寺が多く点在する京都だが、カトリック、プロテスタントの教会も意外と多く建設されている。
その中の一つ、祭壇の前で跪き首を垂れ、祈る少年がいた。
静寂の中、身じろぎ一つせず両手を握り、瞼を閉じている。
「何を祈っているのですか、アーチャーさん?」
少年の背後にいた、髪をツーサイドアップにした少女が静寂を破り、少年――自身のサーヴァントであるアーチャーに話しかけた。
アーチャーは立ち上がり、少女に向かい合った。
「遥。祈りなど戦場では死の恐怖を薄めさせるくらいしか役に立たないさ。両方が神に祈れば結局は力の強い方が勝つだけだろう。
僕はこれから始まる戦争を思い、気が昂りすぎていたから、心を静めていただけだ」
アーチャーは自分のマスターである遠山遥に対し、涼やかな笑顔でそう説明した。
「だがね」
と、静かな面持ちだったアーチャーの表情が一変。目は鋭く覇気に満ち、唇は歯をむき出しにする。さながら獅子の如く。
「これから古今東西の英傑たちと矛を交えると思うと、実に心躍る。鎮めようとしても無駄な事さ」
アーチャーは右手を胸の位置まで上げ、強く握りしめた。
「生前から戦い続けても、やっぱり戦争に飽きることは無いんですか?」
遥が尋ねると、アーチャーは自嘲するように唇を歪め、腰に差した剣を抜き放ち切っ先を向け、そこから覇気を遥に対し放った。
「遥、生前から僕は常にこの剣で戦う事しか、四六時中戦争に勝つことしか頭にない戦狂いだ。統治に才が無ければ興味も無い。
そんな俺にとって、戦争のみに集中できるこの聖杯戦争は望むところなのさ」
アーチャーは剣を鞘に納めたが、覇気はいささかも緩めなかった。
それは生涯を戦に費やした、正に戦鬼の答えであった。
「アーチャーさん。私がこの聖杯戦争で望むのは誰も殺さず、殺されずに聖杯戦争を終わらせる事です」
遥はそんなアーチャーの覇気を前に、ひるむことなく自らの不殺主義の願いを口にした。
「……愚かしい願いだ」
アーチャーは、侮蔑を込めてその言葉を一蹴した。
「戦争でどうして人を殺さずに勝利できる? 人を殺さずにどうして他人どころか自分を救えると思えるのだ?」
「人を殺さなくても、人を救い、勝利してきた人を私はたくさん見てきました、それに――」
遥は一度息を切った。
「このまま戦い続けた場合、誰も勝者がいない『全滅の未来しか見えません』。
だから、私は殺すことでしか願いが叶わない――そう人を誘惑して互いに殺し合わせる、この聖杯戦争に対して戦います」
「『全滅の未来』。それはお前の予知によるものか?」
アーチャーは他者からすれば信じがたい台詞を吐き、遥は確信をもって頷いた。
そう、遠山遥は的中率9割を超える本物の予知能力者である。
未来視と呼ばれる異能者が実在する事は、アーチャーも時空を超えた知識から与えられている。
だからこそ、真実か確かめるため、召喚されて事実を明かされた時、服を浅く切りつけるつもりで抜き付けた。
だが、遥は斬撃の軌道から事前に逃れていた。
続いてアーチャーは肩口を皮膚だけ傷つけるつもりで突きを放った。
次も遥はわずかに身を引いだだけで、切っ先を届かなくさせた。
最後にアーチャーは全力で真っ向からの唐竹割り。ただし寸止めのつもりである。
今度は遥は動かなかった。正にアーチャーが剣を止めると分かっていた、そう信じた瞳だった。
これでアーチャーも、遥の予知能力が本物だと信じざるを得なくなった。
数刻の静寂。先に口を開いたのはアーチャーだった。
「お前の願いは愚かしい、だが私を前にしてそれだけの台詞を吐く勇気は買おう。
だが、状況が千変万外する戦争では、流れ矢で人が死ぬなど茶飯事だ。ことに私の宝具ならばその可能性は大だ」
「確かにそうかもしれません」
遥はアーチャーより、所持する三種の宝具の具体的内容を説明されていた。
その内の第一宝具は、対軍宝具の上、爆発により無辜の人々が巻き込まれる可能性はかなり大きい。
「でも、犠牲者を限りなく少なくする方法はあります」
例えば遥がマスターとサーヴァントが離れて行動する、またはマスターが孤立する状況を予知。
アーチャーの第一宝具をマスターの位置にセットし、爆殺する。
それを繰り返して最終的な勝者になる方が結果的に犠牲者は少なくなるかもしれない。
「だけど、貴方はそんな勝ち方を望まないでしょう?」
遥のその問いに、アーチャーは頭を手で押さえ、優雅といえる態度で笑い出した。
「フフフ……ハッハッハッ! そう、その通りだ! 謀略奇襲大いに結構! だが結果として勝利を得ればいいというものじゃない!
僕はサーヴァントと戦い、勝利したいのだ!」
「騎士として誓ってください。私が指示した場合は殺害をしない、と」
「それだけでいいのか? 令呪で強制しないのか? 僕はその場しのぎで誓うと言い、実際は契約など無視するかもしれないぞ?」
「あなたは騎士としての誓いは決して破りません」
遥は間髪入れずに答えた。
アーチャーは、一瞬驚いた様に遥をまじまじと見つめ、親指を下顎に当てくつくつと笑い出した。
「成程。予知能力者に嘘は通じないか」
そう呟いたアーチャーは笑顔から一転、生真面目な顔を作り遥に問いただした。
「……遥。お前に戦を教えたのは何者だ?」
「え?」
「とぼけるな、俺を前にこの肝の据わり様。僕がお前と同じ13歳の時でさえ、これだけの受け答えができたかどうか。
お前、どこかで実戦を経験しているな?」
アーチャーの問いに遥は答えた。剣の達人で、凶暴で、自称一般社会不適合者と公言してはばからない変人、そして偏狭ながら苛烈な正義感の持ち主である『彼』、土方護の事を。
そして彼と共に歩み、戦いを教わり、見届けた日々を。
「中々興味深いな、そのサムライは。しかしお前に予知能力があり、サムライに指導者の才があったとしてもそう簡単に実戦の心構えが理解できる訳ないだろう。
最低でもお前がそいつを全面的に信頼する必要があるはずだ。何がお前をそうさせた?」
「それは…………その人は、私の未来の旦那様なんです」
「…………はあ? 何? それもお前の予知によるものなのか?」
「……はい」
遥は顔を真っ赤にして答えた。
「……私は、以前自分の予知から逃げた事があります。もしかしたら助けられたかもしれないのに」
遥は俯き、目尻に涙を浮かべて話し始めた。
その未来は自分の両親が殺害される未来。自分の家に戻った時、囚われていた二人が遥の目の前で殺される。
それを見た遥は、家から離れようとしたが、結局捕まってしまった。
「私はもう逃げたくない。やれることがあるのなら、その手段があるなら未来に向かって戦います。
何より護さんに負けないために、私の未来を覆せる護さんに釣り合うためにも、私が諦めたままでいる事なんてできないんです」
正面からアーチャーの瞳を見つめた遥の答えに対し、アーチャーは一瞬呆けたような顔をしたが、胸を反り、教会に響き渡るほど高笑いをした。
「面白い、面白いぞ遥! お前の戦に対する非現実な望みが、真坂婚姻などに繋がるとは! そいつは俺と違った意味でいかれてるぞ!
私も妻とは恋愛の末、結婚した! 恋愛は男女の真剣勝負と思えば、これもまた一つの戦の形といえるかもな!
良いだろう! お前がどこまで不殺などという主義を保ち続けられるか、共に戦う事で見届けてやる!」
アーチャーは両手を広げ、優美華麗にして熱意気迫に満ちた表情を遥に見せつけた。
遥はアーチャーが笑う姿を前にして、全身がまるで針が混ざった強烈な風で叩き付けられたかのような、痺れる感触を味わっていた。
これが闘気というものだろうか。武術の小手先程度をつまんだ遥でも、はっきりと感じ取れる程の圧迫感がアーチャーより発せられている。
「それは私の不殺主義に従ってくれるという事ですか?」
「ああ。だがな、サーヴァントはこの世の影法師。ゆえにお前の不殺の誓いとは別と考えてもらおう。しかしマスターはお前の指示に従い、よほどのことが無ければ殺さないさ」
「有難うございます。私のわがままを聞いて頂いて」
「ふん、わがままなど、およそマスターらしくない台詞だ」
この当りが限界かもしれない。遥は内心でほっと一息ついた。
なぜ、長々と自分の事情まで説明して意思疎通を図ったか。それは遥が見た未来による。
令呪を使って強引に命令したとしたら、どこかで指示を無視し勝手な行動にでる。即座にではなくても、いずれ価値観の違いが相互不信を生み、やはり殺戮に走る。そんな未来が見えた。
だからこそ、戦争が始まる前に説得で、遥の主義をある程度理解してもらい、歩み寄ってもらう必要があったのだ。
「では、行きましょう。この聖杯戦争に戦いを挑むために」
教会の出口に向かう遥に対し、アーチャーは「待て」と呼び止めた。
「戦争を始める前に、お前に一つサーヴァントとして望みがある。そんな他人行儀な態度を止めて、私の主君として振る舞え。
所詮我が身はサーヴァント。マスターの盾となり、剣となるものだ。俺を従えるからには、それなりの器量を示してもらわなければな」
遥は振り向いてアーチャーを見返し、深く一呼吸して精彩に富み、かつ緊張感が入り混じった表情を作り、アーチャーに掌を向けた。
「……では命じます。アーチャー、私の願い、全員が生き残るという勝利を叶えるために戦ってください」
その声でアーチャーは穏やかな笑みを浮かべ頷き、片膝をついて首を垂れた。
「Yes,Your Majesty. 我が君、遠山遥よ。エドワード・オブ・ウッドストックの名に誓い、貴方に勝利を捧げよう」
エドワード・オブ・ウッドストック。後世の通称は『エドワード黒太子』。
イングランドとフランスの『百年戦争』の発端を作ったエドワード三世の嫡子にして、敵国の王を捕虜にするなど幾多もの功績を上げた戦争の天才。
騎士や騎士道が形骸化しかけた時代で『騎士道精神の体現者』と称えられながらも、虐殺に手を染め、占領地で放蕩生活を続けた男。
その本性は戦争と決闘と勝利のみを追い求めた『戦鬼』。
二人をステンドグラスを通した光が照らす。
まるでいつか遥が予知で見た、結婚式の風景の様に。
これもまた別の形の『死が二人を分かつまで』の誓いであった。
【CLASS】
アーチャー
【真名】
エドワード・オブ・ウッドストック(エドワード黒太子)
【出典】
史実
【マスター】
遠山遥
【性別】
男性
【身長・体重】
176cm・65kg
【属性】
秩序・悪
【ステータス】
筋力B 耐久C 敏捷B 魔力C 幸運D 宝具B
【クラス別能力】
対魔力:C
第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。
単独行動:A
マスター不在でも行動できる。
ただし、宝具の使用などの膨大な魔力を必要とする場合は、マスターのバックアップが必要。
【固有スキル】
カリスマ:C-
軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。
一軍の将として、また一国の王子としては十分以上の器量と言えるが、その苛烈な振る舞いは、時に他者からの過剰な敵意を招く事になる。
軍略:C+
一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感力。
自らの対軍宝具の行使や、逆に相手の対軍宝具に対処する場合に有利な補正が与えられる。
手段を択ばぬ奇襲攻撃や無慈悲な殲滅戦に優れる。
プリンス・オブ・ウェールズの羽根:EX
現代まで受け継がれているウェールズの象徴。その原型。
『私は仕える(Ich dien)』のモットーにより、マスターの命に従う限り、通常以上に増幅された魔力が供給される。
また、マスターの元で『Ich dien』の宣言をし、身を改めて仕えるという儀式を行う事で、状態を初期化してデバフ、状態異常や契約、魔術、呪いを解除する。
【宝具】
『覇道を進む平和の紋章(アージェント・フェザーズ)』
ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000人
普段はロングソードの形をとり、柄頭に『黒太子のルビー』と呼ばれるスピネルが填め込まれている。
真名解放により柄は腕輪に、刀身は300枚の銀の羽に変化し宙に舞い、号令により砲弾の如く敵に襲い掛かり、意図したタイミングで爆破可能。
自在に操作できるため、ある地点に這う様に設置して罠としても活用できる。
羽一枚一枚の爆発は戦車砲並の破壊力を持ち、さらにこの爆破は『不壊』の概念が込められている『黒太子のルビー』の効果により、羽が破壊されず連発できる『壊れた幻想』。
そのため威力に対し、使用する魔力は全ての羽を含めても宝具Eランク相当と驚くほど少ない。
また、応用として剣の状態のまま、斬撃が命中した瞬間に爆破したり、振り抜いた時、爆風を扇状に広げ敵陣を蹂躙する事も可能。疑似的な魔力放出といえる。
クレシーの戦いで大砲をヨーロッパの戦争では初めて野戦に使用、ポワティエの戦いで長弓兵を巧みに用いて勝利した史実と、彼が所有した『黒太子のルビー』。
そして彼の紋章『平和のシールド』が融合した宝具。
『思い邪なる者に災いあれ(オーダー・オブ・ガーター)』
ランク:B 種別:対人(自身)宝具 レンジ:1~20 最大補足:50人
『黒太子』の異名の由来になった、その身に纏う黒い鎧。
自身に向けられた“敵意”“悪意”を吸収して己の魔力に変換する。
殺意や憎悪、果ては呪詛や怨念に至るまで、レンジ内におけるセイバーに対する“悪意”は等しくセイバーの糧となる。
結果として精神干渉への防御ともなっている。ただし『友好』『誘惑』といった“好意”に対しては無効。
更に真名開放と共に鎧とセットになる『戦いの盾(シールド・オブ・ウォー)』が出現し、彼が指揮できるガーター騎士団13名の加護により狂化:A並のステータスアップが為される。
『王を射抜く平和の紋章(シールド・フォー・ピース)』
ランク:B++ 種別:対人宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:3人
『覇道を進む平和の紋章』で変化した羽を、巨大な3枚の羽に集合形成し電磁投射砲のごとき勢いで放つ奥の手。
補足人数は減ったが羽が密集、融合している分破壊力、爆破の威力は桁外れに向上している。
さらに、対王特攻効果あり。
【Weapon】
無銘・騎乗槍(ランス)
『覇道を進む平和の紋章』
『思い邪なる者に災いあれ』
【特徴】
金髪碧眼の美形で中背の少年。目の鋭さと瞳に込められた熱が旺盛な生命力を主張している。
長ズボンに革靴、白いシャツの様な上着に黒いマントを羽織っている。腰には宝具を佩いている。
【解説】
百年戦争の発端を作ったイングランド王、エドワード三世の嫡子『プリンス・オブ・ウェールズ』。
黒い鎧を身に付けていたことから、通称エドワード黒太子と呼ばれる。
16歳で初陣を飾り、クレシーの戦いやポワティエの戦いを始めとした、百年戦争前期における主要な戦争殆どに参加し、その全てで勝利した戦争の天才。
ポワティエの戦いでは捕虜にしたフランス王ジャン2世に対し、臣従の礼をもって遇したことから『中世騎士の鑑』とも言われる。
その一方でリモージュ包囲戦での民間人虐殺や占領地での放蕩生活など無慈悲な一面も多々あった。
最後はスペイン遠征の際に黒死病に罹患し、帰国するも父王よりも早く逝去。享年45歳。
騎士道に基づき騎士として振る舞う事を旨とするが、必要とあらば虐殺も躊躇わず、戦場では神の祈りや騎士道など利用できなければ意味がないと嘲笑う。
戦争では勝利に執着し、奇襲や謀略も用いるが結果としての勝利ではなく、戦いでの勝利にこだわる。
合理的な現実主義者でありながら観念主義者であるという矛盾した性格の持ち主。その矛盾は自嘲という形で現れる。
今回の聖杯戦争では、マスターとの相性により16歳の初陣当時の姿で現界した。
その影響で壮年期の記憶に実感が薄く、一人称が「僕」「俺」「私」とその場の流れで変わる。
かなり低燃費のサーヴァントで、魔力供給は一般人の遥でも問題は無い。
三度の飯より戦好きであるが、それはそれ。パーティーや旨い料理、酒も大好き。金銭感覚は禁治産者レベル。享楽的で魔力より金がかかるタイプである。
流石に戦争中には料理など関係なく、敵と戦う事に高揚を覚え、勝利に最大の価値を見出す戦鬼である。
【サーヴァントとしての願い】
『聖杯戦争』で望むのは、闘争と勝利。
『聖杯』に望むのは、アーサー王、ジャンヌ・ダルクと互いに軍を率いての戦争。
【マスター】
遠山遥@死が二人を分かつまで
【能力・技能】
予知能力
的中率9割を超える本物の予知能力。
正確には高度な予測能力と呼ぶべきで、同程度の可能性なら複数の未来が見えるし、外れる事もある。
特にサーヴァントの様な超人相手だと、遥の感覚では生存可能性を取り合い瞬時の判断で予知を覆す行動を起こすため、刻々と目まぐるしく未来が変化し、精度も下がる。
また、遥の視覚に影響されるので、透明人間など遥に見えない相手だと予知が狂う。
トレッキング
数か月山歩きをしていたので、意外と足が速くスタミナもある。
身のあたり
武術の師匠から唯一教わった肩からの当身。まともに当たれば大人一人弾き飛ばす威力がある。
指揮能力
予知能力を用いて、適切な場所に適切なタイミングで適切な戦力を投入できる。
【人物背景】
平凡な両親から何の因果か、超能力をその身に宿してしまった少女。
幼い頃から自分の予知能力を自覚しており、交通事故を防いだり、高額の宝くじを連続で当てたりしていた。
そんな彼女が常に見えるのは、血まみれで刀を持った男の姿。
始めは恐怖で目をそらしていたが、だんだんと目が慣れてゆくと、その男は誰かを守ろうとしている事が分かってきた。
予知能力という簡単に大金を産み出し、あわよくば世界情勢まで動かせる能力を持つ彼女を表社会の企業や裏社会の連中がほおっておくわけが無く、とある帰宅途中、両親が殺害される未来を予知し、途中で引き返そうとするがヤクザ連中にさらわれてしまう。
だが、一瞬のスキを突き、予知で見た男に助けを求める。
その男は土方護。予知で誰かを守ろうとしていた剣士。遠い未来の僅かな可能性、大人になった自分と、教会で結婚式を挙げる姿を見た将来の伴侶。
二人合わせて6億ドルという莫大な賞金を懸けられると予知していても、世界中の傭兵、軍人、賞金稼ぎから護しか自分を守れないと確信し、彼と「死が二人を分かつまで」の契約を結び、互いに立ち向かうようになる。
性格は周りが自分を保護する大人連中の為、おとなしく振る舞っているが本来はかなりお転婆で、こうと決めたら頑として貫く意志の強さがある。
戦いの途中では予知が狂い、覆されるとパニックに陥り、自己嫌悪に陥る事もしばしばだったが、戦場での経験や傭兵、超人達の影響で状況から目をそらさず強く自分の意志を表に出すようになった。
犯罪被害者を母体としたヴィジランテグループ「エレメンツ・ネットワーク」に正式に所属してからは、予知能力を生かし指揮官の才を開花させつつある。
この遥は最終回後、護が数年後結婚を申し出てくるまでの間である。
【ロール】
東京の親元から離れ、転校してきた一人暮らしの高校生。
億単位の貯金がある。
【マスターとしての願い】
誰も殺さず、殺されずに聖杯戦争を終わらせる。
そして、何より元の世界に戻る。
最終更新:2018年03月01日 22:50