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「――――少なくとも、殺し合いに先ほどまでの状況……正気の沙汰じゃないな。
 それに、アイツまでもが殺されるたぁ……許すわけにはいかねぇよなぁ、チェルシー」

あのチェルシーとか言った女は俺に対し言った。
殺し合いをして、優勝しろと。
そしてその起爆剤だと言わんばかりに、物部まで目の前で殺して。

「だが……あんなことをして警察がただで見過ごすとは思えない……きっと殺し合いが終わった後だろうが、警察は気付く。
 そうすれば、逮捕は免れない……それどころが死刑になるだろう。 それもで、あの女がここまでする原因はなんだ……?」

少なくとも、名簿を見た限りでは知った名前はなかった。
外国人の名前から日本人まで勢ぞろいと言った感じだ。
中には名前しか載っていない参加者もいる。
色々おかしさは残るが、少なくとも自分との関係者はいなさそうだ。
物部あたりがいれば何か分かったかもしれないが、アイツはいない。
いや、自分のように名簿に載っていないだけかもしれない。
俺のように、名簿に載っていなく参加している人間は他にもいるはずだ。

「しかし、本当に謎だらけな殺し合いだ……あの事件と似通ったところがあるな」

加納清二のあの殺人事件……信じられないようなことだったが、少なくとも自分はアレを見ている。
この世の常識をすべてぶち壊すような、そんな事件だった。
目的が見えないという点では、あの事件より謎が深いだろう。

「とりあえず……この殺し合いを打破することが先だ……警察がすぐに気づけるとは思えない。
 だったならば、俺が少しでもこの殺し合いを潰すために動かなければな」
「――――少しよろしいでしょうか?」

動き出そうとした瞬間、後ろから声が聞こえる。


「……誰だ?」
「ああ、申し訳ありません……。 驚かすつもりはなかったのですが」
「そんな事はいい……お前は誰だと聞いている」
「ヨハン=ジューダス……と申します、少し聞きたいことがありましてね」
「――――ああ、何だ。 悪い話でなければ聞いてやろう、俺は風浪永久と言う」


その男は、ヨハン=ジューダスと言うらしい。
どう見ても外国人だが……日本語を知っているのか?
人のよさそうで、まさに博識って感じの雰囲気を醸し出しているが……。

「いきなりで不躾とは思いますが……カイン=ガリアン、という人に会いませんでしたか?」
「いや、会ったのはアンタが最初だよ」
「そうですか……それは良かった」
「――――何故だ?」

そう聞くと、男は深刻そうな顔をする。
すると先ほどとは違った、憎しみのようなものがこもった声で話し始めた。

「彼は、大事な人が殺され……殺人鬼と化したのです。 私の家族も、殺されてしまったのです」
「…………」
「だからこそ言わせてほしい……彼は危険だと、そしてこの殺し合いでも人を殺して回るでしょう。
 気をつけてください、彼は無害な人間を装い近づいて、油断したころに殺してきます。
 油断をしないように、お願いします」
「なるほどな……まぁ、問題ないさ。 アンタに心配されるほど軟じゃねえ」
「――――それでは、その言葉を信頼させてもらいます。 僕は引き続き彼を探したいと思います。
 ああ、それと……ミハエル=マクベイという人間も注意しておいた方がいいですね。
 彼もカインを止めようとする人間ではありますが、少々手荒が過ぎましてね。
 下手をすると、こっちまで殺そうとしてきます……では、お気をつけてカザナミさん」

そう言うと、ヨハンと名乗った男は消えて行った。

「……なんだ、あの男は」

そして、いなくなったと同時に感じた気持ち悪さ。
あの時の――――加納誠二が殺されたあの瞬間の時に酷似していた。
忘れていた、いや……『忘れようとしていた』あの感覚を思い出させられた。
あくまでそれは勘である、といえばそれまでなのだが、この殺し合いと言う状況だ。
あのヨハンと言う男が危険人物である可能性も十分ある。
だが、彼が言っていた『カイン=ガリアン』という男についても考える必要がある。
少なくとも現状は危険人物と見るべきだろうが……あの男の情報が正しいとは限らない。

「……まぁいい、現状整理すべきはこの殺し合いについてだ。
 誰が参加しているのか、警察の関連者がいるかどうかだな……」

そう思いながら、デイバックに入っていた端末を起動する。
そして名簿を開き見ていくとともに、風浪に違和感が生まれるのだった。


「俺の名前が、無い?」


彼の名前が、その端末にかかれていなかったのだった。


【一日目/朝/G-4】

【風浪永久@カノウセイ】
[状態]肉体的には健康、精神的疲労(小)
[装備]なし
[所持品]基本支給品、ランダム支給品(1~3)
[思考・行動]
基本:チェルシーを逮捕する
1:名簿に俺の名前が……無い?
2:味方になってくれるような人物を探す
※見せしめは物部和洋@カノウセイでした。


「く、くく……ははははははははははは! 罪深きヒト同士での殺し合い、なんということでしょう。
 なんて醜く滑稽なのでしょうね……フフフ」

ヨハン=ジューダス……いや、ヨアヒム=エイブラハムは嗤う。
この殺し合いの状況、それは彼にとって最高の舞台だった。
イヴ=マリアを地上へ戻し、愚かな人類を殺す。
元々、自分はカインに殺され、志半ばで死んだはずだった。
だが、今自分はここに生きているのだ。
これも何かの因果か、ヨハンは再び自分の志を目指すことにしたのだ。
そのためにまず邪魔の存在、カイン=ガリアンを抹殺する。
だが、抹殺すると言ってもそれがまず自分だけでは不可能というのはわかっている。
だからこそ、この殺し合いの場を利用するのだ。
カイン=ガリアンの悪評を広め、カインの敵を増やし、少しづつだろうがカインを死に追いやる。
先ほどの男のように、人間を騙すことなど容易いのだから。

「さぁ……もう少しだ、もう少しで達成される――――1度潰えかけた計画が。
 僕なりの『E計画』が…………!」

【一日目/朝/G-4】

【ヨハン=ジューダス@E.】
[状態]健康
[装備]なし
[所持品]基本支給品、ランダム支給品(1~3)
[思考・行動]
基本:愚かな人類を皆殺しにする
1:そのためにまず、邪魔者を消す
2:カイン=ガリアンやミハエル=マクベイの悪評を流す
※見せしめは不明ですが、いなかった可能性もあります(少なくともイヴ=マリアなど彼にとって重要な人物ではありません)


狂人の手記 第1節~Cannibalism~ 時系列順 蝕【きせい】
狂人の手記 第1節~Cannibalism~ 投下順 蝕【きせい】

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最終更新:2014年03月04日 20:40