クリスマスは、十ゆん十色 9KB
ギャグ 小ネタ 現代 ポールあきの肉まんシリーズ
*イブに上げようと頑張ったよ!!! でも無理だったよ!!! だからあまあまちょうだいね!!! 飢餓に苦しむ発展途上国の子供たちを笑顔にできるぐらいでいいよ!!!
*題名に十とかありますが、十も出ないです。
*今回は、本当に虐めがないですよ。ただし、愛ででもないです。
*ポールあきの過去作に出てきたキャラがけっこう出てきます。
クリスマス。
それは、毎年行われる行事の中でも、リア充が最高にハッスルし、非リア充が最も肩身の狭い思いをするイベントである。
そんな両極端な聖夜は、誰にだって平等に訪れる。
人間にも、ゆっくりにも。
餡子脳お兄さんと賽銭箱れいむの場合
一人と一匹は、お兄さんによって、ド派手なイルミネーションが飾り付けられた、ド明るい部屋の中で、ド小規模なパーティーを楽しんでいた。
本当は、友達も誘って、盛大なパーティーを計画していたお兄さんとれいむであったが、「帝王に愛などいらぬ。クリスマスなど滅びるがいい」と友人からは参加を断られてしまった。
それでも、パーティーは華やかなものとなった。
お酒の飲めないお兄さんは、葡萄ジュース、そこそこアルコールに強いれいむは、シャンパンで乾杯をして、楽しく歓談しながら料理をつついた。
れいむがオーブンの中に閉じ込められるなどして、文字通り命を賭けて作った七面鳥のローストと、お兄さんが意味も無く無駄にたくさん買ってきたクリスマスケーキを、二人して食べ終えたところでパーティーは御開きとなったのだが、お兄さんのテンションは、いまだ下がることを知らない。
それもそのはずだ。
何しろ、お兄さんが楽しみにしているイベントは、これから始まるのだから。
「れいむ! れいむ! 今年もサンタさんは、来てくれるかな!?」
「お兄さんは、いい子にしてたから大丈夫だよ。毎日おしごとをがんばってたし、家事のおてつだいもしてくれたよ。それに、お風呂にも、ちゃんとひとりでゆっくり入れるようになったんだから、サンタさんもきっと褒めてくれるよ」
このお兄さん、社会人になった今でも、サンタクロースの存在を信じているピュアな青年であった。
ただ、当然のことだが、サンタクロースが彼の元に訪れることはない。
サンタクロースからプレゼントを貰えるのは、子供だけなのだ。
当たり前と言えば当たり前の話である。
しかし、飼い主思いのれいむが傍にいる限り、お兄さんの幻想が壊れることなどありはしない。
プレゼントは、既に購入して、倉庫に隠してある。
お兄さんには、「倉庫には、怖いおばけさんがでるよ」と常日頃から言い含めてあるので、見つかる心配はない。
代わりに、お兄さんが倉庫に近寄らなくなってしまったが。
そして、良い子なお兄さんは、夜の九時になると眠ってしまい、翌朝の六時まで絶対に起きない。
こっそりと部屋に侵入するのも楽勝だ。
後は、電子辞書と睨めっこしながら作った英文のクリスマスカードと「罪袋仮面変身セット」を枕元に置いておけば、今年のクリスマスも無事に終了。
そうなるはずであった。
「よかったー! 世界で一番ゆっくりしたゆっくりのれいむがそう言ってくれるなら間違いないな!!! それにしても楽しみだなぁ!!! 『超合金 DXれみりゃザウルス』!!!」
「ゆう!!? ま、まってね、お兄さん……。お兄さんが欲しかったのは、『つみぶくろかめんへんしんせっと』じゃなかったの!?」
「ん? ああ!! それは、お小遣いを貯めて買うことにしたんだ!! あまり高価な物を頼んだら、サンタさんが可哀想だろ!!? 世界で一番ゆっくりした人間の俺は、気遣いも出来るのさ!!!」
ああ、その気遣い、もっと別の場所で発揮して欲しかったよ。
心の中でひっそりとつぶやいたれいむは、お兄さんが書いていた「サンタさんへの手紙」を読まなかった二週間前の自分を呪った。
こうして、どうにかして『超合金 DXれみりゃザウルス』を入手しようと頑張るれいむの、眠れないクリスマス・イブが始まるのであった。
野良まりさと虐待お兄さんの場合
「ヒャッハー。聖夜だけど虐待だー」
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!! ぎゃくたいおにいさんは、ゆっくりできないぃぃぃぃぃぃぃ!!! ……ゆぅ?」
人気のない公園で、薄汚れた野良まりさが、モヒカン頭の世紀末虐待お兄さんに虐められている。
そんないつもの日常風景かと思いきや、どうやら様子がおかしい。
虐待お兄さんの台詞に覇気、分かりやすく言うと「!」がない。
トレードマークの長大なモヒカンも、どこかくたびれていた。
「ゆう……。どうしたのにんげんさん!? げんきがないよ!? ぎゃくたいされるのは、いやだよ!!! でも、げんきのないにんげんさんにぎゃくたいされるのは、もっといやだよ!!!」
虐待対象のまりさからも心配される始末であった。
「ああ……。なんかさ。俺、何やってんだろうと思ってな。クリスマスに恋人もおらず、友達と騒ぐでもなく……。はっ、ははは!!! そう…だよな!!! プロ虐待士なんて仕事してる俺が、幸せな聖夜を過ごせるわけないんだよな!!! はははははっ……。笑えよ! 笑ってくれよ!!!」
まりさには、その場に跪いて涙を流す虐待お兄さんがとても小さく見えた。
自分よりも、何倍も大きな体を持った人間。
いつも、仲間たちにゆっくりできないことをする人間。
そんなゆっくりできない人間に、ゆっくりしてもらいたい。
普段なら願うはずもない、おかしな願いだが、そのときのまりさは切にそう願っていた。
「おにいさん、げんきだしてね!!! ひとりがさびしいなら、まりさとゆっくりしようよ!!! まりさをいじめたいなら、いじめてもいいよ!!! おなかへったなら、ちょっとだけかじってもいいよ!!! だから、ゆっくりげんきになってね!!!」
「……へ………へへ…………。野良饅頭、お前…いいやつだな。よし!! 今日は、虐待なんて止めだ!! 明日の朝まで、一緒に飲み明かそうぜ!!」
そう叫んだお兄さんは、まりさをむんずっと引っ掴むと、愛車のハーレーに乗って公園から去っていった。
バイクの上で、「「ひゃっはー、さかもりだー!!!」」と叫ぶ一人と一匹は、本当に楽しそうであった。
それは、聖夜に起きたちょっとした奇跡だったのかもしれない。
その後、酔っ払った虐待お兄さんは、嫌がるまりさに無理矢理チョメチョメして、見事に変態お兄さんへとジョブチェンジしてしまうのだが、それは些細なことである。
孤高のメイキャッパー・チルノフの場合
ここは、某国の紛争地帯。
そこでは、クリスマスもへったくれもない。
今日も今日とて、ベースキャンプには、ひっきりなしに死体が担ぎ込まれて来る。
その死体が腐らないように冷凍処理し、さらにメイクを施すという、ほとんどエンバーミングのような処置を行うのがチルノフの仕事であった。
死体に化粧などという、一見無駄としか思えないような行為であるが、これには重要な意味がある。
勇壮に彩られたかつて仲間であった者たちの死体は、残された兵隊の士気を高め、紛争を早期に終結させることができる。
少なくとも、彼女の技術には、それだけの力があった。
「ミス・チルノフー。あたらしいしたいだよー」
「……おうどんたべたい」
ゆっくりおりんが、アンパンマンに新しい顔を持ってくるバタコさんのノリで、全身の皮が焼け爛れた新鮮な死体のローストを運んできた。
また仕事が増えて気が滅入るが、文句など言わない。
黙々と正確無比な仕事を行う彼女であったが、たった一つだけ心配事があった。
日本にいるクリスマス嫌いな友人たちが、また馬鹿なことをしていないだろうか……。
それだけが心配でならなかった。
肉まんと愉快な仲間たちの場合
「帝王に!!!」
「愛などいらぬ!!!」
聖帝お兄さんの言葉に合わせて、お師さんまっちょりーが唱和する。
「クリスマスなど!!!」
「滅びるがいい!!!」
続くのは、ペットショップ店員の胴付きさくやさん。
「リア充ども!!!」
「ばくはつしろだどぅ!!!」
最後を、お兄さんの飼いゆっくりである胴付きれみりゃが締めくくることで、その夜会は開催された。
飾りどころかまともな照明すら存在しない薄暗い密室で、一人と三匹は、蝋燭が鎮座したちゃぶ台を囲って正座していた。
当然だが、そこに七面鳥やクリスマスケーキなどといったハイカラな食い物など存在しない。
唯一の光源である蝋燭の周りには、豚足が堆く積まれた皿と日本酒が満たされた一升瓶、そして土鍋がセットされたカセットコンロが設置されていた。
煮えたぎる鍋の中身は、各々が適当に持ち寄った"何か"である。
ナイフ、毒入りクラッカー、恋空、何の罪もないゆっくりのカップル……などなど、数十種類もの素材がブレンドされた出汁からは、甘い香りとともに、時折
「めちゃくちゃいたくないよ!!! めちゃくちゃいたくないよ!!!」
という呻き声が聞こえてくる。
そんな鍋を無視して、ガツガツ、モシャモシャと豚足を喰らう一同であったが、豚足の山が半分を切った当たりで、唐突にお兄さんが手を止めて笑い出した。
「くっふっふっふ……。はーはっはっはっは!!! 何がクリスマスイブだ! 何が性夜だ! イベントに託けてヤリたいだけのチャラ男にビッチ共め!!! 貞淑を美徳とする大和民族が異国の祭りにうつつをぬかすなど、ちゃんちゃらおかしいわ!!!」
「そうですわ!!! カップルなんて、大人しく家に引篭もって、鬼畜難易度の改造マリオでもやっていればいいのです!!!」
そう言うお兄さんは、育ちも国籍も日本なのだが、彫りの深い顔立ちに金髪という身体特徴は、どう見ても外人にしか見えない。
お兄さんの言葉に賛同するさくやさんにいたっては、もはや人間ですらなく、ゆっくりである。
「うー、うー♪ 『やかい』は、なんだかエキゾチックなふいんきがして、とっても楽しいんだどぅ!!!」
一方、れみりゃはというと、お兄さんたちが放つ瘴気で饅頭の中身をやられたのか、激しく尻を振り、うーうー言いながらひげダンスを踊っていた。
「うっうー、うあうあ♪ お兄さんたちも、れみぃといっしょにレッツ・ダンスィングだどぅ!!! ひげダンスは、ゆっくりできるんだどぅ!!!」
どうやら、本当にひげダンスだったようだ。
「ほう、面白い……。ならば、『聖帝ひげダンス』を披露してやろうではないか」
「お、おぜうさま……。なんと愛らしい……」
そのひげダンスに、目の据わったお兄さんと、鼻プリンを垂れ流すさくやさんが加わることで、場の空気は益々混沌としたものになり、一同のテンションは更にヒートアップする。
おそらく、この馬鹿どもは、朝まで踊り続けるのだろう。
ところで、この状況。
ゆっくりとのお付き合いを真剣に考えたことのあるお兄さんにとっては、まさにハーレム状態である。
その事実に気づいているのは、苦笑いしつつ、十二本目の豚足に手をつけるお師さんのみであった。
聖なる夜は、深々と更けて行く。
小さな命の数だけ、小さな物語を作って。
あとがき
どうも、数週間前に、myPCがクラッシュして、ネカフェでSS書いてるポールあきです。
久々に、wikiを覗いたところ、儚いあきさんが前作の挿絵を描いてくださっていたことを知り、思わず嬉しーしーっぽいものを出しそうになりました。
こういったお礼は、どこで行うのが最善なのか、いまいち見当がつかなかったので文末になりましたが、この場を借りてお礼申し上げます。
本当に、ありがとうございました。
ところで、ポールあきは、自他共に認める非リア充ですが、クリスマスとかどうでもいいです。
それよりも、今住んでいるアパートの問題の方がやばいのです。
室内温度の方が、外気温よりも低いってどういうことなのぉぉぉぉぉぉ!!!?
わがらないよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!
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このSSへの感想
※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
- 相変わらず賽銭箱れいむは高性能だなw -- 2013-10-31 02:15:10
- 面白いと思うけどなぁ -- 2011-07-19 23:59:02
- 野良魔理沙嫁にしちゃダメかな? -- 2011-04-25 02:30:23
- 話に起伏が無いSSってのは思った以上に味気無くてつまらないものだな。 -- 2010-09-12 01:47:26
- 愛でと言うよりむしろお兄さん虐めな気がする -- 2010-08-03 19:51:41
- 『 ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKI 』 とタイトルにあるからここは虐待専門です!
愛で・ギャグetc は不純物です!!!
………って虐待派は主張してます。 色々なのがあっていいと思うんだけどな。 -- 2010-07-26 22:12:31
- >>つまらん
>>なんで虐スレにこういうの載せるわけ?
一応ここは愛でもありなんだよ、トップページを見てみるといい
あとこのページの一番上にも虐めじゃないって書いてあるだろう
作品を読む前に一度作者の注意も読んどいたほうが不愉快な思いをせずに済むよ -- 2010-07-26 22:04:32
- れみりゃ・さくやが幸せだったらそれでおなかいっぱい。
素晴らしい。れみりゃ大好き。もっと書いてね!たくさんでいいよ!!! -- 2010-07-26 18:34:24
- つまらん
なんで虐スレにこういうの載せるわけ? -- 2010-07-26 12:16:15
- いい話でした
さくや、れみりゃ、むき・・じゃない、むっきゅりぱちゅりーと賑やかに鍋会してるんだから、聖帝お兄さん十分リア充だろうが!!
爆発!!しなくてもいいから一人くれ!! -- 2010-07-20 03:10:40
- けっこういけたよ。聖帝お兄さんとれみりぁがすきだ
-- 2010-06-20 07:24:09
- つまんね -- 2010-06-11 05:54:10
最終更新:2010年01月08日 09:18