ツールズ



概要

ネストの治安維持に友好的な自称国家の一つ。
主要メンバーに人間は殆ど居らず、戦闘用や工業用の自律型機械が主要メンバーとなって立ち上げた。
侵略的自称国家「ハイエンド」と確執深く敵対し合う組織で、元々彼らは一つのチーム「インディペンデンス・オート」であった。
平和的路線を取ろうとするメンバーと武力による他の制圧や不幸な自律兵士による人間への復讐などを主張するメンバーとで反目し合い、仲違いでチームは分裂する。

現在、ツールズに所属する自律型機械は平和的路線を取ったメンバーであり、彼らは総じて戦闘力の低い者である。
武力侵略路線の思想を持つ者は殆どが「ハイエンド」に籍を取ってしまっている。
その為、戦闘の要は唯一ツールズと行動を共にした戦闘兵士「ノスタルジア」一機。
彼を全力でサポートする事が現主要メンバーの戦闘方針であり、その戦い方は疲労がどうしてもノスタルジア一機に偏ってしまっている。

ノスタルジア


「帰る国はもう無いんだよ。でも帰りたい。だから俺の名前は望郷(ノスタルジア)さ」

灰色の鎧騎士のような巨体を持つ戦闘兵士。身長は4mほど。
元々戦闘用に作られ、実際に戦場で動いていたのはツールズの中では彼一機。
元は自称国家「メディーバル」の兵士であり、国は他国家からの資源の略奪に合い、防衛の果てに滅亡。
ノスタルジアは滅亡から逃れてたった一機放浪し続け、「インディペンデンス・オート」の元となる寄り合いを作った。

戦闘能力は高いが、戦いによって奪われる命や壊れていく仲間、敵の同族に虚しさを覚え、悲しむ心優しい性格。
本来の名前は「シヴァルリー」。故郷を守れず、ただ戦って同族を傷つける事しか出来なかった過去の名前として、彼は本名を名乗らない。
冗談を理解し、好み、他人に自分の苦労や苦しみを察知される事を好まず、何時も明るく振る舞っている。

基本的な戦闘スタイルは、様々な武器や盾を使った物理攻撃によるもの。
その鋼鉄の巨体のおかげで最高速度は決して素早いものではないが、近接戦闘では優れた状況判断による戦闘機動によって機敏。
遠距離攻撃も砲撃によってこなす事が出来る。

ジャッジ


「汝罪無し。そう気に病む事は有りませんよ。誰だって力が足りない時くらいきっと有ります」

深緑色のローブを纏ったような小柄なロボット。身長が150㎝程度しか無い。
元々は人間社会で働いていた裁判官ロボットであり、人の罪状ではなく同族(ロボット)の故障による過失や事故の処遇を決めていた。
しかし判断性能を重視し人間的な人格に近付け過ぎた為に、同族を裁き、時にはスクラップに追い遣ると言う自らの行為に辟易し、恐怖する。
その職務による断罪が親友や兄弟機に及ぶ前にと、その恐慌から全ての職務を投げ出して放浪。
ノスタルジアと出会い彼らのチームの一員となった。
その元の業務から理屈っぽい性格で、前職の癖や言動が抜けていない。
チーム内での役目はルール作りと訓告。
ツールズにおいてのルールの草案を作り上げ、それを破りそうになった者や失敗した者などに訓告を与える。
裁定の仕事はジャッジの経歴から「辛いものであるだろう」として、ノスタルジアが行う事にしている。

戦闘能力は全く無し。
最低限人並みのモーション計算システムから彼のシステムとは関係の無い銃器などを扱う事は出来るが、その腕前はやはり人並み。
自衛の為程度にしか兵器を扱えず、彼を戦闘ロボット達が激しく交差する戦場に送り込むのは単なる死刑宣告にしかならない。

スクリュー


「下らねぇ。俺は俺で死にたくねェだけだ。人間など何故守らなきゃならん」

紺色の無骨なボディが特徴的な工事用ロボット。
体格はそれなりに良く、身長は185㎝程度。
何時も工業用の溶接作業用防護マスクのようなものを改造した戦闘用防護パーツを被っている為に単眼に見えるが、実際はダブルアイ・タイプ。

性格や言動は不良のようで、人間嫌いのように振る舞う。
しかしこちらツールズに残っているのが平和的な性格の証左のようなもので、実際の性格はそんな事は無い。
むしろ他一倍同族は元より人や動物の生命を守る行動を取る。
その言動の由来は定かではないが、言葉の端々に「人は今の世では自分たちより脆いから、守らねばならない」という意識を垣間見る事が出来る。

戦闘では工事用の高い出力と様々なアタッチメントを利用して敵機を破壊する。
ネイルガンを飛び道具に、ドリルを近接武器に、ショベルをシールドとして、など用法は様々。
人間相手には調整も効き易いという理由から、全身にショベルや鉄板のシールドを用意して全くの素手や捕縛用ワイヤーなどで戦う。

やぼっち


「やぼっちとよんで。いいじゃないの。やぼったいからやぼっちなのよ」

ロボットではなく、人間の人員。丸く膨らんだボサボサのぱっつん頭の茶髪が特徴。
マイペースで、自ら「やぼっち」と名乗ってツールズを資金面のみならず技術面でもサポートするパトロン兼作業員。
身長はかなりの小柄で、130㎝程度しか無く、かなり子供っぽく見えるが本人曰く「これでも18歳」。
当然名乗る名前は本名ではなく、ツールズの基地に時たまやってくる彼女の友達も呼んでいるあだ名である。
「やぼちゃん」とか「やぼりん」とか呼ばれる事も好む。
本人の申告通りの年齢ならまだ若いが、落ち着いた言動で他のロボットの相談役なども務めている。

実態はネスト大陸の財閥のお嬢様であり、本名を「エルシー・オルティース」。
幼少の頃から機械弄りに傾倒し、多忙で不在がちな両親に代わり召使ロボットに囲まれて育つ。
その為、自律型のロボットやゴーレムなどには肉親のような愛情を抱いており、当時孤立気味だったツールズに協力し、宣伝効果や資金援助によって彼らの立場を良好なものにした。

どちらかと言うと人の上に立ったりするよりは技術屋気質で、両親の後を継ぐ気があまり無く、彼らを困らせている。
「しかしあの子がこのように育ったのは我々のせい」という両親の引け目により、そこに付け込んでやりたい放題をしている。
一応、両親から縁を切られても大丈夫なように自分独自の資金工面ルートも開発しているが、そこそこ上手く行っている。


クレイモア


「僕が皆を守るんだ!!掛かって来い!!壊れても良いんなら!!」

青い鎧(追加装甲)に身を包んだロボット。
ノスタルジアやスクリューと比べて小柄で、身長は175㎝程度。
武器はノスタルジアに習って盾と剣で、剣の方はエネルギー系の遠距離武器として、先端の砲口から青いエネルギー弾を出す。
盾の方にはツールズの旗模様である、スパナとドライバーが交差したような絵柄が入っている。
盾にはブースターが付いており、浮遊して機動する事が出来、クレイモアを乗せるビークルとして動く。

性格は生真面目でボケを入れる事が出来ず、心優しく善良ではあるが基本的にお堅い。
性格だけではなく電子頭脳もお堅いのか、何時も何かに悩んでいる。
武装しているが、そもそも元々は戦闘用ロボットではなく、警察官のサポート用に作られた補欠ロボット。
町の治安維持に一役買っていたが、現在ハイエンドに所属しているロボットの襲撃によって焼け出され、ノスタルジアに助けられた。
彼に尊敬の念を抱いており、何時もノスタルジアのようになろうと頑張っているが、上手く行かない。
クレイモアとは戦う為に名乗った名前で、本当の名前は「キット」。
襲撃の際にはハイエンドのメンバー「メガロレイジ」との因縁を作っている。

戦闘能力としては、近~中距離をこなせるが実力は平凡。
彼の持つビークル・シールドである「カイト」による機動力で自分と同程度の実力を持つ相手には有利だが、それ以上は厳しい。

ケア


「メンテの為とはいえ、あまり散らかさないで下さいね。皆が使う場所は綺麗にしましょう」

女性型のお手伝い用ロボット。
人間と似た姿では有るが、一目見ればロボットであるとは分かるほどの容姿で、それほど人に近いものではない。
家政婦のような服装をしており、これは色々なお世話に役立つツールの付いた機能強化用追加装備。
パッと見茶色いエプロンと緑色の洋服、白い三角巾のよう。
外見年齢モデルは10代後半~20代前半ほどのかなり若めのモデル。

性格としては若干口うるさいが、甲斐甲斐しく人の世話をしても、世話を焼きすぎないタイプ。
その相手が自分でした方がいいであろう事は自分がお手伝いロボットであっても相手にさせようと促す。
だからといってドライではなく、区分がきっちりとしているだけで、むしろ実務的にはそうであっても、精神的な世話は焼きすぎるタイプ。
困っている人が居れば放っておけず、横からとにかくぐいぐい押してくる。
そのあたりが静かに横に座り、相手が何か相談してこない限りは自分から聞かないタイプのやぼっちとは異なる。

戦闘能力は無し。
人並みの力は有るので、フライパンを鈍器にして自分の身を守る事くらいは出来る。
銃やビームサーベルなども人並みには扱えるが、所詮は素人並みのものなので、あまり役には立たない。
武器を持った事の無い人間とそう変わらないのである。

余談

ふたつに わけられ
最終更新:2016年10月06日 16:52