私は奴の正体を確かめるべく、独自に調査を行い、幾つかの結果を得た。
それをここに書く。
奴の容姿は、一部大陸でバイクと呼ばれている、車輪が前後に一つずつ付いた乗り物に騎乗している頭部のない人間と確認されている。 しかしこの騎乗している人間は、目撃証言によると男であったり女であったり明らかに体型が異なったりと複数の人間が騎乗しているのが確認されている。 これは奴らが複数体存在するということなのだろうか? また、乗り物の方は目撃証言において全て同じ型であると推察され その大きさは
全長:4m半ば 重量:600〜700kg
ぐらいであると思われる。いずれにしろ具体的に測定したという証言もデータも存在しなかった。
通常、バイクと呼ばれる乗り物は地上用であり、当然それ以外を走ることは出来ない。 しかしこの怪物の跨るバイクは地上だけではなく、水上や壁面といった常識では到底走りえないところも疾走し、さらには空を走っていたという証言までも存在する。
奴の出現場所は墓地や廃墟といったいかにもという様な場所ではない。奴は生者の居るところならば何処にでも出現し、そこに居る者をあらかた轢き殺してしまう。 その時皆殺しにされるか、生き残りが出るかは奴の気まぐれのようにも思える。 また、炎を操っている姿も確認されており、犠牲者の中には挽肉にされたうえに焼かれたものも存在する。
奴の行動理念は何なのだろうか?奴の行動をまとめてみると、殺す事こそが目的であると思える。 またその殺し方から、やはり
今のところわかっているのはこれぐらいである。 これから先も調査を続け、奴の正体を明らかにしていきたい。
しかしなにやら先程から街が騒がしい、耳慣れない音も聞こえる。何かあったのだろうか
(*1)
*1 生存者が今だ確認されていない、火事で焼失した町で発見された手帳の読める部分より抜粋