ネイリー・ケーン
「良いじゃないか。僕は人助けしてるんだぜ。人は持つ力を使って事を成すものだろ?」
概要
人間の青年。25歳。
金髪碧眼の美青年だが、そばかす面なのを本人は結構気にしている。かなりの童顔で、10代後半に見える。
スタイルも良いがそれは身長以外の話で、微妙に背が低く身長は164㎝。シークレットブーツとかその他の色々な方法で誤魔化して、その印象は175㎝。
それが違和感無しに最大までギリギリ何とか伸ばせる限界の身長だったらしい。
何時も白いスーツに身を包んでおり、内側には紺碧のシャツ、ネクタイは黒色のモノを装備している。革靴装備。
性格は、進んで人に悪意を持たないが、短気で空気を読む能力に欠けており、ガマン弱い。
自分の常識に無い事を信じられず、自分の意見に合わない人間を見ると「まあ人には人の数だけの常識が有るからね」と、その驚きを言葉には出さないが態度には出す。
人にとっては端的に言えば「嫌な奴」と取られる事の多い性格。
しかし彼なりに倫理観と言うものは持ち合わせているのか、悪辣と言うにはそこまでの事も無く、「鬱陶しい」、「うざい」、「非常識」とは言われるが「極悪人」と呼ばれるには遠い。
ただし、彼の行動は「悪気無くやっているのは分かるが、だからこそ腹が立つ」と言われる類の行動が多い。
つまりは「自分のやる事成す事善意であると受け取られて当然」と、無意識に考えているタイプ。
その出自からの資金力を生かして様々な活動を実行するが、人の心の機微を分からず、施しそのものが場違いであったりアフターケアに通じていない事がざら。
小さい頃からちやほやされて育った為か、人から褒めそやされるのを好み、当然とし、目立ちたがり。
ネスト大陸の大企業の息子で、彼自身特に優れた能力は無いが、彼を甘やかす親の七光りで何不自由なく暮らしている。
普段は親から「修行」とは名ばかりの名目で与えられた子会社の運用を任されているが、趣味でやっているに過ぎないので気分で色々な系統の子会社の社長を転々としている。
様々な職種を転々として来たが、知識や見聞はかなりいい加減なもので、その身に付いているとは言い難い。
そして現在彼が手を出しているのは、民間軍事会社であり、「現実において一番ヒーローに近い、僕に相応しい会社」として、珍しく長く留まっている。
彼は魔力や特殊な能力などを何一つ持たない「無能力者」。
更に訓練などで鍛えられた身体能力等も無く、上述の性格からスポットライトを浴びる為だけに出る戦場では、金に飽かした高級装備を纏って安全を得る。
彼自身深く考える性格ではないので、細かい知見には至っていないが、物理的にも精神的にも「汚れるのは僕の役目ではない」と考えており、それらを嫌う。
その為に纏う装備の殆どが防御と無力化、麻痺等に機能を発揮する物品であり、殺傷能力に秀でた装備が少ない。
余裕を持って相手を無力化するスタイルを崩すことを厭い、それらの行動に酔っている。
総括して悪人ではないが、他人を慮る事やその心や考えを推し量る事に足りない想像力に優れぬ男。
大抵の問題は「貧困」から起きる事だと考えており、「金」で解決出来ると思っている。
人の問題の解決に力を貸そうとするのも、自らに酔っているだけではなく、「人が幸せなら嬉しい」と言う純粋な心も持ち合わせている。
が、考えが単純であるが故に極端な行動が多く、「敵は倒す」「困っている人にはお金」「ペットが亡くなれば新しいのを買えばいい」と、その殆どが自らの常識のみによる二段論法。
しつこいようだが、彼は悪人ではない。
しかし、気持ちの良い男でもない。
つまるところ、世の中に履いて捨てる程居る「普通の男」である。
善良とは優秀の位であり、普通ではない。
「普通」とは、「三流」と同義なのだ。
装備
これらの装備は機械技術によるもので、魔力には頼っていない。
「パラライザー」
手に持った、おもちゃのような光線銃。
白い取っ手に白いラグビーボールをくっ付け、更にそのラグビーボールの先に赤い玉をくっ付けたような外見。
デザインは間抜け極まりないが、それはそれとして自動で高度な照準補正を働き、相手を殺す事無く、能動的に動く為の筋力や体力を奪う高級銃。
近接装備を持つ者が相手なら、それらが複数でこのパラライザーを持つ者が素人でも尋常の相手なら簡単に無力化出来る。
エネルギーパックは取ってから細く小さな持ち歩きやすい単三電池サイズのものを取り換えるだけでよく、1パックで30発撃つ事が出来る。
自動照準はかなりの性能で、敵性体察知能力にも長けている為にパラライズ・ビームは背後から襲い掛かる敵にも対応し、曲がって飛ぶ。
「レジストスーツ」
斥力バリアを搭載した白スーツ型の装備。
斥力は目に見えて物理的な力だけではなく、魔力粒子や危険レベルの温度、暴風など非実体にも対応可能。
脅威に対して衝撃波やプラズマなどで対抗しない為に、うっかり相手を殺してしまう可能性も少ない。
これらの影響下に置かれた相手は、強い不可視の力に掛けられて後ろに引く事は出来るが前に進む事は出来なくなる。
「キネシスグローブ」
操り糸で相手を操るように、斥力と引力を発生させて敵の行動を阻害、操作する事の出来る黒いグローブ。
掌と指先の動きで簡単に相手を制する事が出来るが、所詮は物理的な力なので、腕力で対抗する事が出来る。
金持ち息子語録
「良いじゃないか。僕は人助けしてるんだぜ。人は持つ力を使って事を成すものだろ?」
「金に飽かして何でも出来ると思うなよ」と言われた時の言葉。
ケーン曰く「親が貸してくれる力も僕の力の一部」との事で、やっている事が善行であればそれで構わない、と言うもの。
「自分の力を使ってって…良いじゃないか、僕は自分でこの装備を動かしてるんだぜ?」
金に飽かした装備を使っている事を咎められた時の言葉。
彼が言う「自分の力」とは、「自分で動かしていれば自分の延長線上の物」との事。
要は「全部人にさせていなければ」自分でやった事であるらしい。
「これが僕の力じゃないなら…世の中、武器を使う人は皆自分以外の力で戦っている事にならないかい?素手の格闘家だけがそれを認められるのじゃあ、可笑しいだろう?」
「自分の力で戦え」と言われた際の台詞。
彼にとっては、自分で選んで手に取れば、もうそれは自分の物なのである。
「地に足を付ける、っていうけど…それがどんな事か分からないな。僕のやり方が君の感性に合っていないだけじゃないのかい?」
自分のやり方を「地に足が付いていない」と評された時の言葉。
「世の中には人の数だけ人のやり方が有るんだから」との事。
身なりの汚れた金持ちを見ただけで「常識に欠けている」と言う男の言葉ではない。
「何で怒るんだい?お金が無いから君は苦労しているんだろう。助かるなら使えば良い事じゃないのかい?」
自分の施しを固辞する相手に対する言葉。
施しを拒否するだけの人のプライドと言うものは、この男にとって今は理解出来ない事柄らしい。
「やれやれ、人を傷付ける事を必要と見ているなんて…人には人の数だけ常識が有ると思うけどね、貴方のものは大多数の人間が受け入れないよ」
安全圏に身を置いて、殺傷能力の低い装備で相手を拘束する装備の性能に任せたパワープレイを詰られての台詞。
「血で手を汚す感触を知らん者が戦場に出るな」との言葉に対する彼の反論。
「良いんだよ。君が助かったなら、それ以上の事は無い。さあお行き、お母さんの所へ」
助けた子供からの感謝の言葉を受けて。
笑みと共に子供の頭を撫でるほどには善人であり、それがどれだけ彼の意識しない彼自身の心の奥深くにおいて「自らの欲を満たせた事を喜ぶ」笑顔であっても、想像力も足りず、賢くも頭が良くも無い彼は「子供が助かって良かった」、それ以外の事は考えてはいない。
「父さん、皆が喜んでくれる事は気持ちいいね」
自らに甘い父に、自らの活躍を報告しての言葉。
報告される側である彼の父も、彼の行動を否定したり、考える事を促すような言葉は発さない。
「やっぱり良いなあ、人の笑顔は。僕のやった事に甲斐が有った事を教えてくれるから」
全ての善意も悪意も、当然として「欲」から来る行動では有るが、自分自身が欲で動いている事に気付かない者も居る。
ネイリー・ケーンはその一人であり、「無償の善意」等と言うものが本気で存在すると考えている。
そして、自分がそれを施す人間であるとも思っている。
余談
イッペイ・サヤマとは同じ大学の出身。
庶民気質の彼とは全然ウマが合わなかったが、
イッペイ自身が気遣って話を合わせていたので彼は気付いていない。
最近出会って、彼が変身装置修復の為に金に困っていたので資金を施そうとしたが、無神経な言動で彼を怒らせてしまい拒否された。
それ以来イッペイには話しかけ辛く、かなり気にしている。
「何か悪い事を言ったのだと思うが、それが分からない。どうしよう」と思っている。
由来
NARI→ナリ→ネイリー
KANE→カネ→ケーン
ナリ金。
でも親の世代から金持ちなので、ケーン自体は成金ではない。
最終更新:2016年10月12日 16:51