ふたば系ゆっくりいじめ 108 昔なつかしゆっくりれいむ01

昔なつかしゆっくりれいむ01 8KB




 昔なつかしゆっくりれいむ  作:YT


 裏の納屋でガタガタ音がするから見にいったら、ネズミ捕りのバネ罠に黒くて大きなものが引っかかっていたから、びっくりした。
 何これ。
「ゆっゆっ! ゆっ! ゆっくり逃げるよ!」
 あっ。
 この鳴き声は。
「ゆああああ、逃げられないよ! ゆっくりはなしてね!」
 ドッジボールぐらいの黒いものがこちらを向いた。思ったとおりだった。
「ゆっくり霊夢だ……」
「ゆっゆっ! ゆっゆっ!」
 もみ上げが罠に引っかかってもがいているみたい。幸い、ケガはないようだ。
 ちょっと前に友達のめっちゃんと、ペットが欲しいという話をしたとき、ゆっくりがいいよと言われた。
 飼ってるといろいろストレス解消になるからって。
 どうストレス解消になるかわからなかったけれど、自分からうちに来てくれたなんて、ラッキーだ。
 試しに飼ってみよう。ダメなら離せばいいし。
「ゆっゆっ! ゆーーーっ!」
「ねえゆっくり、こんにちは」
「ゆっ?」
 声をかけると、ゆっくりは私を見上げて叫んだ。
    __   _____   ______
   ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
    'r ´          ヽ、ン、
  ,'==─-      -─==', i
  i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
  レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .||
   !Y!""  ,___,   "" 「 !ノ i |  _人人人人人人人人人人人人人_
    L.',.   ヽ _ン    L」 ノ| .|  > ゆっくりしていってね!!!  <
    | ||ヽ、       ,イ| ||イ| /   ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
    レ ル` ー--─ ´ルレ レ´

「わー」
 日本語しゃべるんだ。
 丸い頭に黒い髪、赤い髪飾り。
 勝気な大きな目に、もちもちしたほっぺたと、生意気そうな口。
 聞いたとおりだ。
「ねえゆっくり。あんたうちに来る?」
「ゆっくりしていってね!!!」
「いや、うちに来るのかどうか……」
「ゆっくりしていってね!!!」
「それはもうわかったから……」
「ゆっくり! ゆっくりしていってね!!!」
「なんなの、あんた」
「ゆっゆっ! ゆーーーーーーーーー!!!」
 よく見るとゆっくりは訴えるようにしきりに跳ねている。
 びょんこびょんこ。びょんこびょんこびょんこ。
 離してほしいらしい。必死だ。
 必死だからゆっくり以外の日本語を忘れているのかな?
「うーん、とりあえず離してやるか……」
 私は罠のバネをゆるめてやった。
「ゆっくり!!!」
 とたんにれいむは一声叫ぶと、ぴょんぴょんと跳ねて納屋から出ていった。
「あっ、こら!」
 足が速い。逃げられちゃう。
 と思ってあわてて納屋から出たら、まだ五メートルぐらいしか進んでいなかった。
「ゆっくりにげるよ!!!」
 ぴょんぴょん。ぴょんぴょんぴょん。
 遅い。こっちが歩くのと同じぐらいだ。猫なんかよりずっとマヌケな感じ。
 だから「ゆっくり」なのかなー。
 私はとても簡単に追いついて、ひょいとゆっくりを抱き上げた。
「ゆっく!?」
 ものすごく驚いた感じで叫ぶゆっくり。のたのた、のたのたと抵抗する。
 わー、けっこう重い。裏側がむにむに動く。そんで甘い匂い。
「れいむつかまっちゃったよ! おうちかえりたいよ!」
「まあまあ、おいしいもの出すからさ」
「ゆっくり! ゆーーー!!!」
 叫ぶゆっくりをつれて、私は家に入った。

「ほれ」
「ゆっ!」
 部屋に入って床に投げ出すと、びたんと落ちてから辺りを見回した。
 右へのたのた。左へのたのた。
「ゆゆっ? しらないばしょだよ! ゆっくりしらべるよ!!!」
 あれ、怖がらないんだ。
 ゆっくりれいむはフローリングの床をのそのそ這いずり出した。
 私の部屋は十二畳の長方形で、服や本やクッションがいろいろほったらかしてある。
 その合間を、ドッジボールぐらいの黒い頭が楽しそうにするする動いてる。
「ゆっゆっ♪ ゆっゆっゆっ♪」
 もう外のことは忘れちゃったのかな。子供みたい。
 なんだか可愛い。
 私は椅子に後ろ向きにかけて、しばらくれいむを見つめていた。
 すると。
「ゆっゆっ。ゆっゆっゆー……」
「あっ、ばかっ!」
 ゆっくりが、立ててある等身大の姿見の下を通ろうとして、脚を閉じちゃった。
 パタン。ぐらーっ……ばたーん!
「ゆべぇ!!!」
 見事に下敷きになるゆっくり。悲鳴が上がってなんかグチャッという音がした。
 うわぁ(汗
 うわぁ、いきなり死亡? ちょっとドジすぎない?
 私はあわてて駆け寄って姿身を起こした。
 すると、ハエタタキで叩かれたハエみたいに、半分ぐらいの厚みになったれいむがいた。
 コップ半分ぐらいのあんこを口から扇状にこぼしているけれど、生きてはいるみたい。
「ゆっくり、しっかり!」
 抱き起こすと、「ゆ・ゆ・ゆ……」と白目を剥いて震えていたれいむが、ふっと生き返った。
 涙目になってわめく。
「もうこんなとこやだ! ここはゆっくりできないよ!」
「まあまあ、そう言わずにさ。お菓子食べない? お菓子」
「れいむおうちにかえる! ゆっくりはなしてね!」
 相変わらず話を聞かない。
 っていうか、この子、ひょっとして。
「ねえ、ゆっくりれいむ? ちょっとお話しない?」
「ゆっゆっ! ゆっくりしたいよ! ゆっゆっ!」
「私、エリっていうんだけど。れいむはれいむでいいの?」
「ゆっゆっゆっ!」
 ……日本語、ぜんぜん通じてない?
 私はゆっくりを床に置いてみた。ゆっくりは窓に向かって勢いよく逃げ出した。
 ぴょんこぴょんこ! ぴょんこぴょんこ……べしっ。
「ゆべぇ!」
 窓ガラスに衝突して平たくなって、後ろへころんと転がる。
 かと思うと、こりずにもう一回突進して、またもぶつかった。
「ゆっくりかえるよ!!!」
 ぴょんこぴょんこ……べしっ。
 ぴょんこぴょんこ……べしっ。
 まるでガラスの存在が分からないみたいに、何度でもぶつかっては転げている。
 ううん。わからないみたい、じゃない。
 本当に分からないんだ。
 私はそっと部屋を出て、クッキーの皿を持って戻ってきた。まだ体当たりしてるれいむのそばに、一枚落としてみる。
「ゆゆっ!? あまあまのにおいだよ!」
 れいむは素早く反応した。食べ物には敏感みたい。うつむいてモソモソと食べる。
「むーしゃ、むーしゃ……」
 そうしたら、みるみる涙をこぼして、天国にいるみたいな顔になった。
「しあわせー!」
 とても可愛かったけど、今ちょっとそれどころじゃないので、検証の準備をする。
 クッキーを帽子に入れて、箱と袋に並べてこっちにおいた。
「れいむ! こっちをみて!」
「ゆっ?」
「この三つの入れ物のどれかに、今上げたお菓子がはいってるよ! 食べてみて?」
「ゆゆっ?」
 ころん、と首をかしげたれいむが、なんとなく雰囲気を察したのか入れ物に近づいた。
 そのとき、私は教えてあげた。
「れいむ、お菓子は帽子の中だよ!」
「ゆっくりさがすよ!!!」
 てんてん・てんっ。
 れいむは身軽に飛んでいって、まずは箱の中を覗いた。そこが空っぽなので袋に行って、最後に帽子をのぞいた。
「ゆゆっ! あまあまをみつけたよ! むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!」
 ああー。
 よくわかった。ゆっくりれいむは、一見日本語をしゃべるように見えるけど……。
 実はまったく言葉が通じないし、人間のことも見えてないんだ。

 それから私は、適当にクッキーをあげながらゆっくりれいむをよく観察してみた。
 ゆっくりはクッキーを食べると、また部屋の中を探検し始めた。
 甘いもののおかげで痛いことをコロッと忘れたみたい。単純。
「ゆっゆー♪ ゆっゆー♪」
 鼻歌を歌いながら調べ終わると、部屋の隅へクッションをずるずる引きずっていって、積み上げた。
 そしてクッションの洞穴みたいなものを作って、その中に居座っちゃった。
 そこから、偉そうな叫び声を上げた。
「ここはれいむのゆっくりプレイスだよ!!! ゆっくり!!!」
 それからいつまでたっても出てこないから、覗いてみたら中で寝ていた。
「ゆぅ……ゆぅ……ゆぅ……」
 目を閉じて斜めになって、よだれを垂らして。
 ほんとに幸せそうな寝相だった。
 それがあんまり幸せそうだったから――
 ついなんとなくむらむらして、外から輪ゴムを飛ばしちゃった。
 ぱっちん!
「ゆうっ!?」
 私はサッと穴から離れる。穴の中から不思議そうな声がした。
「なんだかお顔がぱっちんしたよ! ふしぎ!」
 まぬけだなー。
 私は隠れてくすくす笑った。

 後で友達のめっちゃんがうちに来た。
「ちょっ、えっ、何これええええええ!?」
「何、どうしたの」
 めっちゃんはうちのれいむを抱き上げて、目茶苦茶珍しそうに上下左右にひっくり返した。
「原種じゃん!」
「原種?」
「ずっと昔のゆっくりれいむだよ!」
「今のと違うの?」
「今のはもういろいろ知恵がついたりスレちゃったりして、全然別物になってるんだよ」
「ゆっくり! ゆっくり離してね!」
 れいむは相変わらず勝気な無表情のままで、めっちゃんの手からモリモリと逃げ出そうとしてる。
 めっちゃんはそれを無理やり抱きしめて、派手に頬ずりした。
「ああー、いいなこれ。人間全然見えてない。めっちゃいいなあー」
「そんなにいいかなあ」
「いいよ! ねえ、うちのと変えてくれない? 赤れいむと赤まりさに、赤ゆうかにゃんもつけるから!」
「うーん、よくわかんないけど……」
 私はれいむを見た。
 ゆっくり! ゆっくり! と叫んでめっちゃんの手から逃げ出したれいむが、ぼとんと落ちる。
 それから床を跳ねて、私の足元に来た。
 てーんてーんてーん、ぴとっ。
「れいむおなかがすいたな! ごはんにしたい!」
 あれっ?
 私が見えるようになったのかな?
 こっちを見ずに、無表情のまま足元にもたれてるだけだけど……。
「んー」
「どう!?」
「やっぱやめとく。もうちょっと飼ってみる」
「なあんだ……」
 めっちゃんはすごくがっかりして帰っていった。
 私は、この頭の悪いれいむを飼うようになった。
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繁殖も制裁もエロも冒険もやり尽くした後で残ったのは
ゆっくりをツンツン触りたいという気持ちでした。
部屋の中をのそのそ歩き回らせて、いじりたいときだけいじる、という。
猫飼うのと一緒ですね。
YT


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感想

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  • 赤ゆうかにゃん?╰(‘ω’ )╯三ホシイホシイ -- 2023-02-14 17:35:01
  • 簡単な言葉しか喋らないから、だろうと思ったよ。
    この友達の反応だと原種の売り買いや飼育は法律?に引っ掛かるのかも? -- 2018-03-21 20:51:33
  • 赤ゆうかにゃん(^q^) -- 2012-12-09 16:51:14
  • 赤ゆうかにゃんだと…許せる!
    -- 2011-08-22 10:13:42
  • 原種見つけて赤ゆうかにゃん欲しいな -- 2011-07-28 16:09:25
  • >「いいよ! ねえ、うちのと変えてくれない? 赤れいむと赤まりさに、赤ゆうかにゃんもつけるから!」
    赤ゆうかにゃん、だと…?
    話を聞こうか -- 2010-09-24 07:14:58
  • これが伝説の… -- 2010-07-08 00:44:05
最終更新:2009年12月26日 17:00
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