メルク&メラン


【種族】 共に人間
【性別】 共に男性
【属性】 『メルク』→, 『メラン』→,
【所属】 ある殺し屋組合(フリーランスギルドみたいな所)



メルク=ロヴネル


殺し屋業を生業とするやつれた男。年齢は30とちょい。
背丈は西洋諸国の成人男性の平均程(170ちょい)。やつれていて細いが筋肉はある。ギザ歯。
生真面目そうな切りそろえられたアッシュブラウンのショートカット。
対照的にそのままにした無精ひげ、澱んで光のない碧色の瞳。その精神が傍目からでも平常ではなことが伺える暗い表情。
服装はラフめのフォーマルカジュアルとロングコートを好み、神の信徒の証であるロザリオを提げている。

幼い頃から生まれつきの悪性を抱え、平穏で普通の人よりも恵まれた生活の中それに苦悩する日々を過ごしてきた。
その悪性がいけないことであると自覚し自制に努め、自身を追い詰めながら生活してきた影響でこのようにやつれてしまった。

しかし、一年ほど前に武装勢力により住んでいた街を襲撃され、街は壊滅。
勤めていた診療所も見るも耐えない状態に破壊され、同僚や患者の多くも失ってしまった。
不幸中の幸い軽症で済み、街の数少ない生存者となった彼だが、無残な姿で息絶えている同僚や患者を見て、
そして血を流し肉を溢れさせながら蠢く者達を見て本能的に「なんて綺麗なのだろう。素敵なのだろう」と強い恍惚を抱いてしまったのだ。

そんな中襲撃のショックで抑えていた衝動のままに、生き残った人間を殺害しようとしてきた武装勢力の残党の襲撃を受けるもそれを返り討ちにしてしまう。
返り討ちにした武装勢力の体を一人、また一人と切り刻み、悪性として押さえ込んできた衝動に身を預け強い快楽を貪り続ける。
しかし、ふと我に返った彼は血に染まった自身の姿と自分が何をしたのかを思い出し強い罪悪感に支配されることとなった。

己の悪性との葛藤、罪悪感は襲撃のショックと合わせて男の精神に深く刃物を突きたて、その精神を善悪に二分する。
その結果現実から逃避するように別人格である「メラン」を生み出してしまった。そう、あたかも悪魔にとりつかれてしまったかのようだった。
もはや当時のトラウマから医師として活動することもできなくなった男にもう一人の自分は語りかけ、自分のしたいことをすればいいと囁く。
そしてしたいことなど何もないと語る男に「そんなことはないだろう。いい仕事があるんだ」と彼を殺し屋の道へ誘っていくのであった。

以後はショックで医師としての活動をしようと無気力になってしまう為殺し屋業に専念している。
依頼さえ受ければ善人であろうと悪人であろうとも殺害する。標的の急所を確実に抉る一撃必殺スタイルが主な手口。
ある悪性を抱えているとあるが、ある理由から理不尽な破壊活動や殺戮を嫌悪しただ忠実に任務をこなすことを良しとする。

現在でも医師としての腕は衰えてはいないが、かつて多くの民を救った技術は今や人殺しのための技術に成り代わってしまっている。


性格は非常に物静かで寡黙で虚ろ。酷く後ろ向きで常に欝状態の男。何事にも無感動でリアクションが酷く薄い。
とはいえ敬虔な神の信徒であり、慎み深く欲があんまりない死人のようにも見える見た目からは想像もつかない好漢である。
こんな世の中は嫌だと語りつつ心のどこかでは自身の悪行を正当化していられる(=殺しの依頼が舞い込んでくるような)世界を望む。
精神を病んでいるのか自分が悪魔にとりつかれているという妄想を抱き、神に懺悔を続け悪魔祓いを願っている。

自身の悪性をなんとかしたいと望んでいたものの、もはや手遅れであると諦めきっており現在はストレスを軽減する為に「悪性を合法的に行える仕事」に身を預ける。
かつては全うな人間性と正義感を持っていたものの、仕事に忠実に働けば働くほど罪悪感は大きくなり、殺し屋業に携わり早1年で心が枯れ果ててしまった。
今は善悪に自身の精神が二分したことをいいことに殺戮で生まれる罪悪感など自分の嫌なもの、逃避したいものをメランに一任している。
そして自身はただ保身と狂気と惰性に浸っているなんかすごくダメ人間。

口調も物静かかつ穏やかだがまどろっこしい男性口調。言葉を荒立てることはあんまりない。


会話例


「こんにちは、僕はメルク=ロヴネル。神よ、この出会いを感謝します」
「ああ、少し前まで医者をしてたんだ……。今は、ほら……まあ、その…こんな時代だろう?だから……ね」
「僕の中には悪魔が居る。彼が居る……」
「相手は子供だ、大丈夫かって…?大丈夫さ、もう何も思えないよ……」
「もうだめなんだ……手遅れなんだ……。いけないと定められたことを愉しむ自分が居る……彼じゃない、僕自身が、既に」
「認めたくなんてない……どうして、どうして僕が悪魔にとりつかれねばならないんだ……あぁ、お願いです。誰か、誰かこの悪魔を祓って下さい!」
「こんなの、誰が望むというんだ……そうだよね。それが正しいはずなんだ。正しいはず、なのに……」
「お前がしがみつくこの偶像に、果たしてどれだけの価値があるんだろうか……」


メラン=ロヴネル


上述の経緯で誕生した外科医「メルク=ロヴネル」の別人格。良心や常識から切り離された悪性の化身。
背徳行為を何より好み、常人と趣味趣向や常識もまるで異なるまさしく悪魔のような存在である。

容姿はメルクとそう変わらないし目の色が変化したりすることもない。
ただ表情が大きく変化し暗い表情のメルクとうって変わって歯をぎらつかせた狂気的な表情をする。(瞳孔も開いてる)
服装の好みはちょっと変わっているようで、メルクの好む服は暑苦しいと更にラフな服装を好む他帽子を愛する。

一撃必殺を好むメルクと異なり、相手を嬲り殺すような獣を彷彿させるような残虐なパワーファイトが特徴。
しかし自身の好みに合わないというだけで本来のスタイルはメルク同様相手の急所を正確についた精密な攻撃を得意としている。

脳のリミッターが外れているのか普通の人間ながら驚異的な身体能力や反射神経を見せ、なおかつ思考速度も迅速で判断力に優れる。
これも悪魔憑きを彷彿させる要素となっている。

性格は大人しいメルクにうって変わって不気味な程に陽気で饒舌なひょうきん者。不真面目。
普段溜め込んでいるような愚痴や感情をも平気で吐露し、基本的には空気を読まないし裏表もまるでない。
一方で知恵が回り、狡猾かつ聡明な一面を覗かせることも多々ある。
矢継ぎ早に思考を巡らせて次々に話や行動を飛躍させる。基本的にせっかちで短慮。
基本的にはメルクの免罪符や逃避口。自分が我慢していることをしたいだけできる存在である。

口調はメルクとうって変わって明るくフランク。テンションも常に高くとにかく喧しい。

会話例


「ん?そんな呆気にとられたカオしちゃってどうしたよ!!俺!?俺か?!俺のことを知りたいのか!!!ははは、面白いやつだな教えてやる。俺はメラン=ロヴネルだ!!!」
「おいおいこいつは俺のオキニイリなんだ。気安く触っちゃダメだぜ!? ……あ。斬られたいなら話は別だがな!!」
「はいはい今日の仕事は……斬る!!!!以上!!!!!ひゃはははははははは!!!!簡潔すぎるぜ!!!!!」
「斬って斬って斬りまくる!!!!楽しいよな、なあ楽しいだろう相棒よォ!!!!」
「おいアンタ、見てくれよこの窮屈な服をよぉ!!全くこんなもん着せる相棒のセンスを疑うぜ!!!時代はもっとワイルドでクレバーだよなぁ!シルバーはいいけどよ」
「なんだなんだ最近のガキはませてやがるな。ガッコーで先生に大事なことも習ってねえくせにイッチョマエだ!!!ははは!!!!なんならおじちゃん教えてやろうか」
「……楽しいですか?あん?当たり前のようなことを聞くんじゃないぜ。勿論楽しいからやってるに決まってンだろ!!お前もそうだろ!女囲うの楽しいよな?!」

主な技・魔法


メルク


主にナイフなどを扱った近~中距離戦闘を得意とする。
命中が非常に高く、能力や技能も合いまり着実にそして致命的な一撃を与えてくる。
じっと身を潜めて相手の隙をついて一撃を叩き込むという良くも悪くも暗殺者(殺し屋)らしい戦闘スタイル。


「キリングダーツ」
機械による精密射撃の如く繰り出される突き攻撃。
メルクの技能により小さな急所であろうとも寸分の狂いなく突いてくる。


「ジョイントロスト」
相手との攻防にて自然と繰り出されることが多い技。
どさくさに紛れて相手の関節を外してしまう。


「ルーンスーチャー」
周囲の空間にメスを入れ、縫合。
対象を選択し発動するタイプの魔術に対し選択した対象を思うがままに入れ替えてしまう。
具体的に言うならば自身をターゲットに発動する魔術を逆に術者に返したり、敵の強化魔術の対象を入れ替えて自身に適応したりできる。


「ウィッチハント」
相手の術式に対し術を施した小刀を投げ放つ事で魔術破壊を行う技。
破壊を行う際は術式に対し弱点看破の能力を使い行う。
応用して実体を持たない精霊などのアストラル体の弱点すら的確につき、具現を妨害する。


「シャットダウン」
強烈な電磁力を発する術を施した小刀を投げ放つ事で機能破壊を行う技。
破壊を行う際は各回路に対し弱点看破の能力を使い行う。
機械・兵器に対して特に有効打となる強力な一撃。


「メルトブレイク」
強力な細菌兵器のようになる術を施した小刀を投げ放つ技。
命中した者を細菌が蝕み内部から急速に溶解する脅威の殺人技。
無生物には効果がないが生命体であればどんな相手にも通用する。


「クイックブースト」
自身の身体能力を一定時間強化する強化術式。


メラン


メルク同様ナイフなどを扱った近~中距離戦闘を得意とする。
大きな違いは身体能力の上昇によるものかメルクよりも苛烈で派手な攻撃が特徴。
全体的にステータスも攻撃的になっているが矢継ぎ早に思考し行動するので命中は低下している。


「キリングフェスタ」
多数の小刀から矢継ぎ早に繰り出される高速乱舞攻撃。
繰り出される全ての攻撃がライフル狙撃並みの驚異的な命中率を持つ。


「レイニングダーツ」
多数の小刀を高速回転しながら一斉に投げ放って攻撃する範囲攻撃。
これまた全ての小刀がライフル狙撃並みの驚異的な命中率を持つ。


「ジョイントロスト」
相手との攻防にて自然と繰り出されることが多い技。
どさくさに紛れて相手の関節を外してしまう。


「ルーンスーチャー」
周囲の空間にメスを入れ、縫合。
対象を選択し発動するタイプの魔術に対し選択した対象を思うがままに入れ替えてしまう。
具体的に言うならば自身をターゲットに発動する魔術を逆に術者に返したり、敵の強化魔術の対象を入れ替えて自身に適応したりできる。


「ライトニングワルツ」
達人や怪物の思考、反応速度さえ超えるほどの音速の一撃。
攻撃はナイフによる刺突であったり蹴りであったり様々。


「ラビリントス・オペレーティング」
周囲に強力な結界を展開する魔術。標的の逃走を阻止する為の意図がある。
結界は内部で発動される転移系の魔術に強く干渉を行い、術を構築される前にかき消してしまう。
魔術じゃない転移に関しては対処不可能。


「クイックブースト」
自身の身体能力を一定時間強化する強化術式。


主な特殊能力・技能


能力


「人間」
人間に特別な効果のある技や魔法、能力の影響を受ける。


「多重人格」
極限状態と極度のストレスにより多重人格を引き起こしている。
それぞれの人格は自由に入れ替わることはできないものの、脳にちょっとした刺激を与えることで変化できる。
限度を超えた恐怖などがその対象となる他物理的なショックを与えることでも変化可能。


「リミッター解除」
自身の脳内に定められたリミッターを解除することにより、身体能力や思考能力、反射神経などの強化を行う。
所謂火事場のバカ力的なものを自由に引き出すことが出来る力である。
しかし幾らリミッターを外しているとはいえ異形変化や強化魔術の類ではないため、出来ることには限度がある。
人格がメランである際は常時発動。


「妄想の虜」
自身が悪魔にとりつかれた悪魔憑きであるという妄想を抱き支配されている。


「信仰心」
神仏に対して強い信仰心を持つ神の信徒。
しかしながら特に信仰する神は特定しておらず、彼の信じる神という存在は自分のようなどうしようもない人間を救ってくれる存在に等しい。


「過集中」
極端な集中状態になることができる。
技の精度の上昇や動体視力、反射神経などを更に強化する。


「弱点看破」
相手が生物でなくとも相手の装甲や防御の薄い場所、核など物質構造的な『弱点』を把握する能力に長ける。
応用して魔術を構築する術式の穴すら把握できる。

ちょっとした透視系の能力か何かがあるのかもしれない。


「弱点特効」
相手の物質構造的な『弱点』をつくことが出来た攻撃のダメージが急上昇する。


技能


「巧妙の技」
非常に手先が器用。針の穴ほどの小さなミニチュア模型さえもスコープなしで易々と作ってしまうほど。
転じて精密作業全般を得意としており、日常生活や戦闘で活用している。


「解剖学」
人体、並びに生物の構造に関する知識。
急所に当たる部分は熟知している。


「精密手術」
相手の急所を正確に捉え一撃必殺を見舞う彼ら独自の戦闘術。
解剖学や医療知識、医師として培い続けた経験などに基づいて生み出された戦闘術であり、見よう見まねで真似できるものではない。
たとえ急所が非常に小さく狙いにくい部位であろうとも取り逃すことはない。


「暗殺技能【上】」
暗殺者の技能。相手が人間・亜人などの人型である場合攻撃力が急上昇する。


「医療知識・技術」
元は医師なので免許もあるしちゃんとした医療知識や技術を持っている。
ちょっとした手術なんても道具さえあればすぐに出来てしまう。


「薬学知識」
様々な薬剤に関する知識や取り扱い技能を持つ。


アイテムなど


各種ステータス隠蔽、ステルス機能付きの防具、妨害機器対策用の電磁波発生装置など数々のアイテムを所持しているらしい。
他にも自身で調合した劇薬や仕事道具である大量の小刀や電磁波発生や魔力封じなどのギミックが施されたナイフなども持ち歩く。


能力


メルク


体力:C++
魔力:B+
 魔法攻撃力:E+
 魔法防御力:D+
腕力:A
 物理攻撃力:A
 物理防御力:B
知力:A+
素早さ:B+
命中:S++


メラン


体力:C++
魔力:B+
 魔法攻撃力:E+
 魔法防御力:D+
腕力:A++
 物理攻撃力:A+
 物理防御力:B
知力:A++
素早さ:A
命中:S


ちなみに


1: ミュルグレスでやりたかったことの再挑戦をしたくて作成。こっちは一応ちゃんとした人間。
  見た目のアイデアは虎眼さんより。ありがとうございます!

2: 元ネタは色々。ちなみに元外科医。
  名前の由来はメルク→イタリア語で「銀」を意味する「メルクーリオ」。メラン→ギリシャ語で「黒」。ロヴネル→スウェーデンの姓から。

3: ちなみに両者とも記憶は共有している。そんな中でメルクが自身の逃避口としてメランを利用するのは両者の感性の違い故にである。

4: メランが悪性の化身と書いてあるけどもメルクもかなりまずいタイプの悪人であることは間違いない模様。


最終更新:2015年10月04日 01:16