ある患者の問診記録


概要


忘れられた雨神の社跡のある町の病院に入院する患者の問診記録。
患者は赤い雨と共に人家に降ってきたという女性

経歴


2013年8月24日幕間

(プツッ  ザー…)
若い男の声「テープ回りました」
壮年の男の声「どうですか お加減の方は」
女の声「浮いて………」
壮年の男の声「浮いて…」
女の声「いえ…落ちてるんです……」
壮年の男の声「それはとても長い?」
女の声「はい……ずっと…何もない……暗い中を…」
壮年の男の声「周りには何か?」
女の声「暗くて…闇だけが……」
女の声「わかりません…」
女の声「ただ…恐ろしくて…」
女の声「夜…ベッドで横になっても…あの感覚が…」
女の声「眠れない…眠れなくて…」
女の声「落ちる…」
女の声「落ちる…」
女の声「落ちる…!」
壮年の男の声「大丈夫です 安心してください」
壮年の男の声「必ず快方に向かいます」
(プツッ  ザー…)


2013年8月25日幕間

(プツッ  ザー…)
若い男の声「テープ回りました」
壮年の男の声「大丈夫ですか?」
女の声「見たくない…もう見たくない…!」
女の声「見たくない…!」
壮年の男の声「見て…しまったんですか?」
女の声「思い出したんです…」
壮年の男の声「どんなことを…?」
女の声「ずっと…落ちてたんじゃない…」
女の声「吸い込まれてたんです…」
壮年の男の声「吸い込まれていた…?」
壮年の男の声「それは…下へ…?」
女の声「違う…」
女の声「空に…」
壮年の男の声「うん…」
女の声「空に…吸い込まれていたんです…」
女の声「暗い中に…」
女の声「星が……」
女の声「星が…」
女の声「沢山…」
女の声「あぁ…」
女の声「あぁぁあぁ…!」
女の声「吸い込まれる…」
女の声「夜空が…」
女の声「夜空に…!」
女の声「星の見えないところへ行かないと…!!」
女の声「夜空に…吸い込まれる……」
女の声「違う……」
壮年の男の声「では病室を移しましょう まずはこの薬を…」
女の声「宇宙」
壮年の男の声「大丈夫です 安心してください」
壮年の男の声「必ず快方に向かいます」
(プツッ  ザー…)

余談

大丈夫です。安心してください。必ず快方に向かいます。


最終更新:2014年05月17日 11:51