絶対的虐待意思 16KB
虐待 理不尽 野良ゆ 赤子・子供 自然界 現代 独自設定 別の世界です
ゆっくりがこの世界でゆっくり出来るなんておかしい
ゆっくりがこの『世界』に流れ着いて数十年が経った。
『生きてる饅頭』というありえない存在。
珍しいものに興味をもつ人間はそんなゆっくりを
拒絶した。
よってペットブームなんて起こらなかったし、愛護団体なんてものも発足しなかった。
全てのゆっくりは都市から、街から、村から、人の生活圏内から駆逐されていった。
例外として物好きな人間が希少種をペットとして飼ったり、『食品』という観点から農場で飼育するのみである。
その結果この『世界』において、ゆっくりというものの在り方は大きく変わっていった―――
「ゆっ……ゆっくりしていってね……」
「「「「「ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ……」」」」」
森の中の暗い巣穴の中にいるのは親れいむに赤まりさ2と赤れいむ3。
よく居る、いたってシンプルなゆっくりの家族だ。
朝の挨拶を交わす親子であるが、その声は小さく元気が無いように見える。
しかしそれは、この世界で生きて行くために彼女達が身に着けた処世術だった。
「ゆっ……あさごはんにするよ。ゆっくりむーしゃむーしゃするよ」
親れいむが巣の奥からご飯を引っ張り出してくる。
それは虫や木の実などで無く、乾燥したタダの雑草だった。
「むーしゃ、むーしゃ……」
「「「「「むーちゃ、むーちゃ……」」」」」
一家団欒の食事であるはずだが、まるでお通夜のような雰囲気。
ゆっくり特有の騒がしさも、「しあわせー」もここには存在しない。
食事が終わると家族はお互いを『すーりすーり』し始めた。
「すーりすーり」
「「「「「しゅーり、しゅーり」」」」」
にわかにではあるが家族の顔に笑顔が灯った気がした。
ドンッ、という音が天井から響いた。
一家は『すーりすーり』を中断し、化石のようにぴたりと動きを止めた。
巣穴の中は静寂のみ。
息遣いさえ聞えない。
どん。どん。どん。どん。
音は巣の真上まで来た。
一家の顔が緊張でこわばる。
どん。どん。どん。どん……
やがて音は少しづつ遠ざかっていった。
「ゆ……」
親れいむが子供達に声をかけようとしたときだった。
「ゆぎゃああああああああああああああああ!!」
ゆっくりの叫び声が聞えた。
とてもゆっくり出来ていない声で、この世の終わりかのような絶叫。
実際に終わりなのだが。
「やめてくださいいいいいぃぃぃ!!れいむとおちびちゃんたちだけわあああ、ゆげっ!?」
「まりさあああああああああぁぁぁ!!」
「おとうさあああああぁぁぁんんん!?」
「まりさをはなしてね!にんげんさんはまりさを、ゆびいいいぃぃ!?」
「やめてえええええぇぇぇ!!どうしてこんにゃことしゅりゅのおおおおおぉぉぉ!!びいぃ!?」
「まりさおねぇちゃんをいじめるなああああぁぁ……ゆっ!!」
そこで声は途絶えた。
れいむ一家はがたがたと震えるだけである。
恐らくあの一家は人間に連れ去られ、この山の麓にある『加工所』に連れて行かれる。
人間はいつもそうだった。
ゆっくりが目覚めるくらいの時間と寝るくらいの時間にきて『狩り』を行なう。
見つけたゆっくりを連れ去るのだ。
無論助ける方法など無い。
息を潜めて人間が過ぎ去るのを待つだけである。
自分の子供の赤れいむが小さく「ゆぇっ、ゆぇっ、きょわいよぉぉぉ……」と泣いていた。
れいむも内心泣きたい気持ちだったが、それをぐっとこらえ、もみあげで赤れいむを撫でてあげた。
しばらくして人間も居なくなったようだ。
この巣の中に居るのが安全ではあるが、食料がすでに底をつきかけている。
親れいむは狩りに行くことにした。
「おちびちゃんたちはしずかにおうちでまっててね。だれがきてもおへんじをかえしちゃだめだよ。
ゆっくりしていってねもいっちゃだめだよ」
「ゆ~……ゆっきゅりしちゃいよぉ~……」
『ゆっくりしていってね!』
この言葉はゆっくりにとって大切な意味を持つ。
それが言えないという事はゆっくりにとっての生きる意味を一つ奪う事にも近い。
「だめだよっ。おかあさんいがいにいったらゆっくりできなくなっちゃうよっ。ゆっくりりかいしてねっ」
教え諭す声もかなり小さな音量である。
「ゆぅ~……ゆっきゅりりかいしちゃよ……」
「「「「りかいしちゃよ……」」」」
「ゆ~。いいこだね。さすがれいむとまりさのこどもだね。じゃあいってくるね」
「ゆ~。いってらっしゃい」
親れいむは家族と共に居た居住スペースを出て、細い穴へと身をもぐりこませた。
「ずーりずーり」
そしてしばらく進むと、土をつめて入り口を固めた場所に着く。
「ゆっ、ゆっ、つちさん、ゆっくりどいてね……」
前歯で削りつつゆっくりと入り口を開く。
「ゆふぅ」
太陽の光がまぶしい。
既に日は昇っており朝日が木々の間から差し込んでいる。
こんな日は家族で一緒に出かけたり、子供達と共にお歌の練習をしたりと、実にゆっくりと過ごす事が出来るはずである。
だが、ここではそんな事は出来ない。
子供が子ゆっくり以上になるまでは、巣からでるリスクが高すぎるし、何より足手まといになる。
「ゆ~……ゆっくりしないでかりをするよ」
れいむは跳ねたりせずにずーりずーりと草むらに隠れるように進んで行く。
その間もひたすらに無言。
無用な音は出さない。
出なければ生き残れない。
やがてあるものを発見した。
「ゆっ……」
目の前にいるのは昆虫のカナブンだった。
昆虫はゆっくりの貴重な栄養源であり、とてもゆっくりものの出来るもの『だった』。
「ゆぅ~……こんちゅうさんはゆっくりできないよ……。ほかのみちをさがすよ……」
れいむは知っているのだ。
ゆっくりが昆虫を食べようとすると、昆虫から毒が分泌され、それによって永遠にゆっくりしてしまうことを。
赤ゆっくりだった自分達を遺して死んでしまったれいむの両親がそうであったように。
れいむはカナブンを迂回するようにルートを変更した。
「ゆっ……この草さんはおちびちゃんでもむーしゃむーしゃできるよ」
地面に生えた若草を口で引っこ抜く。
そして自分はある程度育った草を食べる。
「むーしゃ……ゆぐうぅ……」
若草より育った青草。
草はゆっくりとって主食であり、青々と茂った草は大切な食べ物の『だった』。
「にがいよぉ……ゆっくりできないよぉ……」
こんなものは子供達が口に出来ない。
成体となった今では何とか我慢できる。
いずれ子供達もこの味に慣れなければならなくなる。
赤ゆっくりである今は僅かな若草でも体を維持できるが、成体になればそれだけ食べ物が必要となり、
どんなにまずくても食べなくてはいけなくなるのだ。
子供時代の食育を疎かにした結果、死んでいったゆっくりをれいむは間近で見たのだ。
自分の姉妹達が、草を食べる事を拒否し、共食いの果てに蟻に食われて死んでいくのを―――
だから若草と青草をブレンドして持ち帰る事にした。
少しづつ味に慣らすのだ。
「ゆいしょ……ゆっくりしないでかえるよ」
れいむは何かに怯えるかのようにその場を去っていった。
「……!」
無言でずーりずーりしていたれいむはある気配に気がついた。
「ゆ……」
「―――」
草むらの向こうに何かが居るのだ。
「ゆ……ゆっくりしていってね……?」
「ゆ、ゆっくりして、いってね?」
「ゆ!」
草むらを書き分けて進むと、そこには一人のちぇんがいた。
「ほかのゆっくりにあうなんてひさしぶりだよ」
「わかるよー。ちぇんもひさしぶりなんだねー」
二匹は親愛のすーりすーりをする。
「ちぇんはここにすんでるの?」
「そうだよー。ここがちぇんのおうちなんだねー」
「ゆ?ひとりなの?」
「そうだよー。さいきんひとりだちしたんだよー。わかってねー」
若々しいちぇん。
家の入り口も小さく作られており、声もむやみに大きく出さない。
中々良く教育されているようだ。
「ゆぅ~。れいむもおちびちゃんがいるけど、ちぇんみたいにりっぱにそだてるよ」
「ゆぅ~……てれるよー……わかってね~」
ちぇんが照れくさそうにのーびのーびした時だった。
『ゆわあああああぁぁぁ!ゆがばあああああぁぁぁ!!』
ゆっくり出来ない悲鳴が再び空気を切り裂いた。
「ゆっ!」
「かくれるよ!れいむもきてねー!」
ちぇんはれいむと共に自分の巣穴に飛び込んだ。
「いりぐちをふさぐんだねー!」
ちぇんは入り口の近くにおいてあった土を寄せて入り口に盛り付ける。
「ぢぇん”ん”ん”ん”ん”んんん!!だだずでえ”え”え”え”え”ぇぇぇ!!」
「ゆっ!?」
「ま、まりさなんだね……!」
「ぢぇん”ん”ん”んん!!ばでぃざだべだでだぐだい”い”い”だべばべだぶっ……!いや”!
い”い”い”や”だぁぁぁ!!ゆっぐりじだ……ゆぎゃあ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁ!!!」
「ま、まりさあああああぁぁぁ!!」
ちぇんが土を慌ててどかし始める。
「だめだよちぇん!もうまにあわないよ!」
れいむは慌ててちぇんを止めようとする。
「わかってねぇぇぇー!ちぇんはまりさとゆっくりしたいんだよおおおおおぉぉぉ!!」
「もうだめだよ!まりさはえいえんにゆっくりしちゃったよ!」
「うそだよおおおぉぉ!!まだだいじょうぶなんだねー!!」
既に二匹は大声で会話している。
その声が捕食者を呼び寄せてしまう。
「ゆにゃ”!?」
土を半分崩し終えたとき、ちぇんの体が長い舌にまかれた。
「ゆ”にゃ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
そのまま巣穴の外へと引きずり出されていった。
「ちぇえん”ん”ん”ん”ん”ん”ん”んんんんんん!!!」
れいむの悲鳴。
「ゆにゃ”あ”あ”あ”!!『しか』さ”んばばりざをがえ”じでね”ぇぇぇ!わがっでね”ぇぇぇ!!
ゆ”!!ば、ばりざ!?おがおがあ”あ”あ”ぁぁ!!い”にゃ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁ!!」
ちぇんの悲鳴。
「ゆっゆっゆっゆっ……」
れいむは入り口を塞ぐ事もせずに、既に亡き存在になったちぇんの巣の奥で震えていた。
「ゆっ……ゆ!?」
れいむが巣の入り口に目を向けると、そこには無機質な鹿の目が覗いていた。
「ゆ―――」
その瞬間、れいむの脳裏に目の前で動物に食われた番のまりさの姿が思い出された。
外からの他のゆっくりの悲鳴が聞える。
「ゆぎゃあああああぁぁぁ!!ばりざのあたまがあああああぁぁぁ!!」
「しかさんはどっかいってね!ぷくぅーーー!!ゆっ!ゆびい”い”い”い”い”ぃぃぃ!!」
「れ、れいむはおいしくないよっ!!だからたべないで、ゆぎいいいいいぃぃぃ!!いだいいいいいぃぃぃ!
れいむをたべないでえええええぇぇぇ!!」
「みゃみゃー!たちゅけてえええええぇぇぇ!ありしゅちにちゃくにゃいいいいいぃぃぃ!!」
「おじびぢゃあ”あ”あ”っ!ゆげえええぇぇ」
「だずげでみょんんんんん!!」
「や、やめるみょおおおおおぉぉぉ!ゆびょおおおぉぉ!?」
耳を塞ぎたくても塞げないゆっくりにとっては地獄からの悲鳴に聞える。
かつて野生の動物はゆっくりを捕食する事などないはず『だった』。
だがいつからか動物達はゆっくりを主食として捕食するようになった。
大きい声を出して『ぷくー』をすれば警戒して逃げていたのは別の世界の話。
ここでは穴の中に居るゆっくりを探し出しては、無慈悲に食べていった。
れいむは気を失った。
それはある意味幸せだったのかもしれない。
ゆっくりは普段は見つからないように声を潜めているが、そのゆん生最後の時には切り裂くような悲鳴を上げる。
静かな森にゆっくりの悲鳴のオーケストラが奏で続けられていた。
「ゆっ!?」
れいむはハッと目を覚ました。
巣には自分しかおらず外も静かになっていた。
ゆっくりと外の様子を伺う。
鹿も既におらず、周りは赤く色づいてきており、夕方である事がわかった。
「ゆゆっ。いそいでかえるよ」
れいむはちぇんの巣に残っていた食料を出来るだけ口に咥えた。
すでに居なくなってしまった主の為に置いておくなど、タダ腐らせるだけのことになるのでもったいない。
来たときと同様、何者にも見つからないようにと願いつつ、自分の巣穴へと戻っていった。
「ゆっくりただいま」
れいむは入り口の偽装をどけて中へと入った。
そして口の中に入れておいた食料を出した。
「おちびちゃん。ゆっくりしてい、」
そこまで言って異変に気がつく。
一匹の赤ゆっくりが口から餡子を吐いて死んでいたのだ。
他の赤ゆっくりは家の隅でがたがた震えていた。
だがれいむが帰って来た事に気がつくと、泣き声をあげて擦り寄ってきた。
「お、おかぁしゃーんんん!!」
「ゆっきゅりぃぃぃ!!」
「ゆえーん!」
「りぇいみゅおねえちゃんぎゃあああぁぁ!!」
「な、なにがあったのおおおおおぉぉぉ!?」
死んでいる赤ゆっくりを見る。
その傍らには……『ミミズ』の切断された死体が。
「みみみずさんをたべたの!?くささんいがいはたべちゃいけないっていったでしょおおおおおぉぉぉ!?」
れいむの声が巣の外にまで響いた。
毒となるのはミミズも同じだ。
他の動物が食べても大丈夫なのに、ゆっくりが食べるとその肉は毒となり、多大な苦しみを与えるのだ。
「ゆえーん!ゆえーん!」
「だ、だっちぇ……おにゃかすいちゃ……」
「いつもがまんしてっていってるでしょおおおぉぉ!?
ちびちゃんたちはたべていいもののくべつがつかないんだからかってにごはんさんはたべないでねってえええぇぇ!!」
「ゆっ、ゆっ……ごめんなちゃいいいぃぃ!!」
「おかあしゃんごめんなちゃいいいいいぃぃぃ!!」
「ゆえーん!ゆえーん!」
「おきょりゃにゃいでえええええぇぇぇ!!」
赤ゆっくり達は自分達の愚かな行動を謝った。
「ゆっ!わかればいいよ……。でも、こんどからはだめだよ……ゆっくりりかいしてね……」
「ゆっゆっゆっゆ……ゆっきゅりりかいちゅるよぉ~……」
「ゆん。やっぱりれいむとまりさのこどもだね!」
すりすりと寄ってくる赤ゆっくり達にすーりすーりを返してやる。
赤ゆっくり達は次第に落ち着きゆっくりし始めた。
「ゆぅ……」
さて、困ったのは死んでしまった赤れいむだ。
このまま巣の中に放置すると蟻や他の地中生物を呼び込んでしまう。
すぐにでも巣の離れた場所に捨ててこなければならない。
形見のお飾りも、やがて匂ってくる死臭がしてゆっくり出来ないだろう。
「おちびちゃんたち……これからおねえちゃんをうめてくるからね。いまのうちにおわかれ……」
れいむが言おうとしたときだった。
ドカッと凄まじい音が天井から響き、お家が目の前で崩れた。
「ゆうううううううううぅぅぅぅぅ!?」
と、頭を捕まれる感触。
「ゆゆっ!おそらをとんでるみたい!!」
そして飛んだ先にいたのは―――
「ゆっ……。ゆびい”い”い”い”い”ぃぃぃ!!に”ん”げん”ざん”が
どぼじでごごに”い”る”の”お”お”お”お”お”ぉぉぉ!?!?」
れいむは失念していた。
人間は朝と夜の二回に分けて狩りに来るのだ。
そしてれいむと赤ゆっくり達が交わしたさっきの会話は大音量だった。
当然見つかってしまうわけである。
「や、やべでぐだざいいいいいぃぃ!!れいぶにばがわい”い”あがぢゃんだぢがいる”んでずう”う”う”う”う”ぅぅぅ!!」
「相変らずうるせー饅頭だな。巣の中には何匹居る?」
「えーと、ちっこいアカリボンが2にクロボウシが2です。アカリボンは一匹死んでるみたいですね」
「了解」
「でいぶばま”んじゅうじゃな”い”い”い”い”い”ぃぃぃ!!!」
「今回も無駄に生きがいいな。さて、収穫収穫」
「やべでえ”え”え”え”え”ぇぇぇ!!ゆがもがもおおおぉぉ」
親れいむはあっさり袋の中に回収された。
「じゃあこっちのちっこいのは別にいれますね」
「お、おしょりゃをちょんじぇるみちゃいいいいいぃぃ!?」
「は、はにゃちいぇえええええぇぇぇ!!」
「きょきょうじょはゆっくちできにゃいよおおおぉぉ!!」
「おかぁしゃんちゃちゅけちぇえええええぇぇぇ!!」
赤ゆっくりは透明な箱に入れられた。
そこには既に他の赤ゆっくりがおり、どれも全部泣き叫んでいた。
だが箱は防音であるために音は漏れていない。
「さて、天井を塞いでと……これでよし。また一ヵ月後だな」
「はい」
「そういえばまた鹿が入り込んだようだな。あっちの群れ全滅してたな」
「じゃあ、また柵の補修をしておきますか」
ゆっくりを『収穫』し終えた人間二人はさらに奥へと進んでいった。
「にしても先輩」
「ん?」
「こいつらなんて言ってんですかね?」
「そんなのわかんねーよ。『ゆーゆー』言ってるだけじゃねえか」
「でも面白いですよね~。屠殺する時とか、仲間をそうされる瞬間見ると必ず大きく鳴いて反応するし。
もしかして人間みたいに喋ってるつもりなのかもしれませんよ?」
「どうだろうなあ。だが、こんなやつ等に人間みたいな感情があったら悲惨だと思うね。
繁殖力だけをとりえで、全生物の最下層にいるこいつらが普段どうやって生きてるかわからんが、俺だったらゆっくりできないな」
「そうですよね~。死んでも『ユマンジュモドキ』だけには生まれ変わりたくないですね~」
「そうだな」
『ユマンジュモドキ』
『ゆー』という声でひたすら鳴く中身がお菓子の食用生物。
赤いリボンのような飴細工をしているのが、ユマンジュ科アンコマンジュモドキ。アカリボンユマンジュ
黒い帽子のような飴細工をしているのが、ユマンジュ科アンコマンジュモドキ。クロボウシマンジュ
黒いリボンのような飴細工をしているが、ユマンジュ科アンコマンジュモドキ。クロリボンマンジュ
なおクロボウシマンジュに巨大化の事例が報告されているが、大きいだけで特に優れた特徴もなく、
野生生物の餌食になる可能性のほうが高い。
さらに分類すると、カスタードンンジュウモドキやクリームマンジュウモドキ。チョコマンジュウモドキも存在する。
野生で存在するのはこの6種が最も多く、これ以外は滅多に見かけることが出来ない。
野生といっても会社が管理する野山で放し飼いにされ、ある程度成長したら収穫される。
生粋の野良などはほぼ存在しないと思われる。
―――
『彼女』はゆっくりが嫌いだった。
どこからか送られてきたそれは、
分をわきまえず。
世界は自分中心と思い込み。
本能のみで行動し。
醜悪だった。
彼女は手始めに彼らの言葉を奪った。
『こちら』に来たのだからルールは絶対だった。
ゆっくり達は話しているつもりでも、それは誰にも知覚されない。
相手の言葉は分かってもゆっくりの言葉は理解されない。
結果、その行動だけが目に付き鼻に付き、彼女の意思を汲み取った『子供達』はゆっくりを迫害していった。
四足の子はゆっくりを喰らい。
地を這う子達は毒を持ち。
土に根を下ろす子達も同様だ。
最も力を持った子達はゆっくりを積極的に排除した。
もう少しでゆっくりが消え去ると思ったとき、力ある子たちが意外な行動に出た。
ゆっくりに生きる意義を与えたのだ。
一方的に搾取されるだけの、生物の最底辺の存在として。
彼女は考えを改めた。
もっと見てやろうと。
ゆっくりが苦しむ姿をもっと見てやろう。
それでも足掻き生きようとする哀れなゆっくりを楽しもう。
それはそれで感動すら覚えるかもしれない。
もしかしたら、他の子供たちのように新たな存在に進化するかもしれない。
まあ、その可能性は極めて薄いが……。
他の子供達もそれに習い、ゆっくりを絶滅しない程度に搾取した。
「ゆぎゃああああああああ」
「ゆびいいいいいいいいい」
「やめちぇえええええええ」
「たちゅけてええええええ」
「ゆっくりできないいいい」
「ゆんぎゃあああああああ」
世界はゆっくりの悲鳴で満ちていた。
今日も彼女はゆっくりの悲鳴を聞く。
彼女はとてもゆっくりしていた。
<後書き>
お読み頂きありがとうございました。
作者がゆ虐SSを書く時の心得は
『ゆっくりをゆっくりなんてさせやらない』
です。
今まで書いたもの
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このSSへの感想
※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
- だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーかわいそwww -- 2022-12-08 19:41:45
- フラン虐待かレミリア虐待誰か書いてください
-- 2016-12-28 08:09:07
- ↓↓設定だよ馬鹿 -- 2016-01-31 08:44:32
- ↓アホ過ぎる -- 2013-07-28 23:45:09
- ゆっくりがミミズを食べたくらいで死ぬわけないだろ。 -- 2013-07-17 11:41:26
- 他の人が考えた設定をおいしいところ以外は全否定して奇をてらうのはありがちだけど大抵はつまらない。
このSSもその例に洩れなかった。 -- 2012-06-13 00:33:05
- 『ガイアが俺にもっと虐待しろと囁いている』 -- 2012-03-25 18:54:01
- 生物闘争の果てに生き残った現代の生き物達。
そんな子供達の世界に入ってくるのを地球は「否定」したんだね。
遺伝子すらもたない饅頭みたいな外の世界からの侵略者を -- 2010-10-13 22:33:46
- ↓地球 -- 2010-10-02 14:41:03
- ゆかりんオチなんだねーわかるよー -- 2010-06-07 22:31:45
- 餡子の塊を動物が食べ続けたら死んじゃうよーわかってねー -- 2010-03-09 18:08:31
最終更新:2009年11月30日 17:07