位相



白夜の匡(イルミナ)における活動において最も重要視されるのが、『位相』と呼ばれる環境指標である。六段階の深度に区分されるこの指標は、龍血濃度に応じた危険度を示すパラメータであると同時に、五里霧中の中を進む我々の道標でもある。

前提として、白夜の匡(イルミナ)において夜星を方位の指標として用いることは不可能である。超高濃度の龍血(エーテル)の雲が絶えず頭上を覆うため、白夜の匡(イルミナ)においてあらゆる天体は観測し得ない。
同様に、白夜の匡(イルミナ)においては方位磁針もその機能を喪失する。ヤコウ第八號の及ぼす磁気異常は各地の檻を除くこの剥離領域全域を支配しており、移動物体を刺し続ける方位磁針はヤコウ第八號の回避指標にしか用いられない。

故に、我々は苦肉の策として位相を指標として用いる。二十年前に全檻に周知された『罅縫軌跡(未作成)(ネルフ・ライン)』は低深度かつ位相変動が限りなく無に近しいルートで構成されているため、その航路上に限り、我々は周囲の位相深度(レベル)罅縫軌跡(ネルフ・ライン)の位相データを照らし合わせることによって常に安全な航路を確保することができる。

────逆に、『罅縫軌跡(ネルフ・ライン)』からの逸脱は無限に広がる霧中での遭難を意味する。罅縫軌跡(ネルフ・ライン)こそ、この白夜の匡(イルミナ)における唯一の灯火と言えるだろう。

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最終更新:2025年04月26日 12:26
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