弥灯 華煖子(やと かなこ)
「( ・w・)みこです」
概要
くせ毛の黒髪をロングにした、若干ボサつきぎみの頭をした眠そうな女の子。12歳。
身長143㎝、体重38.5㎏。いつも白と赤の俗に巫女服と言われるアレを着ている。
嘗て八咫や
荒覇吐神と同じく神威の武装である「神躯(しんく)」を纏って戦った一族「弥灯」家の血の末。
現代において弥灯家は過去の顕現の際にとある経緯によって一度邪悪に囚われており、現役の素質を持ちながら神躯を纏う権利を奪われている。
それ以来神威を司り現世の脅威を取り除く為に戦場に身を置いていた神躯の戦士の大元である三勢力、「八咫」、「荒覇吐神」、「弥灯」は大戦の終了を機に全て力を失う。
現在においては危急により荒覇吐神が従来の顕現儀礼によって復活、八咫は血筋が滅んでいた為に素質の近似した女子学生を宿主に、そして弥灯は神躯を纏う権利を失ったままであった。
やがて一族の中から弥灯家の勢力を盛り返し、嘗ての権力と戦力を取り戻そうと画策するものが現れた。
現弥灯家の一代前の党首である、弥灯禅信(やと ぜんしん)。
力を失った弥灯が、その築いて来た信用や界隈における政治力、そういったものを譲り渡す、「移譲の代となれる子」という意味を持って名付けられ生まれた男であった。
しかし、神威を操る高い素質と才能、知性、同時に上昇志向を併せ持つ男であったが故に、親の思惑通りに育ってくれる人間ではなかった。
「このまま力を他家に譲渡して最後の役目を終える」事を選んでいた両親を、自らの賛同者を集める事によって新たな派閥を作り上げ発言力を封殺。
自らはその高い神威の操力を利用して、神躯復活の手段として「機械技術」に注目。
自らに宿る神威を操る器として、禅信は機械を選んだ。
幾つもの試作型を経て、神威と機械という合一し難くも弥灯の爪牙として蘇らせるには最適であった「最短の遠回り」をして疑似神躯「夜刀神(やとのかみ)」を作り上げる。
しかし、その頃には禅信の力は疑似神躯の開発によって既に全盛期の半分以下となっていた。
それすら見越していた禅信は、政略結婚の様相を呈しながらも娶った「天白家」の娘、天白美音(てんぱく よしね)に産ませた娘である華煖子を自ら主導する英才教育によって神躯を纏う為の器として育て上げる。
華煖子は禅信の見立て通りに従順であり、力を持った子として育ち、彼の目論見通りに事は運んだ。
娘である華煖子は禅信の言葉に良く従い、母である美音に依存する事無く、彼が望んだ「戦闘マシーン」として動き始めた。
現代に蘇った機神、ヤトノカミは一人の男の妄執の為に、その指先の糸によって動くモノとなった。
華煖子自身は「ぼーっとしている」、「戦場であのような動きをするとは思えない」、「アホの子」などと言われるタイプの女の子。
実際戦闘時以外はぼーっとしており、無邪気に笑ったり、簡単な計算が出来なかったり、マスコットなものが好きだったり、そして基本的にのろい。
本人は「ぱぱがエネルギーをむだにつかうなってゆうから」等と供述しているが、実際わざとアホの子を装っている風には見えないので怪しい。
それでも彼女が戦闘時にヤタメ以上の実力を発揮するのは事実であり、そのギャップを末恐ろしいという者も当然存在する。
なお、ヤタメの変身前であるセイ・アミジマと違い夜刀神を纏う前も類稀なる身体能力を発揮する事が出来る為、その辺の十把一絡げの賊は生身でも体術によって蹴散らせる。
技・武器
「祇神合一(ぎしんごういつ)」
「標梲・神契にて此処に再立(ひょうせつ、しんけい~ここ~さいりゅう)」のコール・サインによって疑似神躯「夜刀神」を電送し、その体に纏う。
その全身はヤタメ、
アラハバキと同じく黒色赤目であり、こちらは蛇の怪物のようなデザインをしている。
肩口の装甲や手甲、足先や胸、背中など全身に渡って「角の生えた蛇の頭」を模した装備「角蛇(かくじゃ)」が装着されており、これが下記する「稜駁爬(りょうばくは)」の武器となる。
この状態の時は身長212㎝、体重176㎏、声は野太い男のモノになり、華煖子の言動もまるで父親である禅信が乗り移ったかのように厳めしく、破壊衝動に満ちた言動となる。
華煖子はその状態を「ぱぱのねがいごとがあたまのなかにはいってくるから」と話しており、禅信の教育の賜物か、華煖子は神躯だけでなく戦闘人格としても「ヤトノカミ」を内に宿している。
「祇神拳(ぎしんけん)」
禅信が「夜刀神」を纏う者の為に、過去弥灯家が使用して来た神威拳法を洗い上げ、長所をより良く発揮出来るよう組み上げられた拳法。
その根底には「人型である事に拘るのは神威を宿す為の最低限の人間性を確保する為で良い」と言う思想が敷かれており、夜刀神の元である蛇神の性質に従い、「人の敵を排除する為に敢えてより鬼に近付く」事を中核としている。
その為、祇神拳の形態には四足歩行や高速蛇行による地中の高速移動、全身の角蛇による高速対多数戦闘など、人間離れしたものが多い。
「稜駁爬(りょうばくは)」
全身の「角蛇」を使用した戦闘方法。
角蛇の巨角や可動式の口牙などを使い、対単独であれば四方八方からの手数で封殺するように、対多数であれば一人で多数であるかのように戦闘をこなす。
角蛇の牙や角には「圖祕膿炸麼(とびのうさま)」と呼ばれる強烈な毒液を生成・貯蔵・注入する機能が有り、相手が生物であれば大型の膿疱を発生・破裂させる事で激烈な痛みと怪我を与え、無機物であれば単純に溶解させる効果を持つ。
「曲勢巴(きょくせいは)」
機械の身でありながら、全身を軟体生物のように軟化させて金属の刃さえ受け流す体術。
攻撃に転用する事も可能で、全身で相手を締め上げる蛇そのもののような芸当も可能。
「拉駸暫(らしんざん)」
自らの神威を単純な破壊エネルギーとして発射する、神威の基本中の基本を改良したもの。
ヤトノカミのそれは自らの神威のルーツのシンボルである蛇頭の形として放出する事で、咬み千切り、砕き散らす効果に特化している。
これを最大威力にて放つ事を「拉駸暫・災毀侭(らしんざん・さいきじん)」、小さな形に圧縮して散弾として放ち多数の目標にぶつけるものを「拉駸暫・鏖(らしんざん・おう)」と呼ぶ。
「拉駸暫・災毀侭(らしんざん・さいきじん)」
上記した最大威力の拉駸暫。
一定の構えを取った後、五指全てを鉤状に折り曲げた右手を前方に突き出す事で、薄水色の巨大な一角の蛇の形をした神威を放つ。
高速で突進するエネルギー弾を繰り出す、純粋な物理的破壊力を発揮する技であり、特殊効果を一切持たない。
「蜷局刃(けんきょくじん)」
体各所のものではなく、本体の頭部の角から繰り出される拉駸暫。
渦を巻いて発生するドリルのような神威を蛇頭角より発射する。
エネルギーの注入によってその威力を調節する事が可能。
あほのこ語録
「( ・w・)みこです」
やっぱりまともに喋らなくなった。
「標梲・神契にて此処に再立」
喋り方が普段は呂律が回っていない舌足らずなものではあるが、コールサインの時のみ確としたものとなる。
これは禅信によって練習を何度もさせられたものであり、他の言葉は上手く言えない。
「祇神合一・夜刀神!!」
全身に神躯を纏った際に、屈強な巨体と野太い男の声を得た時の台詞。
この時は既に戦闘人格「ヤトノカミ」として言動や口調等が変わっており、勢いの有る喋り方となっている。
「現世(うつしよ)に蘇活せし我が稜蛇の鱗牙にて壊死せしめられ、絶望の裡に窮死せよ!!!ハハハハハハーッ!!」
戦闘人格ヤトノカミの言動は、華煖子の父である禅信のものと似ているらしい。
「このヤトノカミの爪牙を揮い易い今世にしてくれて有難うよ!!この巨角蛇の毒に罹って死んでいく事を喜べば良い!!フハハハハハッ!!!」
ヤトノカミは力を発揮する事に快感を感じているらしい。
過激で頭の悪い連中にアラハバキ以上に好かれやすい。
「のろまな華煖子は夢の中で眠りこけて居るわ!!我が名はヤトノカミ!!弥灯の爪牙にして神威の形代!」
このような言動によって、ヤトノカミは華煖子に蛇神の精神体などそういうものが宿っていると思われる事もある。
しかし戦闘人格ヤトノカミは華煖子の精神の一部であり、普段の「のろまな」彼女を自己嫌悪し、蔑視する、彼女の中で彼女を冷ややかな目で見下すもう一つの人格である。
由来と余談
日本の伝承に登場する蛇神(妖怪)、夜刀神(やとのかみ)から。
最終更新:2017年02月15日 01:58