顔が固定される。二人の顔がゆっくりと近づく。まるで恋人同士のように。

「良い? 一度しか言ってあげないから耳の穴かっぽじってよーく聞きなさい?」


「私はね」

その時、突然影が伸びた。
藤丸立香の影。巌窟王エドモン・ダンテスの姿を持ったそれが、にょきりと。
ジャンヌ・オルタと藤丸立香の間に立つように、割り込むように、影は屹立する。

「……なによ」

影は何も言わない。語らない。
ただ、オルタに圧(プレッシャー)だけを与えてくる。
抜け駆けするな、と。
貴様一人が栄誉を独占するなど許さない、と。


「……はあ……本当に空気読めないやつら。一度、馬に蹴られて死んだらどうです?」


影と、その奥にいる『彼ら』の圧に負けたのか。
溜息をつきながら、オルタは言葉を言い換えた。
仕方なさそうに、つまらなそうに。

「『私たち』はね」

自分たち全員の意思だと、代表してジャンヌ・オルタは告げる。断言する。

「世界のために、人理のために別れを選んだわけじゃない」

アヴェンジャー。復讐者の霊基。振り返る者。立ち止まる者。過去に囚われ、未来を歩むことを許されぬ者たち。
世界を救う旅路において、世界を滅ぼし得る恩讐の炎を旅の果てに持ち込むことを望まなかった者たち。

「貴女のために、だっつーの! フン! 言わせんな、恥ずいわ」

彼らは愛している。人間を。人類を。隣人を。そして、藤丸立香を。


だから。


「望みなさい、我がマスター」


キリエのためならばなんだって出来るアヴェンジャー(藤丸立香)と同じように。
アヴェンジャーのクラスを持つ彼らは、立香のためならばなんだって出来る。
聖女様じゃあ取れない選択肢。ざまあみろと優越感を感じながら。
ジャンヌ・オルタは影と共に、昏く笑った。


「我ら復讐者、例え世界を敵に回しても貴女の供となりましょう」


【3】



マシュ・キリエライトではない真白キリエと。
ジャンヌ・ダルクではないジャンヌ・オルタと。
『人類最後のマスター』ではない藤丸立香。

恩讐を思い知るために生み出された無力な少女と。
狂信を実現せんがために形作られた悪徳の魔女と。
人理を救うため身勝手に鍛造された人類の希望。

そんな、造られた命三つ。
本来あらざるべき魂三つ。
狭間に消えゆく運命三つ。


「ふざけんじゃないわ」


役割なんて知ったことか。
使命なんて知ったことか。
運命なんて知ったことか。

自分自身の意志こそが、自分自身の「生」を確立させるのだと信じて。
彼女たちは原型(オリジナル)と違う道を行く。
赤信号(ただ一人の救い)を、みんなで一緒に渡りながら。
その先にある奇跡に縋って。手を引き、引かれ、引っ張って。


影の奥で『彼ら』が猛る。


「分かってんでしょうね?アンタたち」

滅びの調べと共に、黒百合が咲く。

「参加賞(ひと時の再会)なんてみみっちいモンは認めないわ」

魔獣は吠えて、騎士は鎌を鳴らし。

「やるからには全力。息が切れても、足が震えても、リタイアなんて許しません」

死霊が飛び交い、怨の刀は紫に光る。

「走って、跳んで、踏ん張って、そんでさ」

魔眼が煌めき、雷鳴が轟き。


「勝つわよ」


二つの炎が、笑っている。恩讐の炎たちが。


彼らに見守られ、見送られ、見届けられながら。



うたかたの夢たちは、春に向かって走り出す。


【CLASS】
アヴェンジャー

【真名】
藤丸立香@不可逆廃棄孔・イド

【ステータス】
筋力E 耐久D+ 敏捷E 魔力D 幸運E+ 宝具A

【属性】
中立・悪  今回は女(ぐだこ)として参戦。

【クラススキル】

復讐者:EX→D
復讐者として、人の恨みと怨念を一身に集める在り方がスキルとなったもの。
周囲からの敵意を向けられやすくなってしまうが、向けられた負の感情は直ちにアヴェンジャーの力へと変化する。
本来の『アヴェンジャー・藤丸立香』は『地球最後の復讐者』として規格外の当スキルを保持している。
しかし此度は、復讐者としての藤丸立香の根本である真白キリエが生存しているためランクが低下している。
真白キリエへ危害を加えようとしている者に対しては激情とも言える敵意を抱き、冷静な判断が出来なくなる。いわゆるデメリットスキル。

忘却補正:A
藤丸立香は忘れない。真白キリエと過ごしたあの日々の輝きを。
アヴェンジャーは忘れられない。真白キリエが死んだあの日の憎しみを。

自己回復(魔力):D
アヴェンジャーとしてのクラススキル。微量ながらも魔力が回復し続ける。
藤丸立香は後述の宝具による折田の現界に必要な魔力をこのスキルで補っている。


【保有スキル】

人理の防人:A→E
『人類最後のマスター』としての藤丸立香を象徴するスキル。
人理からのバックアップによって耐久と幸運に補正がかかるスキルとなっているが、現在の藤丸立香は人理よりもキリエの生存を優先しているため大幅にランクが低下している。


只人のカリスマ:B+→D++
カルデアにて数多くの英雄に愛された藤丸立香の魅力がスキルとなったもの。
キャスターとしての召喚であれば全ての英雄を対象とした上でB+程度の効果があった。しかし、アヴェンジャーとして召喚され、人理よりもキリエを優先したため
「アヴェンジャークラス」と「人理よりも藤丸立香を優先する者」だけに適用される効果となっている。


専科百般(カルデア):E
藤丸立香はカルデアにて数多くの英雄より薫陶を受けている。
彼らの持つ技術、技能を極めて低レベルではあるが再現できる。
サーヴァントには通用せずとも、幽霊(ゴースト)や骸骨(スケルトン)の数体程度ならば相手が出来るだろう。


真名看破:B
カルデアの霊基グラフに記録されているサーヴァントの真名を看破できる。
ただし、相手側からも『人類最後のマスター』として認識される。


【宝具】
『常に手を取って、私の友達(アヴェンジャー ■■■■■■■)』
ランク:C 種別:対友宝具 レンジ:1 最大捕捉:1

不可逆廃棄孔・イドにて藤丸立香の友人として並び立ったサーヴァント「ジャンヌ・オルタ」「アンントニオ・サリエリ」「平景清」のいずれかを召喚する。
召喚は聖杯戦争を通して一度きり。今回は「ジャンヌ・オルタ」が選ばれたため、他2名をこの宝具で呼び出すことはできない。
呼び出されたサーヴァントは現世での姿(ジャンヌ・オルタの場合は折田)を取ることで現界時の魔力消費を大幅に抑えることが出来る。
しかしデメリットとしてサーヴァントとしての出力にリミットがかかり、本来の彼女よりも少々頼りない霊基となっている。

『影より来たれ、我が朋よ(アヴェンジャー ■■■■■■■)』
ランク:B 種別:対朋宝具 レンジ:1 最大捕捉:1~3

不可逆廃棄孔イドにて藤丸立香が己の影と一体化したエドモン・ダンテスよりサーヴァントを呼び出した逸話が宝具化したもの。
イドと同じく、立香の持つ令呪を一画消費することでアヴェンジャークラスのサーヴァントを限定的に召喚することが出来る。
令呪は全部で三画。三画未満となった場合、深夜24時になると一画が補充される。謎システム。
この方法で呼び出されたサーヴァントの力には特に制限がなく、平時と同様の戦闘力に加えスキル、宝具も使用できる。
ただし藤丸立香とジャンヌ・オルタに加えてもう一体、もしくはそれ以上のサーヴァントを使役することになる真白キリエへの負担は非常に大きい。


『響け喇叭よ、恩讐を果たせ(不可逆廃棄孔・イド)』
ランク:A 種別:対仇宝具 レンジ:1~999 最大捕捉:1~99

喇叭の音と共に藤丸立香の心象世界である「不可逆廃棄孔・イド」を別位相に再現し、望んだ対象を取り込む。
東京全土の再現という大規模固有結界であるため本来使用できるはずもないが、此度の聖杯戦争の舞台が同じく東京であったため新たに再現する必要がほとんどなく、極めて低魔力で使用することが出来る。
この世界に取り込まれたものは藤丸立香自身も含めて以下の条件いずれかを満たすまで決して外の世界に出ることは出来ない。

  • 藤丸立香が敵とみなした存在の消滅
  • 藤丸立香の消滅


【weapon】
今まで復讐者と育んできた絆こそが彼女の最大の武器である。

【人物背景】
『人類最後のマスター』藤丸立香(女)が不可逆廃棄孔・イドにて見せた復讐者としての一側面。
本来の藤丸立香と比べて少々暗め。嗜虐心高め。
立香自身も気にしているが、アヴェンジャーとして召喚された以上、こればかりはどうしようもない。

【サーヴァントとしての願い】
真白キリエの生存。何を犠牲にしてでも。奇跡に祈ってでも。

【マスターへの態度】
出来る限りいつも通りの態度でキリエに心配をかけないようにしたい。
でも、どうしても過保護になってしまう。大切な人を二度と失いたくないから。
……色々、どうやって説明したもんかなー……オルタ、手伝ってー……。


【マスター】
 真白キリエ@不可逆廃棄孔・イド

【マスターとしての願い】
傷付きたくない。傷つけたくない。あとは……。


【能力・技能】
どこにでもいる普通の女の子。
戦争に巻き込まれるとひとたまりもない。

【人物背景】
不可逆廃棄孔・イドにて登場した、藤丸さん家の隣に住んでいる幼馴染。隣のキリエさん。
本来の世界線では悲劇に見舞われその命を落とすが、今回はその以前より参戦。

【方針】
とりあえず先輩に話を聞きたい。全てはそれから。

【サーヴァントへの態度】
先輩、また会えて良かったです……。ところでお聞きしたいことがあるのですが。色々と。ええ、色々と。

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最終更新:2024年04月29日 10:52