こんにちは、俺 米村克です。
今日からこのレストラン“マリオン”でアルバイトをします。
え? どうしてこの店でバイトするのかだって?
そんなに気になるなら仕方がない、実は俺、この店には一度も入ったことがないんです。
理由は簡単、男は入りづらいって言ったらわかるかなあ・・・。
なんか全体的に女の子向けなレストランなので、恥ずかしくて(?)入れないんです。
ほら、よく女の子が牛丼屋に入れないっていうけど、あれの逆バージョンだと思ってくれればいいです。
じゃあなぜそんな店を選んだかというと・・・。
あれは数日前・・・。
中島「今日も部活疲れたなあ」
克「ホントだよな、俺そろそろ辞めるかもしれん」
中島「また始まった」
克「ホントだよ、今度こそは」
中島「わかったよ、ところで腹減らない?」
克「そうだな、どっかで食べてくか」
中島「あの店は?」
克「ちょっと高そうじゃない?」
中島「それもあるけど・・・見てみろよ」
ガラス越しにマリオンを見てみる。
なんとも可愛らしい店だ、壁の色から置物まで全部。
しかも客も店員も女性ばっかり。
克「これはちょっと恥ずかしいな・・・ん?」
ある店員の後姿に釘付けになった。
栗色の長い髪の毛、白い腕、ふくらはぎ・・・
しかし、俺はよく後姿で騙される。
みなさんは経験がないだろうか、後姿だけだったらすごく可愛いって子はかなりいるのだ。
失礼は承知だが、振り返られてガッカリって事がよくある・・・というかほぼそうなる・・・いや、ガッカリしなかった事がない。
だから期待はこれっぽっちもしていなかった。
しかし顔を見てみたいのも人情。
中島「いつまで見てんだよ、早く行こうぜ」
克「もうちょい、もうちょい」
中島「はあ?」
克「・・・きた!!」
彼女は振り返った、そして・・・。
衝撃が走った!
期待通りの・・・いや、想像以上の女性だった。
こんな感動は初めてだった。
その後すぐに履歴書を出し、面接を受け、採用してもらったってわけさ。
最終更新:2016年03月17日 15:30