4-45


「と、いうわけでござる」
「何がというわけなんだ?」

突然良く分からない事を言い出したのは沙織だが、いま俺の部屋には、桐乃、黒猫、沙織の3人がいる。

「ですから、ご両親がご旅行ということで、きりりん氏に誘われまして、こうしてお泊りにきたのですよ」
「いや、それだったら俺の部屋じゃなくてもいいだろ」
「私の部屋だとちょっと狭いから、アンタの部屋を使ってあげるって言ってんの。鈍いわね」

相変わらず憎まれ口を叩いたのは俺の妹だが、いや、しかしだな自分の部屋に女子高生が3人もいるというシチュレーションは中々問題ではないだろうか。

「さて、こうして4人いるわけですから、今日はこんなものを持ってきたのです」

ドラえもんよろしく沙織が取り出したのは――

「麻雀?」
「そうです。4人で出来るゲームの定番ですからな」
「っても俺、ルール知らないんだけど」
「だいじょうです。拙者も教えますし、やりながら憶えていけばいいのです。黒猫氏ときりりん氏は大丈夫ですかな?」

「っふ、私は『咲』でいうところのどっちレベルよ。心配いらないわ」
「あんたの何処がのどっちなのよ。どっちかっていうと桃子じゃない。私は衣レベルだけど」
「はっはっは。皆さん、お強いですなぁ。では拙者は美穂子部長ということで」
「お前等、なんの話をしてるんだ……?」

いつもながら俺が全く理解出来ない言語で話しやがる。咲?なんだ?ギャルゲか?

「折角ですし、その局のトップが何でも好きな事を1つ命令出来る、というのはどうですかな?」
「フ、いいわね。そこの勘違いしてるビッチを黙らせてあげるわ」
「あんたこそ私が勝ったら、語尾を『にょ』にしてわげるわ」
「……なんという外道」

こうして麻雀が始まった。



――んだが、結果だけ見るとこうだ。

1位黒猫:51000点
2位桐乃:50300点
3位沙織:29000点
4位 俺 :-112000点

まぁ、見て分かる通り、俺の大惨敗。ルールを覚えながらの俺が全く手加減しない桐乃や黒猫に振込みまくりで、こんな結果になっちまったってわけさ。

「ちっ、あと少しだったのに」
「これが実力ってやつね。分かったかしら?」

あっちはあっちで熱い火花を飛ばしている。

「ったく、容赦ナシだなお前ら」
「相手の捨て牌や待ちを読むのも重要なんですぞ。さて、京介氏もルールを把握なされたようですし、これまでのは練習として、つぎ本番に入りましょうか」
「いや、ルール覚えたての俺が勝てるレベルじゃねーだろ」
「ふぅむ……。でしたら、京介氏のヤル気を保つ為にも、こういうのはどうですかな? 麻雀の定番『脱衣麻雀』!」

「な・にぃぃぃぃぃぃぃいいいいいい!!!!!!」

俺と、それまで言い合っていた、桐乃、黒猫が一斉に声を上げた。

「はっはっは。それくらいの方がスリリングで面白くなりますぞ。脱衣と言っても、京介氏に誰かが振り込んだ場合、その人が脱衣とすれば、そう厳しいルールというわけでもないでしょう」
「ま、まぁ確かに今のコイツの実力なら大丈夫そうだけど……」
「わ、私は構わないわよ。どうせまら私が1位になるんだろうし」

まさかの急展開でいきなり麻雀が脱衣麻雀大会になりやがった。

「ん、雨が降ってきたのか……?」

ふと窓をみやると、雨が降り出してきていた。勢いも段々激しくなっている。不吉な雨だった。
こうして伝説の夜が始まった――


2局目

東場はこれまでとあまり変わらない勝負展開。しかし決定的に違う点が一点。京介、相手の待ちを読んで、危ないと見ればベタ降り。
これによって、1局目と打って変わり、それぞれのツモアガリが増え始める。

東4局終了時点で、1位桐乃と4位京介の差は30800点。
相変わらず京介が4位ではあったが、トップとの点差は少なく、混戦の様相を呈していた。

南1局

かすかな違和感が場を支配し始める。この麻雀で初めての番狂わせ。京介、黒猫の捨て牌3万をロン。3900点で初のアガリを得る。

「そんな、まさか!?」
「お、やった上がった! 初めて上がれたぜ!それも黒猫から」
「く、私としたことが読みを違えたとわ」
「黒猫氏、これは脱衣麻雀ですから……」
「フン、分かってるわよ。脱ぐわ。脱げばいいんでしょ脱げば」

そういうと黒猫は穿いていた白のオーバーニーを脱いだ。
俺にとって初つのアガリ、そして脱衣麻雀というこの状況に、俺のテンションはガンガンに上がってくる。
考えてみれば、もう南1局。残り3局とも自分が誰がロンで上がり続ける可能性は少ない。
それをコイツラも理解しているから、こうして和やかな雰囲気なんだろうさ。だが、

(ククク……)

南4局

南2局は流局、南3局は沙織がツモアガリで、相変わらず順位に変動はない。しかしトップとの点差は23500点と狭まっている。

「ククク。来たぜ、ぬるりとな」

京介、6索をカン。この瞬間、京介の手配大きく化けてまさかのドラ4。
京介の待ち牌も変化。2,4筒待ち。このとき、京介に先駆けてリーチを宣言していた桐乃。凍りつく。
場に出ている牌は3つ。リーチを宣言している以上、待ちを変える事が出来ない。

ざわ…
      ざわ…

そして持ってくる。まるで引き寄せられるかのように、ロン牌4筒。




「ロン」

京介、桐乃から初の直撃。そして、この瞬間、順位が大きく入れ替わり、土壇場で京介1位に躍り出る。

「そ、そんな!?」

しかし、現実。覆らない。起死回生のドラ4!!

「いやぁ京介氏、凄まじい雀力ですなぁ。さすがに驚きました」
「まさか、ドラ4とはね。流石にどうしようもないわ」
「い、いまのはコイツの運が良かっただけよ!折角、黒猫に勝ってたっていうのに。 納得いかないわ!」
「そうはいってもなぁ。ほら、ルールなんだから、脱げ」

「くっ!憶えてなさい!」

キッと京介を睨みつけて、黒猫と同じように桐乃がソックスを脱ぎ捨てる。

「それにしても、これだから麻雀というのは面白い遊びですな。こういう事も起こりうる」
「えぇ。全く。これがラストの局だったから良かったものの、この流れが続いてたらヤバかったかもしれないわね」

「お前等、何か忘れてないか?」
「え?」


3人の声がはもる。

「その局のトップが何でも1つ命令出来る」
「おぉ! そうでしたそうでした。しかし、京介氏、エロイのは禁止ですぞ」
「理解ってる、理解ってる。 俺 か ら は そ ん な 要 求 言 わ な い さ 」
「では、京介氏はどんなご命令を?」


/  " ,, "  "  ゙  ゙  /
,イ " "  "  八 ゙ i ゙ |   :  倍
/ ,ィ´ "/' イ /::: ヽ ト、゙|  :  プ
// ィ' /| /| /::: , -ヾ、ヽ,|   :  ッ
 l  l /-レ、レ'  ´_, a==| !  シ
 ! /l,ハ=a=、  ヾ`ー  ´|     ュ
 '"  ',`ー/ :::      |    だ
     ', / ;:::: 、      ヽ_  ___
      ∨_, - '  _,  ::::/;;;;::ノノ ヾ
      丶 ー '' "´   .:::/;;;;;::´   `
  r―、,/丶  ==  .:::/;;;;;::::::
`<´ヽ r‐ヾ-、 \   :::/;;;;::::::    /
.(´ヽ ゝー)r┤/\:/::;;;;::::::    /


「そ、そんな!?」

京介の要求で始まった3局目。これまでの1,2局とは違い異様な空気が場を支配していた。
桐乃と黒猫は、既にソックスを脱いでいる状態。それに2局目ラストの流れ。
この局、ひょっとすればひょっとすることも あ り え る か も し れ な い ?

「ロン」
「なっ……なんで!?」

東2局

再び振り込んだのは桐乃。京介の待ちを読んでの4筒切り出しのはずが、その4筒を京介、単騎待ち。

「ククク……。こんな見え透いた手に引っ掛るなんて、お前らしくないな」

桐乃、こちらを睨みつけながらてTシャツに手を掛ける。その手はカタカタとかすかに震えていた。
Tシャツの下には何も着ていなかった。若草色のブラだけである。

この瞬間、京介を除く3人に戦慄が走る。

(この局はヤバイ……!)

まだ東2局である。南場では京介に親が回ってくる。もし、そこで連荘されて場合、避けられない。

黒猫は内心焦っていた。黒猫の服装はゴテゴテとフリルがついているとはいえ、シンプルなワンピースだ。
(次に振り込んだら、私、終わりじゃない!)

桐乃は内心焦っていた。何故、いま自分はこんな姿で麻雀を打っているのか?
(絶対に、負けられない……!)

沙織は内心焦っていた。自分が言い出した脱衣麻雀でまさかこんな状況に追い詰められるとは。
(2局目、終了のときに辞めようといえなかったのが失敗でござった……)

だが、そんな決意も空しく、京介の快進撃は止まらない。
南1局目。京介圧倒的な親連荘。

沙織、黒猫、桐乃からそれぞれアガリを得る。

「まさか、私がこんな……」

呆然自失の黒猫はノロノロとした動きでワンピースに手を掛ける。華奢な身体付きながらも、上下揃いの紫の下着が扇情的だった。

「ど、どうして……」

先ほどまでの鋭い目つきは徐々に力を失いつつあった。桐乃がゆっくりホットパンツに手を掛けると、
健康的でプルンとした引き締まったお尻が露出する。

「さて、桐乃。お前がこれまでツンツンしすぎてごめんなさいと一言言えば、ここで辞めてやってもいいぞ」
「え? ……ふ、ふざけないで!誰がッ!」

折角、俺がチャンスをやったって言うのに、あっさりコイツは棒に振りやがった。黒猫や沙織の為だってのに、意地を張りやがって。

「ヤレヤレ。なら、終らせない。地獄の底まで行く」

元々、京介には黒猫や沙織を裸にするつもりなどなかった。しかし、桐乃にはどうやらお仕置きが必要らしい。


なんとか京介の親を蹴った南3局。ここまでくれば後の2局。早アガリでなんとか終らせる事だけに3人は注力していた。
しかし、そんな逃げの麻雀は、逆に御しやすい。

「ククク……。まるで白痴だな桐乃」
「え?」
「ロン」
「……っ!」

一気に蒼白になり、次第に身体が震えだす。

「さっき俺がやったチャンスを棒に振ったんだ。その覚悟はあるんだろう」
「きょ、京介氏、さすがにやりすぎでは?」
「馬鹿言うな。脱衣麻雀はお前が言い出したルールで、お前等全員納得してこの勝負を始めたんだぞ」
「それは、たしかにそうですが……」
「にも関わらず、辞めろというのは変だろ。当然、こうなる覚悟はあったってわけで、まさか最初からただ俺をカモにするつもりだったのか?」
「いえ、決してそんなことは――」

沙織は内心傷ついていた。こんな風になるとは思ってなかったとはいえ、恐らく京介が4位になって、何かしら罰ゲームを受けて楽しむ。
そんな思惑が少しもなかったのだろうか。そのことが少なからず、京介を傷つけなかったと言えるだろうか?

「い、いい。ソイツの言うとおり。脱ぐ……」

ゆっくり桐乃がブラに手を掛ける。ホックを外すとブラがずり下がった。慌てて身体を抱えて隠すが、桜色の乳首が見え隠れしていた。

「ククク……。まだ最後の局が残っている。席に戻るんだな」


この局さえ凌げればいい。そんな脆い感情など、狙い撃ちにするのは難しくない。
開始早々のベタ降り。しかし、それも現物が無くなれば切っていかなければならなくなる。そして、まるで吸い寄せられるかのように、切ってしまう。そのロン牌。

「残念、間に合わなかったな。ロン」
「な、なんでッ!?どうして!? 場に3枚出てるじゃない!」

京介、地獄単騎待ち――!
まさしく桐乃だけを狙い撃ちにした究極の待ち。手はたかだかタンヤオでしかない。だが、それで充分と言えた。

「どうした、やっぱりお兄ちゃん、これからはツンだけじゃなくて、デレたりもしますと謝るか?」
「……………ご、……ごめ……」
「ククク。何だって聞こえないぜ?」
「……っく! いいわよ」
「あん?」

そいうと、桐乃は一気にショーツを脱ぎ捨てた。ていれしてるのはか、うっすらと生えた揃った陰毛が成長を感じさせる。

「ど、どう? これで満足なんでしょ!」
「馬鹿を言うな。この局のトップは誰だ?」
「あ……?」

そうこの局のトップは京介。京介には何か一つ命令する権利がある。

「京介氏、さすがにこの局で終らせていただけないでしょうか。きりりん氏や拙者達ももう限界でござる」
「私からもお願いするわ。もう見ていられない」
「あぁ。大丈夫心配するな。これ以上、続けるようなマネはしねーよ」

「さて。桐乃、お前に一つ命令をしよう」

そういって俺は震える桐乃に近づいて耳元で囁いた。

「そ、そんなっ!?出来るわけないじゃない!」

当然の要求に桐乃はそれを否定するが、再び耳元で囁き掛ける。

「だったら、もう1局続けるか? 今度、全裸になるのは沙織か黒猫か、どっちなんだろうな?」
「止めてッ!?」
「いいか勘違いするな。俺はお前らが作ったルーツに従ってるに過ぎない。お前が逃げるなら、誰かに命令する」
「分かった……。やればいいんでしょやれば」

そういうと桐乃はベッドに向かって行き、ベッドの上に体育座りで腰を降ろした。

「どうした?クク、脚が震えているぞ」

目に沢山の涙を浮かべながら、その屈辱的な格好のまま徐々に足を開いていく。

「そんなに見たければ好きに見ればいいじゃないっ!」

そして自分の秘所にゆっくり右手を持っていくと、

くぱぁ

と、開いて見せる。まだ誰にも見せた事はないであろう、普段は閉じられているその部分から薄い色の小陰唇がヒク付いているのが分かる。
これが脱衣麻雀。迂闊にそれに手を出した末路……。


「はは、は、はは、ハーッハッハッハッハ! これにて脱衣麻雀大会を終了する」

最高に気分の良いまま、俺は高らかに宣言する。
途中、まるで神域の男に魅入られたように、相手の待ちや心理状況が全て理解出来たのは、なんでだったんだろうな?
誰かに取り憑かれたりしてのかもしれないなんて馬鹿げた事を思ったりもしたが、まぁ、それより今は桐乃の痴態を写メで取っておくことの方が先決だ。


そして、悪夢の夜は終った。


昔よくアーケードにあった廃れた脱雀は何故、あんなに興奮したのだろうか。
妄想するエロス



      /゙ミヽ、,,___,,/゙ヽ
      i ノ   川 `ヽ'
      / ` ・  . ・ i、
     彡,   ミ(_,人_)彡ミ  うっせー早く寝ろ!
 ∩,  / ヽ、,      ノ
 丶ニ|    '" ' '"´ ノ
    ∪⌒∪" ̄ ̄∪






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最終更新:2010年02月27日 08:54
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