…………欠けた夢を、見ていた。
―――人間五十年。下天の内を比ぶれば、夢幻の如くなり―――
美しく。華麗に。荘厳に。
女が舞う。それを一人の男が傍らで静かに見守る。
これで終わり、と謡うように。まだ終わらぬ、と嘆くように。
紅く。赤く。朱く。
血に染まる。炎が躍る。
肉を焦がし、骨を焼き、それでも飽き足らず炎はついに世界を侵す。
一面の炎。一面の炎。一面の炎。
そんな地獄のただ中でも女は笑う。
涼しげな顔をして血と炎の海の中で腰を落ち着け。
刃を抜き。
着物をはだけ。
その刃を自らに向けて。
―――是非もなし―――
腹を十字に掻っ捌く。
それに少しだけ遅れて、男もおっとり刃を振るい。
女の首を一刀に刎ねる。
血の海と炎を海は勢いを増し、男と女だったものを呑み込む。
周り全てが赤に覆われるが、一筋の純白が舞い上がるように視界に飛び込む。
認識票、ドッグタグのようなそれが炎で焦げ、灰を纏い、血に染まり、その紋様に意味のある文字のようなものが浮かんだところで。
世界が変わる。時代が変わる。視点が変わる。
…………刹那の幻は終わりを告げて、現実へと浮上する。
地獄の炎に焼かれた男はかつて見た夢幻で口にした言葉を吐き出していた。
―――閻魔相手に、地獄の国盗りだ―――
誰かの見た夢の中から。
人の生きる、現実という地獄に志々雄真実は帰還する。
「おや、お目覚めですか」
起きて志々雄の視界に真っ先に飛び込んだのは鎧兜を着込んだ髷の男だった。
背丈は150そこそこ、歳のころは老年に近い。
小柄な老人が時代錯誤な格好をしているなど呆けたようにしか見えないが、危険な匂いとどこかで見た風貌に気を緩めることができずにいた。
「包帯だらけだったのでとりあえず寝かせておきましたが、その火傷は拙にはどうしようもありません。戦場での傷くらいならいざ知らず、魔術師どころか薬師でもない、一介の武人の手には余ります。ご容赦を……とりあえずお水を一杯、いかがです?」
するり、と。
警戒するように睨む志々雄へと水の満たされた椀が差し出された。
それを見ると途端に渇きを自覚した。なにせ夢でも現でも先ほどまで炎にまかれていたのが最新の記憶だ。
奪い取るようにして飲み干し落ち着いてくると、次第に頭が晴れていく。
覚えるのは様々な疑問だ。まず聞くのは
「おい、俺の刀はどこだ」
無限刃が手元にない。
眠っていたのだから当然といえば当然だが、使い込んだ得物が自分以外の者の手にあるというのは志々雄にも多少苛立つものがあった。
ぎらついた眼で真っ先に凶器を求めるなど答えるとは思えないが、力づくで聞きだす・奪いかえすことも考えて問い詰めると
「こちらに。変わった刀をお持ちですな。血と脂の焦げたような匂いが染みついておられる」
と、背後に隠し持つようにしていた無限刃を手渡される。
抜いてみても振るってみても細工などされた様子はない。
「……で、誰だお前は。随分呆気なく刀渡すじゃあねえか」
全身に包帯を巻いた不審者をけが人と思って保護したのは百歩譲ってよしとしよう。
だが廃刀令も出て散切り頭も流行って久しいご時世に鎧まで着込んだ髷の男というのは、志々雄真実と比してなお不審者だ。
「クラス、バーサーカーのサーヴァント」
要領を得ない答えに志々雄の口からなんだそれは、と言葉が漏れかけるがすぐに噤んでしまう。
覚えのないはずの単語だが、どこで知ったのか脳裏に知識が突如として現れていたのだ。
聖杯戦争、英霊の召喚、使役、令呪、魔術……すなわち殺し合いの理が。
「志々雄殿。先ほど拙のはらわたまで犯すような感覚があり申した。おそらく拙が何者かもご覧になったはず」
夢の風景が志々雄の脳裏にフラッシュバックする。
血と炎でアカく染まった女の最期が。その首を撥ねた男……目の前に立つ熟練の武人が。
堂々たる死出の旅立ち、敦盛を舞ったのちに切腹と介錯。
どう見ても線の細い女だったなどというのは疑問だ。
しかしそんなものは些事であると切って捨てられる王気(オーラ)、魔性……あれは間違いなく織田信長その人であろう。
ならばその介錯をしたこの男はというと
「森蘭丸か?おまえ」
「蘭丸は二十歳前の若武者でござる。拙のような裏切者の老いぼれと一緒にしてほしくはありますまい」
男はそう答えると膝をつき、こうべを垂れて名乗りを上げた。
「惟任……いえ明智光秀、でございます。貴殿のサーヴァントとして召喚され申した。お見知りおきをば」
惟任光秀、もとい明智光秀。
日ノ本に産まれ育ち、その名を知らぬものがおろうか。
日本史上指折りの英傑を滅ぼした謀反人の名に、夢に見た本能寺の光景が自らの知識や想像と異なることに志々雄も僅か瞠目する。
「拙のことも我が殿信長様のこともご存知でおられるようで。安心いたしました。ならば上様の御首いただいた甲斐もあろうというもの」
その反応を見て老将・光秀の口元に笑みが浮かぶ。
よくぞ我が名を、我が君の名を時代を超えて存じ上げてくれた、と歓喜と誇らしさを交えて。
「……光秀、か。それじゃあ人斬りの大先輩よ、たしかあんたは信長の死体を見つけられなかったせいで随分と多くの味方にし損ねたはずだ。信長の首を撥ねたのがあんたならなぜだ?」
弱肉強食の理に従う志々雄に裏切り自体はさして疑問ではない。
だが天下を目指すならば信長の首を掲げるべきだったろう。。勝つために取るべき道筋をとることができない性質ならば、戦場での同道には適さない。部下に要らない。
ゆるりと無限刃を構えいつでも斬りかかれるようにするが
「さような剣で拙は、サーヴァントは斬れませぬ。害したくば左手のものをお使い自害をご命じあれ。焔のようなその三画の聖痕を令呪と呼びまする」
動じることなく、むしろ自らを殺す助言をして逆に志々雄の反応を待つ光秀。
志々雄が左手に僅かに意識を巡らせると、火傷とは違う熱のようなものを感じ令呪というものを知覚する。
誅する手段が如何様なものか……それが互いに共通の認識となったところで光秀は問いに答えた。
「上様の亡骸は見つからぬように拙が秘匿いたしました。拙の目的にはそれが必要だったのです」
「目的?」
「さよう……悟ってしまったのです。羽柴殿も、柴田殿も、丹羽殿も気づいておられぬ。徳川様はお察しだったやも知れませぬが。
上様には、天下はとれませぬ。あのお方はあまりに勝ちすぎ、方々に怨みを重ねすぎた。今川はともかくとしても、浅井に朝倉に武田、それに毛利に、なにより生臭とはいえ坊主ども。そして足利はもとより、朝廷内にも良く思わぬものは多い。
征夷大将軍となることはできたかもしれませぬ。しかし10年持たず、源が北条に取って代わられたように織田の時代は終わるでしょう」
慟哭。嗚咽。悲鳴。
静かに、しかし嘆きに満ちた言の葉が光秀の口から奔流のように溢れ出る。
「ならばせめて信長敗れるも織田は敗れてはなりませぬ。何より織田信長の名を堕とすことは防がねば。
部下の裏切りで本能寺で夢半ばに潰え、その亡骸の行方が分からぬとなれば……信忠様も羽柴殿も柴田殿も高らかに声を上げるでしょう。我こそ織田信長の後継なり、と。
あるいは後世、生き延びた信長様の落とし胤であるなどと名乗りを上げる者も出るやも。上様が討たれたとあれば多少は溜飲を下げるものもおります。
……かくして、拙の目論見通りあの瞬間天下人の座とはすなわち織田信長の後継に等しくなったのでございます。天下人ならざる上様でありましたが、そうなれば幾百年経とうと誰もがその名に畏怖と敬意を忘れることはないでしょうと思いましたが……いやはや、上手くいったようで何より」
光秀の功の大半は信長の下で立てたもの。例外と言えば最後に信長を討ち取ったものがあげられるが、他にさして名だたるものはない。ならば明智光秀を知る者がまさか織田信長を知らぬことなどあり得ぬ。
志々雄の反応はまさに光秀にとって理想と言えるものだった。
「……天下に名乗りを上げる気はなかったと?」
「上様を裏切った拙がどの面下げて信長の後継を名乗れましょうや。それでは目的とは違ってしまいまする。後世と世俗の評価は馬鹿にできませんからなあ、羽柴殿がお茶々様とのお子を、徳川様がお江様のお子を跡継ぎにして織田の血を入れたのはさような意味も兼ねておられるでしょうし。
……なにより、上様の後継を名乗る最大の近道はその仇である拙を討つことでありましょう?大義と小義を取り違えてはなりませぬ。拙や一族の命運など主家のためならば惜しむべくもない」
主君の命も自分の命も投げ捨てて、ただ織田信長の名を歴史に刻むために。
大我と小我の反転した価値観。
世から外れた感性の志々雄にも慮外のそれを理解するのは難しい。
だから
「それで、よかったと思ってんのか」
満足したのか。成し遂げたといえるのか。死してなおの勝利を、もぎ取ったのか。
本人の口から改めて価値観を知っておきたかった。
「その答えを求めてここに馳せ参じた次第でございます。上様亡き後、羽柴殿や徳川様がいかような世を成したのか。それと上様の軌跡は斯様に遺っておるのか。
幸いここに上様もおりますゆえ、少なくとも墓前に手を合わせたくはあります。焼けた本能寺も再建したとのこと、確かめとうございますな」
「…あ?ここにいるだぁ?信長がか」
そういう光秀は身を起こし、まるで妊婦のように自らの腹を愛おし気に両の手で撫でていた。
……少しだけ、志々雄も心胆に寒いものを覚える。
「然様です。拙は上様の仇として露と消える腹積もりでありました。ならば万に一つも上様を匿っているだのなぜか亡骸を隠しているなど流言はさけねば、話が拗れる恐れがありますからなあ。徹底的に探させましたとも。焼けた梁をどけ、畳をひっくり返して、出てきた髑髏の検分もし申した……その上で見つからぬようにするには誰の眼にもつかぬよう、されど手元に置いておくのが安心でございましょう?」
何ぞ可笑しなことがことがあらんや、と慈愛と底知れぬ狂気に満ちた笑みを光秀は浮かべる。
腹を撫でる手は止まらない。
「……食ったのか。信長の死体を」
「首だけでありますが。それでも上様の血と拙の涙でえづきが止まらず、飲み干すには苦労いたした。
おまけにさすがという他在りませぬ。首だけになって、胎の内に収まっても、未だに中で暴れておられる。助けられている面も多いのですが、やはり落ち着いていただいた方がよいのでひとまず墓前で弔いたいと……どうされました?顔色は分かりませんが、鼓動がやけに早くなっておりますぞ?」
「うるせえ。なんでもねえよ」
にじみ出る狂気にさすがの志々雄も少し狼狽したが、何ということはない。
このくらいの狂人なら幕末にも探せばいるだろう。
「墓参りのために戦場に来たのか?勝つ気は今度もねえとか言い出さねえだろうな?」
しかしこれほどに腕が立つのはそうはいまい。
十本刀も壊滅し、使えるものは何でも欲しいところ。聖杯も、使えるならこの男も。
少なくとも聖杯戦争の間はまともに使えてくれなければ、聖杯を欲してくれなければやりにくいことになる。
その期待に応えるように狂気を孕んだ光秀は笑みそのままに願いの続きを語りだした。
「ここは生前拙が幾度か世話になった寺でござる。変わりませぬな、京の都は。見慣れぬ建造物も多くなっておりますが、寺も残り人もあり、人の中身は変わっておりませぬ。貴殿を担ぎ込んで休ませてくれと頼んだら快諾してくだされた。
端々まで、この世がいかなものか見届けとうござる。一時この世に再び根を下ろして、変わったものも変わらぬものも堪能するのが我が悲願」
願いはある。勝つ気もある。今度は、殺す。
再び礼の姿勢をとり、志々雄に闘う気はあるのかと今度は逆に投げかけているかのよう。
当然志々雄の答えは一つだ。
「なら俺についてこい。俺の隣で、この国の様を見せてやるよ」
「おや。よろしゅうござるか?拙はこれでも日ノ本一の反骨になってしまったと自負していますが」
「構いやしねえよ。そういうのが本当に一人くらいいる方が面白え」
明治政府だろうと、閻魔だろうと。
室町幕府だろうと、日輪だろうと。
そしてまだ見ぬ獣であろうと。
それらすべてを敵に回してでも、志々雄真実と明智光秀は天下への道を行くだろう。
その道が重なる間は、ともに。
【CLASS】バーサーカー
【真名】明智光秀
【出典】戦国時代日本
【性別】男性
【身長・体重】155cm・56kg
【属性】秩序・狂
【ステータス】
筋力A 耐久C- 敏捷B 魔力EX 幸運E 宝具EX
(狂化による上昇、京都での知名度補正含む)
【クラス別スキル】
狂化:C
耐久と幸運を除くパラメータをランクアップさせるが、理性を喪失し人間的な思考ができなくなる。
クラス別スキルであると同時に鬼としての種族特性でもあるため例外的に制御が可能。
制御中は落ち着いて会話もできる。ただし織田信長に関わることで彼が理性的に振る舞えるかは幸運判定が必要となる。
【固有スキル】
反骨の相:C+
一つの場所に留まらず、一つの主君を抱かぬ気性。
自らは王の器ではなく、自らの王を見つける事のできない放浪の星である。
同ランクの「カリスマ」を無効化する。
このランクでは信長のカリスマを常時完全には無効化はできず、どうにも変な効き方をしていた。
鬼種の魔:B
鬼の異能および魔性を現すスキル。源頼光≒丑御前の血を引く彼は頼光から500年後の時代に突如として「先祖還り」を起こして生まれ落ちた天才的な「混血」の子であった。
天性の魔、怪力、カリスマ、魔力放出、等との混合スキルだが、反骨の相を持つ光秀のカリスマはほぼ機能していない。
魔力放出の形態は先祖とは違い雷ではなく「炎」。
血脈励起:B
生前の光秀が行っていた自己暗示の一種。
サーヴァントとして現界するにあたっては、鬼種としての力を一時的に増幅させるスキルとして定義されている。
間隙の第六天魔王:B-
織田信長の持つ本来のスキル、「魔王」のアナザースキル。三日天下……魔王信長と天下人秀吉の継投を行ったもう一人の魔王。
後述の宝具を喰らったことと後世のイメージによって己の在り方を捻じ曲げられた怪物。能力、姿が変貌してしまう。
生来の怪物、鬼種であるため変化スキルも内包し、人の姿と鬼の姿ならば自在にコントロールできる。
そして燃え盛る本能寺の中で魔王を打倒した逸話により「炎上」した地では力を増し、また鬼の力も相まって炎を糧として魔力を生成する能力も獲得している。
騎乗:-
武将である以上馬術にも精通するのだが、反転・狂化したことでこのスキルは失われている。
もはや凡百の馬よりも鬼の健脚の方が優れるのは言うまでもない。
【宝具】
『大千世界(さんだんうちがひとつ)』
ランク:E~B 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000人
九山八海、其れ一世界。一世界、千集まれば小千世界。小千世界、千束ねれば中千世界。中千世界、千纏めれば大千世界。これすなわち三千世界の成立ちなり。
織田信長の宝具、三千世界をのもととなった鉄砲隊を構成する一員であるためにその一部を宝具として有する。
射撃の名手であり、また信長のもとで相応の地位にあった光秀は千丁の火縄銃を展開できる。
オリジナルの三千世界同様に騎乗スキルを持つ相手には威力を増す。
『第六天魔王波旬~受胎~(ノブナガ・THE・ガブリエール)』
ランク:EX 種別:対神宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
織田信長の持つ、「神性」や「神秘」を持つ者に対して絶対的な力を振るう存在へと変生する固有結界。
彼女の首を喰らうことで脳髄もろとも心象風景まで胎内に取り込んだ。獲得した魔王スキルにより肉体を変質させており、体内でなく胎内で間違いない。
本来の第六天魔王状態は神仏はおろか、信長自身すら焼き尽くしかねない危険な代物であり、首だけとなってもその力は尋常ではない。
胎から常に魔力と炎を放っており、光秀の魔力源となっている。スキル:間隙の第六点魔王の獲得、および魔力ランクが規格外となっている要因である。
なお二時間半もすれば霊基の方が耐えきれないほどに過剰供給されてしまうため、実体化など何らかの形で魔力を消費し続けなければメルトダウンを起こす。
制御はできないため攻撃手段に転用するならば暴走させるしかない。切腹など、腹を裂いて信長の首を露出すれば固有結界が世界を侵し、本能寺の変の如く光秀もろともだが一面を焦土と化すだろう。
なお光秀の最期は落ち武者狩りの農民、中村長兵衛の竹槍に胎を貫かれたせいで固有結界が暴走したもの。結果、光秀の首も体も身に着けていたものも、周りの数名の全身もほぼ全て燃やしつくして骨が少ししか残らなかったという。神仏を滅ぼす固有結界の暴走としては小規模で済んだが、そのせいで光秀の首は部下のものと区別はつかなくなり、複数の首が秀吉に献上されたり、討ち取った長兵衛の行方も分からなったりと混乱を招いた。
【weapon】
宝具『大千世界』の火縄銃。真名解放なしで数丁召喚・行使できる。
魔力放出の炎で火薬を直接着火させることができるため、火縄の常識を外れた早撃ちを可能とする。
光秀の愛刀。鬼が振るい、魔王の首を落としたもはや妖刀の一。
幕末期に手入れをした刀工が銘を擦り落としその呪いも払ったのだが、サーヴァントの武装として持ち込んだことで銘も取り戻し妖刀に戻っている。
宝具には至らなかったが、鬼の膂力で振るっても炎の魔力を纏わせても刃こぼれや劣化などしない逸品である。
【特徴】
型月信長より少しだけ大きい、細身の男。月姫の遠野秋葉が男体化したイメージ。でも戦い方は軋間紅摩よりのパワーファイター。
黒髪を髷に結った鎧武者、典型的な日ノ本の武将ルック。
信長を殺し、首を食った年代が最も鬼として優れた時期であるために晩年の姿で召喚されている。
髷にしてなお分かるほどに髪が少ない。
鬼の特徴である角が生まれついて頭部に生えていたのだが、人の世で生きるために斬り落とした痕跡が禿のようになっているためである。そのせいで信長に「金柑頭」とからかわれたが、鬼でなく人として認められたような気がして嫌いではない。鬼子だの角付きだの蔑まれるのに比べれば格段にマシ。
【人物背景】
明智光秀は恐らく日本に限れば、ユダやブルータスにも匹敵する裏切者・謀反人の代名詞と言えよう。
正確な出自は不明だが清和源氏の流れをくむ家に産まれたのが有力とされ、斎藤道三や朝倉義景、足利義昭に仕えた後に織田信長の臣下となる。将軍家とのやり取りや戦場での功もあり、京都の差配を任せられるほどの重臣だったのだが、突如本能寺において謀反を起こす。
歴史に知られる本能寺の変を起こし信長を自害に追い込んだが、それを聞きつけた羽柴秀吉にあっけなく敗れる。そこから逃げ延びるさなかに落ち武者狩りにあって命を落としたとされる。
しかし本能寺から信長の亡骸は見つかっていない、光秀の首は秀吉に届けられたとき骨だけで光秀と分からなかった、討ち取った農民は行方知れず、そもそもなぜ謀反を起こしたのかも正確な出生も不明。
足利将軍家にそそのかされた謀反、朝廷に命じられた暗殺、秀吉や家康と協力しての叛逆、実は生き延びて徳川幕府に影響力を発揮しており二代将軍「秀」忠と三代将軍家「光」は明智光秀が世話をした、など日本史上の転換点にありながら謎と風聞の多い人物となっている
そんな明智光秀を今回は源頼光の血が強く出た鬼種、鬼の角の名残があって金柑頭、鬼ゆえの狂った愛が信長に向いて謀反を起こし果てには信長の首を食べたり、そのせいで死体が謎の炎上を遂げたなどと解釈してみた。
【サーヴァントの願い】
受肉して信長公の史跡巡りをしたい。
そうだ、京都いこう。
【マスター】
志々雄真実@るろうに剣心
【マスターとしての願い】
再び天下を狙う。
【weapon】
刃こぼれで切れ味が鈍っていく刀から発想を逆転し、刃を鋸歯状にする事で切れ味をある程度犠牲にする代わりに殺傷力を一定に保っている殺人奇剣。
志々雄は無限刃で人を斬り、刃に染みこんだ人間の脂肪を大気・刀等との摩擦で発火させる技術を開発した。
この剣で起こした火を利用するための火薬も所持しており、弐の秘剣「紅蓮腕」などで使用する。
不意打ちを防ぐために頭部に仕込んでいる。
斎藤一の牙突を受け止めるこの鉢金もすごいが、直撃しても首を痛めたりしない志々雄のタフさもすごい。
【能力・技能】
無限刃を用いた我流の剣術。
全身火傷により発汗機能はほぼ死んでおり、体温調節ができない。
そのため15分以上戦闘を行うと体温が異常に上昇し、作中では人体発火にまで至った。
ただし部下の見立てでは志々雄の体内には内燃機関に近いものが備わっており、高温になればなるほどその力は増していくと推測していた。このためか外見以上の怪力とタフネスを誇るなどデメリットばかりでもないらしい。
【人物背景】
幕末期に長州維新志士の一派として活躍した暗殺剣士、いわゆる人斬り。
剣の腕も頭脳も一流だったのだが、野心と思想を危険視され味方であるはずの志士に奇襲され瀕死の目に合う。
全身を焼かれながらも生き延び、後に多くの部下を率いて明治政府転覆を目論むテロリストとなる。
日本の頂点に立ち、西洋列強と渡り合う強国にするなど思想は一見真っ当で、志々雄のカリスマや様々な思惑も相まって一大組織となったそれを明治政府も無視できず、かつての同志であり志々雄以前に人斬りを行っていた剣豪などを刺客として放つ。
その闘争において死亡。部下の大半は明治政府に組み込まれ、志々雄の野望は潰えた。
だが死してなお志々雄に忠義を誓う部下も存在し、今際にて地獄に堕ちてなお国盗りを目論む志々雄の姿を幻視したという。
聖杯戦争には死後時間軸での参戦。
剣心一行との戦いの傷は癒えているようだが、火傷の方はいまだ地獄の業火の残り火として彼の体でくすぶっている。
最終更新:2018年01月19日 23:06