奨侍(そうじ)
「………………………………退け!殺すとか殺さないとかを、やりたいのか!」
概要
顔の周りに纏い付くような、鬣のようなトゲトゲしい金髪の、険しい顔付きの少年。
目付きが鋭いが、それは表情故のもので、本人の顔自体はそれほど険のあるものではない。
瞳は金色で、12歳とは到底思えない成熟した外見であり、肉体年齢は20歳ほど。
弥灯家の前代党首である禅信が、ヤトノカミ=
華煖子の露払いをさせる為に育てた戦災孤児。
戦乱の中で奴隷の卵として育てられた為に、両親の顔を知らず、自分の本当の名前も知らない。
奨侍という名前は、華煖子を「仕え助ける」という意味を与えられて名付けられたもの。
華煖子が4歳の時に引き取られ、彼女とは兄妹のように一緒に育って来た。
これは禅信の傑作である華煖子を守る為に、物心の付いた子供を一緒に育てる事で、華煖子に万が一の事態が起きた時にその身を挺して華煖子を助ける「分身」を作る為。
禅信の計算された冷酷な生育によって、奨侍は彼に反発し、逆に華煖子へは「何時かあの父親から解放する」という目的を抱かせ、華煖子の従者ではなく華煖子を守る「兄」としての自覚を植え付けるに至る。
そうする事で誰の心の中にも持ち得る自己犠牲的な感情によって確実に華煖子を守る事の出来る存在を作り上げた。
彼自身はそれが禅信の掌の内であると言う事に気付かず、自らは禅信への造反意思を隠せているものだと思っている。
華煖子の事は妹のように思っており、家族として愛している。
華煖子もまた奨侍に対し無邪気な妹のように振る舞い、事実打算隠事の無い関係を築いて来た。
戦力増強の為の肉体の細胞増加措置による「適正年齢」への成長、肉体改造も、華煖子を守る力を強くするという意思の下で受け入れている。
戦闘技術は体術を主として剣術を織り交ぜた、神威の力による戦闘方法。
華煖子と同じく人工神躯「夜刀神」の試作型である「蛇骨(ジャコツ)」を纏っている。
蛇骨には夜刀神に搭載された「角蛇」の試作型である一対の赤色・青色をした伸縮自在の武器ユニット「風喚(フカン)」を装備する。
夜刀神と同じように毒の生成・貯蔵・注入機能を持つが、こちらは生物の身体機能の麻痺に留まる効果しか持たず、更に蛇頭に角は無く牙のみ。
打撃・咬撃を繰り出す物理攻撃ユニットとしても使用可能。
しかし本人はあまり風喚による攻撃を使用せず、専ら己のスピード・パワー・テクニックに頼る接近戦を主体とする。
神威の剣である「銅剣」の生成・剣術に優れており、掌の内からエネルギー・サーベルのように一瞬で形成する事で、相手の不意を突き一瞬の内に部位を切断する戦法を得意とする。
技・武器
「風喚」
両腕に装備された一対の蛇頭型武器ユニット。
麻痺毒を生物に注入する機能を持ち、咬撃や打撃による武器として使用する事も可能。
伸縮自在で、最高射出速度は時速400㎞ほど、最大伸長距離は約54m。
これによるワイヤー・インパクトナックルとしての機能を持つ。
「銅剣」
神威により作り出されるエネルギー・ブレード。
エネルギーの奔流によって攻撃対象を塵のようにして削り取る武器。
防御無視ではなく、普通の物理攻撃。
「碧蛇颯青刃(へきじゃりゅうせいじん)」
神威を物質化するほどに圧縮形成し、「銅剣」とは違い手持ちの武器として昇華。
単純な衝撃破壊力に優れた巨大武器として相手に叩き付ける。
見た目以上の破壊範囲を持ち、周辺被害が大きい。
「蒼糾双勢弾(そうきゅうそうせいだん)」
相手の体に両掌を押し当てた後、掌からの神威の散弾銃的な放出によって激しく破壊し、吹き飛ばす技。
掌によって触れる事で、ある程度の相手の深部へ攻撃を発生させる事が出来、表面の防御力の高い敵に使用する。
護衛語録
「………………………………退け!殺すとか殺さないとかを、やりたいのか!」
無駄な殺しや戦闘を嫌い、華煖子をそういったものと関係の無い場所へと連れて行きたがっている。
「はい、禅信様。仰せの通りに…」
禅信の前では従順なフリをしている。
「あの子は只の子供だ!!親を失えば何処にも行き場の無い…ただの子供なんだ!!」
華煖子に対する彼の評価。
奨侍にとって華煖子はまだ無色透明な純粋な子供であるのを、親に歪められているものと見えているらしい。
「消えろ!ヤトノカミ!!お前は禅信の作りモノだ!!」
華煖子のもう一つの人格であるヤトノカミを彼女自身ではなく、「もう一人の禅信」として見ている為、愛する華煖子とは違い毛嫌いしている。
「俺はただ………あの子を静かな場所に連れて行きたいだけだ!!あの子はまだ…普通を知らない」
自分でさえ知っているか怪しいものを妹に見せようとしている事を、内心では疑念に思っている所も無いではないらしい。
「俺の自己満足でもいい!それでも俺は……嫌だ!道具として扱われ続ける華煖子を見続けて居たくは無い!!」
華煖子に対する態度や思想を揶揄されての反応。
由来と余談
名前の由来は書かれている通り、仕え助けるという意味。
疑似神躯の名前は日本の妖怪「蛇骨婆」から。
最終更新:2017年02月08日 01:58