ふたば系ゆっくりいじめ 1303 声

声 10KB


仲違い 家族崩壊 野良ゆ 赤ゆ 子ゆ ゲス 現代 虐待人間 独自設定 もう少しやり取りが増やせたかも、とりあえず、どうぞ



『声』


ある日のこと。
一人の青年が、家で仰向けになっていた。

「あー、疲れた」

その姿勢のまま、器用に呟く。
春先の出来事、長い休みも終わり、様々な事の整理などで疲れ切っていた。
今もようやく一段落が付き、休んでいた。

「これだから新しい時期ってのは嫌いなんだ……」

新しいことの始まりというのは常に新しい出来事が起こり続けるということだ。
青年は時期代わりの時は苦手としていた。

「どれ、一休みするか ……タイマー ……1時間、くらいかな」

携帯を弄くり、目的の設定を終えると、携帯を置いた。
そしてそのまま、暖かい日差しを身に浴びつつ抵抗なく青年の瞼は閉ざされた。



青年が眠りに落ち、数十分たった頃か。

コッ…… コッ…… コッ……

何かが部屋の窓を叩く音に青年は目が覚めた。

「なんだぁ? 時間は…… まだこんな時間か、誰だ」

寝ぼけ眼を擦りながら、音が聞こえる方へ顔を向けると、そこにはゆっくりがいた。
ゆっくりれいむと呼ばれる個体で、汚らしい体をしている、明らかに野良である。
青年が起きたことに気づかないのか青年が起きても口に石を咥え、汚い体を動かし、何度も執拗に石を窓ガラスに叩きつける。

「一体なんだ?」

嫌な物を見てしまった、といった顔で青年は顔をしかめる。
このままうるさくてはかなわないと、青年は窓を開けた。

そこでれいむはようやく、石を叩きつけるのを止めた。

「ゆ! ようやくあいたよ! ここはれいむのゆっくりぷれいすにするからね!」
「しゅるきゃらね!」

そして、いきなりこのれいむはお家宣言をした。
おまけに子持ちの様で、親れいむと同じ汚らしい体の赤れいむがいた。

「何だお前は」
「ゆゆ! れいむのおうちににんげんさんがいるよ! ここはれいむのおうちなんだからゆっくりしないでさっさとでていってね!!」
「しょうだよ! ゆっくちちにゃいでででいっちぇね!」

れいむ親子は言う事欠いて、いきなり開いた窓から侵入しようとする。

「っと」

しかし青年は間髪いれず窓を閉める。

「ゆぎゅぅ!」
「ゆぎゃ!」

親れいむは頬のあたりが閉めた窓に挟まり、子れいむは硝子に突撃した。

「いだい゛よぉぉぉぉお゛お゛ぉぉぉぉ!!」
「いじゃい゛ぃぃぃぃい゛ぃぃぃぃ!!」

親れいむは頬を挟まれた部分から外すためか挟まれたままブリンブリンと体をくねらせる。
子れいむは痛みの耐性の無さか、地面をゴロゴロと大げさに転がる。
青年は窓を開けると親れいむの頬を開放し、窓を締め直すと、玄関へ向かった。







「あのくそにんげん! れいむをゆっくりさせないなんて、ぜんぜんゆっくりしてないにんげんだよ!」
「れいみゅおきょったよ、ぷきゅ~すゆよ!」

自分の仕出かしたことのがどんなことか分かっていないのか、好き勝手に言う。

「お前ら、一体何しに来たんだ?」

そこで青年はやってきた、右手には何やら入っている白い袋がある。
わざわざ玄関から回ってきたようだ。

「ゆゆ! れいむはしんぐるまざーなんだよ! ゆっくりさせないとだめなんだよ!」
「あー、はいはい、ゆっくりゆっくり」

青年は最初からこの親れいむがまともな返答をするとは思っていなかったようだ。
適当に流す青年の言葉をさらに流し、親れいむは続ける。

「だから、このおうちはれいむのものなんだよ! ゆっくりしてないにんげんはゆっくりしないでどっかいってね!」
「いっちぇね!」
「……んー、そうだな、親のお前、お前が俺の言うこと聞いたらどっかいってやってもいいぞ」
「なんでそんなこときかないといけないの! ゆっくりしないでさっさとどっかいってね!」
「聞いたら甘いモノくれてやるから」
「ゆゆ!」
「ゆゆ!」
「あまあまさん! あまあまさんちょうだいね! たくさんでいいよ!」
「ゆっゆっゆーー!!」

親れいむは甘いモノをよこせと、騒ぎたて。
赤れいむに至っては、すでにもらえるものと思い込んでいるのか口から砂糖水の涎を、さらに嬉しすぎてしーしーも漏らしている。

「だから言うこと聞いてくれたらだって」
「あまあまさん! あまあまさん!」
「あみゃあみゃしゃん!」

はー、と青年は息を吐く。
青年は白い袋から袋分けされたクッキーを取り出す。

「あまあまさん!! あまあまさん!!」
「あみゅあみゃしゃん!」

そして、その袋を破き、れいむ親子に見せつけるように一口で食べて見せた。

「でいぶのあ゛まあま゛ざんがぁぁぁぁああ゛ぁぁぁ!!」
「ゆ゛ぎゃぁぁぁぁあ゛あ゛ぁぁぁぁぁ!!」

まるでこの世の終わりとでも言う感じに、れいむ親子は絶望する。
青年は白い袋から二枚目のクッキーを取り出す。

「甘いモノはたくさんある、だから俺の言う事を聞いたらくれてやる」
「ゆぐぐぐ、わかったよ! いうこときいてあげるからさっさとあまあまさんよこせぇぇぇぇぇ!」
「ぷきゅぅぅぅぅう!」

まるで子供でも人質に取られたかのような目で青年を睨みつける親れいむ。
赤れいむも精一杯の怒りを表現するためにぷくーを敢行する。

「言う事を聞くのは親のれいむお前だけでいい、こっちに来るんだ」
「わかったよ! ゆっくりしないでさっさとしてね!」
「わきゃったよ!」









「じゃあ、れいむ、俺の言う事を復唱するんだ、親のれいむだけでいいぞ」
「わかったから、さっさとしてね!」

「あいうえお、さしすせそ……」
「あいうえお、さしすせそ……」

「ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりしていってね!」

「ゆっくり」
「ゆっくり」

「してない」
「してない」

「おちびちゃん」
「おちびちゃん」

「駄目だよ」
「だめだよ!」

「なんて言うと」
「なんていうと」

「思ったの?」
「おもったの?」

「馬鹿なの?」
「ばかなの?」

「死ぬの?」
「しぬの?」

「お空飛んでるみたいー」
「おそらとんでるみたい~」

「制裁」
「せいっさい」

………………
…………
……




青年の復唱をすることが始まり十分が経ち、れいむ親子はようやく解放された。

「ゆゆ~ん、やっとあのにんげんからあまあまさんをとりかえしたよ! れいむはつよいね!」
「おきゃあしゃんしゅぎょ~い!」

すでにれいむ親子の中では、自分の甘いモノを奪った人間から甘いモノを取り返したという大冒険を行ったという。
事実無根の幻想を頭の中に作り出していた。
流石餡子脳と言ったところだろうか。
しかし、お家宣言をしたことは忘れたようである。

「さあ、あまあまさんをむ~しゃむ~しゃしようね」
「いっぴゃいむ~ちゃむ~ちゃしゅるよ! きゃわいくってぎょめんね!」
『だめだよ!』
「ゆゆっ!」

突然の親れいむの制止に、赤れいむは固まった。
親れいむは突然聞こえた他のゆっくりの声に不思議そうにして周りを見渡している。

「む~ちゃむ~ちゃしちゃだめにゃの?」
「ゆゆ? そんなことないよ! いっぱいむ~しゃむ~しゃしてね!」
「じゃあ、む~ちゃむ~ちゃしゃせてにぇ」
『だめだよ!』
「ゆぴぃ!」

赤れいむは、涙目で固まる。

「ゆゆ? おかあさんがいったんじゃないよ、む~しゃむ~しゃしていいんだからね」
「ゆゆぅ、む~ちゃむ~ちゃしちぇいいにょ?」
『だめだよ!』
「どびょおじでぞんに゛ゃごという゛のぉぉぉぉお゛ぉぉぉ」

赤れいむはついに泣きだした。
食べていいと聞いたのに、駄目だという、矛盾した言葉に訳が分からなくなっているようだ。

「おかあさんはなんにもいってないよ! ほんとうだからね! そんなしらないこえをきいたらだめだよ!」
「おきゃあしゃんがしゃべってりゅにょにぃ~~」

ぴいぴいと泣きだす子供に困り果てる親れいむ。
確かに声は聞こえるが、その声は全く自分の声ではない、あんな変な声ではないと親れいむは思った。

「ゆゆぅ、こまったよ、どうすればいいの」

『な、き、だ、す、なんて、ぜんぜん、ゆっくりしてない、ゆっくり、だよ!』

「ゆぇぇぇぇぇん、ぎょめんにゃしゃぃぃぃぃぃ、でいびゅみょうにゃきやみゅぅぅぅ」

泣きやむというのに、更に泣きだす赤れいむ、親れいむはさらに困惑する。

「だいじょうぶだからね! おちびちゃん! ぺ~ろぺ~ろしてあげるからね!」
「ゆぇぇぇぇぇん」

と、舐めて赤れいむをあやす為に舌を伸ばそうとした時。

『なんていうと、おもったの? ばかなの? しぬの?』
「ゆびゃぁぁぁぁあ゛あ゛ぁぁぁ、ぎょめんにゃざい゛ぃぃぃぃい゛い゛ぃぃぃぃ」

「ぞんなごといっでないよぉぉぉぉお゛お゛ぉぉぉぉ、おぢびぢゃん! ゆっぐりじでね!」
『なんていうと、おもったの? ばかなの? しぬの?』
「だまれぇぇぇぇぇえ゛え゛ぇぇぇぇぇ!!」

あまりの剣幕に、赤れいむは自分言われたと思いピタリと声だけを止める。
しかし目からは砂糖水の涙が溢れて止まらない。

『う、そ、だよ! おちびちゃん、は、ゆっくりしていってね!』
「ゆゆぅ、ほんちょうに、ゆっきゅりしちぇいいにょ?」
「ゆ? ゆゆ? そうだよ、ゆっくりしていってね!」

別のところから聞こえる、他のゆっくりの声がようやくいいことを言ったと、親れいむは混乱しながらも思った。
早く自分の子供をゆっくりさせようとした。

『なんていうと、おもったの? なんていうと、ばかなの? ばかなの?』

あ、間違えた。
親れいむの聞こえないところから声がでる。

「ゆびゃぁぁぁぁぁあ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁ」
「おちびちゃん、ゆっくりしてね! ゆっくりしてね!」
『う、そ、だよ! ゆっくり、しない、でね! しない、しない、でね!』
「どぼじでぞんな゛ごと゛いうのぉぉぉぉぉぉ!!」

現状は大混乱である。
それもそのはず、何処からともなく聞こえる声はさっき青年が録音した親れいむの声だからだ。
継ぎはぎの再生だが、ゆっくり程度ではあまり違和感を覚えないようだ。
それとも、今の状況だから赤ゆっくりが信じてしまうだけなのか。

青年の初めての試みの為、何度か間違うこともあるがそれもそれで面白い様子を出すので大丈夫のようだ。
更なるセリフを作ろうと再生機に手を出そうとしたが。







「ゆ、ゆがぁぁぁぁぁあ゛! ゆっくりじでないごどもはゆっぐりじないでじねぇ!」
「ゆびゅぅぅぅぅ!」

ついに親れいむは切れて、赤れいむを潰してしまった。
どうやら、青年の思う以上に沸点が低かったようだ。
シングルマザーですらなくなった親れいむ、潰した赤れいむの上で荒い息を吐く。

「ゆふー、ゆふー、まったくゆっくりしてないこどもだったよ!」

自分を正当化するために、親れいむは大声で自分の子供は死んで当然だったと叫ぶ。
青年はならこれはどうだと、手元の再生機から声を再び再生させる。
親れいむは自分の声が自分の声と認識していない、親れいむは別ゆっくりに声を掛けられたと思うだろう。

『ゆ、ゆ、ゆっくり、ご、ろ、し、だよ! ゆっくり、できない、だよ! ゆっくり』
「ゆ!? こ、これはしょうがなかったんだよ! ゆっくりできないこどもだったからせいっさいしたんだよ!」

自分の所業が見られたのかと、辺りをキョロキョロと見渡す親れいむ。

『う、そ、だよ! ち、や、ん、と、み、て、た、よ、れいむ、が、おちびちゃん、を、い、き、な、り、こ、ろ、し、た、よ』
「そ、そんなこと」
『せいっさい、す、る、よ、ゆっくり、し、て、な、い、ゆっくり、を、せいっさい、だよ!』
「ゆ、ゆっくりにげるよ!」
『せいっさい、せいっさい』

なんてやっていると、親れいむは逃げ出した。
おそらく虚構の制裁するゆっくりに追われる恐怖を一生感じ続けるだろう。

青年はそんな親れいむの後ろ姿を見ると笑みを浮かべた。


「ゆっくりは死んでね、苦しんでいっていいよ、っと」
『ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆ~』


親れいむの間抜けな声が、最後に響いた。
















今まで書いたモノ





五作目です。


自分の声って録音してから聞き直すと変に聞こえますよね、ゆっくりはどうか知りませんが。
無論私も自分の声は嫌いです。


大きく振りかぶったあき、という名を頂きました。
嬉しいです。

絵の方、誠にありがとうございます。
テンションが上がるついでに、書きあげてしまいました。
今後も頑張って下さいね。


では、最後まで読んでいただいたら幸いです。


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感想

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  • そんなに扱いやすい録音機って無いだろ。変声ソフト使った方が早いな。 -- 2018-01-02 14:55:08
  • おもしろかたけど タイトルがね・・・
    もうちょっとヒネリがほしい -- 2011-12-16 23:48:37
  • すっげー面白かったww
    -- 2011-10-21 14:23:23
  • 面白いなw -- 2011-01-16 13:56:36
  • なかなか斬新で面白かった -- 2010-07-09 03:48:18
  • ほほう。楽しいね。 -- 2010-07-08 22:58:22
  • 面白い使い方だった -- 2010-05-31 22:48:25
最終更新:2010年05月27日 20:40
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