ふたば系ゆっくりいじめ 365 久城学園の夜

久城学園の夜 20KB


一発キャラにまで名前を付けてしまったのが、読みにくくしてる原因だと今更気づきました。
と、言うわけでこの場を借りて一端整理。

理事長 理事長さんです。毎回出てきます。久城学園なので名前は久城さんです。
            このお話はチャイムで始まりこの人のねぇ?で終わります。

初等部 鬼居くん、芽出さん、逆多さん 生徒です初等部編では出てきます。
中等部 鬼居先生、芽出先生、逆多先生 先生です初等部の子達のお兄さんお姉さんです。中等部編で出てきます。おまけでもたまに出てきます。
    めーりん 鬼居先生が買ってきためーりんです。金バッチです。
高等部 甘霧先生 ゆ虐拳法、通称ゆてての使い手。 高等部編で出てきます。

後は一発キャラばっかです。
どうも、ご迷惑おかけしました。
それと、視点変更はほどほどに、との意見も大分参考に。
ありがとうございます。



※久城学園の飼育に出てきた鬼居クラスのまりさの話です 
 久城学園の飼育を読んでなければ訳が分からないと思います。
 中等部のお話です。

 あらすじ 学校でゆっくり飼おう!→めーりんとまりさ→雨の日にまりさがめーりんをお家に入れない
      →めーりん死亡(実際は先生が回収)→その夜(今ここ)




キーンコーンカーンコーン

と、いうチャイムの音はない。
今は夜・・・すでに校舎(中等部)の電気は消えている。
昼間、あんなに降っていた雨はすでに止み、聞こえてくるのはざざざ・・・という葉擦れの音。
犬小屋に入ってくるすきま風の音と冷たさ。
そして、昼間雨の間はずっと寝ていた事もあって、まりさはこんな暗くなってから目を覚ました。
夜は、れみりゃの出る時間。
本能的な恐怖が、まりさを振るわせる。
もう、寝ることは出来そうになかった・・・。


―久城学園の夜―




「ゆぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!どぼじであんなにれみりゃがいるのぉぉぉぉぉ!?」

まりさ(鬼居クラスの飼いまりさとは別)は、逃げていた。・・・れみりゃから。
久城学園高等部では、夜間部の生徒がれみりゃの訓練をしている。
通常のれみりゃ(昼型に改良されてないれみりゃ)は光を嫌うため、彼らも薄暗い中で訓練をしているのだ。


まりさは、山で生まれ山で育ったゆっくりであった。
町に出てきたのは、「ゆっくりできない人間如きがゆっくりをゆっくりさせていないらしい」という噂を聞いたからだ。
人間め・・・自分たちがゆっくり出来ないからといって、まりさたちゆっくりまでゆっくりさせないとは・・・。
逆恨みにも程がある。
語彙力が無いので、本当にこんな事を考えて居たわけではないが、まあ、大体意味としてはこんな処だ。
果たして、町は地獄だった。
駅前で、人間をゆっくりさせてあげようと『おうた』を歌ったのに蹴飛ばされ、永遠にゆっくりさせられたれいむ。
町中で、勇猛果敢にも一人で人間の群れに突撃し、人間の卑怯な手段で永遠にゆっくりしたまりさ(人波に踏みつぶされた)
二人でゆっくりとすっきりしていたのに、いきなり棒で潰されたありすとちぇん。
本を見つけ喜んでいるところを人間のスィーに引かれたぱちゅりー・・・
数えればきりがない。数えられないが。
まりさはもう我慢が出来なかった。
なんと、町でごはんが置いてある箱(ゴミ箱)を人間が独り占めしてしまったらしいのだ。
人間は、ご飯の箱にふたを付けてしまったそうだ。
自分たちゆっくりでは開けられないふただ。
まりさは、もう、我慢の限界であった。
お野菜が勝手に生えてくるゆっくりプレイス・・・畑を独り占めにしてしまった人間。
まりさたちゆっくりは我慢をしていたはずだ。
人間がゆっくりプレイスを独り占めしてしまったことに。
人間ばかりゆっくりしていることに!!!
だから、決心したのだ。人間達が独り占めしているゆっくりプレイスを取り戻すのだと。
そうと決まれば、まりさの行動は迅速であった。
世話になっていたれいむの『おうち』にため込んであったご飯を平らげると、この町で一番大きな建物に向かったのだ。
まりさは、まずはあの大きなお家(久城学園のこと)をこの町のゆっくり達のゆっくりプレイスにするつもりだった。
畑を襲うにも、数が必要だ。
『いっきとうせん』の強さを持つまりさなら兎も角、他の弱いゆっくりでは、人間が数で攻めてきたら負けてしまうだろう。
それでなくても、人間にはあの大きなスィーがある。
流石のまりさも、スィーに当たれば痛いのだから。

「みんなっ、きいてほしいんだぜ!
 にんげんはひきょうにも、じぶんたちがゆっくりできないからといってゆっくりをゆっくりさせないんだぜ。
 ゆっくりがゆっくりするためには!にんげんをやっつけるしかないんだぜ!
 いまならにんげんもねてるんだぜ!
 まちのなかにはれみりゃがでないんだぜ!
 にんげんはれみりゃがでないゆっくりぷれいすまでひとりじめしてるんだぜ!
 そんなにんげんを、いまなら・・・いまならやっつれられるんだぜっ!!!
 まずは、あのおおきなたてものをゆっくりたちのいえにして、そこからにんげんのまちにせめこむんだぜ!」

まりさは、演説をしていた。
近くの公園に、ゆっくりがあつまって居るのは知っていたから。
しかし、まりさの声に耳を傾ける成ゆは居なかった。
町のゆっくりは、人間の恐ろしさを知っていた。
人間が、ゆっくりより強いことも。
だから、まりさの声に賛同したのは、

「ゆっ!まりしゃおねーしゃんがりぇいむちぇちをゆっきゅりさしぇてくりぇりゅの?」
「そうだぜ!みんなでゆっくりするんだぜ!」
「ゆわーさすが、まりさおねえちゃんはとかいはね!」
「まりさは、まりさおねーちゃんとおなじまりさであることをほこりにおもうんだぜ!」

赤ゆ、子ゆばかりであった。

「ゆうう!?おちびちゃん、だめだよっ、にんげんにかなうわけないでしょぉぉぉぉ!?」
「ゆっ!おちびちゃんたちをだますゆっくりはしねぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

怒りに満ちた成ゆ達が、山まりさに攻撃をしかける。

「ゆっ!まりしゃおねーしゃんは、りぇいむたちをゆっくりしゃせてくりぇりゅんじゃよ!」
「おかーさんたちといても、ぜんぜんゆっくりできなかったよ!ぷんぷん!」
「「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉぉぉ!?」」

しかし、それを子供達が遮った。
      • 欲の前では親子の絆など無いも同じ。
ああ、なんと罪深い生き物であることか。
兎も角、こうして山まりさは子供たちを引き連れて学校へと向かったのだ。
まりさの考えではこうだった。
本来、人間一匹に対して、一人のゆっくりが当たる予定だった・・・
しかし、まさかあそこまで町ゆっくりが弱虫だとは。
いや!これも全部人間が悪い。
人間が、本来勇猛果敢なゆっくりをあんなゆっくり出来ない弱虫に変えてしまったのだ!
だが、まだ救いはあった。
この子供達・・・そう、この子供達は人間に臆する事なく立ち向かう勇気を持っている。
この子供達をまりさが教育すれば、まりさの様な強いゆっくりの軍団ができあがるのだ!
今はまだ弱い子供達だ。
人間一匹を相手にするのに、三人がかりでやっとかもしれない。
でも、この数がいれば・・・勝てる!
卑劣なる人間を町から追い出し、この町をまりさの王国にしよう。
びゆっくりたちを侍らせ、まりさのハーレムを築こう!

ぽよん、ぽよん。

希望に満ちた子供達を引き連れて、にまにまと笑いながら、まりさは学校のフェンスに開いていた穴をくぐり抜けた。
そんなまりさの目に飛び込んできた物・・・それは。

「ゆううううう!おやしゃいがありゅよ!」
「ゆっ・・・にんげんめ、こんなところにまでゆっくりぷれいすをかくしてたのかだぜ!」

高等部の生徒達が作り上げた畑であった。


「ようし!まずはたたかいのまえのはらごしらえなんだぜ!
 あのゆっくりぷれいすをとりもどすんだぜ!」
「「「えいえいゆーーーーーーっ!!!」」」

そう言って、きょろきょろとあたりを見回す。
人間の姿は、無い。
もしここで人間が出てくれば、まりさは自分が人間を倒すつもりだった。
まだ、戦力を消耗するときではない。
もし此処で子ゆ達に戦わせれば、一人か二人は永遠にゆっくりしてしまうかもしれないのだ。
だから、まりさはとりあえず、子供達に野菜をとってこさせることにした。
まりさは、見張り。
大将はいつもどっしりと構えるものなのだ。

これが、まりさの命運を分けることとなった。
この畑、高等部の学生が張り巡らせた落とし穴が掘ってある。
もし、体重の重いまりさが乗っていれば、落とし穴に落ちてしまったに違いない。

「「ゆわーーーーーいっ」」
「「まりしゃはせっかくだから、このあかいみをえらぶのじぇ!」」

畑にたどり着き、お野菜に目を輝かせる子供達を、まりさは愛おしそうに見つめた。
(ゆっ・・・いつかまりさもびゆっくりと、あんなこどもたちをつくるのぜ・・・)
と思いながら。
さて、この畑の周囲に植えてあるのは赤唐辛子、指上等の辛い野菜である。
もちろん、本物の野菜など見たことがない子ゆっくりたちにそんな事が分かるはずもなく。
子ゆっくり達は、近くにあった唐辛子にかぶりついた。

「「むーしゃむーしゃ・・・しあわ・・・ゆげべぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」

一斉に餡子をはき出す子供達。
まりさは、何が起こったかさっぱり分からなかった。
子供達が、やっとの思いで取り返したお野菜にかぶりついた途端、餡子をはき出してしまったのだ。

「こ・・・こりぇどくはいっちぇ・・・」

その声に、やっとまりさは理解した。
まりさたちを陥れるために、毒の入った野菜を用意してたのだ!!!
ゆるせない・・・!!
まりさは怒りに燃えた。
まさか、人間達が自分たちも食べるであろう野菜に毒を仕込んでおく・・・。
そこまで卑劣な手段を取るとは思っていなかったのだ。
どうやら、認識を改める必要があった。
人間を『どれい』にして生かしておいてやろう。
そんな考えは甘いのだと。
ジェノサイド・・・人間は、抹殺しなければならないのだ!
子供達、見ていておくれ・・・まりさは、まりさはきっとやる!
まりさが、そんな決意を胸に宿し校舎に向かおうとした時だ・・・。

「おい、ゆっくりの声が聞こえなかったか!?」
「畑の方っぽいぞ!」

人間の声。
丁度いい、あいつらから血祭りにあげてやる。
憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い・・・・

「うーーーーっ」
「よしれみりゃ、行けッ!」

憎しみは一瞬で吹き飛んだ。
(れみりゃっ!?どぼじで!?まちにはれみりゃはいないんじゃなかったの!?)
れみりゃの声が聞こえてきたからだ。
学園のれみりゃ飼育部の生徒が、さっきの子ゆの悲鳴に飛んできたのだ。
なんてことだ・・・。
れみりゃはいなかったんじゃない。
人間を奴隷にして、この王宮に住み着いていたのだ!
その証拠に、人間がれみりゃを運んで居るではないか・・・。
まりさの本当の敵は、人間じゃ無く、れみりゃだった!?
本能的な恐怖がまりさを動かす。
本能的に悲鳴が口からもれる・・・。

「ゆぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!どぼじであんなにれみりゃがいるのぉぉぉぉぉ!?」

当然、飼育部で飼っているれみりゃは一匹ではなかった。
まりさは、全力で逃げ出した。
れみりゃの声に足がすくみ、動けなくなってしまった子供達全てを投げ出して。





鬼居クラスのまりさは、聞こえてきた悲鳴がどんどん近付いて居ることに気づいた。
少し気になるが、帽子に取り付けられた鎖はまりさをこの場所に縛り付けている。
帽子をおいてまで、様子を見に行く気にはならなかった。

「ゆぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!ゆぴぃぃぃぃ!!」

犬小屋で寝ていたまりさに、声の主が近づいてきた。
薄暗くて良くは見えないが、シルエットからゆっくりであると分かる。
更に近くに来て、まりさは声の主がまりさであると理解した。

「まりさ・・・まりさはまりさなんだぜ?」
「ゆぴ・・・?ま、まりさはまりさだぜ!まりさはまりさ?」
「ゆっ!まりさはまりさだぜっ、ゆっくりしていってね!!!」
「ゆっ・・・あまりゆっくりしちゃいられないんだぜ!」

ぐずめーりんとは違う、久々に会う本物の同族にまりさははりきって挨拶した。
だが、走ってきたまりさ(以後山まりさと明記)はゆっくりしていない様子。
まりさは、不思議に思って訪ねた。

「ゆぅ・・・?どうかしたんだぜ?」
「れみりゃがにんげんをどれいにして、まりさをおってきてるんだぜ!!」
「ゆっ!!!」

まりさは考えた。
人間はぐずだが、れみりゃよりは強かったはずだ。
れみりゃが人間を奴隷にしていると言うことはあるまい。
そうか、人間がれみりゃを使っているんだ。
(まりさの中での強さの順位 自分>人間>れみりゃ>普通のゆっくり)
(山まりさにとっての強さ  れみりゃ>自分>他のゆっくり>人間)
これは、山まりさが山にいてれみりゃとは良く会うが人間には会わないため。

「ゆっ、そう言うことなら、まかせるんだぜ!」

おびえる山まりさに、はりきって答えるまりさ

「ゆぅ・・・?どうするんだぜ?
 さすがのまりささまも、あんなにいっぱいのれみりゃにはかなわないんだぜ!」
「ゆっふっふ・・・まりささまはかいゆっくりなんだぜ!
 だから、まりささまのぼうしをかぶってれば、ばかなにんげんとれみりゃはてだしできないんだぜ!
 まりさがおとりになるから、まりさはここでまりさのおぼうしをかぶってゆっくりしてるんだぜ!」
「ゆっ・・・でも、まりさはどうするんだぜ?」
「ゆふっふ・・・まりささまがかいゆっくりになったのはにんげんのじゃくてんをしらべるためなんだぜ
 いまのまりささまなら、にんげんごときなんでもないんだぜ!」
「ゆううううう!」

山まりさは感激した。
弱虫だとばかり思っていた町ゆっくりに、こんなにも思慮深いゆっくりがいたなんて!

「ゆっ・・・!まりさは、まりさのおぼうしをかぶって逃げて、みかたをつれてくるんだぜ!
 かならず・・・かならずむかえにくるんだぜ!」
「ゆっ!まりさはまってるんだぜっ!!」

まりさと山まりさは帽子を交換し、まりさは駆けだした。
これで、自由をてにいれたのだ!!!


山まりさは、犬小屋の中で眠りにつこうとしていた。
飼いゆっくりになったのだ。れみりゃに襲われる心配もないらしい。
帽子に付けられた鎖のせいで、遠くには行けないけれど、それでも山まりさは安心していた。

「たしか、中等部の方から声がしたな」
「しかし、あんなに子ゆっくりがいるなんてなあ・・・何匹か逃げちまったぜ」
「うーっ」

そこに、れみりゃを連れた生徒達がやってくる。
山まりさは、れみりゃの声に体を震わせたが、今、自分は飼いゆっくりなのだと思い直しほっとした。

「ん・・・あれ、なんだ?」
「中等部の生徒が作ったゆっくり小屋だよ。
 ほら、俺らもやったじゃないか」
「あー、あれか。ゆっくりの本質を学ぶ・・・ってやつな。」
「おい、まりさ」

生徒の一人(以下生徒A)が声をかけてくる。

「ゆぅ・・・?なんなんだぜ?」

良くは分からないが、飼いゆっくりとかいう高貴なものになった山まりさに声をかけるとは・・・
あとで、制裁をせねばなるまい。
そう考えるが、生徒がれみりゃを連れていることを思い出して一応答えてやった。

「こっちに、ゆっくりが逃げてこなかったか?」
「ししし、しらないんだぜっ!こっちにはだれもきてないんだぜ!」

慌てて答える山まりさ。
生徒にしてみれば、なんとなく聞いただけだが、山まりさは自分の正体がばれたんじゃないか・・・。
そんな心配で気が気ではない。

「そうか・・・確かにこっちから聞こえたんだけどなあ?」
「ししし、しらないんだぜ。じじいのみみがわるいからきっとききまちがえたんだぜ!」
「そうかなあ?」
「そ・・・そうなんだぜっ!そうにちがいないのぜ!?まりささまをうたがうのぜ?
 まりさはまりさなんだぜ!べつにぼうしをとりかえていれかわったりなんかしてないんだぜっ!!!」
「ほう」

口からつばを飛ばししゃべりまくる山まりさ。
生徒Aは、当然今ので気がついた。
このまりさは、飼いまりさでは無いことに。
おそらく、中には飼いまりさの死骸があるんだろう。
もっとも、中を覗く気にはならないが。

「そういえば、さ」

生徒Bが口を開く。

「確か中学の飼育授業って、二匹飼う決まりだったんじゃね?」
「あ、そういえばそうだな。めーりんが居るとこ見た気がする」
「おい、めーりんはどうした?」
「ししし、しらないんだぜ!はじめからいなかったんだぜ!?
 めーりんがいるなんてきいてないんだぜ!!!」
「そうかい」

最早、自分が飼いまりさで無いことを自白したも同然だが、聞かなかったことにして話を進める生徒達。

「どう思う?」
「あれだ、きっと夕方の雨で溶かしたんだろ?
 俺らの一個下の学年で似たようなことあったじゃん?」
「なるほどね。まりさとめーりんだったって事は、めーりんがれみりゃからまりさを守ってたって事だよね」
「だな。じゃあ、めーりんが死んだらまりさが死ぬのも仕方ないか。」
「やっちまう?」
「ま、後輩の育成に協力するってことでさ」

彼ら、高等部の生徒にしてみれば通った道。
当然、この授業の趣旨も理解していた。
ならば、やることは一つ・・・これが本物であっても、偽物であっても関係ない。

「「れみりゃ、襲え」」

二人は、そろってれみりゃに命令する。
山まりさは慌てた。

「どどど、どういうことなんだぜ!?
 まりさはかいゆっくりなんだぜ?
 こうきなまりささまにてをだしていいとおもってるのかだぜ!?」
「んー、めーりん殺しちゃったんでしょ?
 じゃあ、死んでもらわないとね」
「ゆっ!?めめめ、めーりんなんかしらないのぜ!」
「えー、お昼まで一緒にいたじゃあないか。
 俺、ばっちりみたんだけどなあ。」

嘘である。
彼は数日前にちらっとめーりんが居るところを見ただけだ。
めーりんが、飼いゆっくりではない可能性は低い。
こんな犬小屋で飼う以上、番人が居なければすぐにれみりゃに襲われてしまうだろう。

「ゆっ、ききき、きっとまりさがねてるあいだににげたのぜ!
 にげだすなんて、かいゆっくりのかざかみにもおけないのぜ!」
「ふぅん・・・ま、どのみち、お前は殺すんだけどね」
「どどど、どうしてなんだぜ?」
「番人が居ない以上、喰われても仕方がないだろ?」
「ゆぅぅぅぅぅ!?」

話が違う!飼いゆっくりになれば、れみりゃにも人間にも襲われないんじゃないのか!!!
このままでは、まりさはれみりゃに殺されてしまう!
れみりゃさえいなければ、人間如きはまりさ一人で十分殺せるのに!!!
この場を乗り切るには、どうすればいい!?
そうだ・・・まりさが飼いゆっくりでないことを話せばいいのだ!
まりさは、この町の王になるゆっくりだ!
その事を知れば、人間だって、自分の無礼さを恥じてひれ伏し、
れみりゃをやっつけるに違いない!! 
まりさの中では、こういう策略が張り巡らされていた。

「ま、まつんだぜっ!」
「ん?何だよ」
「じ、じつはまりさはまりさじゃないんだぜ!」
「は・・・?どうみてもまりさなんだが。」
「いや、たぶんこいつ、元々此処にいたまりさじゃない、って言いたいんだろ」
「そのとおりなんだぜ!
 まりささまはっ、このまちのっ、おうさまになるゆっくりなんだぜ!」
「・・・だから?」
「わかったら、このくさりさんをはずしてあまあまをもってくるんだぜ!!!」
「へえ・・・まりさは、飼いまりさじゃないんだ。」
「なんどもいわせるななんだぜ!
 さっさとあまあまをもってきてね!あと、そのれみりゃはこわいからころしてね!!」
「飼いゆっくりじゃないなら、殺すしかないな。無断で学園に入ったんだから。」
「ゆっ・・・?」

まりさの動きが止まった。
今、このじじいはなんと言った?
殺す・・・と言わなかったか?
この、高貴なまりさを?王様になるまりさを殺す、と言ったのか?
馬鹿な、まりさはこんな処で死ぬまりさじゃない。
そうだ、人間如きにまりさが殺せるはずない。
でも人間はれみりゃの奴隷で。
れみりゃは人間の言うことを聞いていて。
だから、れみりゃは、人間の・・・
うそだうそだうそだうそだ
人間がれみりゃを奴隷にしてるはずないじゃないか。
人間がれみりゃより強いはずないじゃないか。
だって、そうしたら、まりさは人間より

「襲え。」


れみりゃがまりさを抱え空に舞い上がる。
わーい、おそらをとんでるみたい!という鳴き声が、山まりさの口から本能的にわき上がる。
心ではゆっくりしている訳じゃない。
これから、何が起こるか知っている。
獲物を捕まえたれみりゃは、つかまえたゆっくりを・・・

ひゅぅぅぅぅぅ

れみりゃが、山まりさを地面に落とす。
れみりゃは捕まえたゆっくりを甘くするため、これを行う習性があるのだ。

「いいぞ、れみりゃ。
 ナイスパス!」

落下地点で待ち構えてた生徒Aが、れみりゃに向かってまりさを蹴り上げた。
落下の衝撃に加え、蹴りの力がまりさにかかる。
足が当たって、歯が折れた。
いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい
だが、餡子は漏れていない。
空中では、体に力が入らず嘔吐もままならない。
口の中には餡子の味が混じっているのに・・・。
いたい。
こんな痛い目に遭うなら、来なければ良かった。
山で大人しくしていれば良かった。
どうして、まりさはこんなところに来たんだっけ。
そうだ、あのまりさが悪いんだ、お帽子を交換しなければこんな目に遭わなかった。
そうだ、役立たずの子ゆっくりが悪いんだ、あいつらがれみりゃを呼び寄せた。
そうだ、町のゆっくりたちが悪いんだ、みんなで来ればこんなことにはならなかった。
そうだ、町でまりさにご飯をくれたれいむが悪いんだ、れいむがご飯が取ってこれなくなった、なんて言ったから。
そうだ、山でうわさ話をしてたちぇんが悪いんだ、ちぇんが町のゆっくりがゆっくり出来ていないなんて言ったから。
そうだ、そうだ、そうだ、そうだ・・・悪いのはまりさじゃない。
そうだ、そうだ、そうだ、そうだ・・・悪いのは・・・悪いのは・・・
そうだ、一番悪いのは・・・まりさがこんな目に遭ってるのは・・・
おかあさんが悪いんだ、まりさを産んだ、おかあさんが悪いんだ。
どうして、もっと強く産んでくれなかった?
どうして、れみりゃなんかに負ける体に産んだんだ?
どうして、どうして、どうして・・・。

生徒Aが蹴り上げるたび、まりさの口から少しずつ、少しずつ餡子が漏れる。
れみりゃが体当たりして下に落とすたび、少しずつ少しずつ皮が傷ついていく。

だが、まりさは何も感じなかった。
悪いのはまりさじゃないのだから。
まりさを産んだおかあさんなのだから。
だから、これは間違いなんだ。
まりさが生まれたのが間違いなんだから、ここにいるのも間違い。
此処にはまりさがいないはずなんだから、痛くないんだ。

体がひしゃげる。
上に持ち上がる。
下に落とされる。
体がひしゃげる。
一体何度繰り返したろう?
人間を奴隷にするために町に来たまりさは。
ゆっくりをゆっくりさせるために来たまりさは。
全ての美ゆっくりを侍らせて王様になるはずのまりさは。
人間の玩具にされ。
山に帰りたいと願い。
全てのゆっくりを呪いながら。
一人で。
最後に、餡子を吸われ。
死んだ。


「ふーっ、いい汗かいたぜ。」
「うーっ」
「小屋の中に死骸戻しとけよ?」
「分かてるって。
 んー運動したら小便したくなったな・・・やべ、もれるっ」
「おいおい・・・校舎の隅にしちまえば?」
「んー、あ、あれでいいな。ほっとけば水吸うだろ」

じょぼじょぼじょぼ。
残された帽子に、小便が注ぎ込まれ。
小屋の前には、溶けて形が分からなくなった帽子。
小屋の中には、餡子を吸われてかさかさになった饅頭だけが残された。



帽子を取り替え、自由を手に入れたまりさは校舎に侵入。
そこで、久城学園の七不思議を目にし、とてもゆっくり出来ない目にあうのだが・・・
それはまた別のお話。



おまけ

「あ、そうだ良いこと思いつきました」
「何です、理事長?」
「山に道具だけ持って行って、ゆっくりを捕まえて調理。
 大自然を満喫する、ゆっくり炊事遠足なんてどうでしょう・・・ねぇ?」



あとがき

今までに仰って頂いた意見、大分参考にさせてもらいました。
どうでしょう?
少しは良くなってるといいな。
      • 続けても、いいよね?


書いたもの



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このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
感想

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  • 理事長って怪談レストランっぽい話し方だね -- 2011-08-04 00:26:17
  • 阿呆まりさざまぁww
    町ゆっくりに迷惑かけただけかぁ -- 2010-10-08 16:58:12
  • 理事長って男だよね?
    ねぇ?がなんか好きだ -- 2010-07-17 00:31:20
  • めーりんは無事なんだね!良かったよ!! -- 2010-07-09 12:51:01
最終更新:2009年10月25日 16:35
ツールボックス

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