白昼の京都に流星が轟いた。
天にて屈折し、地へ降り注ぐ神秘の星。
日常の裏側から着々と表側の世界を食い潰しつつある〝かの儀式〟について無知な者達は、この光をそう認識したことだろう。
だが言わずもがな、現実は違う。
これは星などではない。
一つのヒトガタが擲った、一振りの槍である。
本来は刺突武器であるところの槍を敢えて投擲することで、武器そのものに込められた神秘を外部出力しているのだ。
無論、そんな真似は人間の手ではまず不可能。
必然的に、この流星を作り出した者は、人外の存在であるということになる。
サーヴァント。
男はそう形容される存在であった。
人類史に刻まれる偉業を成した、誉れも高き無双の英雄。
今は時空を超えて仮初の主の下に現界し、主の願いを叶えるべくこうして戦いに明け暮れている。
願い持つ召喚者(マスター)達と、彼らの呼び声に応え英霊の座より馳せ参じたサーヴァント達による血塗られた戦い。
――聖杯戦争。それが、この古都を舞台に繰り広げられている儀式の名だ。
サーヴァントは人間の規格を超えている。
曰く、英霊一体の戦力は戦略爆撃機にも匹敵するという。
そんな存在が意思を持って武力を振るってくるのだから、人間ではまず敵わない。
槍兵(ランサー)のクラスで現界した彼は、誰にでも胸を張って己の強さを誇ることの出来る極限の強者だ。
サーヴァントであるからという、それだけの理由ではない。
彼自身が生前に積み重ねた研鑽、踏んできた場数、成し遂げた功績。
その全てが今、力となって彼を支えているのだ。
弱い筈がない。これで弱いと謗られるなら、世界中に強者の形容を受けるに足る者が一体どれだけ存在するのだ、という話になってしまう。
だが。
「――弱いな、お前」
傲岸不遜に、そう吐き捨てる者があった。
英雄と相対する、巌の如き肉体の巨漢が声の主だ。
その身長は、敵の倍ほどもある。
三メートルオーバーというどう考えても現実的でない身長は、この男が人間由来の英霊ではないということを如実に物語っていた。
英雄が目を瞠る。
バカな、とその口が動く。
英霊の癖に情けないと貶すのはあまりに酷だ。
巌の巨人が彼の必殺に対して行った行動を見れば、誰であれ彼と同じリアクションに到達する。
もしも例外があるとすれば――この巨人と同じレベルの化け物か、敵の力を理解出来ない頭抜けた馬鹿かのどちらかである。
「ランクはB……いや、B+というところか。
見た目だけは美麗だが、しかしそれだけよ。
武具は落第、そして振るう貴様も落第さな。
これしきの技、儂(オレ)の軍では一兵卒でも当たり前に使うていたわ」
巨人の右腕には、盾が握られていた。
彼は先程、敵サーヴァント……ランサーが放った宝具真名解放による投擲をこれで受け止めた。此処までは、良い。
問題はその後だ。真名解放の一撃を受け止めておきながら、一体どれほど力が余っていたのか。
おもむろに受け止めた腕に力を込め、盾を振り抜けば。
野球で言うところの場外ホームランのように、ランサーの得物を遥か彼方まで〝打ち返して〟しまった。
彼方の空に消えていく自分の得物を、ランサーはただ見送るしか出来ない。
やがて彼の口から、絞り出すような声が漏れた。
「……何者なのだ、お前は」。それは事実上、英霊としての敗北宣言にも等しい。
自分にはお前の底は推し測れない。正体に、見当も付かない。
言わずもがなそれは屈服だ。自分はお前より下だと、認める行い。
そうしてでも、ランサーは……無双を誇った英傑は知らねばならぬと思った。
己を完膚なきまでに圧倒し、誇りの一投をゴミのように吹き飛ばし、未だ無傷で君臨するこの暴君が何者なのか。
それを知らぬまま敗残者として舞台を去るなんて、それこそ己の矜持が許さない。
何者なのだ、お前は。何故にそうも強い。何故に、それほど恐れを知らぬ。
その問いかけに、巨人は獰猛な笑みを浮かべて答えた。
盾を握った右腕を天高く振り上げながら――握った盾を機械細工のように、全く別な武器へと変形させながら。
「神だ」
巨人は名乗った。
己を意味する言葉を、堂々と。
聖杯戦争のシステム上、神霊が呼ばれることなどあり得ない。
だが、この巨人を前にすれば理屈抜きに納得してしまう。
少なくとも、ランサーはそうであった。
ああ、そうか――神であったのか、この男は。
そんな納得のままに、これから訪れる運命を受け入れてしまった。
英雄が見せた潔さ。
彼は負けを認め、それを承服した。
その決断に対し巨人が示した反応は――
「……相手が悪かったと諦めるのか。
己の誇りが、研鑽が、芥子粒のように磨り潰されようとしているというのに。
貴様は、拳を握ることもせんのか」
心からの、失望であった。
笑みは消え、隠そうともしない軽蔑の色が双眼に宿る。
業火のような紅を宿した瞳は、しかしながら一切の熱量を持っていなかった。
ぞわりと、英雄の背筋が凍る。歯の根が合わず震え出す。
敗北を認めたのだから恐れるものなど何もない筈なのに、目の前の巨神が恐ろしくて堪らない。
「道理で弱いわけだ。口では英雄を名乗りながら、その性根は匹夫のそれであったとは。
――お前、もう二度と英霊の座から出撃(で)て来るなよ。
闘争を司る者として、戦火を愛する一戦士として、実に不愉快だ」
振り上げた右手の武器は、戟と呼ばれるそれに変化していた。
戟を扱う武人といえば、やはりかの呂布奉先が一番に挙げられるか。
呂布は方天画戟というこの戟の派生武器を握り、数多の敵を薙ぎ払って群雄割拠の時代にその武勇を轟かせた。
しかしながら、呂布奉先も、その他凡百の武将達も、元を辿ればこの巨人が成した功績の恩恵に預かっているに過ぎない。
それは何も、戟の使い手に限った話ではない。
戦斧、盾、弓矢。誰もが当たり前に握ったそれらの武器は、全て一人の神の発明品なのだ。
中華神話にて語られる原初の反乱者。
戦神にして軍神。偉大なる黄帝が心底恐れ、殺した後ですら一瞬も油断を見せなかったという恐るべき暴力装置。
戦乱を愛し、戦乱に愛された男。理想郷の破壊者。人類発展の礎たる、闘争の理を象徴する存在。
「――『戦神五兵(ゴッドフォース・プロトタイプ)』。雑魚は雑魚らしく、惨めな屍を晒すがいい」
――その真名を、蚩尤。六の腕を持ち、魑魅魍魎の軍勢を統べる兵主神である。
蚩尤の一閃は空を切り裂く。
そして、愚かな槍兵の身体を頭頂部から股にかけて両断した。
その余波のみで地面が裂け、木は千切れ、空を飛んでいた小鳥が八つ裂きになって地面に墜ちる。
更に言うなら、腰を抜かして見ていることしか出来なかったランサーのマスターも、ついでのように斬殺死体に変えられていた。
痛みを感じる暇もなく天に召されたのは、せめてもの救いだったと言えよう。
彼らは感謝するべきだ、蚩尤が加虐の趣味を持っていなかったことに。
否――彼が今、その必要性を感じていなかったことに。
「……手応えがない。総じて、ぬるい。
聖杯を持ち帰る為の作業工程とはいえ、あまりに退屈が過ぎるわ。
こんなものかよ、人類史。こんなものかよ、聖杯戦争。
世界は儂の想像以上に、糞にもならん腑抜けで溢れ返っているようだな」
蚩尤に話は通じない。
蚩尤に理屈は通じない。
蚩尤に情は通じない。
蚩尤に、常識は通じない。
この荒ぶる神はそうした諸般の軛の外にある存在だ。
冗談のように強く、冗談のように単純で、冗談のようなことしかしない。
そのことは、彼がマスターを伴うことなく単独で戦いを行っているという事実からも察せるだろう。
そも、蚩尤は召喚のプロセス自体を踏んでいないのだ。
誰もが等しく通るべき行程を丸ごとパスして此処に存在している。
無論、聖杯戦争を仕組んだ者達が狙って呼び出したわけでもない。
ではどうやって、この傍迷惑な神格は異界の聖杯戦争に割り入ったのか?
答えは単純明快。それ故に、いっとう悪夢じみている。
――単独顕現。
誰かに召喚されるのではなく、自ら現世に顕れるスキル。
彼はそれを用いて聖杯戦争へ割り込んだ。
招かれざる客として、堂々と扉を蹴破って。
聖杯を取るのは儂だと、挨拶代わりの蹂躙を振り撒き出したのである。
……とはいえ、流石に何十という平行世界の因果が混線した都へ押し入るのはさしもの彼でも至難だった。
結果的に成功こそしたものの、蚩尤の霊基は大きく劣化し、本来のクラスからも外れてしまっている。
平たく言えば弱体化しているのだった、今の蚩尤は。
「だが、管を巻いても仕方のないこと。
どうせやらねばならぬのなら、楽しんだものが勝ちよ。
まだまだ戦争も序盤。弱者と腑抜けの淘汰が進めば、あの黄帝めに肉薄する強者も出て来るやもしれん。見限るには、ちと早計だな」
蚩尤は何も嗜好品として聖杯を求めているわけではない。
彼もまた、願い抱く者の一人なのだ。このナリと、この性格で。
彼には誰にも譲れない願いがある。
そして彼は、自分の願いこそ最も尊く切実なものであると確信していた。
聖杯を使わなければ、全知全能の神でもない限り決して叶えられない理想。
創り出したい景色。成し遂げたい――勝利(リベンジ)。
「儂は蘇ったぞ……黄帝よ。我が唯一無二の好敵手よ」
蚩尤は、再戦がしたいのである。
かつて自分を激戦の末に破り、処刑した男。
偉大なる黄帝と再び相見え、今度こそあの男を破りたい。
しかし黄帝は不死身ではない。蚩尤が朽ちたように、黄帝もまた時代の流れと共にこの世を去った。
そして恐らくは英霊の座に登録され、安らかな時を過ごしているのだろう。
それでは困るのだ。
まず黄帝には、己と同じく現世に蘇ってもらう必要がある。
もう、お分かりだろう。蚩尤の願いとは――黄帝の受肉。
自分を打ち負かした好敵手を、聖杯の力で蘇らせることに他ならない。
「儂とお前の戦が不格好なものであっていい道理はない。
武器も、軍勢も、全て儂が揃えよう。望むならば現代に雌伏した神秘も引きずり出して来よう。
その上で――心置きなく再戦と洒落込もうではないか!
星の全てを巻き込みながら、空前絶後の大戦争を楽しもうぞ!!」
たとえそれで地上の全てが更地になろうと、構わない。
慣れ親しんだ得物から現代の戦場を席巻する兵器の山、核爆弾なる大量殺戮兵器、その全てを使った決戦を始めるのだ。
戦争などという言葉では足りない。
――大戦争を。
――どちらかが斃れるまで終わらない、史上最大の大戦争を。
それこそが、蚩尤の願い。
零落した獣が持つ、恋する生娘のように純粋な願望だ。
それだけに救いようがない。
混じり気のない純粋な願いは歪まない。
蚩尤が京にある限り、その願いが揺らぐことはあり得ない。
これはまさしく全ての英霊にとっての悪夢。
七十二の宝具を持つ闘争の化身は、高らかに哄笑の音色を響かせた。
▼ ▼ ▼
闘争――それは人を殺す。文明を壊す。
積み上げてきたものを真っ平らに変えて、ゼロの地平を作り出す悪徳だ。
土地の奪い合い、宗教間の対立、果てには個人同士の諍いから。
人類は数え切れない回数の闘争を繰り返してきた。
人の歴史は、闘争の歴史だ。そう断じたとして、一体誰が異論を唱えられようか。
しかしながら、目を背けてはならない。
人を育ててきたのは、常に闘争であった。
闘争は人に教訓を与え、技術を与える。
人類は闘争から幾度となく恩恵を受け取ってきた。
ゴミのように散乱する人命と引き換えに、多数の幸福を成り立たせてきた。
蚩尤は弱者を嫌うが、人類の可能性を愛している。
かつて黄帝が自分にしてみせたように、人にはどんな強大な壁も打ち壊す力が備わっていると信じている。
闘争から生まれる勝利、敗北、犠牲――その他あらゆるものを糧にどこまでも強くなれる生き物であると、確信すらしているのだ。
以上の本性を以って、彼のクラスは決定される。戦の神など偽りの名。
其は人間が倣った、人類史を最も肥え太らせた大災害。
その名を――――
【CLASS】ライダー
【真名】蚩尤
【出典】中国神話
【性別】男性
【身長・体重】350cm・325kg
【属性】混沌・悪
【ステータス】
筋力A 耐久A 敏捷C 魔力A++ 幸運C 宝具EX
【クラス別スキル】
対魔力:A
A以下の魔術は全てキャンセル。
事実上、魔術ではライダーに傷をつけられない。
騎乗:EX
軍神としての特権。
戦乱のある場所を仔細に感知し、流れに乗り損ねるということがない。
戦の波を乗りこなすという特性故にランクは規格外。
性質としては、戦乱限定の高ランク千里眼に近い。
【固有スキル】
神性:A+
神霊適性を持つかどうか。高いほどより物質的な神霊との混血とされる。
サーヴァントに型落ちしているとはいえ、ライダーは最高ランクの適性を持つ。
単独顕現:E
単体で現世に現れるスキル。並行世界や時間逆行等の攻撃にも耐性を持つ、いわば運命即死耐性。
ライダーはそもそもこのスキルによって聖杯戦争に参戦している為、マスターを必要としない。
獣の権能:D
とあるクラスのスキル。対人類、とも。そのクラスの時はAだが、ライダーに変化するとDランクまで落ちる。
ネガ・アルカディア:A
争いのなき世界を、絶対に実現させない存在。
秩序属性と善属性のサーヴァントに与えるダメージが常に上昇し、〝戦闘を行わせない〟スキルや宝具の全てを自動で無効化する。
反骨の相:EX
中華神話において、初めて反乱という行為を行った存在とされる。
相手が保有するカリスマや魅了などのスキルをランクに関わらず完全に無効化する。
魔力放出(気象):A+
黄帝との戦いで用いた気象操作能力。
桁外れの魔力を自在に放出、操作して〝天〟を味方に付ける。
霧、煙、雨、雷と手札の数は非常に多いが、唯一太陽光を操ることだけは出来ない。
勇猛:A
威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。
また、格闘ダメージを向上させる効果もある。
【宝具】
『武神蚩尤七十二柱(エルダーフォース・ウォーゴッド)』
ランク:EX 種別:概念宝具 レンジ:不定 最大捕捉:不定
ライダーには、自身と全く同じ姿・技を持った72人の兄弟が居たとされている。
だが、これは間違い。彼らはライダーが自身の闘争心を72等分に切り分け、分離させ、一つ一つの塊に命と人格を吹き込んだ戦闘人形(オートマタ)に過ぎない。
これらは今はライダーの内へと戻り霊基と合一化しているが、〝72の兄弟を率いた逸話〟と五大兵器を開発した〝武器の創造主としての権能〟が混ざり合うことで、一つの凶悪な概念宝具として成立するに至った。
ライダーは任意で英霊の座に登録されている英霊を選択し、その宝具を自身の武器として使用することが出来る。一度登録した宝具は聖杯戦争が終結するまでの間、魔力さえあれば何度でも使用可能。
ただしEXランクの宝具は選択出来ず、それ未満のものでも、用途が攻撃以外の宝具は登録しても扱えない。これはあくまで蚩尤という神が戦神、闘争を司る神格である為。
また、宝具に付随する追加効果が発動するか否か、その効力がどの程度かはライダーと元の所有者の相性によって決定される。この相性はライダーの完全な主観で決まるから質が悪い。
登録できる宝具の限界数は彼が作り出した人形の総数と同じ72。一度登録した宝具は削除出来ず、スロットが埋まってもその上から上書きして別な宝具を使う、といった芸当も不可能。更に特筆すべき点として、聖杯戦争が行われている時代、舞台となる世界に持ち主が存在する宝具はそもそも選択不可能となる。
間違いなく反則級の性能を誇る宝具だが、ライダーはステータスの通り非常に高いステータスを持つサーヴァントである為、低ランクサーヴァントの宝具を持ち出そうが自動的にトップサーヴァント級の出力となるなど性能に一切穴が存在しない。偉大なる武器を生み出し、大いなる闘争を司る神が保有する〝人類史の弾薬庫〟。
『戦神五兵(ゴッドフォース・プロトタイプ)』
ランク:A+ 種別:対人・対軍・対城宝具 レンジ:1~40 最大捕捉:1~50人
ライダーが開発したとされる五つの兵器群。
彼は神としての姿では六本の腕を持ち、その全てにそれぞれ異なる武器を持っていたとされる。
サーヴァントとして現界した彼は二本の腕しか持たない為、それに合わせて武器の形状も変化。
デフォルトでは戈の形を取っているが、彼の意思一つで戟、鉞、楯、弓矢に変形する。
状況や敵に応じて使い分けることでライダーは常に膨大な選択肢を有し、そこから極限の技量を以って繰り出される攻撃はいずれも敵にとって恐るべき脅威となる。
真名を解放することで対軍宝具としての威力を発揮。五種全ての性質を内包した大火力砲撃を行い、敵陣を殲滅する。
余談だが、自由自在に形態を変化させるマルチプルウェポンというコンセプトは彼が一から考え出したものではなく、さる超軍師がとある英傑の為に考案した中華ガジェットの仕組みを参考に再設計したものである。本人曰く、『是非とも儂の傘下に加えたい頭脳とセンス』らしい。
【マテリアル】
蚩尤。中国神話に登場する軍神。銅の頭に鉄の額を持ち、人の身体に牛頭と鳥蹄が備わっているという。
中国神話における最初の〝反逆者〟であり、五兵と呼ばれる兵器を開発した武具の祖でもある存在。
その性格は勇猛の一言に尽きる。いかなる苦痛も障害も無視して、全部終わらせた後でようやく後ろを振り返るたぐいの人物。
だが善性の存在では決してなく、戦いに無辜の民を巻き込もうが一切斟酌しない。それで相手が憤り、更に力を増すなら喜んで虐殺に走る。
古代中国の帝であった黄帝から玉座を奪うべく帝楡罔の代に乱を起こし、自身の漲る闘争心を外部に出力することで生み出した72体の兄弟と数え切れないほどの魑魅魍魎を率いてかの皇帝と戦った。
互いに手を尽くしての激戦の果て、蚩尤は黄帝に敗れて処刑されたが、黄帝は蚩尤が蘇って再び戦を仕掛けてくるのではないかと恐れ、彼の首と身体を遠く離れた別々の場所に埋めさせたという。
彼の行動原理は闘争。全てはそれに集約される。黄帝に反乱を起こしたのも、実は彼と後先を考えない総力戦がしてみたいからというだけの理由であった。
そんな気性は処刑されてなお微塵も変わっておらず、それどころか敗北の味を知ったことでより一層闘争への欲求が高まっている始末。
彼は好き勝手に聖杯戦争を荒らし回るだろうが、その最終目的は唯一無二の好敵手・黄帝との再戦。聖杯を使ってお互いが過去、現在、未来から取り寄せた至高の兵器と軍を有する状態を作り出し、その上で空前絶後の大戦争を行う気でいる。もちろん、黄帝の意思は聞いていない。
今回の聖杯戦争では単独顕現スキルによりマスター無しで現界。複数世界の因果が混線した京都に入り込む負担は大きく、霊基の劣化とクラスの強制変更というある種の損傷を負っている。その為、前述した神としての異形の姿ではなく、人間に近い姿と身なりでの現界となっている。
【Weapon】
『軍神五兵(ゴッドフォース・プロトタイプ)』
【外見的特徴】
くすんだ黄金色の逆立った頭髪が特徴的な、人外じみた背丈の巨漢。
肉体は巌のように引き締まっており、軽く小突いただけでも鉄が罅割れる。
両肩部分にそれぞれ牛の頭蓋骨があしらわれた、真紅の外套を着用。
【聖杯にかける願い】
黄帝を蘇らせ、互いに最高の戦力を持った状態で、空前絶後の大戦争と洒落込む
最終更新:2018年01月25日 21:42