愛を教えてくれた君へ

 息を切らして走る人が居た。
 高級そうな腕時計の針は午前零時を示している。
 男は市内の某有名企業に努める、管理職のサラリーマンであった。

 歳は既に四十後半。
 美しい妻も可愛い娘も居る。
 周りの人間は誰もが彼を幸福な奴と呼んだし、彼自身もそう自負していた。
 欲を言えばもう少し出世したいところだったが、今のままでも身に余るほど幸せだ。

 金に困っているわけでもない。
 人間関係に悩んでいるわけでもない。
 妻子との関係は円満で、両親も健在。
 とことんまで恵まれた男だった。悩みのない男だった。

 そんな彼の職場は今、所謂繁忙期にある。
 毎日のように激務が続き、こうして帰宅時間が日付を跨ぐことも珍しくはない。
 電車を降りて寒空の下を歩くのは何ともいえず寂しい。
 世界に自分だけ取り残されてしまったような寂寥感が胸を満たした。
 早く家に帰って、暖かい風呂に浸かって酒の一杯でも呷りたい。
 妻と他愛もない話をして、娘の寝顔を見て、ゆっくり眠りにつきたい。

 昔は夜道を歩くとなれば命懸けだった。
 もちろん実際には命の危険などまずないのだが、子供にとってはそれだけ、夜というのは恐ろしい概念だったのだ。

 あの頃、夜は未知だった。
 異世界に迷い込んだような不安があった。
 建物の影、藪、曲がり角、廃屋――目に入る全てが恐怖の対象だった。

 あそこから化け物が飛び出してくるのではないか。
 自分の後ろに何か居るのではないか。
 目線は忙しなく動き回り、何十秒か置きに立ち止まっては振り返る。

 そんな挙動不審な姿を晒していた幼き日が今となっては懐かしい。
 歳を取るにつれ、夜は日常の一つに変わっていった。
 恐ろしげな幽霊や妖怪は存在せず、暗闇は星の流転で作られる自然現象の一つに過ぎない。
 感じる視線や気配も全ては錯覚だ。この世に、不思議な存在など居ない。夢のない話だが、此処は人間の世界なのだ。

 無知な子供ではなくなった今、夜道でノスタルジックな感傷に浸ることこそあれど、恐怖を感じることはない。
 その、筈だった。京都へ引っ越してきてから二十年余、ずっとそうやって夜の闇と向き合ってきた筈だった。
 しかし今、男の顔は恐怖に歪み、全身は猛暑日が如く脂汗に塗れていた。
 じきに初老に入ろうかという中年男性が余裕なく走る姿は滑稽であったが、彼にそんなことを気にしている余裕などありはしない。

 今夜は何かがおかしかった。
 電車を降りた瞬間から付き纏う視線。
 常に感じる気配。
 視界の端で何かが動く不快な感覚。
 その全てが錯覚だと分かっているのに、どうしても振り払えない。
 募っていく不快感はやがて不安に変わり、蛹を破って恐怖へと羽化した。

 目覚めた恐怖は足取りを早くする。
 そして男がいつかの怖さを思い出したのを見計らったように、夜は真の姿を現した。
 煙が人の形を取ったような何かが居た。地面や壁から突き出、おいでおいでをしている無数の手があった。
 ケタケタ笑いながら近付いてくる子供が居た。道を塞いでいる、建物大サイズの巨大な顔があった。

 もしかしたらあるかもしれないと恐れた全てが我が物顔で闊歩していた。
 間抜けにも恐れるべきものなど居ないと法螺を吹いていた彼を嘲笑うように、夜は彼を追い回した。
 衰えた体が悲鳴をあげる。喉は焼け付いたように痛み、足は既に棒。
 普段ならもう一歩も歩けないと弱音の一つも吐くところだが、相手はそれを聞いてくれる存在ではない。

 ひぃ、ひぃ、はぁ、はぁ。
 情けない呼吸音を漏らしながら男は走る。
 なんだこれは。一体何が起きているのか、とんと分からない。
 どうしてこんなことに。自分が、一体何をしたというんだ。

 理解不能の理不尽を嘆きながら走る男を、夜が追い立てる。
 集団の意思などそこにはない。個々の意思で、彼らは生者を狩らんとしていた。
 だが男にも希望がないわけではなかった。家までの距離はあと数百メートル。
 家にさえ入ってしまえば。そうすれば、きっと大丈夫な筈。根拠のない希望だけを寄る辺に、彼は棒になった足を軋ませながら走る。

 その背を――道の向こうから猛スピードで突進してきた、燃え盛るタイヤが轢き潰した。
 黒鞄が投げ出され、ピクピクと痙攣したままの死体がタイヤの炎で燃えていく。
 男には人生があった。妻子があって、部下が居て、友人が居た。
 これから先、生きていればあと一度二度は昇進の機会もあったかもしれない。
 娘の晴れ姿を見て、両親の最期を見送って、ゆっくりと穏やかに老いていく未来が彼にはある筈だった。

 しかしそれは今潰えた。
 理不尽な、人の心を持たない怪異によって羽虫のように潰された。
 〝夜〟は人を理解しない。〝夜〟は人と交わらない。
 〝夜〟は――全ての人に共通する、原初の恐怖である。

 京の都に夜が来た。
 京の都に夜が来た。
 生きとし生けるもの全てを引き込み、追い立てる。
 永遠に廻る、夜が来た。


    ▼  ▼


 よるのこわさをおぼえていますか


    ▼  ▼


「イア・イア」

 詠唱と水音が暗い広間に響いていた。
 経文を読むように淡々と紡がれる詠唱は、常人には理解することすら出来ない独特の響きを含む。
 一方で水音の正体は万人にとって身近なものであった。
 性交音だ。いきり立った逸物を女陰に打ち付ける、生肉でも叩き付けるような音。

 サバトの舞台はある宗教施設だ。
 むせ返るほど濃密な淫臭が立ち込めた空間は異界めいている。
 部屋の隅に数十人の幹部が立って呪文を紡ぎ。
 一介の信者達は部屋の真ん中で退廃的な性行為に及ぶ。

 さながら獣の性交だ。
 知性も理性も存在しない、純粋な貪り合い。
 これほどに道徳、倫理という言葉からかけ離れた性行為が果たして存在するだろうかと問いたくなるほど異様な光景。
 一目見ただけでも、彼らの崇める神が碌なものではないと誰もが理解しよう。

「千の仔山羊を孕みし森の黒山羊よ」

 ――邪神崇拝。
 あまねく正気を贄に、外なる神格を崇め奉る現代の邪教。
 これほど冒涜的なサバトを毎夜繰り広げているというのに、外へその情報が漏洩している様子は一切ない。
 集団の意思が一つに統一されている。一つの綻びも生まれないほど強く、大いなる邪神を信仰しているのだ、彼らは。

「大いなる宇宙の女神よ、我が生け贄を照覧あれ」

 それは万物の母である。
 それは豊穣の象徴である。
 それは千の仔山羊を孕む黒山羊である。
 それは――この宇宙の外を漂う、直視すべきでない神性である。

「イア・イア・シュブ=ニグラス! 千の仔山羊を孕みし森の黒山羊よ!!」

 その名、シュブ=ニグラス。
 人類史をねじ曲げ、改変し、自らの軌跡を突如出現させた邪神。
 彼女であり、彼でもあるかの神を崇拝する信徒達ですら、そのことには気付いていない。

 この神に纏わる文献、アイテム、逸話、信仰……
 そうしたものは全て、この数日の内に生まれ、拡散したものである。
 確定した過去に割り込んで事象を出現させ、それを元から存在したように人々の脳へ刷り込んだ結果がこの現在なのだ。

「シュブ=ニグラスよ、大いなる宇宙の女神よ! 我が生け贄を照覧あれ!!」

 都は、世界は瞬きの内に病んでいく。
 おぞましき夜が氾濫し、外なる邪神の吐息が流れ込む。
 イア、イアと、礼賛の声が黒塗りの夜に木霊していた。
 神の御姿の顕現を、救世主を崇めるように強く祈る。
 向ける先さえ違えば間違いなく万人から尊敬されていただろう程の敬虔な祈りが、邪神へと降り注いでいく。

 世界の寿命を縮め。
 破滅的降臨を招く〝儀式(サバト)〟が。
 今宵も、深度を増していく。
 外なるシュブ=ニグラス、その威光が都の総てを照らす日を夢に描きながら。


    ▼  ▼


 歩く、歩く。
 少女は歩く。
 魑魅魍魎の跋扈する夜を、ひとり彷徨う。
 その瞳は虚ろだった。およそ生気とは縁遠い、孤独な死者の瞳をしていた。

 背丈は小学生程度だろうか。
 小柄であどけない顔立ちは、夜の暗闇にはおよそ相応しくないように見える。
 しかし彼女が放つ気配と覚束ない足取りは、彼女が人ならざる存在であることを如実に物語っている。
 そう、これはもうヒトではない。生者の領域を離れて死者の夜を往く住人となった、憐れな少女である。

 彼女が過ちを犯したわけではない。
 ただ、心に隙間があっただけだ。
 唯一自分の孤独を満たしてくれる親友との離別。
 幼い少女にとって、人生を投げ捨てたくなるほどの絶望――そこを、巨大な悪意が嘲笑った。

 少女は、神に魅入られたのだ。
 善悪問わず、生死関係なく縁を結ぶ山の神。
 無数の目玉をぎょろぎょろと動かしながら、神は少女を操った。
 弱った心を丁寧に破滅へと誘い、自らの手でその人生を締め括らせた。

 ユイという名前を持っていた少女は、神の思うがままに命を失った。
 失われた命は還らない。死者に落ちた彼女は、自分の末路も理解できないまま夜を彷徨う迷子と化した。
 しかし少女は知る。放浪の末、長い夜の先に自身の辿った結末を見る。
 そうして、少女は壊れた。夜に蠢く怪異達と同じ存在に……生者を死出の道に引きずり込む怪物となった。


 迷う、迷う。
 少女は迷う。
 ありのままの姿を取り戻した夜を、あてもなく彷徨う。
 その霊基はサーヴァントのそれであった。されど、英雄では決してない。

 真実を知り、救いがないことを知り、ただ彷徨うしか出来なくなった時。
 少女は路傍に落ちている、きらりと輝くものを拾い上げた。
 それが無記名霊基と呼ばれる聖遺物の一種であることを、ついぞ彼女は知り得ない。
 知り得ないまま、死者の少女は京の都へ、獣性満つる魔界へ足を踏み入れる権利を手にした。
 そして彼女はまたしても、神に魅入られることになるのである。
 縁結びの悪神が赤子に思えるほどの存在規模を持つ、正真正銘の邪神に。

 死者でありながら、生者の視点を持つ者。
 神の結んだ縁に穢されながらも、最初の純真さを失わぬ者。
 条件は整っていた。少女は、降臨者の依代となれる器だった。
 そうして彼女は選ばれた。黒き豊穣、黒山羊の母。万物の恐怖たる邪神、シュブ=ニグラスの依代に。

 少女が救われる未来は存在しない。
 なぜなら彼女は、既に死んでいる。
 死んだ者は戻らない、この世の摂理だ。
 よしんば、それを覆す手段があったとしても――邪神と接続された今となっては無意味。
 勝って都を滅ぼすか、負けて燃え尽きるかのどちらかしかない。

 それでも少女はただ願う。
 ひたむきで純粋な願いをかける。

「……ずっと、いっしょにいたい」

 ずっと一緒に居たかった。
 ハル、ハル。わたしの、たった一人の友達。
 世界で一番大事だったもの。

 あの子とずっと一緒に居られるなら、他には何もいらない。
 最初から、それだけだったのだ。
 それだけあれば、どんな辛いことにだって耐えられた。

「ハルと」

 けれどそれは叶わなかった。
 大人の都合が少女達を引き裂いた。
 死に別れるわけじゃない、いつかまた会える。
 耐えた、つもりだった。
 でも――神はその強さを許さなかった。

「ハルと、ずっといっしょにいたい――」

 その願いには一点の邪心もない。
 聖杯は、彼女の願いを聞き届けるだろう。

 されど彼女は穢れている。
 その穢れは、少女が永遠に辿り着くまでに、山のような犠牲を生み出すだろう。


 純真な願いと素養を以って、彼女は邪神の依代となった。
 病原の夜と邪神崇拝を拡散させながら、少女は存在の終わりまで彷徨い歩く。
 深い夜を廻る死者。それが少女の役割。少女のかたち。

「イア、イア」

 歌うように、呟いて。
 夜は、往く。


【CLASS】フォーリナー

【真名】シュブ=ニグラス

【出典】クトゥルフ神話

【性別】女性

【身長・体重】不定

【属性】混沌・悪

【ステータス】

筋力E 耐久A+ 敏捷D 魔力A+ 幸運E 宝具EX

【クラス別スキル】

 領域外の生命:EX
 我々の住まう宇宙、時空の外から訪れた存在。
 相互理解がそれ即ち永遠の発狂に通ずる、規格外の生命体。
 外なる神と呼ばれる、恐るべき来訪者(インベーダー)を示す。

 神性:A
 神霊適性を持つかどうか。高いほどより物質的な神霊との混血とされる。
 黒き邪神の依代であるフォーリナーは、最高ランクの適性を持つ。

 狂気:B
 外的存在と接続されたことにより発芽した精神異常。
 精神異常・精神汚染と同じ効果を持つが、バーサーカーの狂化に匹敵するステータス補正を受けることが出来る。

【固有スキル】

 黒き豊穣:A+
 豊穣の女神としての性質の一つ。
 永続的な魔力供給と損傷の自動修復、一度受けた攻撃に対する耐性の獲得。
 このスキルは正確にはフォーリナー自身が持つそれではなく、彼女を依代とする〝邪神〟本体が契約のパイプを通じて膨大な量の魔力と権能の断片を送り込んでいるに過ぎない。
 言うなれば極太のポンプに繋がれ、常に燃料を注がれ続けている状態。疑似サーヴァントの原則から逸脱しているのは言うまでもない。

 黒山羊の母:A
 母神としての性質の一つ。
 魔力を消費することで眷属たる落とし子、〝黒い仔山羊〟を生成する。
 黒い仔山羊はロープ状の触手と蹄のある四本の脚を持った象のように巨大な怪物で、シルエットは樹木に似ている。
 是のステータスはCとBの混合で、内訳は個体によって異なる。サーヴァントとも十分に戦闘出来るスペックを持つ。

 夜を廻る死者:EX
 本来マスターとなる筈だった少女が、邪神の神威に充てられたことで習得した固有スキル。宝具の外付けパーツ。
 宝具『母を崇めよ、是は万物の親である』が適用されている都市に、彼女の彷徨った街に巣食う怪異を発生させる。
 彼女自身の意思で呼び出したり操ることは出来ず、あくまで夜の怪異達の生息地を異界の京都にまで拡大させるだけのスキル。
 昼間は怪異の活動は極めて緩慢であるが、日が落ちて夜が深まっていくにつれて彼らは攻撃的、積極的に変化する。
 誰もが幼き日に恐れた〝夜〟という恐怖が、そこにはある。

【宝具】

『母を崇めよ、是は万物の親である(ウィスパラー・イン・ダークネス)』

 ランク:A 種別:対信仰宝具 レンジ:都市一つ 最大捕捉:存在しない

 邪神の現身が降臨したという事実を以って、召喚と同時に聖杯戦争の舞台となる都市全体に適用される〝対民信仰宝具〟。
 シュブ=ニグラスという外なる神にまつわる伝承や道具をその実在・非実在に関わらず〝元々存在した〟概念として定義する。
 そうして生まれ出た情報は有害なミームとして伝染、拡大し、シュブ=ニグラスへの信仰を発生させる。
 信仰は日数の経過と共に広がっていき、信徒達は聖杯戦争についての知識を持つ・持たないに関わらず、教義に則って――あるいはそれ以前の無意識でフォーリナーにとって有益となる行動を行う。
 そしてその中には、退廃的で異常な性行為や殺傷を含む儀式が含まれ、この儀式が行われる度にフォーリナーと本体の間に存在するポンプは太くなり、最終的には邪神の神威を取り出せるまでに至る。
 この段階に入ったフォーリナーは切り札である第二宝具を解放することが可能になり、手の付けられない存在と化す。

『母を恐れよ、是は万物の恐怖である(リング・オブ・パパロイ)』

 ランク:EX 種別:対軍宝具 レンジ:1~10 最大捕捉:500

 ステータス:筋力A+ 耐久EX 敏捷E 魔力A++ 幸運A 宝具EX

 フォーリナーの取り出せる魔力量が神霊級のそれに達した時、使用可能となる第二宝具。
 シュブ=ニグラスは非常に上位の神格であり、その存在が宇宙の外側にあることを除いても、聖杯戦争に召喚するのはまず不可能である。
 この宝具を使ったところでそれは変わらない。しかしこの宝具は、外なるシュブ=ニグラスの姿を質量を持った幻像として空間に投射することが可能。何の隠蔽も施されていない、おぞましき邪神の写身が京の都に出現する。
 純粋に凄まじいパラメータを持つことも脅威だが、何よりこの邪神は視認するだけで有害。視認した対象に重度の精神ダメージを与え、長時間視認すれば霊基や魂の崩壊を招く。サーヴァントにすら通用する存在攻撃は、対魔力によってある程度軽減可能とはいえ、戦いが長引けば長引くほど立ち向かう者達の死亡確率を上げていく非常に強力なものである。
 更にその性質上、宝具が発動された時点で数千~数万人単位の発狂者、死亡者を出すことは避けられない。どういう形に終わろうと一定の被害を叩き出すため、〝そもそも発動させてはならない〟危険な宝具。

【weapon】
 蹄付きの触手。
 他にも怪異としての攻撃能力などを持つ。

【マテリアル】

 シュブ=ニグラス。豊穣の女神・母神という性格を持ち、ヨグ=ソトースの妻であるとも言われる。
 外なる神の一柱であり、〝千匹の仔を孕みし森の黒山羊〟〝狂気産む黒の山羊〟〝黒き豊穣の女神〝〟〝万物の母〟などの異名を持つ。
 アスタルテなどの地球の様々な豊穣の女神、大地母神の原型にして、ワルプルギスの夜に祀られる悪魔の原型ともなったとされる存在。豊穣の概念そのものではないかともされる。
 生命力を司り象徴する神。故に産み増える慈愛の母性と同時に、森の力強い生命力の象徴の男神としての側面も同時に備え持っている。
 多くの作品において相手を選ばぬ淫蕩な女神として描かれ、様々な神、怪物、知性のあるなしも関係なく様々な種族と交わり子を産んでいる。自分の子など、近親者であっても頓着しない。
 アザトースがナイアルラトホテップ、無名の霧と共に生み出された〝闇〟から出現した存在といわれており、その姿は黒い雲の様に巨大としか表記されていないため判然としないが、『呪術師(パパロイ)の指環』に登場する彼女を象った神像は〝山羊のような生き物を表したものの、はっきりとした違和感・不自然さを持っており、何本かの触手があって、見誤りようのない冷笑的な、しかし人間的な感情を持った〟姿となっている。
 本来であれば聖杯戦争に召喚できる存在ではないが、死者でありながら生者の視点を持ち、狂気の中にあってなお純真さを失わないユイの特異性に付け込む形でパイプを繋ぎ、彼女を擬似サーヴァントとして聖杯戦争に参戦するに至った。自我はユイの方にある。

【特徴】

 黒い雲のように巨大な存在。
 山羊のような生き物を表しながらも、はっきりとした違和感・不自然さを持ち、蹄付きの無数の触手を持つ冷笑的な神。
 しかしながら、そこには確かな人間的感情が垣間見える。

【聖杯にかける願い】
 ???


【マスター】
 ユイ@深夜廻

【能力・技能】

 フォーリナーと共通。

【人物背景】

 頭に包帯を巻いた、赤いリボンの少女。
 大人しい性格の親友が恐がっている時は手を取り、隠れさせて自分が見にいく明るく勇敢な性格の持ち主。
 神に魅入られ、友と引き裂かれ、そしてまた神に魅入られた。

【マスターとしての願い】

 ハルと、また一緒に過ごしたい。
 ずっと、ずっと。いつまでも。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2018年01月19日 23:05