ふたば系ゆっくりいじめ 546 リウム

リウム 17KB


観察 差別・格差 飼いゆ 希少種 現代 うんしー 途中でイラッとくるかも

○注意
 ・この物語の殆どのゆっくりは読者様を非常に不快にさせます。
 ・ある種のテラリウムです。
 ・世界設定は現代ですがちょっと近未来入ってるかも。
 ・読みづらいところは気合でカヴァーしてください。
 ・なんか物足りないかも・・・
 ・独自設定入ってます
 ・チルノはMEの嫁!!


 とあるマンションの一室、部屋の片隅に佇む幅60センチ弱の水槽の中、飼っているのは魚ではないが非常に見慣れた光景でもある。

~ゆっくリウムの光景~

 水槽の中には飼育に適した特殊な土、根元が開いた流木が2本、餌いれと飲み水の小皿がふたつ、
小石が数個あとは飼い主が遊び心で入れた半分に切ったトイレットペーパーの芯が2本。
外は上部に灯りを調整する蛍光灯、水槽の中から外の景色が見えないようにする為に張られた特殊なフィルター、
衝撃を吸収するシートを下に敷くなど徹底的だ。

そしてメインであり一番大事である飼っている内容はというと、

「ゆ~ゆっきゅり~」「ゆっきゅりゆっきゅり♪」「ゆ~ゆ~・・・」「ゆんゆゆゆ~」

れいむ種とまりさ種が二匹ずつの計4匹、それもまだ赤ゆっくりである。
そう、これはゆっくりを野生に近い環境で飼育し、観賞するゆっくりのテラリウムである。
4匹は流木の根元と芯の中を1匹一つずつの巣としてそれぞれの生活を送っていた。

だがこの四匹、飼うにはかなりの問題を抱えていた。

飼い主が4匹に餌をやるとき、水槽の蓋を開けた時だ。

「ゆ!じじいがきたにょ!!はやくれーにゅにあまあましゃんをちょうらいね!!」
「にゃにいってりゅんだじぇ!まししゃがさいしょだみょ!!」
「ぐじゅぐじゅしにゃいではみゃくよこしぇー!!」
「あみゃあみゃじじいちねー♪」

そう、この4匹は揃いも揃ってゲスな性格なのだ。
欲張りなゲス4匹は小さな下を左右に振り乱し、
餌を我先に得ようと餌皿の上に乗り(れいむ種に至ってはもみ上げも動かし)体を伸ばす様は一見茄子に見えなくも無い。
飼い主が水槽内に手をいれ、餌である砂糖と片栗粉を水で溶いたものが入ったスプーンを傾けると餌は餌皿に落ちることなく、
変わりに上に乗り上げた赤ゆの上にかかる。

『ぺ~ろぺ~ろ・・・・しししあわしぇぇぇぇ~~!!!』

そんな事もお構いなしに赤ゆは自分にかかった餌を舐めとり舌鼓を打った。
無論このゆっくりの本能であり延髄反射ででる『しあわせ』は赤ゆの甲高い声と合唱が合わさりかなりの騒音なのだが、
この水槽もゆっくりテラリウム用の特別性であり、あの煩い合唱も完全に防音する優れものである。

「もっちょほしいよ!!」
「しゃっしゃとちょうらいね!!」
「ぐじゅぐじゅしゅるにゃー!!」
「よこしぇじじー!!」

大事なことなので2回言うが、この4匹の赤ゆはゲスだ。だが飼い主は何も言わずに2杯目の餌を餌皿に垂らし、
赤ゆはゴキブリ並みの速さで皿に群がり誰よりも多く食べようと餌を必死に舐めとる。

「れーみゅはまだたりにゃいよ!!もっちょちょーらいね!!」
『しゃっしゃとよこしぇー!!くしょじじいー♪』

しかし、やってきたのは餌ではなく沈黙。簡単なことだ、餌は有限ではない、無くなったらもう無いのは当たり前のことだ。

「にゃにや"っでりゅの"ぉぉぉぉぉ!!?どびょじぃでぇあみゃあみゃしゃんよごじゃにゃいにょぉぉぉー!!!?」
「しゃっしゃとぉぉぉぉあみゃあみゃおごじぇぇぇぇぇぇ!!!」
「ぐじゅのじじいはじねぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
「よごじぇぇぇぇぇぇ!!ぢねぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

しかしゆっくり、しかも赤ゆにそんな事が分かるはずも無い、4匹一斉に何も無い天井に向かって罵声と欲望を喚き散らす。
くりくりだった目は完全に見開き、全身の半分ぐらいに口を開き倍以上の歯と歯茎を露出させ、髪をこれでもかと振り乱す。
この姿を見たらたとえゆっくり愛護派の者であろうとも完全に嫌悪と殺意が湧き湧き上がるであろう。

そして次第に疲れ始めそのまま熟睡、朝になれば昨日の怒りなんて餡子脳の片隅に追いやられてしまう。
もうこんなやり取りが、赤ゆを水槽にいれてから3週間はこのやりとりを繰り返している。

そんな同じことの繰り返しの毎日の中、今日は全く違うことが起こった。
飲み水用の小皿とトイレットペーパーの芯が無くなったのだ。
代わりに赤ゆっくりが入れそうな空間が開いたモアイ像のオブジェが二対と、岩を模して創ったプラスチックの小型の貯水池だ。
しかもこの貯水池、湧き水のように水が上から垂れ落ち、
余った水はそのまま排水溝からろ過装置を回りまた貯水池に落ちてくるというかなり高価な代物。
全て飼い主がこの水槽で飼う予定であるゆっくりの為に奮発して購入した新品だ。

「おみじゅしゃんぎゃとちぇみょきりぇ~」
「おうちしゃんがもっちょゆっきゅりできりゅ~」

赤ゆ達は新しいおうちと飲み水場にとてもごきげんだ。
昨日の欲望を剥き出しにした形相から想像もつかない位に愛くるしい表情を浮かべうれしそうにその場をぴょんぴょんと跳ね回った。

だが赤ゆの正に愛玩動物と言うに相応しかった形容は急速に終わりを告げた。

「ゆ~ん!きょうきゃらきょきょはれいみゅのおうちじゃよ!!」

それは今まで流木をおうちとしていたれいむがモアイ像のおうちの前で高らかにゲスゆ特性の『おうち宣言』をした時だった。

「にゃにいってりゅのー!!?きょのおうちしゃんはまりちゃのもにょだよー!!!」
「へんにゃこといわないでね!!きょきょはれいみゅのおうちだよ!!!」
「きょきょはまりしゃのおうちだじぇ!!へんなこちょいうげしゅはゆっくちできにゃいよ!!!」
「うるちゃーい!!きょきょはさいしょきゃられいみゅにょだってきみゃってたにょ!!!」

ゆっくりは総じて自分の欲に忠実。水場に近くでゆっくりできるという最良の物件であるモアイ像のおうちを4匹皆が狙っていたらしく、
4匹はあの昨日の欲の権化の姿へと早変わりした。

「みゅぎいいいいいいいいいいいいいい!!いいきゃげんにしちぇね!!!
きょきょはれいみゅのおうちだって気みぇちゃにょぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「きょきょはまりしゃにょおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「れいみゅのぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「ゆぎぎぎいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

誰の物とも一切決まっていないというのに、この不毛な争いは疲れて寝つけばすぐに終わるはずだった。

「れいみゅのおうちをうびゃうげしゅはちねぇぇぇぇぇ!!!」

どれもおうちも譲らないれいむは遂に強硬手段に出た。まりさを体当たりで突き飛ばしたのだ。
しかも偶然か、突き飛ばされたまりさの後ろには石があり、まりさは激突。その衝撃で頬の辺りの皮が破け少量の餡子が漏れ出していた。

「ゆわあぁ~ん!!!まりしゃのきれいにゃびはだぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!!」
「「にゃにやってるにょれいみゅうぅぅぅぅぅぅぅ!!?」」
「ゆきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃ!!れいみゅにしゃかりゃっちゃんだきゃりゃちょうじぇんにょけっきゃだよ!!
げしゅにゃまりしゃはゆっきゅりしにゃいでしんでにぇ!!!」

まりさは当然泣き出しその場でジタバタ暴れだし(これ自体餡子が漏れ易く死に急ぐ行為だとは全く知らない)、
他二匹はれいむの突然の行為にただ驚愕し、れいむは泣き喚くまりさを見て子供のものとは思えない下劣な笑い声と笑顔をみせていた。

「そしょれじゃあげしゅはちょっちょとせーしゃいすりゅよ!!!」

ゆっくりにとって同属殺しは最大の禁忌、しかしそれは本能ではなく親が子に教えるもの。
四角い水槽の中に親なんてものはいない、いるのは4匹の幼いゆっくりだけ、制止しようとするのはどれもいない。
れいむが追い討ちをかけようとまりさに更に体当たりを咥えようとした時、何か柔らかく暖かいものがれいむの前方を遮った。
それは飼い主の手であり、飼い主は小さな虫取り網でまりさを水槽から取り出した。

「ゆ・・・おしょりゃをちょんでりゅみちゃい・・・」
「ゆ!!じじいがれいみゅのきゃわりにげしゅをしぇーしゃいしちぇくりぇりゅんじゃね!!!しゅっぎょくたしゅかりゅよ!!!」

天へと上っていくまりさをれいむは満面の笑みで見上げ、
更には「ちーね♪ちーね♪まりしゃはちーね♪ゆっきゅりできにゃいやちゅらみんにゃちーね♪ちーね♪」などと音程の外れた歌を歌いながら水槽内を我が物顔で跳ね回っていた。


それから3日たった日の事だ。
れいむはあの日から四匹の中で絶対的な権力を手に入れていた。
餌も水飲み場も別のれいむが持っていた『たからもの』である変わった形の小石も全てれいむが独占していた。
ほか二匹は歯向かおうにも餌の量が多くなったれいむはたった3日で一回り大きくなり、
体(自分達以外の他生物は頭部)の大きさで地位や品格を決めるゆっくりとって更にれいむは絶対的な独裁権を保持した。

そんな時に、今日2回目の餌と同時に3日前にれいむが傷つけたまりさが飼い主の手によって水槽の中へと入れられた。

「ゆぎいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!どぼじぢぇまししゃぎゃいぎでぇりゅのぉぉぉぉぉぉぉ!!?
じじいにごろじゃれたんでじょぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!?」

無論それが気に入らないのは独裁饅頭れいむだ。
他の赤ゆより一回り大きいがその体は過度の糖分摂取により下膨れが更に大きくなり、頬も常に膨らんでいるデブの外見だ。
れいむは全身真っ赤にし歯茎をむき出しにしながらもみ上げを激しく振り回す。

「やくにたたにゃいじじいだね!!!おい"!おみゃえぎゃあにょげしゅをしぇーしゃいしりょ!!!!!」

独裁れいむは脅して下僕にした二匹にまりさを殺すように命令する。
二匹は逆らえばこの場で殺されてしまう以上渋々まりさに詰め寄る。

「ゆ!しょんにゃこちょよりまりしゃのはにゃしをきいてぇね!!」

しかし、それを止めたのはまりさ自身だった。

「にゃんにゃにょっ!!!くじゃりゃにゃかっちゃらそくしけいじゃきゃらにぇ!!!」

最初から殺すつもりだったのに何を今更と思うが、れいむは玉座として使っている石の上に乗ると体は鏡餅のように変形した。

「ゆ!わかっちゃよ!!」

まりさが話したのは3日前、飼い主に網で掬い上げられた時の事だ。
無論飼い主はまりさの怪我の治療のつもりで取り出したのだ、皿の上に乗せられるとオレンジジュースの塗られた筆で傷口を塗り、
後はパンの切れ端と一緒に小型の透明の箱の中に傷が回復するまで入れられていた。

そしてまりさは見てしまったのだ。

四角い箱の中に閉じ込められたまりさと一緒にいた3匹の他に、同じように箱の中に閉じ込められたゆっくり達の姿を。
それも一つや二つだけではない。
一つの流木の中で暮らすまりさ種とありす種とぱちゅりー種、一緒に草を食べるちぇん種とらん種、
水の中を優雅に泳ぐにとり種・むらさ種・まりさつむり、木の枝の上で眠るれみりゃ種、
自分達の大きさと比較して全て赤ゆっくりであろう多種多様のゆっくりがそれぞれ箱の中でそれぞれの暮らしを送っており、
飼い主はそれを眺めながらたまに一瞬だけ光る何かをゆっくりに見せていた。
まりさはその光景に見とれてしまっいた。

「ってこのはこしゃんのしょとはこうなっていちゃんだよ!!」

まりさの話に他の3匹は疑うことを知らず、目をキラキラさせていた。
産まれてから大きな箱の中に大量の同胞達と共に入れられ、飼い主が自分達を選んでからいきなり紙の箱に入れられ、
目が覚めたらいつの間にか森の中にいた。4匹は箱の中から開放され自分達の世界を得られたのだと思い大喜びだった。
しかし現実は違った。結局自分達はまた狭い箱の中に入れられていただけだったのだ。

4匹は絶望しそして決意した。今度こそ箱から抜け出そう。今度こそ自由と自分達の世界を手に入れよう。

「ゆ!!だったらこんでゅおこしょはこしゃんからにゅけだしょうよ!!」
「じゃあまじゅあににょじじいをきょろしゃにゃきゅちゃね!!」
「しょれにゃりゃびゃはこしゃんにょにゃきゃにょほきゃのやちゅらをかっちゃおうよ!!!」
「れーみゅたちでこのおうきょくにょせいりょくをきゃくだいしゅりゅよ!!!」

そしてあわよくば他の箱のゆっくりの巣や食料を占領し支配してしまおうと。

赤ゆ達の野望も知らずに、飼い主は突如かかって来た電話のあと、右手で力いっぱいガッツポーズをとった。



「「「「ゆっきゅりしていっちぇね!!!」」」」

それから翌日の事、4匹は当日結構する飼い主の抹殺とおうちの占領の第一歩として目を覚まし同じみの声を上げた。

が、まさか四匹はその一歩も踏み出せないまま終わろうなどとは思ってもみなかったであろう。
四匹が目覚めたのは小さな透明な箱の中。まりさを治療の為に入れた物と同じヤツだ。

その中で四匹は飼い主が自分達のいた水槽に何か手を加えているのを目撃した。
餌皿を取り出し、小さな青草やキノコをピンセットで丁寧に土に植えている。

水槽に使われていた土は最新技術によって創られた植物の成長を促進させる微生物がふんだんに詰った培養土であり、
肥料いらずで日光と水分があれば手を加えずとも簡単に草花が育つ。
そして数センチほどの植物だったら、微生物が植物の再生機能を促し、
根っこさえ残っていれば僅か一日足らずですぐ元の長さまで戻ってしまうのだ。

かくして、今まで不毛の地だった四匹の水槽の中は青々とした草が生い茂った『小さな雑木林』へと変貌した。

「じじいはいっちゃいにゃにやっちぇりゅんだりょ・・・」
「ゆ!!きっちょじじいはれーみゅにこーふきゅにょあきゃしなんだよ!!!」

餌は勝手に生えてくる。知能の無いゆっくりの考えを持つ4匹には飼い主の行動が全く理解できなかった。
だから4匹の餡子脳は自動的に自分の都合のいいように解釈され、4匹は物事が順調に行っていると思い込み跳ね回る。

だが、それは僅か数分後に脆くも崩れ去る。

『ピンポーン』

突如インターホンがなり響き、飼い主はまるで待っていたのばかりに笑顔になり軽い足取りで玄関の方へと向かう。
それからすぐに飼い主は部屋へと戻ってきた。かなり上機嫌なのかステップを踏んで。正直キモイ。
飼い主はすぐに手に持った箱の蓋を開ける。
中に入っていたのは水色の髪、青いリボン、透明な羽のついた丸いものが4つ。

ゆっくりちるの種だ。どれも赤ゆサイズで箱の中で静かに寝息を立てている。
飼い主はちるのに触れると指先から氷を触ったような感覚になる。
だがその感触も楽しむ前に素早く且つ慎重にちるのを先ほど草を植え込んだ水槽の中へと入れていく。

「にゃんにゃの!?あにょゆっくり!!」
「まりしゃしっちぇるよ!!ありぇはちるのっていってしゃべりぇにゃいびゃきゃにゃんだみょ!!!」
「きっちょじじいぎゃれーみゅのどれいにょみちゅぎもにょだよ!!!」
「ひゅんじゅけてぇあしょぼう!!はにぇしゃんをむしっちぇあしょぼう!!あみゃぎっちぇあしょぼう!!」

いい加減気付いてもいいものだが、所詮赤ゆの知能じゃそんなものかもしれない。
ちるのを全て入れ終えた飼い主はテーブルの上の4匹の方へと向かう。
やっと出してくれると思い4匹は心が躍りだすと同時に、狭い箱の中へ閉じ込めた事に対し頬を膨らませ怒りを露にする。
たしかに飼い主はこの4匹を箱から出すつもりだ。

手に皮の作業手袋を嵌め、右手には熱された半田ごてを持ち、左手で饅頭を掴み半田で口を素早く焼いた状態で。
飼い主、いや買い主はその予想外の展開に餡子脳が追いつかない間に残り三つの饅頭にも同じ作業を施す。

皆は知っているだろうか、テラリウムなかでも本格的なアクアリウムは水槽にカルキ抜きされた水や水草を入れてから約1ヶ月程魚は入れない、
それは魚が棲む為に必要なバクテリア等を自然発生させる為だ、
そして1ヶ月後に『パイロットフィッシュ』と呼ばれる魚を何匹か住まわせ水槽の具合を確かめた後、改めて魚を入れるのだ。

まず順に説明しなければならない。
この飼い主が飼っているゆっくりは、実は赤ゆではなくりっぱな成体ゆである。
小さい理由は、ゆっくりの先端技術により遺伝子改良されて創られた『まめゆっくり』という種である為だ。

まめゆっくりは文字通りミニュチュアサイズのゆっくりであり成体に育っても直径4センチ以下までしか育たない。
しかも従来のゆっくりの持つ言語機能や宗教的概念そして人間性と中途半端な知能が全て取り除かれており、
知能が低下したか、はたまた『ごく普通の動物へと進化』したかは賛否両論ではあるが、観賞用ペットとして非常に飼い易くなっている。
だが同時に大きな欠点もある。それは極端にストレスに弱いことだ。
大きな振動や大きくて動く物体が視界に入ったり落ち着かない場所に移されただけでいとも簡単に死んでしまう。
特殊なフィルターやシートは前者の打開の為、そして後者の打開策は移住場所をゆっくりが棲みよい雰囲気に作り変えること。

その為にはメインのゆっくりを入れる前に安価のゆっくりを入れ一定期間水槽内で飼っておき、
同属の匂いやいたという名残を残しておく方法がある。
ただし死臭はストレスの原因となるので、まりさを治療したのはその為だ。

つまり、あの4匹の赤ゆが意味合いこそ熱帯魚のとは殆ど違うが、まめゆを飼う為の『パイロットフィッシュ』なのだ。

「あ・・・あたい!」

一匹のちるのが目を覚ますと他の3匹も遅れて瞼を開ける。彼女らが目を覚ました場所は緑の草が生い茂る雑木林。

「あたい!あたい!」
「あたい!!」

同属の気配が彼女達を常にゆっくりできる状態にし、半透明の羽は蛍光灯の光でキラキラと光る。
ちるの達は人語を話さないがその愛くるしい行動は喜びに満ちていることが一目で分かり、見るものの心も癒される。

彼女達はお腹が空いたのか、まず水飲み場で横一列に並んで水を飲んだ後あたりに生えている草やキノコを頬張る。
箱の中で飼うこと前提に作られたまめゆは長い運動を必要とせず、余計なカロリーを消費しないので基本的に小食な為ほんの僅かな量で食事が終わる。
食われた部分は土の再生機能により1日足らずで元どおりになり、事実上「餌が勝手にはえてくる」事になる。
赤ゆの時に草を設置しなかったのは大食である通常のゆっくりの食事量では再生が追いつかないからだ。

「あ"!あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁぁぁぁぁぁ!」
「あ"!あ!"あ"!あ"!!」

その愛くるしい姿を見て顔が緩みっぱなしの飼い主に対し赤ゆ達は勿論納得がいかない。
今まで住んでいた場所をいきなり追い出されそこを綺麗に改良されて別の誰かの住居にされるようなものなのだから当然と言えば当然である。
だがその訴えも丹念に焼かれた口では全く訴えることは出来ず、今まで醜態を晒し続けたこの饅頭の同情など誰もしない。

この4匹は近くの市場で買った加工場産の食用ゆっくりだ。
殺すことが前提とされている消耗品なので性格の矯正など一切行っていない。ただ虫や草などを食べていないので衛生的に良いだけだ。
よって買い主がこの4つの饅頭をやっと箱から出したのは台所のまな板の上。

「あ"う"ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

まずガスコンロで足を丹念に焼いて逃げないようにする。
赤ゆ痛みで悲鳴を上げるが焼かれた口からは低く唸るような小さな声しか上がらない。
初めに口を焼いたのは叫び声で騒音被害を防ぐ為だ。

「あヴぃヴぃヴぃヴぃあ"ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

続いて飾りの帽子やリボンを外して4匹の目の前で引きちぎり、次に手で髪の毛を毟り取り赤ゆの前に鏡を置く。

「あ"ヴぃヴぃヴぃヴあ"あ"あ"あ"あ"あ"あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

無論その姿を見た赤ゆはおぞましい怪物を見たのか、目を白黒させ全身が小刻みに震えている。
中にはしーしーを漏らす饅頭までいるが、今の買い主はソイツがなんの種なのか忘れたしどうでもよかった。

締めにナイフで後ろの皮に切り込みを入れ、そして素早く中の餡子を崩さないように饅頭の皮を剥がす。

「あ"・・・・あ"・・・・」

鏡の中の変わり果てた自分の姿に言葉も出でない。
瞼がない為目を瞑ることも、皮全体が無くなり自由に動けない為背けることも出来ず、
ただ目玉が二つある黒い餡子の塊を凝視せざるえなかった。

最後は皿に乗せられ、水槽のある部屋のテーブルーの上に置かれ、飼い主は餡子を堪能しながら自分の作品兼ペット達を鑑賞することにした。
知ってか知らずか、餡子についた目はちるのの入った水槽の方をに向けられていた。
大粒の涙を流す餡子は爪楊枝を刺されるとピクッと振動し、飼い主はついつい餡子に何回も爪楊枝を抜き刺しを繰り返してしまう。

そして、いたるところに穴だらけとなった餡子はやっと口の中へと入れられる。

快適な水槽暮らしから食料へ。浮かせた後に落とした餡子の甘みはまさに極上。
飼い主の舌の上で転がされた餡子は小刻みに振動し、時間をかけてゆっくりと溶かされていった。

「「「「あたいったらゆっくりね!!!」」」」

人間性よりも動物性を表面に出したまめゆは醜い争いをすることなく、それぞれ仲良く一つづつのおうちへと入って行き、
ゆっくり特有の鳴き声を合唱させる。
防音された水槽ではその声を聞けないのが誠に残念だが、その小さな全身でゆっくりを体現したその姿を見れれば十分だ。

飼い主はそう思いながら最後に残しておいた、他の3つよりも涙を滝のように流す大きめの餡子を頬張った。


  ~完~


○あとがき
 なんやかんやで二作目作っちゃいました。
結局ゆっくり全滅してませんね・・・まいいか!!



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感想

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  • ↓×2 最初に口を焼かれたため、餡子を吐けない&喋れないと「思い込んでいる」。 -- 2018-01-05 02:57:43
  • ちるのかわゆす! -- 2015-09-18 20:17:53
  • 剥いた後の餡子状態になった時って口の癒着部分引っぺがされてそうだしモノも喋れば
    叫びもしそうなもんだけどなぁ・・・
    ・・・と言う素朴な疑問 -- 2014-07-04 20:42:59
  • やっぱり観察系のゆっくりは面白いなあ。 -- 2012-06-23 02:40:14
  • もう遺伝子組み換え&遺伝子改造でゆっくりと言う生物(ナマモノ?)をだれかつくってくれ!
    -- 2012-02-16 02:30:38
  • ↓↓テラリウム自体は単に陸上生物を飼う箱の事で、特にそう言う定義はないですよ。
    もちろん生命球のようなものもテラリウムではありますが。

    あと、餌をあげてたのは食欲旺盛な赤ゆだからであって、豆ちるのは小食だから食べた分の草は勝手に生える、とかいてありますよ。 -- 2011-09-24 23:24:35
  • 食って大丈夫か? -- 2011-08-25 16:04:39
  • テラリウムというのは餌を入れなくても中の生物が生きていける環境をつくものですよ?
    この場合はテラリウムというよりは観察目的の飼育といったほうが正確なのでは? -- 2011-08-25 15:31:20
  • げすはせいっさい!だね
    わかるよ〜 -- 2011-08-24 19:31:06
  • ゲスゆっくりいじめは最高だな、もうちょっと苦しんで欲しかった……… -- 2010-10-24 14:47:30
  • テラリウム楽しそうだなー
    ゲスゆっくり虐待はすっきりするよー -- 2010-10-15 22:18:42
  • 犬猫もそんなもんだよ、躾けないと。 -- 2010-09-02 19:48:15
  • 境遇に同情はするものの、ゲス性は同情を相殺してしまうな。 -- 2010-07-14 00:53:42
  • テラリウム系はゆっくりできるね! -- 2010-06-05 03:03:59
最終更新:2009年12月04日 18:52
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