魅上照&アサシン

神は死んだ。
命を落とされたわけではない。
ただ、もう高潔で善良な神の姿はそこになく、ただ落ちぶれた犯罪者の姿があるだけだった。
涙がにじみ、視界を揺らがす。
失意と絶望が胸を焦がす。
衝動の赴くままに懐から取り出したペンを心臓へ……


-魅上照 ノートを偽物と疑う事も本物かどうか試す事もなく、2010年1月28日13時10分YB倉庫内にノートを持ち込み、信奉するキラの醜態に絶望し自殺-


「その未来、殺してやろう」

さくり、とあっけない音を立てて何かが死んだ気配。
空間そのものが切り裂かれたような、世界の在り方が剪定されたような感覚を覚えた瞬間、魅上の世界が一変する。
足元が消えてなくなる浮遊感、そしてまるで夢の中のようにいつまでも、どこまでも落下していく。
……地に足が着いた。
まるで重力がないようにゆっくりと着地したその場所には何もない。
ただ無限に虚無が広がる空間で、360度全て地平線の彼方まで見渡せる。

何が起きたのか。
まさかここが死後の世界だとでもいうのか。
混乱する魅上に答えを示すようにするり、と一つの異物が世界に混ざる。
黒い背表紙に英字でタイトルの書かれた、魅上にとって見覚えのありすぎるノートがそこに突如現れた。

「面白い宝具だ。死の未来を確定させる死神の手帳か。だが本来カタチのない未来にカタチを与えるなど愚の骨頂。
 不明確であるゆえの無敵さを失えば、この眼に殺されるのは必然よの」

さらに失笑混じりの声がどこからか響く。
それに呼応するようにざくざく、とノートが切り刻まれていく。
魅上が丁寧に書き込んだ名前も死因も、全て粉微塵に裂かれただの点と線の集合体へと還っていく。
……ふわ、と刻まれたページが宙に舞った。
点と線の書かれた紙片が引かれ合うように集まり、紋様を描くように連なっていく。
魅上には、描かれているそれが名前だと何となく感じられた。死神の眼を介して様々な文化圏の名前を目にしたためだろうか。
事実、それは名前であった。
デスノートの機能を殺し、無記名霊基へと変じさせ、そこに古代のルーン文字で自らの名を刻み、一柱の神が顕現しようとしているのだ。

――――――ノートに名が書かれた。それと同時に一つの影が像を結ぶ。

「探したぞ。余と共に死を見つめることのできる、死神の使徒よ。貴様が余のマスターだ」

現れたのは学ランを着て、両目を帯のようなもので隠した一人の男。
学ラン……魅上の常識で考えると目の前の男は学生ということになる。
だとするなら重厚なその口調もティーンエイジによくあるカッコつけと考えるのが妥当だが、それにしては妙に堂に入っていた。
纏う雰囲気も只人とは思えない。そしてもう一つ、魅上の眼に異変が見えた……正確には見えるはずのものが見えなかった。

(死神の眼に、名も寿命も見えない)

目元を帯で隠しているからかと最初は思った。
サングラス程度ならばともかく、顔がはっきり見えなければ死神の眼は効果を発揮しない。
だが、これは何となくそういう理由ではないのだと魅上には感じられた。

死神の眼の干渉を何らかの形で受けないものは魅上の知る限り二種類。
一つは魅上をはじめとしたデスノートの保持者。それならば寿命が死神の眼で読み取れなくなる。
そしてもう一つは

「死神か?お前は」

死神。デスノートの本来の所持者。
ノートによって殺す側に立ち続ける彼の者たちは、死神の眼を以てしても真名も寿命も露わにすることはない。
リュークという魅上に憑いていた死神に比べれば目の前の少年は人間風の見ためをしているが、化生染みた雰囲気は死神のそれに近い。
異様な登場の仕方もあって死神だろうと口にしたのだが、それに少年は嗤って答えた。

「死神か。些か不敬ではあるが、まあ間違ってはおらぬ」

目元が見えないので表情は読みにくいが、歪ませた口元からさほど強い悪意は伝わってこない。
すぐに言の葉を継ごうとしたようだが、そんな緩んだ唇が自らの名を滑らせるのは気に食わぬ、と言わんばかりに表情が引き締まった。
そしてまるで話すのに不慣れなようにゆっくりと間をおいてから少年は名乗りを上げる。

「我が名はバロール。ダーナ神族を支配した、死に等しき魔神である」

死神など木っ端。我が名を見知ったか。
そんな自信にあふれた宣言だった。

バロール。ケルト神話に登場する神の一柱、くらいの知識は魅上も持ち合わせている。
年頃の少年のたわ言、と常人なら切って捨ててもおかしくはない内容だ。
だが魅上には死神やデスノートという超常の存在に触れた経験があった。
目前の少年、いや見た目に反して老練な空気を纏う男はそれらと比してなお上位のモノであると思わせるナニかがある。

困惑、しかしその中に確かに喜びがある。
かつて身を焦がすほどに憧れたキラと接点を持った時と同じような感覚が魅上の内に駆ける。

「むぅ……か、神としての証明などは……?」

当惑混じり、興奮混じりでいつか口にしたような問いが口をついて出る。
バロールは不遜とも言えるその問いに再び笑みを深めて答えた。

「余の権能を知りたいと申すか……よかろう。マスターであれば当然の問いよな」

そう答えながら左手の袖を捲ると、右手の人差し指で文字を描くようになぞる。
光る文字のようなものが刻まれると、その部位の皮膚が蠢く。まるで泥が泡立つように膨れ上がっていき、しばらくするとそれは数匹の蛇になってバロールの腕から飛び出した。

「一つは『獣』。この体に宿した混沌の残渣をもとに使い魔を生み出す。ティアマト母神のようには出来ぬが、斥候には十分よ」

飛び出した蛇が這いまわり、刻まれたデスノートの紙片をかき集めてくる。
それがバロールの周りに小さな山を築き始めたあたりで、また指を走らせ今度は空中に文字を刻んだ。
文字に呼応して今度は小規模な旋風が巻き起こった。

「一つは『風』。言っておくがこの程度ではないぞ。嵐を起こし、病を運び、死をもたらす災害よ」

風で紙片がまとまって舞い上がり、魅上の視界に入る。
そこに魅上の書いた覚えのない、魅上照自身の死の運命が書かれているのも。

-魅上照 ノートを偽物と疑う事も本物かどうか試す事もなく、2010年1月28日13時10分YB倉庫内にノートを持ち込み、信奉するキラの醜態に絶望し自殺-

バロールが中空に文字を描くとその紙片が燃え落ちる。

「一つは『火』。肉体を焼き、魂を焦がす。生と死の境界線にあるものこそ火である」

魅上の死が刻まれたノートのページが焼け落ちて灰になる。
だが本来デスノートに書かれた死はその程度では避けられない……はずだ。
やはり自分はすでに死に、それが故に神と会っているのかと魅上の胸中を占める混乱の割合が増していく。

「……この宝具は灰にした程度で機能を停止はせぬ。だが余ならばこれを無力化できる」

す、と。
目にも止まらぬ速さでバロールが手元で短刀を抜く。

「我が最大の権能。それは『死』である。そこに確かにあるものならば、あらゆるものを殺す。
 神であろうと。獣であろうと。白き巨人とて殺めてみせよう。
 そして、確定した未来や宝具の機能すらもこの眼と手ならば必ず殺す」

一閃。
魅上の死の未来と、死神のノートを殺した技巧が奔る。

「見るがいい。これが、モノを殺すということだ」

途端、世界が崩れる。
空が落ちてくる。地面は崩壊する。無限の奈落の底……死に吸い込まれていく感覚。
はじめこの地に降り立った時に感じたものを、より恐ろしく冷たくしたような浮遊感。

すぐ知覚できる位置に死がある、まさに死と隣り合わせなのだと突き付けられて魅上の口から乾いた悲鳴が――――

「落ち着け。周りをよく見ろ」

どうやったのかは知らないが、落下する魅上を抱えるような姿勢にバロールが移動していた。
そして周りの景色も変わっている。
落下しているのは変わらないが、地の底に吸いこまれるような暗い絶望はない。
人の営みの気配。自然の呼吸の気配。
見覚えのある景色だった。
仕事で訪れたこともある。修学旅行も確かここだ。
京の都。日本の誇る歴史都市の夜空を二人は滑空していた。

落ちていく。街に近づく。
そのたびに魅上の脳裏に新たな知識が刻まれていく。
サーヴァントのこと。聖杯のこと。聖杯戦争のこと。この地で検事として勤める、仮初の役割のこと。

「理解できたか?余が何をしに来たのかを。そして貴様が何をするべきかを」

神は死んだ。
ノートも死んだ。
だが、ここに万能の願望機が活きている。
ならば為すべき願いは一つ。

「私が……新世界の神(キラ)となる!」



【クラス】アサシン
【真名】バロール@ケルト神話
【属性】秩序・悪
【パラメーター】
筋力B 耐久D 敏捷A+ 魔力A 幸運E 宝具A++

【クラススキル】
気配遮断:C(-)
サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
完全に気配を断てば発見する事は難しい。
巨人族であるバロールはその巨躯に加え纏う濃厚な死の気配から本来このスキルを保持しないが、クラス補正に加えて依り代が極めて高度な退魔の殺し屋であるために獲得した。
巨躯でなくなったのも大きな要因。

【保有スキル】
直死の魔眼:A (A++)
魔眼と称される異能の中でも最上級のもの。究極の未来視、その一。異能の中の異能、希少品の中の希少品。
無機・有機を問わず活きているものも死の要因を読み取り、干渉可能な現象として視認する。
直死の魔眼から見た世界は死の線で満ちた終末の風景であり、まっとうな精神構造ではこれと向き合っての日常生活は難しい。
バロールは人ならざる魔神であるために、人間ならば発狂するであろう異様な視界であっても平然と振る舞える超常の精神構造をしている。
マスターとの視界共有は控えた方がいいだろう。
なおこれですら生前のバロールの直死の魔眼に比べれば疑似サーヴァント化に伴いランクダウンしているもの。
かつては魔眼で見ただけで死の線どころか死そのものを事象として引き起こしてしまい、日常など成り立つ道理がなかったため戦場以外では完全に片眼を閉じて過ごしていた。

魔神の神核:B
完成された魔神であることを現すスキル。神性スキルを含む複合スキル。
あらゆる精神系の干渉を無効化し、毒・病・呪い・老いなどによる肉体の劣化もなく、どんなに怠けても持ち前の殺戮技巧が鈍ることはない。
疑似サーヴァントであるため、ランクはB止まりとなる。

魔術:B+
属性は風と火の二重属性。
嵐を引き起こす、それにより海を荒らす、さらに海を炎に変えるなど大魔術の行使も可能。
後に神々を滅ぼすことになる蛇竜を生み出したともされ、使い魔の作成・使役も得手。
依り代の肉体にはかつて上級死徒との戦いで取り込んだ獣の因子(人類悪のことではなく文字通りの獣)の名残があるためそれを行使すれば動物の形で生命因子を繰り出すことができる。

天性の魔:‐(A+)
英雄や神が魔獣に堕としたのではなく、怪物として産み落とされた者に備わるスキル。
生まれついての巨人族であり、その中でもバロールは跳びぬけた頑健さを誇った魔神。
人間などでは及びもつかない筋力、耐久を誇ったのだが、疑似サーヴァントの依り代に「眼」を重視して肉体は二の次としたためにこのスキルは失われてしまった。
本来ならば魔眼を唯一の弱点とし、肉体は光の剣をもってしても打ち倒せない魔神であったのだが、このスキルを失ったために通常の攻撃でも彼に通用するようになっている。

【宝具】
『自己封印・四死拘束(ブレーカー・フォモール)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
4の4乗、256の封印のルーンを刻んだ帯。
天の鎖やグレイプニルにも匹敵する拘束具で、これを4重に巻き付けることで直死の魔眼の効力を一部封じている。
並の魔術師が4人程度なら枯死するほどの魔力を消費することで封印を解き直死の魔眼を完全に開放する。
また真名解放によって他者への拘束宝具として用いることも可能である。
この帯は暴走を防ぐためのものであり、直死の魔眼を完全に封じているわけではない。
死の線を認識する技能は封じ切れておらず、帯越しに外を死の線のみであるが認識している。

『極識・直死の魔眼(バロール・ドーハスーラ)』
ランク:A++(本来はEX) 種別:対城宝具 レンジ:1~444 最大捕捉:444
武器など無粋。真の英雄は目で殺す。
前述の宝具で封じているバロールの眼そのもの。
視界に収めたものすべてに死をもたらすが、疑似サーヴァントとなったことでランクダウンし大きく力を削がれている。
真名解放により視線に入ったものへ物理破壊現象を伴うほどに極大の呪いをもたらす。
身もふたもない表現をすると、対城規模の破壊光線を左眼から発射する宝具になっている。依り代の両目が直死の魔眼だったため、死の線を認識するのは両目でできるが、この宝具を扱えるのは生前と同じように左眼だけである。
また最期に頭部を射抜かれたことで魔眼が背後にいた兵士を壊滅させてしまったという逸話から、この宝具はサーヴァントとしての消滅間際に自動発動する。
座に還る霊気消滅の際で最期までこの眼は現世に留まり続け、目に映ったあらゆるものを殺すことになる。
つまりはバロールは消滅間際にほぼ全方位にビームを撃つ目玉を遺して逝く。

『黒死・七夜(ラグナロク・ナウ)』
ランク:A 種別:対国宝具 レンジ:1~777 最大捕捉:上限なし
わずか七日で世界は作られた。
ならば七夜で世界は滅ぶもの。
フォモール族が他の巨人族を支配するのに用いた病。
バロールの権力の象徴である死の恐怖、黒死病を振りまく。
感染した時点でHPの「最大値」を7分の1削り、そこから強い苦痛と共に最短七日かけてHPの最大値そのものを0にする。なお神を支配するための病であるため、神性を持つものは防ぐことはできず、ヒュドラ毒にも匹敵するより強い苦痛を与える。
神代の毒と病であり、バロールの直死の魔眼同様に生き物のみならず無機物にすら死をもたらす。
無機物すら感染源とする病は一たび広まれば恐ろしい速度で感染させることが可能だが、支配のために用いた宝具であるため病状の進行を止めることもできる。
それによって無作為の感染、ひいてはマスターの魔力消費を抑えたり、多大な苦痛を与え続けることが可能。
削られたHPの最大値に応じて体は黒く染まっていく。黒く染まった箇所はすでに死んでいるため、病を癒してもHPの最大値が治ることはなく、治すには死者蘇生に匹敵する療法が必要となる。
神代の病であるため治すことも容易ではなく、神代の毒を癒す霊薬、あらゆる病を根絶する鋼の看護、病そのものを殺す眼など規格外のもので当たらなければならない。
感染しないためには高ランクの耐毒や天性の肉体などのスキルが必要となる。

【weapon】
  • 短刀「七ツ夜」
依り代が愛用していた暗殺用の飛び出しナイフ。
そのままでも上級死徒や真祖、埋葬機関の代行者とも打ち合うほど頑丈。強化魔術などを施せば神造兵装とも打ち合う可能性はあるとバロールは考えている。
サーヴァントの装備として再現されているため、僅かながら神秘殺しの属性を持つ。

【人物背景】
アイルランドの神話サイクルにおいて語られる神の一柱。太陽神ルーの祖父であり、アルスターサイクルの大英雄クー・フーリンの曽祖父にあたる。
混沌と野生を代表するフォモール神族の王であり、光の剣クラウソラスすら弾く不死身の肉体、凄まじい感染力と致死性の黒死病、何より見たもの全てに死をもたらす魔眼によって神々を支配、君臨していた。
それほどに強大なバロールであったが、孫に殺されるという予言を受けていた。
予言を防ぐために娘エスリンを幽閉するが、支配していた神の一族の手引きによって一人の子が産まれ落ちる。
その子こそが太陽神ルー。
幾ばくの時を重ねた後、予言はついに現実となる。
モイトゥラの戦いでルーの槍、ブリューナクによって魔眼ごと頭部を射抜かれたバロール……瞼を射抜かれたことで直死の魔眼は一帯に死を振りまき、同胞のフォモール族諸共にバロールは最期を迎えた。
最大の特徴である魔眼は、ドルイドである父親が行っていた毒の魔術儀式を目にしたことで獲得したもので、不死身の肉体の中でここだけが唯一バロールに攻撃が通じる部位……毒により変質した最大の武器でありながら弱点でもあったのだ。

再度の生を求めて万能の願望機ダグザの窯、もとい聖杯を求めるが曲りなりにも神霊であるバロールはサーヴァントとしての現界は難しく擬似サーヴァントとなることを試みる。
容姿や身体能力の大半を無視して、直死の魔眼を持つ希少な依り代を求めたところ、ある世界で行われた月の聖杯戦争に可能性を見出す。
100近いサーヴァントを切って捨てたモンスター、両義式に目をつけるが、性別の不一致に加え神たるバロールも根源接続者にはおいそれと手出しするのを避けた。
次善として式と同じ月の聖杯戦争に参加していた白のバーサーカーこと真祖、及びその聖杯戦争の教会で魂の改竄を行っていた青の魔法使いの縁をたどり直死の魔眼を持つ少年を依り代とした。
正確には少年の死体を乗っ取り擬似サーヴァントとなった……眼という肉体に宿る異能は死体となっても残るうえ、依り代の思念が残るなど邪魔でしかないからだ。
このためバロールは擬似サーヴァントにある器と中身の人格の混合ということはおこらず、純粋にバロールの人格のみで現れている。
少年時代に二度の臨死体験をし、他者の命を共有することで命を繋いできた青年の肉体は他者の命を受け入れる面でも優れた器だった。
ある王の肉体を乗っ取り、その肉体の千里眼を使いこなした魔術式のように、バロールもまた少年の死体を乗っ取り直死の魔眼をはじめとした肉体に染み付いた技能を再現している。

【サーヴァントの願い】
フォモール族の強靭な肉体で神として復活する。

【特徴】
依り代の外見そのもの。服装も生前の巨人スタイルでは合わないため借用している。
身長169cm、体重57kg、黒い学ラン、両目を覆う帯、ポケットに短刀。
帯の下の瞳の色は常に蒼。



【マスター】
魅上照@DEATH NOTE(アニメ)

【マスターとしての願い】
新たなるキラとして世界に平和をもたらす。

【令呪】
左手の甲。
秋霜烈日の形。
花弁が二枚で一画×2、葉で一画。

【能力・技能】
  • 死神の眼
契約した死神から寿命の半分と引き換えに授けられた魔眼。稀にだが生まれついてこの魔眼を保有する人間もいる。
3.6以上の視力を獲得し、視認した人間の真名と寿命を看破する、千里眼や未来視に近い能力を持つ。
なお真名と寿命が見れるのは生きている人間のみであり、死んでいる使い魔であるサーヴァント相手には効果を発揮しない。
受肉して一個の人間となったサーヴァントで、神や魔の因子が混ざってなければ見えるかもしれない。

魔眼とは魔術師に付属した器官でありながら、それ自体が半ば独立した魔術回路であり、単体で魔力を生み出して術式を起動できるもの。
死神の眼は寿命の半分を対価とすることで、その失われた時間をかけて生成するはずだった魔力を糧に死神が変性させた魔眼である。
そのため魔術師でない照の眼には半生分の魔力がストックされているのに等しく、独自の魔力回路となった魔眼がさらに魔力を生成している。
サーヴァントを使役するだけなら平時の生成分で問題なく、バロールの宝具を数度は真名解放するに十分な魔力ストックを秘める。
ただし魔力を大量に消耗するたびに魔眼も損耗するため、みだりな宝具開帳は視力の低下や魔眼の喪失に繋がる。

【weapon】
  • デスノート
顔を知っている人間の名前を書けばその人間は死ぬ。
ただし直死の魔眼によってその機能は殺され、ただのノートでしかない。
科学的に調べたところ人間界には存在しない物質で作られているらしいので、何かしら魔術的な用途はあるかもしれない。
バロールはこれを無記名霊基として利用し、自ら魅上のもとに顕現してきた。

【人物背景】
幼い頃から正義感の強い少年であり、クラスからいじめを無くそうと頑張っていた。
小学生の頃は上手くいっていたのだが、中学校時代になると、加害者が傍観者に加害者側に加わる事を強要するという卑劣ないじめが多くなり、それまでのようにはいかなくなる。
それでも魅上は自分の考えを変えず、無茶をして傷ついていく彼を心配して「照が傷つく理由はないのだから、もう止めなさい」と制止する母の事さえも否定するようになった。
だがある時、いじめの主犯格4人が交通事故を起こし、魅上の母を巻き込んでまとめて死亡するという事態が発生。
訪れた平和に、「悪は可能性の芽も含めてこの世から削除されるべき」という考えへと傾倒していく。
成長すると検事になり、悪を裁くという正義のもと活動するようになる。
このころ世界は大きく変わった。
超常の力で犯罪者を次々と裁いていく存在……「キラ」と呼ばれる何者かが現れたのだ。
はじめはキラも殺人者であるというのが世の認識であったが、犯罪者と自らの正体を追うもの以外は殺さないキラのシンパも増えていく。
魅上もまたキラを神と崇め、公共の電波に乗せてキラ肯定の発言を幾度も真摯に繰り返してきた。
その活動が実り、魅上にはキラの力、名前を書かれた者を殺すノートとそれに憑く死神、さらに死神との取引を介して魔眼を貸し与えられることになった。
キラの代行として精力的に活動し、キラの敵対者とキラの最後の対峙にも赴くが、魅上の些細な気遣いからキラは敗北。
無様にあがくキラの姿に涙を流し、多くの犯罪者の心臓を止めてきたペンを自らの心臓に突き立て命を絶った。

漫画版と基本的なキャラや背景は変わりないが、最期に漫画では夜神月をただのクズと罵り、獄中死を遂げたのに対し、アニメでは月の醜態に対し涙を流したのみで否定の言葉を投げかけてはいない。

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最終更新:2018年03月01日 22:48