剣風が夜気を震わせ、剣光が夜闇を裂く、聖杯戦争に参戦した剣士達の闘争が始まってから、既に五分が経過していた。
鎧姿の剣士─────セイバーが繰り出す長大重厚な白刃は、威力速度共に対戦車兵器にも匹敵する。
生身の人間が受ければ、斬殺死体─────どころか、周囲に血霧と肉片を飛び散らせて原型すら留めぬ事だろう。
対するは長衫の剣士、手にしたレイピアはセイバーが振るう大剣に比していかにも頼りなく、刃と刃が激突すれば、忽ちの内に砕けるだろう。
振るう度に剣風轟くセイバーの剛刃と比すれば、男の手で振るわれるレイピアは、いかにもか細く頼りなかった。
筋骨隆々たる偉丈夫のセイバーの肉体に対しては、例え鎧を身に纏っていなくとみ、到底傷をつけられまいと思える程に。
二人の剣士の剣撃は、威力速度得物に於いてセイバーに劣る長衫の剣士が、嵐の様な猛攻を何とか凌いで反撃の機を伺っている。
只人が見れば─────サーヴァントでさえもが、そう認識しそうな立ち合いだったが、 当事者達は実相を理解していた。
セイバーの嵐の様な攻撃が、悉く意味を為していない事を。
セイバーが繰り出したどの攻撃も、男は紙一重で、それでいて十分あ余裕を持って回避、或いは手にしたレイピアで捌いている。
只の鋼で、宝具である刃を捌く。
凡そ有り得ない事だった。只の鋼でしかないレイピアなど、例えどれ程の業物であっても、交われば薄焼きの陶器の様に砕け散る。それなのに、この有様。立て続けに振るった八閃を悉く男は手にしたレイピアで捌き切る。
男はセイバーの攻撃を受けているわけでは無い、むしろ逆に、剣身を刃に絡め、手元に引き込む様に釣っている。敵の攻撃に自ら勢いを加えている様なものだ。
次第。セイバーの攻撃は一層勢いを増すものの、その表紙に僅かにベクトルを狂わせ、虚しく空に軌跡を描く。
重さで勝る武器をいなす軽妙の技を、セイバーは理解できない。更に速度を上げれば、更に力を込めれば、きっと刃が届く。
そう信じて無為に白刃を振るうのみ。
不意に男の長衫の裾が翻り、セイバーの視界を覆う。愕然としたのと同時、左眼に強い衝撃を受けてセイバーは仰け反った。
長衫で視界を塞がれた隙に、男が後ろ回し蹴りをセイバーの左目に決めたのだ。
動きの止まったセイバーの両足を貫く剣尖。同時に繰り出されたとしか思えぬ二つの刺突がセイバーの両足を深々と貫いて動きを封じる─────筈が。
通常なら立てなくなる程の深傷にも関わらず、セイバーは距離を取ろうとする。
「刺さる事は刺さるか」
男の呟き、次いでセイバーの胸に生じた衝撃。生前に受けた如何なる衝撃とも質が異なる。五臓六腑に直接響く打撃に、肺腑をやられたセイバーの口から大量の血が吐き出される。
「これでは死なないか。だが、身体の作りは生身と変わらんな」
実験の結果を淡々と告げるだけの様な声が聞こえた時には、セイバーの頭部は男の左手で掴まれていた。
「ならばこれはどうだ?」
例え昼であっても、周囲の人間の網膜を灼く程の閃光が生じ、周囲が再度闇に覆われた時には、セイバーは絶命していた。
「さて…残るは……」
男の目線を受けて、呆然と立っていた少女─────セイバーのマスター─────が身を震わせる。
「あ……ありえ…ない………、有り得ない!!何で!どうしてよ!!何で『ただの人間』なんかにセイバーが負けるのよ!!!」
消えゆくセイバーの身体を見ても、尚信じる事が出来ずに少女は叫ぶ。理不尽だ。理不尽極まりない。こんな事があってたまるかと。
「どうしてそう思う?拳で鋼を砕けるからか?素肌で刃を弾けるからか?亜音速で機動し、極音速で剣を振るえるからか?
笑わせる。俺が生きていた時代にはな、その上で人とは根本的に身体の作りが異なる、決まり切った急所を持たぬ奴等が闊歩していたぞ。
口を開けば力だの速さだの…その程度では俺の“功”には届かんよ……。
試しは終わった。アーチャー」
男の言葉が終わると同時、飛来した矢が、身を翻して駆け出していた少女の後頭部を貫いた。
◆ ◆ ◆ ◆
いつも泣いている女が居た。愛の無い結婚、それだけならばまだ良い。女は夫から虐待を受けていt。
許せなかった。何故に結婚しておいて虐待を行う必要がある?周囲は、神々は、何故にこの愚劣な行為を止めようとしない。
だから連れて逃げた。後々の惨と悲との始まりであると知りながら。
悪鬼羅刹も怯えて退散するであろう形相で、三頭立ての戦車(チャリオット)を駆る男。
馬体と車体を染めるのは、蹄にかけられ、車輪に潰された兵の血肉だ。
城壁の上からでもハッキリと解る黄金に輝く鎧を染める紅は─────。
戦車の後ろで、地面の起伏に跳ね上げられ、引っかかっては、骨が砕け肉が潰れて、次第にカタチを無くしていくのは─────。
僕の行いを黙って受け入れ、誰よりも果敢に戦った英雄が、この様な仕打ちを受けて良いものなのか?神はただ見ているだけだった。
夜になって、父の懇願により返された遺体は、最早人の形を留めていなかった。
燃える街並み。血笑浮かべて血濡れた武器を手に街路を徘徊する男達。
燃える家から泣き叫ぶ女が引き摺り出される、夫であろう男が暴漢達に跪いて慈悲を乞うも、背中に槍を突き刺され、跪いた姿勢のまま地に縫い止められた。
絶叫する女の姿を暴漢達が覆い隠す。
神は獣と化した男達を糾そうとはしなかった。
数珠繋ぎにされ、鞭打たれながら引かれていく人々。
亡国の民は奴隷として売られ、家畜の様に扱われて死んでいく。
その列には誰よりも敬い慕った男の妻子が混じっていた。
神は何もしようとしなかった。
神殿の中、泣きながら女神像に縋り付いて慈悲を求める少女が居る。
何に慈悲を求める?少女を囲む暴漢達か?縋り付く女神像にか?
この国を滅ぼした女神にも、その加護の下戦った男達にも慈悲など無い。
予言の力を授け、少女の言葉が誰にも届かぬ呪いを与えた神もまた。
少女が衣服を剥ぎ取られ、男達の一人に組み敷かれ、欲望の餌食となるのを、暴漢達は笑いながら、女神像は何もせず黙したまま見ていた。
彼等は、此処まで無惨苛烈な運命を与えられるような罪を犯したのだろうか?
否。断じて否。
彼等の中にはこの様な運命を与えられて良い人間など一人も居なかった。
彼等を襲った運命に責は彼等の誰にも無く。あるとすれば─────。
◆ ◆ ◆ ◆
「もう何もかもが遅すぎるけれど…。これだけは確かな事だ…。僕が彼女を連れ出さなければ、あんな事にはならなかった!!」
血を吐く様な叫びと言う。比喩では無くサーヴァントの声は血に濡れていた。身体ではなく、心の流す地で濡れていた。永遠に消えぬ罪に、償う術さえ無い咎に、永劫苛まれる者の姿がそこにはあった。
その姿に向けられる冷ややかな双眸。
「それで、お前は一体何を望むのだ。贖罪かそれとも復讐か?」
感情の籠らぬ男の声が問いを投げた。
涼やかな麗貌と匂い立つ様な気品の男、艶やかな繭袖(けんちゅう)の布地に龍の刺繍をあしらった長衫を纏った姿は、美丈夫という呼び方が相応しい。
だが─────。何よりも人目をひくのはその双眸。
心の奥底まで見抜かれそうな眼光を放つその眼に居射竦まれたかの様に、サーヴァントは絞り出す様に答えた。
「……どちらでも無い、あの様な運命を齎した、黙して見ているだけだった、神に対する怒りは有る。奴等に対する憎しみも有る。
殺され、繋がれて引いていかれた者たちの、呪いと悲哀と怒りに満ちた眼差しを忘れた事など片時も無い!!
だが………本当に怒りを抱いているのは、呪わしく厭おしいのは…………。この僕だ!!!
彼等の運命!!兄の惨死!!妹の惨劇!!そのどれよりも!彼女が幸せになれなかった事を、怒り憎み呪う、この僕の心こそが悍ましい!!!」
「つまりお前の願いとは─────」
「あの悲劇を無かった事にするわけでも無い、彼等に相応しい最後を与えてやる事でも無い。神への報復でも、悪鬼共を人理から抹消することでも無い!!
只!彼女の幸せを!!只それだけ!!
始まりの過ちを再度繰り返そうとする、それをどれだけ厭わしく悍ましく思っても、僕は聖杯を彼女の為に使うだろう」
己の行動が、誰よりも慕った者を死なせ、その妻子を無惨な運命に叩き込んだ。
祖国を滅ぼし、民が奴隷となる憂き目にあっても、それらを一切省みぬことのない自分を恥じて悍ましいと思いながらも、このサーヴァントは聖杯を求めるのだ。
唯一人─────唯一人の女の幸せの為に。
「唯一人の女の為に、国も民も何もかもを捨てるか………」
「軽蔑するかい?だがそれでも構わない。僕は彼女を愛している!!彼女に幸を与える為ならば、僕は何だってやってみせる!!
邪魔をするならそれが何者であっても殺してやる!!
ああ、そうさ!これが!これこそが!!僕が彼女に捧ぐ愛だ!!!」
それは、マスターである男に対する叛意の吐露でもあったが、男は取り立てて気にした風もなかった。
「一つ訊くが、お前が切り捨てようとする者達は、お前が聖杯を使おうとする女の為になったのか」
「は…………?」
「お前はその女を愛しているのだろう?ならば幸を与える為に役立たぬ者など、価値も意味も無い。
神とやらは、女を暴夫から守護れなかった。兄の奮闘は、妹の言葉は、敵を退ける役に立たなかった。
国が、民が、その女に幸を与える為に何かをしたのか?
しなかっただろう?ならばそんなものに価値は無い。存在している意味すら無い」
淡々と語るマスターをサーヴァントは茫然と見つめる。
「国を、民を、親兄弟を、捧げる事でその女が幸を得るならそうするべきだろう?何を悩む事がある。それとも、お前の愛とやらはその程度の代物か?
笑わせる。そんな覚悟では到底聖杯を取る事などは出来んだろうよ。お前は再び敗者として座とやらに帰るだけだ」」
静かな、それでいて痛烈極まりない罵倒。しかしサーヴァントは怒りを見せない。何故ならば─────。
「貴方は……まさか…………」
「ああ、権威を極め、武を極め、手に収めた全てを俺は彼女の捧げた。彼女が望むというのであれば、世界も獲る。そう意気込んだ事もあった」
マスターである男は笑った。世界の全てを嘲り、唾棄する様に。
「彼女にとっては、俺が手に入れられるものなど屑ほどの価値も無かったが。彼女はいつも泣いていたよ。
俺が彼女に与えてやれたのは掛け値無しの絶望。中途半端な幸福よりも、彼女は己が想いを抱いて地獄へと落ちることを望んだ。
そうする事で………唯一心に居た男に、己が想いを知らせる事が出来ると信じて」
血を吐く様な叫びと言う。比喩では無くマスターの声は血に濡れていた。身体ではなく、心の流す地で濡れていた。永遠に届かぬ想いに、与える術さえ無い彼女の幸に、永劫苛まれる者の姿がそこにはあった。
「手にした権威も配下も�辞会も、何もかもを彼女の想いを叶える贄とした。これこそが俺が彼女に捧ぐ愛だと、そう信じて。
それでも彼女は俺を見もしなかったが。
だが、それでも良い。彼女が笑ってくれるなら、彼女が俺を…僅かでも良いから見てくれるなら……」
「貴方に……悔いは…………」
「無い」
幽鬼の如き眼でサーヴァントを見据え、男は語る。
「彼女の望まざる世界、彼女に幸をもたらさぬ世界に……遺すべきものなど何がある?」
男は真実掛け値無しの本心を告げている。
只一人の女に捧げる愛。比喩でも何でもなく、たった一人の女を世界より重いとするその心。
如何なる倫理も道徳も、親兄弟の情ですらも、愛を捧げた女の為ならば路傍の石の様に捨てられる。
そんな男の問いに、サーヴァントもまた迷いも虚飾も捨て去った声で答えた。
「無い。彼女に幸を与えない者達にも世界にも、価値も意味も共に無い」
ここにサーヴァントは答えを得る。
嘆きも怒りも全ては只一人の女の為に。
マスターの男は薄笑いを浮かべてサーヴァントを見た。
サーヴァントは何処か晴々とした顔でマスターを見た。
「では─────」
「ああ─────」
二人の声が重なる。
「「彼女に幸を」」
【クラス】
アヴェンジャー
【真名】
パリス@イーリアス
【ステータス】
筋力:D 耐久:D 敏捷:C 魔力:C 幸運:D宝具:A+
【属性】
中立・悪
【クラススキル】
復讐者:A
復讐者として、人の恨みと怨念を一身に集める在り方がスキルとなったもの。周囲からの敵意を向けられやすくなるが、向けられた負の感情は直ちにアヴェンジャーの力へと変化する。
トロイアの者達全てから怨みと蔑みを受けても、アヴェンジャーの決意は変わらない。
忘却補正:C
人は多くを忘れる生き物だが、復讐者は決して忘れない。忘却の彼方より襲い来るアヴェンジャーの攻撃はクリティカル効果を強化させる。
ヘレネーに対し神が与えた運命を、アヴェンジャーは決して忘れない。
自己回復(魔力):D
復讐が果たされるまでその魔力は延々と湧き続ける。微量ながらも魔力が毎ターン回復する。
愛する女に幸福を与えるまで、アヴェンジャーは決して倒れる事は無い。
【保有スキル】
嗤う鉄心(偽):A
精神汚染スキル。
精神汚染と異なり、固定された概念を押しつけられる、一種の洗脳に近い。
本来は反転の際に付与される精神汚染スキル。アヴェンジャーは自らの意思で獲得している為(偽)が付く。
自ら固定している思考の方向性は、『愛する女の為ならば、他の全てをかなぐり捨て、犠牲にできる』というもの。
迷いも情も無い攻撃は、常のものより遥かに強力なものとなる。
完全な肉体:A
後世において“完全な肉体を持つ”と言われたアヴェンジャーの身体。
Bランクの天性の肉体及び頑健の効果を発揮する。
ヒュドラの毒矢を受けながらも、後方に下がり、治療の為に山を登る事が出来る身体を持つ。
太陽神の加護:A
宝具発動時に効果を発揮し、幸運を人の極限域にまで引き上げる。特定の条件なくしては突破できない敵サーヴァントの能力さえ突破可能。
宝具発動時にのみ効果を発揮する。
千里眼:A
視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。
透視、未来視さえも可能とする。
宝具発動時にのみ効果を発揮する。
【宝具】
訴状の矢文(タウロポロス・カタストロフェ)
ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:2~50 最大捕捉:100人
弓や矢が宝具なのではなく、それらを触媒とした『弓に矢を番え、放つという術理』そのものが具現化した宝具。
“天穹の弓”で雲より高い天へと二本の矢を撃ち放ち、太陽神アポロンと月女神アルテミスへの加護を訴える。
荒ぶる神々はその訴えに対し、敵方への災厄という形で彼に加護を与え、次ターンに豪雨のような光の矢による広範囲の全体攻撃を行う。
射程及び効果範囲に長けた宝具で、特に広域に展開した軍勢に対して効果を発揮する。
だが射撃を行っているのが彼ではないため、照準は余り正確ではない。攻撃領域を彼の意志で極度に限定して収束することも可能だが、元々の攻撃範囲が広いため、集団戦においては周囲の敵味方の配置を確認してから使用しなければならない。
ちなみに、この効果は多産の女性・ニオベが「子どもの数が少ない」とアポロンとアルテミスの母・レトを馬鹿にしたため、二人がニオベの子らを一人残らず射殺したエピソードにちなむ。
陽光は遍く天地を照らす(デッドエンド・スワスチカ)
ランク:A+ 種別: 対人宝具 レンジ: 1~99 最大補足:1人
アキレウスを射殺した射撃。
太陽神の加護の下に陽光そのものを矢として放つ。
弓や矢が宝具なのではなく、それらを触媒とした『弓に矢を番え、放つという術理』そのものが具現化した宝具。弦を引いて放つ事により、陽光そのものを矢と変える射技。
狙いをつける、弦を引く、という過程を必要とするが、陽光を矢とするという性質上、
対象は陽光に照らされている、つまりは既に矢に当たっている状態の為に、放たれた矢を回避或いは防御する事は不可能。
回避或いは防御の為には、弦を離す前に狙われている箇所を影で覆うしかない。
弓勢は、実際に矢を射た時の威力が反映される為に、威力を出す為には相応に弓引く事が必要となる。
発動時には、幸運と太陽のシンボルで有る卍(スワスチカ)がアヴェンジャーの後背に浮かび、太陽神の加護が発動。幸運値がA++となり、Aランクの千里眼を獲得する。矢はAランク相当の神造兵装と同等の神秘を持つ、ら
魔力消費は多め。
対人宝具だが、連続で狙いを定めて使用し続ける事で、対集団にも使用できる。
【weapon】
天穹の弓(ポイポス)
太陽神、アポロンから授かった弓。
引き絞れば引き絞るほどにその威力を増す。赤のアーチャー自身の筋力はDランクだが、渾身の力を込め、限界を超えて引き絞ればAランクを凌駕するほどの物理攻撃力を発揮することも可能。
妹であるアルテミスと同じくアポロンも弓を良くする為に、アルテミスの加護を受けた女狩人アタランテと宝具と武具を共有する。
【人物背景】
トロイア戦争の発端はパリスがアカイアの后へレネーを奪ったことから始まった。
へレネーはメネラーオスが死後エリュシオンに行くために必要な巫女として愛の無い結婚をされ、虐待を受けてしまう。
パリスはこれを救うのは当然の理として、目の前で泣く彼女を見捨てることができず、連れ出したが、それが状況を悪化させる事となった。
押し寄せる大軍。率いるは数多の英雄達。
トロイア軍総大将ヘクトールが勇戦し、良く敵を支えるが、アキレウスによりうたれてしまう。
パリスはアポロンの加護を得てアキレウスを射殺すも、ヘラクレスの弓と矢を持参したピロクテーテースに毒矢を射られ、救いを求めてイーデー山に登るも、拒まれて死んだ。
その後のトロイアの運命を知っており、ヘクトールの死も含めて、全ての責は己に有ると知りながらも、幸を得る事なく死んだヘレネーの為に、パリスは聖杯を求めるのだ。
今のパリスならば、例え己の愚行を責める事なく受け入れた、敬愛する兄であるヘクトールが相手であっても、僅かの躊躇もせずに矢を射る事だろう。
【方針】
聖杯を取る。手段は選ばない。
パリスは近接戦闘が不得手の為狙撃に徹する。
【聖杯にかける願い】
ヘレネーに幸福を
【外見】
身長165cm・体重65kg
外見はFGOのヘクトールを童顔にした感じ。
ヘクトールのものと同じ鎧を身に着けている。
【マスター】
劉豪軍(リュウ・ホージュン)
【能力・技能】
戴天流:
中国武術の二つの大系のうちの一つ、『内家』に属する武術大系。
型や技法の修練に重きを置き、筋肉や皮膚など人体外部の諸要素を鍛え抜く武術大系である『外功』と対になる武術大系。
外功の“剛”に対する“柔”であり、力に対する心気の技である。体内の氣が生み出すエネルギー“内勁”を駆使することにより、軽く触れただけで相手を跳ね飛ばしたり、武器の鋭利さを増したり、五感を極限まで研ぎ澄ましたりといった超人的な技を発揮するほか、掌法と呼ばれる手技により、掌から発散する内勁によって敵にダメージを与えたり治癒能力を発揮したりもする。
内家功夫は外家功夫より修得が難しく、その深奥に触れうるのはごく一握りの者しかいない。
敵手の“意”を読んで、“意”より遅れて放たれる攻撃を払う事で、“軽きを以って重きを凌ぎ、遅きを以って速きを制す”事が可能となる。
攻撃に際しては、意と同時に刃を繰り出す“一刀如意”の境地により、通常は意に遅れて刃が放たれる為に可能となる事前の察知を、この境地により知ることは不可能としている。
劉豪軍は絶技に開眼してはいないが、練達の武人であり、修得した戴天流の武功は、宝具の効果により、極めた者の其れを遥かに凌駕する。
内功を充分に練らなければ使用だが、内勁の込められた刃が齎すは因果律の破断。凡そ形在るもの全てを斬断する。
サーヴァントという超常存在に対しては効き目が鈍り、鈍刀で斬った様な結果を齎す。つまりは満足に斬れない。
紫電掌 :
特異な練気法で内剄を電磁パルスに変え、掌打として相手の体内に直接撃ち込む対サイボーグ用の絶技。
テクノロジーが戦いの在り方を変えて行く中で、先古の武術体系が生み出した新たなる “功”
生身の徒手空拳でサイボーグを葬る殺戮の絶技(アーツ・オブ・ウォー)
対電磁防護を施された戦闘用サイボーグの神経を瞬時に焼き切る電撃は、生身であっても致命打となる。
黒手裂震破 :
内功掌法の絶技。胸への一撃で五臓六腑を破裂させる。
撃たれると胸に黒い手形が付く。
轟雷功 :
特異な練気法で内剄を電磁パルスに変えて放出、電子機器を焼き切る技。
内功:
呼吸法により丹田に気を練り、全身に巡らせて、森羅万象の気運の流れに身を委ねる技法。
身体能力や五感を向上させる。
使うと内傷を負い、内臓や経絡に損傷を齎す……が、セイバーは義体により内傷を負う事が無い。
この技法を用いねば、戴天流はその真価を発揮しない。
内功は魔力の精製に当たると考えれば、サーヴァントにも有効だろう。
軽身功:
踏み込みの際の瞬発のタイミングと重心移動が根底から異なり、腿を膝を腰を稼働させる腱と筋と血流のリズムを“把握”し“同調”させるだけの集中力によって肉体を駆使する事で人体の運動能力の常識をも覆す技巧。
その速度は複数の残像を伴いながら間合いを詰め、複数人数から同時に攻撃されたと誤認させる程。
床のみならず壁や天井すらも足場として駆け抜け、空を飛び交う自動車ですらもを足場として用いることを可能とする。
劉豪軍にとって、間合いとは存在しないに等しいものである。
義体:
生前の躰であった史上初の内剄駆動型義体の試作品。
人体を完全に再現した義体であり、経穴まで存在する。
この為内功を駆使できるが、義体そのものの性能は、生身より多少丈夫というだけである。
人造器官の強度とパワーで駆使する内功は、内傷を負うことも肉体の限界に縛られることも無い、全ての流派を過去の遺物と劉豪軍に言わしめる究極の義体
内傷の心配無く内剄を巡らせ続ける為に、内傷を負う事なく気を巡らせ続けられる。
絶縁体で構成されている為紫電掌ですら無効化する。
しかし、首筋だけは接続端子がある為電撃が通る。
418: Nihil difficile amanti. ◆/sv130J1Ck :2018/01/21(日) 19:35:18 ID:o7kAABL60
【weapon】
レイピア:
只の鋼だが、内家剣士が用いれば、万象断ち切る魔剣と化す。
【人物背景】
望むならば世界の全てを手に入れる。そう思うほどに愛した妻が実際に愛していたのは自分ではなく実の兄というどうしようもない悲劇。
「兄を愛してるけど、兄は自分が幸せだと本気で思ってるから、自分の思いには気付いて貰えない」
「だから地獄に落ちた自分の姿を見せて、兄を振り向かせたい」
と妻が望んだので、実際に妻を地獄に落として、義兄で有り弟弟子でもある主人公に、妻の気持ちに気づかせようとした。
取り敢えず主人公にマカオで重傷負わせて、妻を仲間四人に輪姦させる。その後妻の脳内情報を全部吸い出して、五体のガイノイド(人間の脳内情報を入力したアンドロイド)に五分割して入力。
そして妻そっくりのガイノイドを自分の手元に置き、残りの4体は仲間に分ける。
うち一人は義兄の事を嫌っていて、女を嬲り殺すのが趣味というロクデナシだが、妻が望んだ事なので無問題。
自分は妻そっくりのろくに反応を返さない人形をひたすらひたすら愛でる。
端麗を模したガイノイドの肌に5mm傷付けられた程度で、傷付けたメイドを原型無くなる力で殴り殺す程にに愛している。
義兄が戻ってくると、仲間四人はおろか、自身が属する組織すらも妻への贄として義兄により壊滅させる。
最後は荒涼と荒れ果てた妻の邸宅で義兄である主人公と決戦。恨み言まじりにネタバレかまして主人公を精神的に嬲りながら刻み殺そうとするも、
絶技に開眼してい主人公と相打ちになって死ぬ。
最後の最後まで主人公に呪詛を吐いていた。
通常アーチャーとして召喚されるパリスがアヴェンジャーとして召喚されたのは此奴の性格と引き合った所為。
CV
鈴置洋孝(旧) 速水奨(新)
【方針】
聖杯を取りに行く、手段は選ばない。義体の仕様上損傷を治す術が無いので無理は禁物。
アヴェンジャーは近接戦闘が不得手の為、マスターである豪軍が戦い、アヴェンジャーが後方から支援を行う事になる。
【ロール】
某チャイニーズマフィアの京都支部のトップ
部下は当然の様に使い潰す
【聖杯にかける願い】
瑞麗に幸を
【参戦時期】
原作終了後
最終更新:2018年01月21日 21:52