ふたば系ゆっくりいじめ 1138 ゆっくり漂流記 抗う命

ゆっくり漂流記 抗う命 43KB


悲劇 自業自得 飼いゆ 現代 独自設定 うんしー ぺにまむ ゆっくり漂流記中篇です。漂う命の続編です。


ゆっくり漂流記 漂う命」の続編です。



『ゆっくり漂流記 抗う命』



まりさはおじさんに買われ、れいむの番となるためにおじさんの家にやって来た。
個人経営のペットショップで売られていたまりさにとって、おじさんの家での生活
はまさに夢のようだった。

優しく、まりさのお願いのほとんどを叶えてくれる飼い主。
清潔感あふれ、柔らかな絨毯が敷き詰められたゆっくりぷれいす。
滑らかな肌触りのシルクと、空気をたっぷり含んだ羽毛で作られたふかふかべっど。
四季折々の野菜や果物、魚や肉、乳製品がふんだんに食べられるしっとりご飯さん。
おまけに、お風呂には毎日入れてもらい、まりさ自慢の金髪は、花の香りのする高
級シャンプーとリンスによって、その輝きを増したのだ。

そして、何よりも、今まで見たどのゆっくりよりも美しく、聡明で、心優しい許嫁
れいむとの出会いが会った。

「ゆきみ○なにーぃぃぃっ♪!!!」

れいむは信じられないほどの美声でまりさを歓迎してくれた。
気がつけば、まりさの両目と股間から清らかな液体があふれ出ていた。

まりさはれいむに一目惚れし、れいむもまりさのことを何よりも気にかけてくれた。
まりさはおじさんの家に来た翌日、ベッドで目が覚めたとき、ふと思った。

「これ、なんてえろげ?」

想像でしか見たことのないような生活が実現したのである。

そして、今、まりさは想像もしたことのない地獄にいた。





漂流して十日が過ぎた。
私は上半身裸になって、救命いかだの床に倒れこんでいた。

「ゆ…ゆぅぅぅう…あづい…」

まだ夏には遠いはずなのだが、その日は暑かった。
おまけに風が強い。

たとえ、気温が高くても、風があるのならば、体感温度は下がるはずなのだが、あ
いにく、海水の救命いかだ内部への浸入を防ぐために、救命いかだの出入り口は締
め切ったままだった。
そのため、救命いかだの中の温度も湿度も高くなっていたのだ。

「ゆひぃ…おみじゅ…おみじゅ…」

ゆっくりたちの即席の巣から、保温性の高いイマーション・スーツはとってやった
のだが、発泡スチロールの中で、二匹は身を寄せ合うことも出来ず、ただぐったり
していた。二匹とも、その滑らかだった肌は塩でガジガジになり、水分不足のせい
だろうか?所々に、吹き出物のようなふくらみや、黒ずんだ染みのようなものが出
来ている。
おそらく、健康な表皮を維持し続ける新陳代謝の能力が低下しているのだろう。

それは私も同じだった。
海水腫瘍は治っては、傷が開いてを繰り返していた。さらに、所々、ゴム製の床と
擦れて皮がめくれてしまっている。そこに、床に噴き出した塩が刷り込まれるたび
に痛みが走った。

私は、一分ごとに、あと何時間で夕食、水を飲める時間になるか腕時計をチェック
していた。

今日はいつもの二倍の水を飲もう。ゆっくりたちにも振舞ってやろう

いや、ダメだ。今日いつもの二倍飲んだら、生き延びられる日数が一日減るという
ことだ。

だが、これでは体が持たない。死んでしまえば、元も子もないんだぞ?

いや、やはりダメだ。例え、一日でもたっぷり水を飲んでしまえば、明日から元の
少ない水で我慢できるのか?私の精神はそんなに強かったか?


私の中で、理性と本能が結論の出ない激論を交わし続ける。私の精神は限界が近づ
きつつあるようだった。

「おじさん…おみじゅ…おみじゅはまだ?…」
「まだだ…あと3時間とちょっとで夕食の時間だ。それまでは…じっと我慢してい
るんだ。」

いくら天気が良くても、この強風下では、太陽熱蒸留器を使用するわけにはいかな
かった。昨日、無理して、波がやや高い中、太陽熱蒸留器を外に出したのだが、波
にもまれて転倒し、内部に溜まっていた真水が海水と混ざり合ってしまった。
それに、万が一、この太陽熱蒸留器を失うことがあれば、そこに死の淵をのぞくこ
とになるのである。

「ゆぅ…れいむ…がんばるよ…ゆぅ…おみじゅ…」

我慢強いはずのれいむですらこの有様だ。まりさはここのところ、食事のとき以
外は何も話さず、ぐったりしていることが多くなった。
たまに

「…ゆっくり…まりさはれいむと…ゆっくり…」

とうわごとのようにつぶやくぐらいであった。

私に何を聞いても「我慢」と言われることが続いたため、自分の欲求を主張するこ
とすら億劫になったのだろうか。
そうだとしたら、これはゆっくりにとっては通常有り得ない事態であり、それだけ
まりさが衰弱しているということだった。私は、そんなゆっくりらしからぬ姿のま
りさのことを思うと、胸が張り裂けそうだった。

ばっしゃーんっ

強い波が救命いかだの側面に衝突し、出入り口の微かな隙間から海水が浸入する。
もう私も、ゆっくりたちも、これしきのことで驚くことはなくなった。
ただ、いつものように黙って私がアカすくいで海水をかき出すだけである。度重
なる海水の浸入で、もはや私の衣類はぐずぐずになり、異臭を放っていた。
しかし、ここ最近は、自分の衣類にも、ゆっくりたちにも、そして自分自身にも
異臭を感じなくなっていた。おそらく、もう鼻が慣れてしまったのだろう。

私の髪と髭は伸び放題であり、体には何十という海水腫瘍とそれが潰れて出来た
傷口が開いていた。おそらく、この傷口の幾つかも異臭を放っているはずである。

私は救命いかだ内部のポケットの一つをがさごそと漁った。そこに、れいむとま
りさのうんうんだったものを保存しているのだ。
ゆっくりのうんうんとは言え、所詮は餡子である。最初のうちこそ抵抗があった
が、今となっては貴重な甘味であり、食糧だった。

私はゆっくりたちから見えないように、一掴みの餡子をそっと口の中に放り込む。

甘い。

ほっとする甘さだった。

味気のない非常食と少量の水にうんざりしている私の舌には、この餡子と、時折
飛び込んでくるトビウオだけが活力を与えてくれた。

最初は、れいむとまりさにも与えようとしたのだが、さすがに良い生活をしてき
ただけあって、即座に自分達のうんうんであることを見抜き、食べるのを拒否し
た。
それ以来、彼らのうんうんは、私の秘密のおやつとなった。飼いゆっくりのうん
うんをせっせと食べているのかと思うと情けなくなり、涙をこらえたこともあっ
たが、死んでは元も子もない。ゆっくりのうんうんを食べれば、家族と会える。
そう考えれば、大したことではなかった。
ただ、それでも彼らの見ている前で、うんうんを食べることは出来なかった。

餡子を食べ終わると、眠くなってきた。
ここ数日、この救命いかだの浮力を維持するためには、定期的に手動ポンプで、
いかだの床に空気を送り込まなければならないことを知り、慌てて空気を送り続
けていた。
最近、救命いかだの床の張りがなくなってきたな、などと感じていた私は、大い
に焦り、必死に空気を送り込んだのである。その甲斐あってか、床の張りは元に
戻ったようであった。
おまけに、朝から日が沈むまでは、救命いかだ唯一の丸窓から外を眺め、船舶が
近くを航行していないか観察し続けなければならなかった。いまや、こちらから
能動的に救助を求めるには、近くを通りかかった船舶に、信号弾を打ち上げる以
外に方法がないのである。それですら、十分に受動的であったが。
だが、人間、いかに非常事態とはいえ、24時間、外を眺めていることは出来ない。
私は、日が出ている時間のみ、外を眺め、夜はしっかりと眠るようにしていた。

どうやら、今日は、ずっと揺れる救命いかだの中で、観察の姿勢を保ち続けてい
たため、いつもよりも体力を消費してしまったらしい。目蓋が重くなり、ヒュプ
ノス(睡魔)が甘いため息を私の意識へと吹きかけていく。

ここのところ、ずっと食べ物の夢ばかり見ていた。そして、私はいつの間にかう
たたねを始め、夢の中の晩餐会へと出発していた。その日のメインディッシュは
新鮮なタラをたっぷりのオリーブオイルで炒めた、シンプルなソテーだった。



「おじさん…おじさん?」
「やめなよまりさ、おじさんは疲れて眠ってるんだよ…ゆっくりさせてあげよう
よ!」

まりさはゆぅっと大きなため息を吐いた。まりさはおじさんを起こすつもりもそ
の必要もなかった。まりさが待っていたのは、れいむと二人っきりで話す時間だ
ったのだから。

「だいじょーぶだよ!まりさはおじさんを起こさないよ!」
「ゆっくりりかいしたよ!きっとごはんさんの時間には起きてくれるよ!おなか
すいたけど、それまでゆっくり待とうよ!」

れいむの髪の毛はぼさぼさになり、もみあげにはねばねばした海水だったものが
クモの巣のように付着していた。かつて、ベルベットのように滑らかで、もちも
ちとした感触だった美肌は、海水の染みや魚の血、自身の排泄物などによって薄
汚れ、塩のせいでその表面はがさがさにひび割れていた。
まりさはれいむのそんな痛々しい姿を見ることが苦痛だった。

だが、それでもなお、れいむの笑顔はとてもゆっくりしていた。

まりさはこんなときでも飼い主をゆっくりさせようとするれいむを本当にゆっく
りしたゆっくりだと思い、少し惚れ直した。だが、それがいつもれいむにとって
最善の選択だとは、まりさは思っていなかった。いや、思わないようになりつつ
あったというのが正確だろう。

「れいむ…」
「どうしたの、まりさ?」

れいむはまりさの雰囲気にただならぬものを感じた。まるでこれから、恐ろしい
秘密でも打ち明けようとしているかのように。

「れいむ!まりさは!まりさはれいむのことがだいすっきっだよっ!!まりさは
れいむとずっとずっとゆっくりしたくてしょーがないんだよ!!」
「!!?」

それは突然の告白だった。ゆらゆらと揺れるオレンジ色の救命いかだの中で、れ
いむは一瞬時間が止まったかのように感じた。

「れいむはどうなの?まりさのこと…好きじゃないの?…」

覚悟を決めた視線でじっとれいむのことを見つめるまりさ。れいむの答えはずっ
と前から決まっていた。

「れいむも…れいむもまりさのことが好きだよ…まりさとずっとゆっくりしたい
よ…」

それは当然のことだった。おじさんは、れいむの希望に沿い、わざわざ普段は行
かないような小さなペットショップにまでれいむを連れてまわったのだから。ま
りさを買ってきたのは完全にれいむの意向に沿った上での行動だったのだ。

「ありがとうれいむ!まりさはうれしいよ!とてもゆっくりできるよ!!!」
「まりさ!」

感動のあまり、まりさは涙を流し、ちょろりとうれしーしーを垂れ流した。たく
さん出せるほどの水分は残っていなかったのである。


「おじさんはもうゆっくりできないよ!」
「まりさ!なんてこと言うの!!…」

そこまで言って、まりさはれいむをキッとにらんだ。

「れいむ、最後までまりさの話をきいてね!まりさも好きでこんなこといってる
んじゃないんだよ!」
「ゆ!?」

まりさの迫力に気圧され、れいむはそれ以上何も言えなかった。

「れいむがせわをしてくれるおじさんをたいせつにするきもちはわかるよ…でも
れいむはもう十分おじさんをゆっくりさせたよ!これからはれいむのゆん生をゆ
っくりするべきだよ!」
「…?…れいむのゆん生?…なにいってるの?れいむはおじさんやまりさといっ
しょにゆっくりすることが、れいむのゆん生だよ!」

まりさは、れいむの返答にやれやれ、とでも言いたげに大きくため息をついた。

「それはおじさんのじんせーだよ!まりさとれいむのゆん生じゃないよ!」

まりさはれいむの目をじっと見つめる。

「れいむ…れいむのゆん生はね、まりさといっしょにおちびちゃんをつくって
ゆっくりすることだよ!」

れいむは驚き、ゆっくり考えた。れいむとまりさのおちびちゃんといっしょにお
うたを歌う。そして、それをおじさんたち家族が暖かく見守ってくれたら、どん
なにゆっくりできることだろう。
れいむもまりさも、まだ店頭に並ぶ前に去勢が済まされていたが、すーりすーり
によるすっきりでにんっしんっすることは可能だった。まりさは、そもそもが番
を作らせることが目的で購入されたのだ。

「おじさんはまりさとれいむをゆっくりさせてくれる、その代わりにまりさとれ
いむはおじさんをゆっくりさせる…でもいま、おじさんはまりさたちをゆっくり
させてくれないよ…」
「それはいまが…ええとあの…ひじょーじたいだからだよ!おうちに帰ればまた
みんなでゆっくりできるんだよ?」

まりさはれいむの認識を鼻で笑いそうになった。金バッジとしてれいむは確かに
優れている。こんなに人間さんのためを考えられるゆっくりは、まりさがいたペ
ットショップには一匹もいなかった。だが、人間さんがいなければ、金バッジな
んてただのぴかぴかだ。そして、今、おじさんと一緒に無事、ゆっくりぷれいす
に帰れるかどうか誰にも分からないのだ。

まりさは銀バッジとして、れいむほど、礼儀正しいわけでも、飼い主に従順なわ
けでもなかったが、そんじょそこらの野良よりも勇敢で、ある種の状況判断に優
れた素質を持っていた。

「…まりさはれいむのことがほんとうに大好きだよ!だからゆっくり見てられな
いよ…れいむがこれいじょうよごれていくのを…ゆっくりできなくなっていくの
を…」
「!!…まりさ…」

まりさはさらにまくしたてる。

「おじさんはこの船を動かせないからゆっくりできなくなっているんだよ!ここ
にいるかぎり、れいむもゆっくりできないよ!…でも…」

そう言ってまりさは帽子を脱いだ。

「…まりさは動かせるよ…」

まりさの帽子の中には、一本の頑丈そうな、まりさ自慢の櫂が入っていた。

れいむはまりさが頼もしく、そして怖かった。
れいむの心が揺れていた。おじさんへの恩と、生まれて初めての恋に。
ふぁーすとちゅっちゅの味は少ししょっぱかった。



私が目を覚ましたとき、辺りは暗くなっていた。何も見えず、ただ波が救命いか
だに打ち寄せる音だけが聞こえてくる。
今日も夢の中で、ご馳走をいざ食べる段階で目が覚めてしまった。

時計を見ると、午後8時を過ぎたところだった。ゆっくりたちに夕食を与えなけ
ればならない。

「ゆゆ!おじさん起きたんだね!」

私が起きたことを雰囲気で察したらしく、まりさが声をかけてくる。
その声はいつになく親しげで、元気そうだった。良い夢でも見れたのだろうか?

「ああ、ちょっと寝すぎてしまったな。いま、夕食にしよう。」
「ゆわぁ~い!まりさおなかすいたよ!ゆっくりごはんさんを待つよ!」
「れいむは起きているのか?」
「ゆ!?れいむはおきているよ!ゆっくりごはんさんを待つよ!」

私は手探りで救命いかだのポケットから、非常食を一本取り出し、それを二つに
折った。その片方をれいむとまりさのために、さらに二つに折ってやる。
残りの非常食は10本あるかないかだった。先のことを考えると気が重くなるが、
ここで精神が折れたら、そこで人生終了である。

何か、食糧を手に入れる手段を考えないと…

私はコップを使って水を計量し、ゆっくりたちの水入れに分けてやった。

「おじさん!まりさ、おじさんにおねがいがあるよ!まりさはろーぷさんがほし
いよ!まりさはろーぷさんでおもちゃを作りたいよ!」
「ほう…」

私はゆっくりたちに、飼い主として負い目があった。このような事故に巻き込ま
れただけでも可愛そうなのに、その上、野生でも有り得ないような節制生活を強
いているのだから。
私の責任ではないとはいえ、何かゆっくりさせてやりたかった。

「分かった。明日、明るくなったら、まりさとれいむが遊べそうなものをあげる
よ。」
「ゆゆ~ん!ありがとうおじさん!それじゃあゆっくりいただきま~す!むーし
ゃむーしゃ…しあわせ~!」

余程嬉しかったのか、まりさはいつになくご機嫌だった。その一方で、れいむは
いつになく言葉数が少ないように思えた。

「ゆぅ~…むーしゃむーしゃ…」

ゆっくりたちは、食糧、水の消費から考えれば、一見お荷物に見える。
もちろん、ゆっくりを愛する私に、彼らを捨てるという選択肢はない。それなら
ば、彼らと一緒に永遠にゆっくりすることを選ぶだろう。
だが、私が彼らに食糧・水を与え続ける理由は、愛護家としてのそれだけではな
い。
気が滅入るような、この終わりの見えない漂流にあって、彼らと言葉を交わすこ
とは私の落ち着きを、正気を保たせてくれる唯一の手段に思えた。

長期間を漂流したり、遭難した後に生還した人々の多くは、一人でいる間に分裂
病のように、自分自身の意識が理性と本能、希望と諦念のように分割されるのを
経験している。
まるで漫画に出てくる、心の中の悪魔と天使のように、それぞれが自分にささや
きかけ、命令し、意識を混乱させてしまうのだ。
おそらく、私もそれを現在進行形で体験している。

彼らは時に、わがままで、あるいは無知ゆえに私を困らせたが、どうせ人間だっ
て、このような漂流生活が続けば、いつものように振舞うことは出来ないのだ。
私は、彼らと一緒であったことを感謝しつつあった。
れいむとまりさがいてくれるおかげで、私は自分を保つことができるのだから。



翌日は風がなく穏やかで、日は燦々と照っており、素晴らしい天気だった。

私は救命いかだの道具類や拾った荷物をまりさの前に広げ、おもちゃになりそう
なものを好きに拾わせた。
その一方で、救命いかだの出入り口を開け放ち、体のあちこちにできた海水腫瘍
や皮がむけた傷口を日光に曝して乾燥させる。太陽熱蒸留器を海面へと送り込む
ことも忘れなかった。

後は食糧だけが解決の見込みのない難問であったが、ふと、遠くを跳ねているも
のがいた。トビウオの群れである。

大西洋を海流に乗って横断できるか実験した人物は、途中、何匹もトビウオがい
かだに毎日のように飛び込んできたので、食糧に困らなかったという。私の救命
いかだもそのような海域に到着したのだろうか?

救命いかだ備え付けの道具類の中に、釣り糸となるテグスはあった。また、船か
ら脱出した際に拾ったカバンの中から、男物の衣類と一緒に入っていた針金製の
ハンガーを取り出す。これで釣り針ができるのではないだろうか?
幾度となくハンガーをほぐすように動かし、適当な大きさにちぎった(こう書くと
あっさりしているが、かなり時間をかけたことを追記しておく)。

さて、釣りの用意はできたものの、餌がない。
私は前回飛び込んできたトビウオを食べた際に、その残骸を捨ててしまったこと
を後悔した。せっかく作った釣り道具ではあるが、次の機会までしまい込んでお
く事にした。私は手動ポンプを動かし、今日も救命いかだを膨らませる。マニュ
アルによれば、二、三日に30分ほど動かせば十分らしいのだが、小心者の私は、
救命いかだがしぼんで沈んでいくという恐怖に耐えられなかった。

「おじさん!まりさろーぷさんをゆっくりもらうよ!ゆっくりありがとう!」
「ああ…」

私は、まりさの方に返事をして振り返ろうとしたとき、その視野の隅に待ち望ん
でいたものを捉えた。

「…!…船だ!!船だぞっ!!助かるぞっ!!!」
「ゆゆ!!」
「たすかるの!!れいむたちたすけてもらえるの!!」
「ああ!助けてもらえるぞ!!」

私が見つけたのは一隻の白い船であった。
距離は分からない。私は船の大きさからおおよその距離の見当をつけるなどとい
う技術は持ち合わせていなかった。ただ、煙突や船上の大きな構造物は確認する
ことが出来た。
私は飛び込むように、救命いかだ奥のポケットへと手を伸ばし、信号弾を取り出
した。急いでマニュアルにも目を通し、使い方を確認する。

「おじさん!いつ!?いつたすけてもらえるの!?」

元気良く跳ねながら、私を急かすように尋ねてくるまりさ。

「ちょっと待ってろ!」

私は二発の信号弾を立て続けに打ち上げた。

「おぉぉぉぉぉいぃぃぃぃぃっ!!!たすけてくれぇぇぇぇぇぇっ!!!」

船に向かって懸命に手を振る。信号弾は、落下傘付きの打ち上げ照明弾のような
ものである。そのため、日中は、夜間ほどの効果が得られない。しかし、もうも
うと上がる煙は遠くからでも視認できるはずであった。

船の針路が微かに変わった。

いいぞ、助かる!

「ゆゆ~ん!まりさはここだよぉ!おふねさん!まりさたちをゆっくりしないで
たすけてねぇ!!」
「ゆ~ん!ゆゆ~ん!とってもゆっくりしたおふねさん!れいむたちをたすけて
ね!」

ゆっくりたちも助かることを確信し、救命いかだの中で必死に跳ねながら声を出
した。
しかし、確かに船は進路を変えたものの、こちらに向かっては来なかった。

馬鹿な!気がつかなかったというのか!?

信号弾は残り4発、だがそのうち2発は信号弾ではなく、救難用紅炎、要するに発
炎筒だった。私は信号弾と救難用紅炎を一つずつ取り出した。船はこの救命いか
だから遠ざかりつつある。

頼む、気付いてくれ!

私は救援用紅炎のひもを引っ張った。発炎筒はもうもうと赤い煙を上げ始める。
これを水面へと投げる。発炎筒は海上に浮く構造になっているため、そこから
赤い煙が上がっていった。私はさらにもう一発の信号弾を打ち上げた。そして、
懸命に手を振る。

「助けてくれぇ!!!助けてくれぇ!!!」

私は懸命に手を振り、脱ぎ捨ててあった汚れた上着を振り回しては、あらん限り
の声で助けを求めた。しかし、船がこちらに近づいてくることはなかった。

信じられない!なんでこれが見えないんだ!

私は、後で気がついたのだが、この救命いかだは、あの船から見た場合、太陽の
直下に位置しているのだ。

船から見た場合、太陽側の海は、波が太陽光を乱反射するため、その反対側より
も視界が悪くなるのだ。この現象をグレアという。そのため、船上から浮遊ゴミ
やクジラの目視調査をする際は、自分の担当する視界のおおよそ何割がグレアに
よって占められていたかを記録し、対象物の発見率や、それに影響する有効視界
の範囲を計算するのである。

他の海難事故でもそうなのだが、救命いかだやボートは必ずしも近くを通った船
に救助してもらえるわけではない。見張りの数、見張りをしている船員の注意、
波頭の高さ、天候、距離など様々な要因が、波間を漂う小さな救命いかだの発見
を阻止するのである。

「嘘だろ…」

私は力なく、救命いかだの中に倒れこんだ。立ち上がる気力も、自分を奮い立た
せる気力も残ってはいなかった。

「おじさん、どうしておふねさんれいむたちからはなれていっちゃうの?」
「ダメだったんだよ…見えなかったんだよ…助けてもらえなかったんだよ…」

私はれいむの当然の問いかけに対して、ぶっきらぼうに答えた。船からこの救命
いかだが見えない可能性というのをまるで考えていなかった。信号弾さえ打ち上
げれば、当然見つけてもらえるものと思っていた。

馬鹿だな…私はどうしようもない馬鹿だな…

さっきまで、はやる鼓動を抑えながら、必死で手を振っていたのが馬鹿らしくて、
どうしようもないくらい馬鹿らしくて嫌になった。

「どうして!!?おじさんは助かるっていったんだよ!!」
「まりさ…船から私たちが見えなかったんだよ…」

まりさには現実が受け入れられなかったようだ。まりさに船の見張りのシステ
ムや、船からの視界について話しても理解できないだろう。

「おじさんは助かるって言ったのに!助けてもらえなかったよ!おじさんのせい
だよ!」
「まりさ?」

まりさは泣きながら激怒していた。余程、今の、救助への希望から絶望へと転落
させられたことが堪えたのだろう。

「おじさんのうそづぎ!!まりざはがえりだがっだんだよ!!」
「ま、まりさ!?」

まりさのただならぬ剣幕に、れいむが慌てる。

「うそづぎはせいっさいっずるよ!今まではれいむが言うからがまんしてきたけ
ど、もう許さないよ!まりざはれいむとゆっぐりするよ!」

どん、という鈍い音とともに、まりさが私の体に体当たりを繰り出してきた。

「せいっさいっだよ!!まりさをゆっぐりざぜないおじざんはじねぇぇぇっ!!」

まりさは、力なくへたり込む私の体に幾度となく、体当たりを繰り返した。

「おじさんはずっと海のうえでゆっくりじででね!!!」
「やべでぇ!まりざやべでぇ!!おじざんがじんじゃうよぉぉぉっ!!!」

もちろん、私は大福の体当たりなど、痛くも痒くもなかったのだが、船に気付い
てもらえなかった上に、信号弾を4発も使ってしまった愚かさに打ちひしがれて
いた。
まりさを止める気力も、反撃する気力もなかったのである。
れいむはそのような私の様子を見て、まりさにやられていると勘違いしたようだ。

「まりさ…」
「ゆぶっ!!?」
「少し、大人しくしていろ…」

私は何度目かの体当たりをしようとしたまりさを片手で掴み、れいむと一緒に即席
ゆっくりはうすの中にぐっと戻した。一人でゆっくりと、精神的な打撃から立ち直
る時間が必要だった。

「がえりだいよぉぉぉぉっ!!!まりざはれいむとゆっぐり!ゆっぐりじだいよぉ
ぉぉぉっ!!!おじざんははやぐまりざをかえらぜでね!もううみざんはたぐざん
だよっ!!」

私はまりさの態度に少しいらいらさせられたが、その気持ちは分からないでもなか
った。
それだけ、助かる、と期待を抱いてしまっていたのだろう。もし、私が子供だった
ら、同じことを言っていたかもしれない。
そして、さすがに、可愛いゆっくりに手を上げることは出来なかった。

「だぜぇぇぇぇっ!!!まりざをごごがらだぜぇぇぇぇっ!!!ゆっぐりじだいぃ
ぃぃっ!!!」

なおもまりさは騒いでいたが、最早何も聞こえなかった。いや、聞こえてはいるの
だが、言語として理解できなかった。

私はこのまま、飼いゆっくりに罵倒されながら野垂れ死にするのだろうか?

水はもう半分を切っている。食糧もそうだ。
そして、何よりも、私の身も心もぼろぼろだった。

もう体は動かなかった。力が入らないのだ。
絶叫を繰り返したのどの持つ熱も、海水腫瘍の痛みも、塩から来る痒みも、何も
感じなかった。感じたところでどうでも良かった。体は動かなかった。
頭の中では、私がこのまま、救命いかだの中でミイラになっていく様子が繰り返し
上映されていた。

ああ、もう死ね、死ね、私なんか死んでしまえ、さっさと死んでしまえ…

私はうわごとのように自分を呪い続けた。

泣き喚くゆっくりの声は、波の音は、まるで聞こえなかった。


どれくらい時間が経っただろう。

いつの間にか、頭は絶望で空っぽになっていた。

どん、という音と共に救命いかだに下から衝撃が走ったのは、そのときであった。
最初は波が変則的に当たったのかと思い、気にも留めなかった。しかし、衝撃は二
度、三度と繰り返し救命いかだを襲う。

まさかサメか?

さっきまで自分に対して死ねとつぶやき続けてきた私の背中を、心を、冷たい刃が
そっと貫いていったような感覚が走る。

サメに食われて死ぬのか?

それは言い様のない恐怖だった。

「ゆぴぃぃぃぃっ!!!なんなの!!?いっだいなんなの!!?」
「ででごい!まりざをゆっぐりざぜないやづはででごぃぃぃぃぃっ!!!」

私は開けっ放しの出入り口から外を、救命いかだの真下を注意深く見つめた。

視界を、真下の青い世界を数匹の大きな魚が魚雷のように突進していく。

トビウオよりもはるかに大きな魚―緑がかった背中に、長い体の魚が数匹、救命用
いかだの周囲を泳いで回り、いかだの底に体当たりを繰り返していた。

「ゆぎぃぃっ!!!なんなのぉ!!まりざをゆっぐりざぜろぉぉぉぉっ!!!」
「ごわいよぉぉぉぉっ!!!だずげでぇぇぇぇ!!れいむはゆっぐりじだいぃぃぃ
っ!!」

どんどんと、救命いかだの底が叩かれる度に、さっきの船の件でいーらいーらして
いるまりさが、落ち込んでいるれいむが、それぞれ感情を爆発させている。

トビウオを追ってきたのだろうか?
その魚影は何度か、客船の船上から見たことがあった。シイラである。
シイラはトビウオを捕食する比較的大型の魚で、いかだや浮遊物に随伴する習性が
ある。
そのため、漂流者の記録にはよく顔を出す魚種であった。大西洋を二ヶ月以上漂流
したとある人物などは、シイラを主食として飢えをしのいでいたほどである。

どん

「ゆぎいいいいいい!!!」

シイラの体当たりの後、私はシイラが何かをくわえているのを見た。二週間に迫ろ
うかという漂流によって、救命用いかだの底には、生物が付着していたのである。
それはエボシガイとフジツボであった。両者とも、海岸に流れ着く流木や、ヨット
の底面に付着する付着動物としてはありふれた存在である。おそらく、シイラはこ
れを食べているのであろう。

私は、この救命いかだ自体が狙われているわけではないことを知り、ほっとした。

「大丈夫だ。お魚さんはこのいかだにくっついている生き物をごはんさんとして食
べているだけだ。すぐにどこかへ行く。」

私はそう言って、ゆっくりたちを安心させるために、二匹を抱きかかえようとした。

「ゆ?…ゆふんっ!」

だが、まりさはすねてしまったのか、身をよじって私の手を交わす。仕方なく、れ
いむだけ抱きかかえて、ごわごわになってしまった髪の毛を撫でてやった。
れいむは気持ちよさそうにしながらも、何かを思い悩んでいるようだった。
このような状況で気が沈まない者がいるだろうか?思い悩むのも無理もないことだ
ろう。



その日の夜、疲れ果てた私はいつもより早く眠りについた。
夢の中の晩餐は、フレッシュトマトがたっぷり使われたスパゲッティだった。驚く
べきことに、今回はスパゲッティを食べ、味わうことができた。それが夢であると
気付くまで。

「まりさ…起きてる?まりさ?…」

れいむはおじさんが眠りについたことを感じ取ると、まりさにそっと話しかけた。

「どうしたのれいむ?やっとまりさとすっきりしてくれる気になった?」
「ち!ちがうよ!」

真っ暗闇の中であったが、まりさには顔を赤らめて否定する可愛らしい、れいむの
姿がはっきりと見えたような気がした。

「まりさ、れいむはまりさにだいじな話があるよ…」
「ゆゆ!?」

いつになく真剣なれいむの口調にまりさは気を引き締めた。まりさはれいむと二人
でゆっくりするためならば、どんな提案でも受け入れる覚悟ができていた。

「このままじゃ、みんな永遠にゆっくりしちゃうよ…まりさも…おじさんも…」

まりさは黙ってうなずいた。

「だから…だから…れいむは…」

そう、だからこそ、れいむには決意してもらう必要があった。一刻も早くまりさ
と…

「れいむ、おたべなさいをするよ…」

一刻も早く、れいむはまりさと…なんだって!!?

「なにいってるのれいむ!!?」
「しーっだよ!おじさんが起きちゃうよ!ゆっくり静かにしてね!…」

そんなことはどうでもよかった。まりさには、どうしてれいむがおたべなさいをし
なければならないのか、まるで見当がつかなかった。

「れいむは、まりさもおじさんもたいせつだよ!だから、れいむを食べてすこしで
もゆっくりしてほしいよ!」
「何いってるの!!?」

それは、まりさがれいむに求めた決断ではなかった。まりさがれいむにしてほしい
決断はそんなものではなかった。それでは、まりさとれいむでゆっくりすることが
できない。

「ダメだよ!おたべなさいなんかしないでよれいむ!」
「だって、このままじゃごはんさんもお水さんもなくなって、みんな永遠にゆっく
りしちゃうんだよ!」

れいむはなおも、思いの丈を吐き出し続けた。

「おじさんは食べるものが少ないのに、まりさやれいむにちゃんと分けてくれてい
るんだよ!今は、れいむもまりさもおじさんをゆっくりさせないお荷物なんだよ!
どうせもう助からないなら…もうゆっくりできないなら…れいむは…れいむは最期
におじさんをゆっくりさせたいよ!」

飼いゆっくりは、人間さんをゆっくりさせるために生まれてきた。
それはれいむが金バッジを取得するために、れいむが生まれた高級ペットショップ
で全個体に刷り込まれる教育内容の基本となる理念であった。この理念を支えるれ
いむの意識は、困窮する漂流生活の中で錆び付きつつあったが、まだ光を残してい
た。そして、れいむはその光を完全に失ったゆっくりになることを恐れていた。

「どうして!どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉ!!おいでがないで!まりざをひ
どりにじないでよ!」
「まりさ…」

れいむの決意を唯一揺るがすもの、それが愛するまりさの存在だった。

「やっど…やっどれいむどゆっぐりでぎるど…れいむ…れいむぅぅぅぅ…ゆっぐり
…まりざどゆっぐりじようよぅ…ゆええええええん!!!」

愛するまりさの涙に、まりさからあふれ出すその感情と慕情の洪水に、れいむの信
念はもろくも揺らいだ。いや、実を言えば、それを淡々と実行せずに、まりさに相
談した時点で、まりさに決意を止めてもらいたかったのかもしれない。
いくら高度な教育を施されても、ゆっくりのゆっくりすることに対する憧れそれ自
体を消すことはできなかったのだから。

れいむは密かに自分の美貌に自信を持っていたのだが、その誇りはこの漂流生活で
ずたずたに引き裂かれてしまった。食事の際に出される水入れの水面に映るのは、
汚い野良ゆっくりとなんら変わるところのない自分の姿だった。
そして、だからこそそれでも必要としてくれたまりさのぷろぽーずはとてもゆっく
りできるものだった。
れいむは、まりさのためにおじさんを裏切るようなことはできないゆっくりだった
が、まりさをおじさんと同じくらい大切なものとして認識し始めていたのである。

おじさんを助けたい、まりさとゆっくりしたい

そのどちらもれいむの本心であった。もし、ここがおじさんのゆっくりぷれいすで
いつも通りの生活を送っている状態ならば、その思いは何の問題もなく、れいむを
ゆっくりさせただろう。

「ごめんね、まりさ…そうだね…れいむ、もうすこしゆっくりしてみるよ…」

れいむは思い直した。自分のことをゆっくりさせてくれるのは、おじさんばかりで
はない。まりさにもゆっくりしてほしいのだ。
おたべなさいをして、おじさんとまりさにゆっくりしてもらうつもりだったが、そ
の決意は先延ばしすることにした。まりさがれいむと一緒にいることがゆっくりで
きることだと言ってくれたことが純粋に嬉しかったのだ。
この表現し難い高揚感があるうちは、水や食糧が制限されていてもゆっくりできる
気がした。

「れいむ、まりさたちは確かに、おじさんをゆっくりさせないお荷物だよ…だから
まりさたちはまりさたちにできることをしようよ!まりさとれいむがゆっくりする
ために!おじさんがゆっくりするために!」

まりさは、自分と飼い主のおじさんが、れいむを巡って対立する状況にあるという
ことから、れいむの目を逸らさなければならなかった。そうでなければ、れいむは
付き合いの長いおじさんを見捨てることは出来ないであろう。まりさにとっては、
不本意な事実であったが、そう思っていた。

「そんなことができるの?ゆっくりはにんげんさんみたいにはなれないんだよ?」
「そう、にんげんさんはなんでもできるよ!だから、おじさんはきっと助かるよ!
だって、おじさんはお魚さんをりょーりしたり、海さんからゆっくりできるお水さ
んを作れるんだよ!」

人間はゆっくりよりも、強く、そしていろいろなことができる生物だ。それは、人
間の側で生活してきたゆっくりには、本意であれ、不本意であれ、認めざるを得な
い事実であった。

「だから、まりさとれいむはこのふねさんからいなくならなきゃいけないんだ!お
じさんがゆっくりするあしでまといにならないように…」

まりさは暖めてきた計画を話した。それはこの救命いかだからの脱出計画だった。
ただし、れいむに話したのは、れいむが受け入れられない部分を意図的に伏せた内
容だった。



その次の日の夕方、まりさに天が微笑んだ。

おじさんは、見張りに飽き、レーダー反射板がちゃんと機能しているのか、何かメ
ンテナンスは必要なのかを調べるために、マニュアルを探していた。

ここ数日使っていなかったため、どこにしまったのか忘れてしまったのである。

マニュアルを探す課程で、いろいろなものが床に放り出された。しかし、おじさん
はそのまま床に寝っ転がり、マニュアルを読みながらうとうとと眠ってしまったの
だ。おじさんの体力は少しずつ、だが確実に低下しつつあり、横になっている時間
は日に日に長くなりつつあった。

「まりさ…それはおじさんのごはんだよ?」
「しー…すこしだけわけてもらうだけだよ、れいむ!」

まりさとれいむはうまく体重を寄せて、即席のゆっくりはうすを倒し、救命いかだ
の床へと這い出てきた。

「それにまりさは見たよ!おじさんはまりさたちのうんうんを食べてるんだよ!お
じさんはゆっくりできない人間さんだったんだよ!」
「ゆゆ!!?…でも…きっとそれは…ごはんさんがないから…」

だが、生まれてからずっと飼いゆっくりとして生活してきた二匹には、例え事情が
あったとしてもうんうんを食べるということは、唾棄すべき行動であった。

「ゆぅ…じゃあおじさんをゆっくりさせてあげるために、まりさとれいむはここを
ゆっくりしないで出て行かないとね!」

まりさとれいむが与えられてきたのは、人間のための非常食である。二匹には、そ
れぞれ、人間半日分のカロリーや栄養素しか与えられていなかったが、ゆっくりの
身には、それは上等な餌であり、空腹をおぼえながらも、栄養不足が活動に支障を
きたすようなことはなかった。
そのため、おじさんが予想していたより、人間に比べてゆっくりたちは体力を温存
していたのである。

救命いかだの中で、食糧と水はいかだ側壁の防水ポケット、要するにゆっくりには
手が届かない位置に保管されている。そのため、当初の計画では、食糧と水がなく
なるまではおじさんと一緒にいる予定だった。

だが、今は食糧が目の前に転がっている。これは千載一遇の好機だった。

まりさはおじさんを起こさないように、そろーりそろーりと、詰め込めるだけの非
常食を即席ゆっくりはうすである、発泡スチロールに詰め込んだ。さらに、雨への
対策としてビニール袋も詰め込んだ。
ビニール袋で雨をしのごうとは、どう贔屓目に見ても対策になっていないのだが、
まりさには勝算があった。

そして、発泡スチロールの容器に、予め櫂で作っておいた刻みにロープを通す。こ
のロープは以前、おじさんからもらったものだった。

「おじさん…れいむ、おにもつでごめんね…れいむはおじさんのじゃまにならない
よういなくなるから、ゆっくりかえってきてね…」

れいむがおじさんに一時の別れ―まりさの計画ではそれは最後の別れなのだが―を
済ませている間に、まりさは救命いかだの奥に転がっていた信号弾をくわえて海に
投棄した。

まりさは自分のやっていることが飼い主への裏切りであると理解している以上、お
じさんが生還する確率は可能な限り低下させる必要性があった。
床にはもう一本、救難用紅炎が転がっていたが、こちらはまりさでも使用可能と判
断し、れいむを乗せる発泡スチロールに、盗んだ食料と一緒にしまいこんだ。
水は大きな容器に入っているため、持っていくことは出来ない。かといって、太陽
熱蒸留器はゆっくりには使えないし、今は畳んでしまいこまれているので、壊して
いくわけにもいかなかった。
だが、まりさが本気で漕ぎ続ければ、水不足で永遠にゆっくりするよりも早く、天
気が変わる前に新しいゆっくりぷれいすにたどり着けるはずだった。

まりさは帽子を海面に浮かべ、飛び乗った。さらにロープを口にくわえて引っ張り、
即席ゆっくりはうすだった発泡スチロールを海に浮かべる。その中には、非常食が
たくさん詰まっていた。

「さあ、れいむ!ゆっくりしないで出発するよ!」

れいむは勇気を出して発泡スチロールに飛び乗った。

「ゆゆわああああっ!!」

飛び乗った衝撃が走り、ぐらんぐらんと発泡スチロールが、そしてまりさが揺れる。
だが、無事、れいむは発泡スチロールの中に鎮座していた。

「おじさん…」
「行くよ!れいむ!」

まりさは櫂をゆっくりと漕ぎ出す。うまく海流の流れに乗ったのか、まりさの帽子
とそれに牽引された発泡スチロールはするすると、救命いかだから離れていった。

れいむとまりさだけの新しい旅路が始まった。

「れいむ!新しいゆっくりぷれいすを見つけたら、すっきりしておちびちゃんをつ
くろうね!」
「うん…おじさんも喜んでくれるかな…」
「…」

まりさは、おじさん、おじさんと、育ての親ばかり気にするれいむが疎ましかった。
だが、そんな義理堅いところも魅力と言えば、魅力である。自分の存在がおじさん
に取って代わる日を想像するだけで、まりさのぺにぺにからはじっとりとしたもの
が流れ出すのだ。

海は穏やかだった。黄金に燃える夕日の光を受けて、金色のロイヤル・ロードが太
陽に向けて伸びていた。
それはまりさとれいむの未来を暗示しているかのようだった。
まりさは抑えきれずに、海の向こうの夕日に向かって叫んだ。

「やった!おじさんに勝ったよ!ひょーりゅーき完!!」



  ― 完 ―






私が目を覚ましたのは、聞きなれないゆっくりの声によってであった。

「きゅーそくふじょー!よーそろーっ!…ゆ?まりさ!ゆっくりしていってね!む
らさはむらさだよっ!むらむらしていってね!」

まりさの前方に現れたのは成体サイズのむらさだった。むらさは主に沿岸域に棲息
するゆっくりで、小魚や甲殻類、軟体動物などを食べて生活している。成体になっ
たものは、陸上でも生活できるようになるため、飼いゆっくりとしても出回ってい
た。

「ちゆりはちゆりなんだぜ!!ゆっくりしていってほしんだぜ!」

ちゆりは、むらさ同様、水棲から陸棲へと生息地を広げていくゆっくりであり、ま
りさ(だぜ口調)、にとり(ツインテール+科学技術系)、セーラー服(むらさ)とキャ
ラ…生態的地位が大幅に重複している種として有名であった。
むらさとちゆりの二匹は、海面を泳ぎながら、まるでまりさの進路を妨害するかの
ようにぐるぐると回りだした。

「まりさ!ゆっくりしていくんだぜ!」
「むらむらしようね!」
「やめてね!おじさんがおきちゃうよ!まりさはそーっとにげるんだよ!まりさは
ゆっくりするためにいきのびなきゃいけないんだよ!ゆっくりしないで静かにして
ね!」

れいむは発泡スチロールの中から、困惑した表情で三匹のやり取りを見ていた。

「どこにいくんだぜ!!?こんなところでまりさに会うなんてめずらしいんだぜ!
ゆっくりしていってほしいんだぜ!!」
「むらむらするよぉっ!!!まりさたちも海の中でむらむらしていってねーっ!!」


私はふと、救命いかだの中にれいむとまりさの姿がないことに気がついた。よく見
ると片づけ忘れた非常食も、前回船に見つけてもらえなかったときに放り投げてお
いた信号弾もなくなっていた。

「まさか…」

ゆっくりたちは私を見捨てて逃げたのだろうか?

私は高鳴る心臓を抑えるようにして、救命いかだの出入り口から外を見た。

そこにいたのは、むらさとちゆりに絡まれて騒いでいるまりさと、それに牽引され
た発泡スチロールに乗ったれいむの姿だった。

「まりさ…お前何やってるんだ…!?おい!まりさぁぁぁぁっ!!!」
「ゆわぁぁぁぁぁっ!!!みつかっちゃったよぉぉぉぉぉっ!!!でも!もう遅い
よ!おじさんはまりさをゆっくりさせなかったことをゆっくり後悔してね!ばーき
ゃ!!!ばーきゃ!!!」
「ま、まりさぁ!!?」

まりさには自信があった。かつてペットショップで暮らしていた頃、まりさよりも
上手に金魚鉢や水槽で泳げるゆっくりはいなかった。強力な上部フィルターがつい
た、流れの速い水槽でも、まりさはしっかりと帽子で浮くことが出来たのだ。
まりさはある種の状況判断に優れていた、と前述した。しかし、自分の能力の把握
については、所詮ゆっくりであり、それこそが金に到達しないもう一つの理由だっ
た。

「まりさ!戻って来い!何してるんだぁっ!!!」
「まりさはれいむとずっと一緒にゆっくりするんだよ!!!じゃまなおじさんはゆ
っくりしないでどこかにいってね!!ごはんさんたくさん食べられるといいね!!」

私はまりさの口調から確信した。確信したくなかったことを。
彼らは私を裏切り、自分達だけで逃げようとしたのだ。よりによって、私から食糧
と信号弾を奪って!

私は生まれて初めて、ゆっくりを殺したいほど憎んだ。

友達だと思っていた人間に裏切られた、そんな気持ちだった。
私は櫂を取り出した。

「まりさ!お前ぇぇぇぇぇぇっ!!!」

私の櫂を漕ぐ手には、信じられないほどの力がこもっていた。二週間に迫ろうかと
いう漂流生活で、私の腕も脚もやせてしまったというのに。

「まりさに追いつこうとか!ねごとはゆめでいってね!!まりさはゆっくりしない
で逃げるよ!!!」

だが、いくら水上移動が得意とは言え、所詮ゆっくりである。瞬く間に、というか
10回漕いだところで、まりさのすぐ横に救命いかだがやって来た。
むらさとちゆりは危険を察知したのか、潜行してどこかに行ってしまったようだっ
た。

「ゆっぎぃぃぃぃっ!!!どぼじでばでぃざにおいづげるのぉぉぉぉっ!!!」
「おまえはっ!!!おまえはぁぁぁっ!!!」

あんなに可愛がってやったのに…救命艇の上でも限られた水や食糧をゆっくりたち
にもちゃんと分け与えてきたのに…
私は、ゆっくりを人と同じように接してきたつもりだった。それがまずかったのだ
ろうか?つけあがったのだろうか?それとも、それはゆっくりには過度な期待だっ
たのだろうか?私は愛情の注ぎ方を間違ったのだろうか?それとも注ぐ相手を間違
ったのだろうか?

私は愚かだったのだろう。

混乱する頭を冷やすよりも早く、煮えたぎる怒りで私の頭はいっぱいになった。
非常事態だから、ストレスがたまっていたから、でこのことを済ませるつもりは毛
頭なかった。

理由はどうあれ、友誼を裏切ったのはゆっくりの方だった。

私はまりさと、れいむの乗った発泡スチロールを持ち上げ、ぶちまけるかのように
救命いかだの奥に乱暴に放り投げた。

「ゆっぎゃあああああああっ!!!」
「ゆべしっ!!?」

そして、海面に浮かぶまりさの帽子を拾い、叩きつけるように床に投げつける。

「あぎゃあぁぁぁっ!!いじゃいよぉぉぉぉっ!!?ぼうじぃ!!まりざのおぼう
ぶっ!!?」

そして勢いよくまりさの顔面を蹴り上げた。

救命いかだの中で衰えた脚では、揺れる海の上でバランスを維持することができず、
私は救命いかだの床に倒れこんだ。
そのとき、背中で何かを押しつぶしてしまった。まりさの帽子である。
帽子は無残にもぺちゃんこになり、帽子を飾るリボンの一部がちぎれてしまってい
た。

蹴られたまりさは顔面が陥没し、天幕に受け止められて、ゴム製の床に叩きつけら
れた。その衝撃で、何本か歯がへし折れる。

ずっとずっと大事に育てられてきたまりさが初めて味わう、床の味、自分の餡子の
味、屈辱の味だった。

「ゆげっ!!…ゆべべぇ…まりざの…まりざのみやびな…まりざのみやびなふぇい
ずがぁぁぁぁ…」

まりさの目指した金色のロイヤル・ロード…

しかし、まりさとロイヤル・ロードの間には、真っ黒い人間が立ちはだかっていた。

そして、その足元には無残につぶれたまりさの帽子があった。

「!…おぼうじぃっ!!!まりざのっ!!!まりざのおぼうじがぁぁぁっ!!!」

まりさが帽子を元に戻すために、帽子の側へと跳ねようとした瞬間、二撃目の蹴り
が来た。

「ゆぼぁっ!!?」

まりさは、人間で言えば、腹に蹴りがクリーンヒットした形になり、痙攣しながら
餡子をごぷりと吐いた。

「ゆ゛げぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!え゛え゛え゛え゛ぇっ!!!」
「まりざぁぁぁぁっ!!?」

れいむもまた、私を裏切った。赤ゆっくりの頃からずっと愛情を育ててきたつもり
だったのに。

「れいむぅっ!!!お前までぇっ!!!」

次に蹴られたのは、発泡スチロールの下でうずくまっていたれいむだった。

「ゆげぇぇぇぇぇっ!!!」

れいむは発泡スチロールもろとも吹っ飛び、床に全身を打ちつけて、餡子を撒き散
らした。

「やべでね!!まりざがわるいんだよ!!!まりざがれいむをづれだしだんだよ!
れいむはわるぐないよ!ゆっくりやべでね!!けるんならまりざをげっでね!!」

私はまりさの髪の毛を掴むと、そのまま、救命いかだの出入り口から海へと突っ
込んだ。

「ゆ゛!!!……がばっ!!ゆぎっ!!!おべべが……がぼぁあっ!!!」

まりさの顔を海水に漬けては、戻し、漬けては、戻しを繰り返す。
ゆっくりは水中で窒息しないらしいが、そんなことはどうでも良かった。

「やべでぶ……ぐばぁあ!!!げぼっ!!!げぼっ!!!ぶ……」

まりさは目から口から海水が浸入し、苦しんでいた。要するに何の問題もなかった。

「……ゆばぁっ!!!……」

私はまりさがぐったりして、反応がなくなってくると、折檻を中止し、床に放り投
げた。そして、まりさの目の前で、まりさがくわえていた櫂をへし折り、海に捨て
た。

「ゆ゛!!?ゆびぃぃぃっ!!!ぞんな!!まりざのおーるがぁっ!!!なんでぇ
ぇぇぇっ!!?」

私はもう二匹が自力で脱出できないように、発泡スチロールに取り付けられたロー
プを外し、まりさの帽子と、れいむのリボンを取り上げ、ポケットの一つにしまい
込んだ。
これならば、ゆっくりはどうあがいても、私の助けを得なければ、お飾りを取り戻
すことは出来ない。


本当は発泡スチロールも壊そうと思ったが、この先、何かに使うかもしれないので、
やめておいた。

まりさとれいむは発泡スチロールに乱暴に放り込まれた。

私は救命いかだ側面の、一番高いところにあるポケットに、奪還した非常食と救難
用紅炎を収納した。

「疲れた…」

私は救命いかだの床に大の字になり、目を閉じた。
心も体も疲れてしまった。
私は、その日はまりさとれいむに夕食を与えなかった。

なんで、どうしてまりさとれいむは私を裏切ったのだろう。

悶々と何時間もそんなことを考えているうちに、私は眠りについた。今日は食べ物
の夢は見なかった。
家族とどこかにでかける夢だった。



「がみのげ…まりざの…まりざのぎらめぐがみのげぇぇぇぇぇっ!!!」

その日の朝を告げたのは、まりさの悲鳴だった。

まりさの自慢だった金色の髪の毛は、昨日の一件により、海水でふやけ、塩で毛根
が破壊され、ぼろぼろと散ってしまっていた。いまや、まりさの頭は禿山だった。

「がみのげざんもどっでぇぇぇ!!!まりざのあだまでゆっぐりじでぇぇぇ!!!
ぺーろぺーろ…」

まりさはあんよの周りに落ちている髪の毛を必死でぺーろぺーろしたが、べろに塩
味が残り、のどが乾いていく以外、何の変化も起こらなかった。

「…まりさ…」

哀れみを含んだれいむの視線が辛かった。

「…なかなかすてき…だよ?…」

慰めの言葉でさえも心に突き刺さるのだった。
今、悪がきに「やーい!やーい!禿げ大福!」と囃し立てられれば、まりさは憤死
してしまうだろう。

目を覚ました私は、慰めあい、己の悲劇を嘆く、ゆっくりを尻目に、自分の置かれ
た状況を再確認して泣いた。

まりさから取り返した、最後の救難用紅炎以外、助けをこちらから求める手段はな
くなってしまった。

水は太陽熱蒸留器があるからまだしも、食糧はあと4日分しかなかった。

私はこのまま死ぬしかないのだろうか?もう家族に会えないのだろうか?

歳を取ると涙腺がゆるくなるのだろうか?
私は泣いた。
最初は可愛がってきたつもりだった、ゆっくりたちの裏切りに泣いた。
そのゆっくりたちに手を上げてしまった自分もまた情けなくて泣いた。
その次には、そのような事態に陥ってしまった自分の身の不幸を嘆いた。
最後には、ただ、もう一度、家族に会いたくて泣いた。

近所の主婦との会合や市民運動のようなものに熱を上げる妻に会って、一緒にコン
サートに出かけたかった。
二人が会ったのは、中学の吹奏楽部だったから。

邪魔者を押し付けるかのように養護施設に入れた父に会って、父の大好きな野球の
話がしたかった。
父は私の野球の試合には全て応援に来てくれたから。

就職して離れて生活している息子に会って、一緒に近所の神社を訪ねたかった。
息子は私に怒られると、よく無人の神社に隠れて泣いていたから。

短期大学を出て以来、部屋で塞ぎこんでいる娘に会って、一緒に夕食を食べたかっ
た。
小学生の頃に描いてくれた私の似顔絵は、今でも私の宝物だから。


そして、最後の最後に、自分の愚かしさと矮小さを恨んだ。

ただ、一緒に生きているだけでいいじゃないかと、なぜ一度として思わなかったの
だろう。

一緒に人生を過ごしてくれた家族に感謝の言葉さえも言うことができなかった。

今はただ、一緒に生きたかった。

たとえ全身が塩で焼け爛れても、がりがりの爺さんになったとしても、

もう一度、

もう一度、我が家に、家族のもとに…



つづく



作:神奈子さまの一信徒

現在、いろいろと多忙なのですが、できるだけ早く完結させる予定です。
お読みいただき、ありがとうございました。



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感想

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  • ↓やっぱこれだよなぁ
    実際漂流したら…その上ゴミクズゆっくりに裏切られたら… -- 2016-08-30 14:42:37
  • ↓1日2日や集団生活の避難所ならともかく、
    救いのない漂流ならまともでいられる人のほうが少ない気がする -- 2014-01-05 21:41:26
  • 遭難してる時に精神力や精神構造が幼い奴と一緒には居たくないものだ -- 2011-11-02 17:23:29
  • 逃げだすとこすごいドキドキした…… -- 2011-09-25 14:50:15
  • まりさ自己評価高すぎwwwwお前ごときに追いつけないわけねーだろ! -- 2011-02-24 00:33:01
  • 所詮はゆっくりか…
    脱出ならまだしも、生存確率まで下げる、まりさの極悪さに、反吐が出そうだぜ。 -- 2010-12-22 12:16:56
  • 遭難してゆっくりに裏切られて不幸な人だなと思ってたら
    家族思って泣いてるとこで、この人ゆっくりんピースの高級会員の人間だったの思い出した -- 2010-09-18 23:32:24
  • 一番下のやつ、読ませていただいてゆっくりさせてもらってる分際でずいっぶんと偉そうな口をたたくじゃないか。
    お前みたいな身の程わきまえねえ野郎に比べりゃ大概のものはみやびだろうよ。 -- 2010-08-26 23:55:13
  • ↓小出しはよくあるし、全部短期で完結させてるだけマシというか凄い
    むしろプロローグとか言って出したあと放置な方が問題だろ
    短期完結なら分かれててもいいじゃない
    ゆっくりできるんだし -- 2010-04-21 18:54:52
  • 全部書いてから上げりゃいいじゃん。小出しにする意味は何?
    それとも、大層みやびな考えでもあるんですかね? -- 2010-04-19 05:45:49
最終更新:2010年04月17日 16:44
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