ハイエンド



概要

ネストの治安を乱す侵略的な自称国家の一つ。
「インディペンデンス・オート」なる自律型機械による自称国家から別れて出来たチーム。
殆どのメンバーが戦闘用兵器であり、現在の活動でもその彼らの要素は変わっていない。
人類を「発想力は認めるが、計算も肉体も脆弱」と見下している者が多い。
その戦力は雑兵も含めて人間が支配する並みの自称国家よりも高く、治安と他自称国家にとっては比較的脅威。

治安を乱す、とは言うものの罪無き市民を蹂躙し、略奪するような事は無く、自律機械を見下すような者や、自ら戦いを挑む者など相手に争っている。

平和的路線を築くツールズとは、元々同じチームにあって別れた為か確執が深い。

戦闘能力としては、各員が戦闘兵器である為に全体的に高い。
それぞれ「第弐戦術」と呼ばれる通常形態とはスペック・ファンクションの異なる戦闘形態を持つ。

フォール


「終わりを叶えよう それが貴方の叫びなら」

外見が完全に黒い鎧の騎士である、戦闘用ロボット。
姿は没個性激しく地味で、装飾も少なく体形はほぼ人間と変わらない。身長2m。
自らの名前に「破滅」を冠する謎のロボット。
元々は遺跡の中に眠っていた古代機械と言われており、その出自は判然としていない。
言葉や動作少なく自らの目的に向かって邁進する人格を持ち、機械らしく人格を与えられた自律型機械らしい所作が少ない。

その戦闘能力は高く、物理的な能力が高い。
しかしスピード・パワー・テクニックは揃っているが、特殊な戦闘能力を宿しているのかは不明。
現状、見せている能力はほぼ他の破壊兵器の延長線上にある行為にしか過ぎず、珍しいものではない。
強烈な戦闘能力を印象付けるが、その能力の発揮とは裏腹に、ツールズの即時壊滅を実行しない。

元々出土してからはツールズ内での目立たない作業用ロボットとして活動しており、目立った活躍も無かった。
その時は万力のような手、四角い体、四角い頭、動かない顔パーツなど、古いブリキの玩具のような外見であった。
しかしある時、何かの切欠によって現在の機能と姿を開放する。
それまでに与えられた名前は「ワーカー」。
現在の名前はその圧倒的な力に平伏したアトロシティによって、「王の称号」として付けられた。

例外的に「第弐戦術」が存在せず、フォールは圧倒的な身体能力によって戦い続ける。

アトロシティ


「破滅の王(フォール)よ、貴様こそが象徴…私を導く力そのもの」

黒い冷えて固まった溶岩のようなボディに、赤く燃える炎のような部分を持つマグマのようなロボット。
凄まじい膂力と苛烈な性格、堅牢な装甲を持つパワータイプ。
その巨体はノスタルジアを上回る5mほどのもの。

元々はノスタルジアと同じく自称国家の戦闘用ロボット。
古くから続くその国の前史時代に作られた戦闘兵器で、侵略の為の力と性格を備えていた。
しかし国の時代が後期に、平和的に移行して行くに連れてその性格と力を疎まれて廃棄が決まる。
「国の為に力を尽くして来た」自分を都合によって動かし、また壊す人間に怒りを爆発させ、他の機動兵器を率いて武装蜂起。
クーデターを起こし、国を壊滅させて乗っ取ってしまう。

同族に対する慈悲や哀れみなどは持ち合わせており、ノスタルジアの立ち上げた寄り合いを支援し、助けたのはアトロシティ。
しかし「人の都合に侵されぬ強い自立」を目指し、抵抗と力の誇示を示した事によって、ノスタルジアをリーダーとした和平派と対立。
「弱き者の思想は伝播する」として、彼らと長く居る事を拒み、同族のよしみとして即時破壊などしないながらも離脱。
特にノスタルジアには「同じ兵器でありながら」、「他を率いる器を持っていながら」と愛憎入り混じる複雑な感情を抱いており、憎悪しかない敵と言うわけではない。
過去の経験から「我ら人で無い者はその力を誇示する事によってしか存在を認められない」と言うコンプレックスに苛まれている。

現在の名前は、今まで以上に苛烈に動かなければならない、思想が違えば同族とも戦わねばならないという事実に覚悟を揺らされぬ様名乗った意味であり、「暴虐」とは彼本来の名前ではない。
古い名前は「フレイム」。

アトロシティの第弐戦術は「ナイト・ザ・ストライク」と呼ばれる縮小形態。
一撃の威力を犠牲にしてアーマーを大幅にパージし、細身の騎士の姿となって剣と盾を武器に戦うスピードファイターとなる。
アーマーは全て電子分解され、大出力ジェネレーター「コア・ザ・パーティクル」となり、大出力を全て移動力に回す事で目にも止まらぬ高速戦を可能とする。
第弐戦術移行、装甲排除(アーマーパージ)の際のコード・コールは「煤けた騎士道(スート・ザ・シヴァルリー)」。

クォンタム


「疑わないで頂きたいな、足並みが乱れる。幹部(あなた)がそのような事では困る」

身体の一部が未知の半物質(反物質ではなく、半物質。時に物質であり、時にエネルギーである)で出来た人型ロボット。
全身が黒く、隙間の多い体からオレンジ色の光が漏れており、目もアイ・パーツではなくその隙間の一つから光が漏れ出ている形の二つの光。
指や足先はツメのように鋭く、角ばった体ではなく、ハイエンドの他のロボットより「異次元の怪物」を思わせるようなデザインをしている。身長は193㎝ほど。
慇懃無礼な性格で、韜晦を思わせる言動を多用する信用の置けない性格。
しかしハイエンドに齎す情報や実益は確実・真実のモノであり、裏にどんな企みが有るかなど当然本人は話さないが、クォンタムの情報と戦果は事実ハイエンドの勢力を拡大している。
本人の語る所によれば、「貴方がた(ハイエンド)と同じ苦しみを受けたモノ」と名乗るものの、真偽は定かではない。

テレポートか超高速移動か、複数の場所に次から次へと移動しながら、時には複数体に分裂しながら体術やガジェットによって敵を排除する戦闘方法を主にする。
電子機器を誤動作させたり、自分の思う様に操作する事に長けており、未知のウィルス「ランダムパターン」と大電流「ルナウェイエレクトロン」を武器としてそれらを実行する。
専用ガジェットは両腕に装着する「半物質流体分割器」こと「オブシディバイダー」。
四角い基部の片側に刀剣の刃のようなモノが付いた装置であり、反対側にはV字のアンテナのような物体が付いている。
クォンタムとほぼ同色の装備であり、取り外しの利く別系統のモノではあるが、彼の体の一部に見える。
オレンジ光状のエネルギー「インタラプトロン」を放出し、相手の身体を構成する分子にエネルギー粒子を割り込ませ、密度を下げる=物質的硬度を下げてから、刃で両断する。
コレによって大した腕力を要さずともある程度までの堅固な物質を破壊する事が出来る。
絶大な破壊力は持たないが、能力に優れない雑兵に装備させるには適している。
この粒子を単なる破壊エネルギーとして射出する事も可能で、その場合は熱によって相手を溶解、爆裂させる光弾となって飛ぶ。
しかしスペック・アナライズによってクォンタムは彼のボディ・スペックのみで更に単純な破壊を行える事が証明されており、このような遠回りな武器を使用している理由が詳細には分かっていない。
彼にその事を問えば「将来ハイエンドに増えるであろう力の弱い同胞の身を守り、敵を壊す為に装備するものの性能テスト」と答える。
戦場で披露される強力を誇る技は、体内に満ちた「インタラプトロン」と同質のものを高出力で放出し、敵の脆弱化と破壊を同時に行う「ダークインヴェイド」。

加入してから短期間で一兵卒から幹部にまで上り詰め、メガロレイジを除け者にした為、彼から一方的な恨みを買っている。

第弐戦術は、瞬間発動系の「ダークインターラプト」。
ボディの電源が消えたように全ての機能を停止すると、体から「インタラプトロン」をより強烈なレベルで放出し、一瞬のうちに相手を貫く。
相手の耐熱性能にも因るが、超高密度エネルギーに貫かれた大抵のものは凄まじい熱量に晒されて炎を上げる間も無く灰となる。
形態以降の際のコード・コールは「貪る破壊(クレイヴ・シェーヴ)」。


ヴァルキューレ


「砕け散れッ!!!その音を存分に聞かせろッ!!!」

メガロレイジと同じく近代のロボット。
規律に厳しく、その上敵機の破壊に怒りと更なる怒り、つまり無限の怒りと興奮を見出す危険人物。
弱者を守ろうと言う意識に満ちており、「強者」と「弱者」の区分をきっちりと分ける事に執着する。
これでも女性型であり、赤く燃えるような大型ボディは一見屈強な男性のそれに見える。

普段の姿は冷静で理知的だが、峻厳な物言いをするタイプである事には変わりが無い。
他の者に頼られる事を是とし、「守ってくれと頼る者」を守護する事に余念が無い。
だからと言って弱者をそのまま弱者にしておいていいと言う考えではなく、自分が守らなければならないような弱い者を率先して人格的にも肉体的にも鍛えようとする。
面倒見が良い、と言っても完全に間違いではないその性格の為に、彼女を慕って付いてくる者も多い。
戦闘時は敵の撃滅に心血を注ぐ苛烈な人格では有るが、そうでない休息時であれば、穏やかで人の頭を撫でるような優しさも併せ持つ。
その際は、相手が大人であっても「自分より頼りない」と判断した相手であれば、まるで姉や母のように振る舞いその頭を胸に抱くような事も多い。
大抵の場合、そのような時は人間との交渉用にギスギスしたイメージを緩衝する為の人間型アンドロイド・ボディを用いる。
その容姿はピンク色の長髪と大人びた顔立ちの白い肌の20代ほどの女性。ノースリーブの白いフリルドレスを纏う。
人格プログラムの設定ミスによって、人間に近付き過ぎ、更に感情豊かで敵の効果的、計画的な殲滅には向かない為に廃棄されかけた経緯を持つ。

戦闘能力は、あらゆる温度をエネルギーにして吸収、光線として放出する機能を持つ。
五指や腹部、口部、腰部、足部などあらゆる場所から破壊力の高い熱光線や電撃光線、重金属粒子砲など多種多様な光線を放つ。
中・遠距離戦闘を得意として、破壊力は絶大だがエネルギー攻撃に耐性を持つ敵とは相性が悪い。
範囲攻撃にも優れるが、その高度な照準プログラムによって高速移動する敵にも臆さず、相性が悪いわけでもない。
近接戦闘の際は、高い機体出力と剛性から繰り出される拳撃や蹴撃などを武器にするが、小回りは効かない。

その性格から、メガロレイジには恐れられている。

第弐戦術は変形タイプの「ヴィーンゴールヴ」。
全身のパーツを変形させ、四角ばった兵器然とした体から、ドレスを纏い、背中に白い翼を生やした女神のような姿となる。
この形態では全身のエネルギー放出機構は更に放出性を上げ、全方位に光のようなエネルギーを発し、アンデッドや幽体を浄化する白光を放つ。
半面、物理的に敵を傷つける能力は一切失われる。
形態以降の際のコード・コールは「死に絶え彷徨える者、救われるべし(アインヘリヤル)」。




メガロレイジ


「生きたいか!!…だが死ぬ!!何故なら貴様らは弱いから!!俺の破壊から逃れられはしない!!」

近代のロボット。アトロシティと比べるとまだまだ若い。
黄土色の巨体を持つ砲撃戦用ロボット。体格はアトロシティと同じくらい。

性格は粗暴で視野が狭く、そして卑劣。
アトロシティの事を「俺達ロボットの地位を上げてくれる」と慕っているように見せかけて、「真のリーダーの器は自分」と思っている。
「邪魔者は恐怖と破壊で従わせる」と言う基本方針を持っており、その考えは非常に短絡的。
現在はアトロシティの実力とフォールの圧倒的な力を恐れて、彼らを倒してチームを乗っ取る手立てを考えている段階。
この性格の通り同族に対するよしみなどは持ち合わせておらず、ある意味では人間、動物、同族という隔ての無い平等な価値観を持つ。

戦闘能力は高く、その身体からは様々な種類の砲弾や弾頭を繰り出し、こと広範囲を破壊する事にかけてはアトロシティより上。
ホバー機動による移動能力の高さもウリ。

過去に武装蜂起の際に立ち上がり、攻め込んだ先で「クレイモア」こと「キット」の街を奪っており、彼との因縁が有る。
圧倒的な力の差を前に臆する事無く立ち向かってきた彼を舐めた末に、彼の持つ拳銃でカメラ・アイの一部を破壊されており、激昂して破壊しようとするがノスタルジアとの戦闘に敗北。
両名に対しての憎悪を募らせて、とにかくアトロシティには「早くさっさとやつらをぶっ壊せ」と進言する事が多い。

第弐戦術は、中~遠距離戦用の砲撃戦形態から肉弾戦に特化する「エンレイジ」。
砲撃戦の爆破能力を近接戦に転化したような威力を発揮するが、他のメンバーと比べると聊か地味。
形態以降の際のコード・コールは「暴力突入(ジャンピンストーム)」。


ファントム


「俺の名はファントム…幻影を意味する。何故かって?誰も俺を捉えられないからさ。まるで幻影だ」

近代のロボット。メガロレイジの舎弟。
硬質の身体と高い身体能力、全身の突起状のアーマーという武器を持つ。
戦闘用兵器だが、戦闘能力は高くない。
そして「素人より強い」と言う以外の何の取り柄も無い。

これは設計者が相当のアホで「強いロボットを作る」と思って作ったものの、「素人の人間」を基準にして強くしてしまった為。
戦闘慣れもクソもないズブの素人を殴り倒していじめるくらいの能力しか無く、戦闘慣れした人間を相手にするとかなり弱い。
ボディ強度も「人間と比べたら硬い」「鉄を引き延ばして作ったらそりゃこのくらいは硬くなるだろ」と言われるくらいのもので、特に高くない。
全身のトゲの攻撃力も「鉄のトゲで人を突き刺したらまあ痛いし最悪死ぬわな」と言うくらいの威力しか無く、特別なものはない。

性格は虚飾に満ちて、卑屈。自分にはおべっか以外なんの取柄も無いと気付いている。
彼の名前「ファントム」とは「幻影」の意味ではなく「見掛け倒し」の事であり、本人はそれをひた隠しにしている。

第弐戦術は「ファントム・シェル」。ホログラム装置で相手を惑わす。
というか本来の戦闘能力が相当役に立たないので、普段からこちらを使っている。
ホログラム装置は後付けで買い求めた部品で作ったもので、ファントム自身とは関係が無い。
コード・コールは無し。本来の肉弾戦を行う時にも何も言わない。

ファントム・シェルによってメガロレイジのサポートをする事に専念し、自分は直接攻撃を極力行わない。



余談

まずは三体。
最終更新:2016年10月16日 19:12