ふたば系ゆっくりいじめ 387 れいむはよげんしゃ

れいむはよげんしゃ 32KB


※使い古しのネタでごめん。
※いろいろな方達の SS、絵よりインスパイアされてます。
※いつもよりたくさんご都合主義です。てへっ。
※作者は特定の職業を差別するつもりはまったくありません。
 文中、批判的な表現が見受けられた場合、それは職業への感想
 ではなく、ゆっくりどもを罵りたいがためです。
 なにとぞご了承ください。



ふたば系ゆっくりいじめ 177 人間の畑だと説得してみよう』の母子れいむの群がどうなったか
知りたい、という書き込みがあったのでがんばりました。本当は群は滅んだ、
程度でサラっと流すつもりだったのですが。
前話を読まなくてもだいたい状況はわかると思います。



「れいむはよげんしゃ」
  必殺引篭り人



この話の主人公はれいむ。それも夫のまりさを無くし、子れいむ2匹を育てる
肝っ玉母さん、ではなく単なる『しんぐるまざー』のでいぶだ。
その天性の忘れっぽさと自分に都合の良い思い込みでこれまでを乗り切ってきた、
ある意味で運のよいゆっくりである。
話はこのれいむがとある人間から「神秘の畑」の話を聞かされたところから
はじまる。

「ゆっゆっゆ~っ♪れいむはせかいいち~のっ♪びゆっくり~♪」
「「びゆっくち~。ゆ~ん!」」
母れいむと子れいむ達が里から森へと跳ねていく。ていんていんと規則正しい
ジャンプでそのうれしさをアピールしているかのようだ。

バカなにんげんさんにれいむがかわいそうな『しんぐるまざー』だとうったえ
たら、すごいじょうほうをおしえてくれたよ!
やっぱりれいむはすごいね!にんげんさんはバカでどうしようもないね!

そんなことを考えながら、ていんていんと跳ねていく。そしてジャンプするたび、
「バカなにんげんさん」や「おしえてもらった」という重要ワードが脱落、
最終的に記憶餡に残されたのは「しんぴのはたけさんがもりにあるよ」
「れいむはすごいじょうほうをしっている、とってもゆうしゅうな
 ゆっくりだよ」という情報だけ。
自分に都合の良いことだけは忘れない、餡子脳は不思議の塊だった。

子れいむ2匹を育てるのは、この母れいむにはなかなか大変なことだった。
狩りが苦手、というわけではないが、食べ盛りの子ゆっくり2匹を養う
ほど食料を取れるわけでもない。
そんな母れいむが得意としているもの、それは言ってしまえば「詐欺」だ。

森をすすむれいむ一家の前に、落ち込んだ様子のゆっくりありすが現れた。
いかにも悲しみにくれた様子のありすは、ずりずりと這って歩いている。
母れいむの餡子脳にピン、と電流(?)が走った。
「「「ゆっくりしていってね!」」」
「ゆぅ…、ゆっくり…していってね…。」
元気なれいむ一家のごあいさつに、落ち込んでいるのに律儀に返事をかえす
ありす。母れいむはすかさず必殺の一言を口にする。
「ありす、なにかかなしいことがあったんだね?たいせつなゆっくりが
 しんじゃったんでしょ?」
はっと胸をつかれ、ありすは母れいむを見つめる。
「れいむじゃかなしさをとりのぞいてあげられないけど、ゆっくり
 していってね…。」
「「ゆっくりしていっちぇね!」」
れいむはそっとありすの頬にすーりすーりをする。それは親愛でも求愛
でもなく、ただ慰めるだけの優しいすりすり。
子れいむ達ももう一方の頬に優しくすりすりする。
ありすはその優しさに、目にいっぱいの涙をうかべる。
「ゆ、ゆわーん!なんで、なんでとかいはなありすをおいて、
 ま、まりさはしんじゃったのー!?」
どうやら恋人のゆっくりまりさが死んでしまったようだ。
泣いているありすを、れいむ達はただすりすりして慰めた。

「ゆっ!もうだいじょうぶよ!ありがとう、れいむたち!」
「よかったよ!げんきをだしてね、ありす!」
「「げんきをだちてね、ありすおねーしゃん!」」
優しいすりすりで元気をもらい、ありすはやっと立ち直るきっかけ
をつかんだようだ。実際には悲しい記憶を記した餡子脳の一部が砂糖水に変化し、
涙として流れたおかげで記憶が薄れているだけなのだが。
「おれいにれいむたちをありすのとかいはなでぃなーにごしょうたいするわ!
 べ、べつにありがとうのきもちからじゃないのよっ!
 かんちがい、しないでよねっ!」
「ゆぅ~、ありがたくごしょうたいされるよ!さっさとれいむたちを
 つれていってね!」
「ゆっくちしにゃいではやくちゅれていってね!」
「れいみゅはおにゃかしゅいたよ!ゆっくちいっぴゃいごちしょうしちぇね!」
サラッと強欲なことを口にするれいむ親子。
ありすはそれに気づく様子もなく、自分の巣にれいむ親子を連れて行った。

これだけを見るとれいむ親子はカウンセラーのような行動をとったように見える。
もちろんこれは上手くいったときの例。実際にはここまで落ち込んでいるゆっくりはめずらしい。
そういう時、母れいむは少しでも気分の優れないゆっくりをつかまえて

「なにかかなしいことがあったんでしょ?」

とか

「しりあいのゆっくりがしんじゃったんだね?」

と聞くのである。それもしつこく。
ゆっくりは脆弱な饅頭。悲しいこと、知り合いの死などそれこそ日常茶飯事。
その記憶をむりやり、泣き出すまで引っ張り出す。
そして泣き出したところを慰め、恩を売る。そうして食べ物をおごらせるのだ。
他ゆっくりの心の傷をほじくり返し、無理やり恩を売る。知りもしないことを
さも判っているかのように振舞って信頼させる。詐欺、騙しの一種といわれる
ような行為だった。

このれいむのしていることは、人間の世界でいう「コールドリーディング」に
ある意味で近いものである。占い師が、まるで心や過去を見透かしたかのように
相談者を勘違いさせる誘導テクニックだ。
ゆっくりであるれいむにはそこまでの高等テクニックはない。ただ「かなしいことが
あったんでしょ?」「しんでしまったゆっくりがいるんでしょ?」としつこく問うだけ。
しかし単純な餡子脳しかもたないゆっくりにはそれで十分。
れいむもまるで初めから知っているかのようにしゃべるので、相手はおどろき、
最後には信頼してしまう。
れいむ自身は、自分がどんなテクニックを使っているのか全く分かっていない。
この方法も、たまたま知り合いのゆっくりを上手く慰められたから、
というだけで見つけたものだ。
しかしそこは自分に都合よく解釈するでいぶ、自分がやっているのは

「ゆっくりを慰め、新たなゆっくりに向けて立ち直らせるすばらしい行為」

だと自負しているし、

「自分には他のゆっくりを見透かす力がある」

と思い込んでいる。
この方法で何度もご飯にありついてきた母れいむはすっかり自信を深め、
自分はもっと尊敬を集めるべきゆっくりだと増長しはじめていた。
子れいむ達も、母れいむの仕事を手伝い、知らず知らずのうちにやはり増長し始めてきた。

ありすの巣でご飯をもらうれいむ親子。ありすも久しぶりのにぎやかな食卓に
すっかり満足したようだ。
「おちびちゃんたち、きょうもおかあさんのおてつだい、よくできたね!」
「れいみゅはおかあしゃんのゆっくちだもん!おてちゅだいできゆよ!」
「れーみゅも!れーみゅもできゆよ!」
「れいむたちはすごくゆっくりしたゆっくりだよね!みんなのつらいこころ
 をすくってあげてるんだから!」
「「れいみゅたちはえらいゆっくちだよね!」」
ご飯の片付けでありすがいないことをいいことに、自分達を褒めまくる
れいむ親子。自分達は賞賛を浴びるのが当然、とまで言っている。

片付けをおえてありすが巣穴の奥から戻ってきた。
「れいむはとってもとかいはなゆっくりね!」
「もちろんだよ!れいむはすごいゆっくりだからね!」
「「おかあしゃんはしゅごいゆっくちだよ!」」
「ありすがかなしんでたこと、いっぱつでいいあてたのにはおどろいたわ!
 きっとれいむは『よげんしゃ』さんなのね!」
「ゆっ?よげんしゃさん?」
「ええ、ありすがむかしおかあさんからきいたの。ゆっくりのなかには
 まれに『みらいをよちするていどののうりょく』をもったゆっくりが
 あらわれるって。それを『よげんしゃ』っていうの!」
この話は本当だが、大事な部分が抜け落ちている。元飼いゆっくりだった母ありすは、
飼われていたころに読み聞かされた絵本の話をしたのだ。しかしこのありすは
それを『ゆっくりに伝わる伝説』と勘違いしている。さすがは餡子脳。
勘違いにかけては全生物の遥か斜め上を行く。
ありすに自分が特別な存在だ、と言われたことを理解した母れいむは
ますます自分に自信をつけた。自分こそ『選ばれたゆっくり』なんだ、
自分には特別な力があるんだ、という考え。今までは予感程度だったその考えは
根拠を手に入れていっきにジャンプアップ、確信に代わっていった。

ありすの巣にちゃっかりお泊りした翌日、れいむ親子は朝ごはんまでありすからもらっていた。
食べ終わると、ありすはれいむ親子を改めて群に紹介するといって広場まで連れてきた。
れいむ親子はつい最近、群に加わったゆっくりで、今まではあまりみんなに
知られていなかった。それは母れいむが獲物を見定めていたことも関係している。
変な部分で慎重なれいむだった。

「ゆー!みんな、きいてちょうだい!むれにすごいゆっくりがくわわったの!」
広場でゆっくりしていたゆっくり達がやや気だるそうにありすのほうに向く。
「このれいむは、なにもおしえていないのにありすのこころをいいあてたの!
 このとってもとかいはなれいむは、よげんしゃさんなのよ!」
その言葉に、さすがに群のゆっくりたちは懐疑的なようだ。
「とかいはのありすのことばでもしんじられないのね?じゃあれいむにちからを
 みせてもらいましょう。れいむ、おねがい!」
大舞台だ。ここで上手く自分を売り込めば、当分ご飯の心配はなくなる。
打算と皮算用にかけてはれいむはゆっくり1だった。
「ゆっ!そこのちぇん!」
今までさまざまなゆっくりの心の傷に塩をすり込んできたれいむだ。表情の変化から
少しでも落ち込んでいるゆっくりを見分けるなど朝飯前。名づけるなら
『ゆっくりの心の傷を広げる程度の能力』といったところか。
「れいむにはわかるよ!かなしいことか、たいせつなゆっくりがしんじゃったんでしょ!?」
ズバリ言い切る。ちぇんは初めて会ったれいむに言い当てられて驚きを隠せない。
「わかるのー!?ちぇんのおともだちしんじゃったこと、どうしてわかるのー???」
「そっちのれいむ!かなしいことか、たいせつなゆっくりがしんじゃったんでしょ!?」
「な、なんでわかったの!?れいむのちから、ほんとうなんだね!!」
ノリノリでれいむが当てていく。『悲しいこと』『ゆっくりの死』そのどちらも
ありふれていることだから、両方を言えばほぼ当たって当然、などということは誰も気づかない。
所詮はゆっくり、である。
群は歓喜にわいた。すごい力の持ち主が加わったのだ。これで越冬のための食糧不足
も解消できるはず。期待が膨らむ。

「ゆゆゆぅーっ!きたよ!ひがしのがけさんのしたにごはんさんがあるよ!」
れいむのご神託だ。
あれからありすの指導に従い、『よげんしゃ』としてふさわしい所作をとるようになった。
体にきれいな色の葉っぱをくっつけ、箔をつける。しゃべり方も今までのような
ただ当てるだけの形ではなく、神から言葉を受け取る形に直してある。
「で、でもがけさんはゆっくりできないんだぜ!」
「れいむのことばはしんじつだよ!さっさとさがしてきてね!」
よげんしゃれいむの言葉は既に群の中では絶対の権力を得ていた。実質、リーダーと
言ってもいい。

群の中で運動能力の高いゆっくりたちが崖に向かう。今までは危険とみなして近づかなかった
場所だ。
視察組として派遣されたみょん達が崖下を覗き込む。
「どうするみょん?がけさんのしたなんていけないんだみょん。」
「…わかるよー、ここからおりられそうなんだねー。」
ちぇんがなんとか降りられそうな場所を見つけた。ぴょんと石に飛び乗る。

ぐらっ。がらがら!

「わ゛がら゛な゛い゛よ゛ー!!!」
石は思ったほどしっかりしていなかった。ちぇんが崖下まで一気に落ちる。
「「「ちぇんー!!」」」
みょん達は急いで崖下を目指す。不幸中の幸いか、ちぇんが崩した石によってなんとか
崖下までいけるだけの道ができていた。
しかしちぇんは崖下でチョコレートの華を咲かせていた。

「みんな、すごいんみょん!!ごはんさんがいっぱいだったんだみょん!」
意気揚々とみょん達が崖下からエサを運んできた。今まで行かなかった場所だ。
当然まだ草花や虫達が残っているのだ。
しかしそれを当然と思うものはいない。すべて、よげんしゃれいむの力だと思い込んで
しまった。
「…ちぇん、ちぇんはどこなの!?とかいはなありすのおっとはどこ!?」
ちぇんと新婚だった若ありすが泣きそうな顔で探す。
必死なありすに、しかしみょんは悲しそうな顔で報告した。
「…ちぇんはがけからおちてえいえんにゆっくりしたみょん…。ごはんさんは
 ちぇんがいのちをかけてみつけてくれたんだみょん。」
「みんな!ちぇんにかんしゃのきもちをつたえるんだよ!れいむがえいえんの
 ゆっくりぷれいすにいったちぇんにことばをつたえるよ!」
「そ、そんなことができるの、れいむ!?」
未亡人となった若ありすが勢い込む。
「もちろんだよ!れいむはよげんしゃさんだからね!」
「おねがいするわ!みんなも、おっとにとかいはなかんしゃをつたえちょうだい!」
エサを見つけ、群の誰もがちぇんに感謝していた。ゆっくり達は目を閉じて
心の中でちぇんに感謝を述べる。
「……ゆっ!いま、れいむがちぇんにことばをおくったよ!ちぇんはえいえんの
 ゆっくりぷれいすでゆっくりできるよ、っていってたよ!」
「ゆ、ゆぅぅぅー!!ありがとう、れいむ!」
泣き出す若ありすに優しく慰めのすりすりをするよげんしゃれいむ。
それを見て、群のゆっくり達はさらにれいむへの信頼を深めていった。

群のゆっくり達は決してゲスなどではない。ただどこまでも愚かなのだ。
以前、群は参謀として働いていたゆっくりぱちゅりー3匹を追い出した。
これもゲス的素質からではない。ぱちゅりー達が言う禁止事項が理解できない
ため、「ゆっくりできないことをいうゆっくり達」と判断したためだ。
ちぇんが自らを犠牲にしてエサを見つけてくれたこと、それ自体に感謝する
ことはできる。だが、それを招いたこと、そしてそれを利用して影響力を強める
れいむのことは全く見抜けなかった。
どこまでも愚かな群で、当たり前の事をさも凄いこと、力あるものにしかできない
こととして信じ込ませていくれいむ。
その行為は、だんだんと人間でいう宗教的な様子を帯びてきていた。

翌日、れいむは電撃にうたれたかのように目覚めた。
「ゆゆゆゆっ!これはみんなにしらせないといけないよ!」
群の広場に全員があつまるのを確認すると、れいむは高らかに宣言した。
「このもりには『しんぴのはたけさん』があるよっ!」
ざわざわ…。
「『しんぴのはたけさん』はたくさんおやさいさんがはえるゆっくりぷれいすだよ!
 れいむはよちしたよ!このもりには『しんぴのはたけさん』があるんだよっ!」
群のゆっくり達は浮かない顔だ。呆れ顔のものや、軽蔑のまなざしを向けているもの
すらいる。
それもそのはず。少し前から、よげんしゃれいむの威光は衰えていたのだ。
はじめは食べ物を見つけたり落ち込んだゆっくりを慰めていたりと、しっかりした(?)
働きをしていたものの、化けの皮はすぐに剥がれる。
秋も深まってきたこの時期、おいしい花などないにも関わらず、

「おはなさんがさいてるよ!いそいでとってきてね!」

などとのたまったのだ。これにはいくら愚かな群でも驚いた。この時期は木の実や
食用の草、キノコを探すのが常道だ。しかしいくられいむに説明しても、
「れいむはよげんしゃだよ!れいむのいうことをきいていればまちがいはないんだよ!」
と取り合わない。
実際、れいむが見た花はヒガンバナ、つまり毒草だ。食べられるものではない。
そんなことは愚鈍な群のゆっくり達でも知っている。しかしれいむは他のゆっくりに
たかって生きてきたためそのような知識が少なかった。
増え続けるれいむの無理、無茶、無知に振り回される群。いくら愚かといえど
さすがにこれはおかしいと気づき始めてきた。群のゆっくり達はれいむに嘘が
ないか探すという、慣れない頭脳労働をしだしたのだ。

そこにきてこの発言、当然疑うものがほとんどだ。今までキノコが太陽のあたる
開けた場所にいっぱいあるだの、川にもぐれば魚が取り放題になっているだの
ウソばかりだったのだ。さらに畑が森の中にあるなどというたわ言が信じられる
ものではない。
「みょんはそんなはたけさん、みたことないみょん!」
みょんが反論する。
「それはみょんがぐずでのろまだからだよ!もりのなかにはいまだひみつのばしょ
 があるにきまってるでしょ!?」
もちろんれいむは取り合わない。誰も見たことのない場所など、ゆっくりにとって
在ってあたりまえであるにも関わらず強弁する。
「でもこのもりにすんでるゆっくりは、そんなものをみたことはないわ!
 そんなうわさもきいたことないわ!ありもしないことをいうなんていなかものの
 することよ!」
れいむをよげんしゃと最初に呼んだありすすら、すでにれいむを疑い始めていた。
「ばきゃだね、ありしゅおねーしゃんは!いみゃみゃでだりぇもみたこちょないから
 たべものがいっぴゃいあるんだよ!」
2匹の子れいむが屁理屈でありすに反論する。
親れいむが群に持ち上げられているのをみて、自分達まで偉くなったと勘違いしている、
典型的なゲス子ゆっくりとなってしまっていた。
「だりぇもみちゃことないきゃら『しんぴのはたけしゃん』なんぢゃよ!
 うわしゃがなきゃったこちょが、ぎゃくにはたけしゃんがまだありゅって
 しょーこなんぢゃよ!
 しょんなこちょもわきゃらないなんて、おおいにゃかもいにゃかもの!」
さすがは口先八丁の親れいむから生まれただけのことはある。屁理屈にかけては
ゆっくり1だろう。完全に無駄な方向に頭がいい子れいむ達だった。
ありすは子れいむ2匹にいいように難癖をつけられ、怒りでぶるぶると震えている。
「おちびちゃんたちのいうとおりだよ!うわさをきいたらさがすにきまってるよ!
 そうなればもうみつかっちゃってるよ!『しんぴのはたけさん』はまだだれにも
 みつかってないんだよ!だからうわさがながれていないんだよ!
 そんなあたりまえのことがわからないなんて、ばかなの?しぬの?」
屁理屈とすら呼べないほどの破綻した論理。群のストレスは極致に達しようとしていた。

「ゆっ!わかったんだぜ!まりさたちがさがしてくるんだぜ!」
そこに群のリーダー格の一匹であるまりさが声を上げた。他のゆっくりたちは
まりさの発言に驚きの顔をしている。
「れいむたちはここでゆっくりまっててほしんだぜ!かならずみつけてくるのぜ!」
「ゆーっ!ようやくわかったんだね、このぐずたちは!さっさといってゆっくりしないで
 ごはんをとってきてね!」
「ぐじゅはめんどうだにぇ!おおいやだいやだ!」
「はやきゅごはんをもっちぇきちぇね!きゃわいいれいみゅのめいれいだよ!」
子ゆっくりの勘違いもはなはだしい言葉に、一瞬群に殺気が走った。
しかしそれを抑えるようにまりさは言う。
「じゃあみんな、さっそくしゅっぱつだぜ!」

リーダー格のまりさを先頭に、群のほとんどが巣を離れて跳ねていく。それを
ぷりぷりと怒りながられいむは眺めていた。
れいむから見えなくなるまで離れると、まりさは立ち止まって全員に言った。
「ちょっとまりさのはなしをきいてほしいのぜ!」
「なんでれいむのいうことをきくんだみょん!あんなのでたらめにきまってるみょん!」
さっそくみょんが噛み付く。
「おちついてはなしをきくのぜ。まりさだってれいむはうそをついているとおもってるのぜ!」
「じゃあなんで!あんなうそにしたがうなんてとかいはじゃないわ!」
ありすも怒っている。しかしそれをゆっくりとなだめるまりさ。
「だからまりさはかんがえたのぜ!れいむがほんとうによげんしゃなのか、たしかめるんだぜ!」
ちぇんがお得意の一言。
「わからないよー。どうやってたしかめるのー?」
まりさは胸(?)を張って、
「それをこれからみんなでかんがえるんだぜ!」
無策であることを誇った。さすがはダメゆっくりの群である。
しかし三人寄れば文殊の知恵。ゆっくりが数十匹集まればなんとかなるものである。
「ようするに、まりさたちがしっていて、れいむがしらないことがあればいいのぜ!」
「みょーん…、それなら、あのどうくつがいいんじゃないかみょん?」
「とかいはなかんがえだわ!あのれいむはしんざんものだから、どうくつのことをしらない
 はずよ!」
「わかるよー!どうくつまでつれてって、なかのことをよげんさせるんだねー!」
「それだぜ!さすがはまりさがひきいるむれだぜ!」
まりさはなにげに自分の手柄にしようとした。もちろん他のゆっくり達は気づかず、
また真に受けるものもおらず、そのまま発言はスルーされた。

「ゆー!れいむ!れいむ!」
まりさが群の広場の中心でゆっくり寝ていたれいむを呼ぶ。
「ゆぴー…、ゆっ!まりさ!どうしたの?」
「ゆー…、ごはんしゃんとっちぇきちゃの!?」
「ゆゆゆっ!?ごはんしゃんないよ!にゃにしちぇるの!?」
「このぐずまりさ!なにあそんでるの!さっさと『しんぴのはたけさん』をさがして
 きてね!れいむ、ぐずはきらいだよ!」
「ごめんだぜれいむ!だけどすごいばしょをみつけたんだぜ!」
「ゆっ?すごいばしょ?」
「そうなんだぜ!おおきなどうくつさんなんだぜ!きっときのこさんがあるにちがい
 ないんだぜ!だから、れいむにみてもらいたいんだぜ!」
「ゆゆ!しょーゆうこちょなられいみゅたちのでばんだにぇ!」
「れいみゅがぐじゅなまりしゃのきゃわりにみちぇあげるにぇ!」
「ゆー!おちびちゃんたちにもおかあさんのよげんしゃのちからがみについてきたんだね!
 さっそくどうくつさんにいって、このぐずどもにおかあさんたちのちからを
 みせつけようね!」
まりさの額はピクピクと引きつり、今にも怒りの表情になりそうだった。
しかしまりさは耐える。なかなかに根性のあるゆっくりだった。

「ゆゆゆー!!ここにはきのこさんがあるよっ!」
れいむのご神託だ。もちろん口からでまかせだ。まりさが「きのこがありそう」と言ったから、
それを真に受けているだけの発言。
「れいみゅにもみえりゅよ!きのこしゃん、ゆっくちしちぇるよ!」
「れいみゅも!れいみゅにもわきゃるよ!いっぱいはえちぇるの、みえりゅよ!」
子れいむ2匹も親れいむを真似て嘘をつく。
引っかかったな、そうまりさの顔に浮かぶ。群の仲間もその瞬間、笑みにもにた殺気を顔に
あらわした。
「じゃあ、そっちのおちび!どうくつさんのおくにいってきのこさんをとってくるんだぜ!」
「ゆゆっ!?にゃんでれいみゅがいくの?ばきゃなの?ちぬの?」
「そうだよ!おちびちゃんはれいむのたいせつなおちびちゃんだよ。きけんなことは
 させられないよ。まりさがいけばいいんだよ!」
「おいおい、きのこさんがあるっていったのはれいむなんだぜ!きけんなことなんて
 ひとこともいわなかったんだから、あんぜんにきまってるのぜ!」
まりさに痛いところを突かれ、いらだち始めるれいむ。
「そんなことどうでもいいでしょ!?さっさといってね、このぐずまりさ!」
「さっさといくのはそっちのちびだぜ!あんぜんならちびでもいけるはずなのぜ!
 それともれいむはうそをついたのぜ?
 うそなら…、ゆるさないのぜ!!」
まりさの言葉に、後ろで控えていたみょんが木の枝をかまえる。ちぇんも体をたわめて
力を貯める。ありすが口に小石をくわえてれいむに照準を向けた。
「れ、れいむたちはよげんしゃなんだよ!れいむたちにひどいことをしたら、
 むれにわざわいがおこるんだよ!?」
親れいむは群の殺気に気づきあせり始めた。しかし子れいむ達は空気が読めなかった。
「しょーだしょーだ!れいみゅたちはおみゃえたちとはちぎゃうよ!」
「このぐじゅども!れいみゅたちにひれふしぇ!!」
火に油を注ぐ言葉が群を本気にさせる。
れいむ親子の後ろに跳ねていく群のゆっくり達。完全に包囲されてしまった。
「さあどうするんだぜ、れいむ?よげんはうそだとみとめるのぜ?
 それとも、ちびをいかせるのぜ?よげんがただしいならあんぜんなはずなのぜ!」
まりさが追い詰める。
「…おちびちゃん、どうくつさんのおくにいってきてね。」
「どぼぢでっ!?」
「れいむのよげんはほんとうだよ!どうくつさんはあんぜんで、きのこさんがいっぱいだよ!
 それをしょうめいするよ!
 おちびちゃんはれいむのおちびちゃんだよ!だから、ゆうきをだしていってきてね!」
「れいみゅ、がんばっちぇね!」
「ゆー!?おねえちゃん、にゃんでしょんなこちょゆうのー!?」
「だいじょうぶだよ!おかあさんはよげんしゃさんだよ!おかあさんがいうんだよ。
 ぜったいあんぜんだよ!」
そこまで断言されてしまっては言い返せない。それにいくら鈍い子ゆっくりとはいえ、
包囲されてさすがに身の危険を感じている。
仕方なく子れいむ(妹)はのろのろと洞窟の中へと向かった。
「ゆっくりしないできのこさんをみつけてくるんだぜ!」
まりさの凄みに怯え、子れいむはぴょんぴょんと飛び跳ねて奥へ進んだ。

れいむ親子を包囲しながらしばらく待つ。すると突然、か細い悲鳴が聞こえてきた。
「おちびちゃん!?おちびちゃんになにかあったの!?」
親れいむがおろおろしだす。
「じゃあつぎはこっちのちびなんだぜ!」
まりさの言葉に親れいむが反応する。
「つぎってなんなのぉぉ!?」
「もちろんどうくつさんのおくにいってもらうのぜ!」
「どーちてれいみゅがいきゃなきゃいけにゃいの!?」
「どうくつさんはあんぜんのはずなのぜ!いかないなら、うそをついたつみで
 せいさいするのぜ!!」
ここにきてまりさの本音が炸裂した。周りに居るみょんも、ちぇんも、ありすも、
他のれいむ達も、みんなが戦闘態勢に入る。
「ぎょわいよぉぉぉ!?」
「おちびちゃん、しっかり!おかあさんがついてるよ!おかあさんはよげんしゃさんだよ!
 だから…、さっさとどうくつさんにはいってね!」
「どぼぢでぞうなるのぉぉぉ!?ばきゃなの!?ちぬの!?!?」
そして親れいむの本音も炸裂した。所詮はでいぶである。保身の前に母性など皆無。
子れいむもゲス資質全開で親をなじっている。このあたりはさすがに親子だった。

結局、親れいむとまりさの気迫に怯え、しぶしぶ子れいむは洞窟へと入っていった。
「ゆゆぅぅ…、きょわいよ…。」
洞窟の暗さも怖いが、後ろからの殺気も怖い。
「ゆっ、でもれいみゅはよげんしゃしゃんだよ。れいみゅにはみえりゅよ!
 きのこしゃんいっぴゃいだよ!」
自分の嘘を自分で正しいと思い込む、それがれいむクオリティ。
「ゆゆ~ん、どうくつしゃんはしじゅかでしゅじゅしいね。ゆっくちしちぇるね!」
あっという間に恐怖を忘れる。これもれいむクオリティ。
しばらく洞窟を進むと、なんだか甘い香りがただよってきた。
「ゆゆっ!あまあまなきのこしゃんだ!」
そんなものあるわけが無いのに、無駄に勘違いだけは凄い子れいむだった。
その香りにつられて向かうと…。
「………れ、れいみゅー!?」
そう、ぐったりとした妹れいむが餡子をぶちまけていた。

グルル…。

妹の惨劇に気を取られ、恐ろしい声に気づかない子れいむ。
次の瞬間、子れいむは高く持ち上げられていた。
「ゆー!?おしょらをちょんでるみた…ゆわがぁっぁ!?」
ブンブンと振り回される子れいむ。
洞窟には、野犬が居たのだ。

野犬は夜行性のため、ゆっくり達の生活時間と重なることはまれである。
しかし群のゆっくり達は日が暮れるとここの洞窟から野犬が出てくることを知っていた。
これはご飯調達のため夜も探していたゆっくりが、必死の思いで逃げてきて
わかったことである。
いくら愚かでもさすがに夜の危険性は覚えていたのだ。
そして、それをしらない予言者れいむ親子はまんまと引っかかった。

「ゆががぁ…!や、やめっ、やめちぇー!ふふふりまわしゃないでででで!!」
リボンを銜え、子れいむをブンブンと振り回す野犬の子犬。犬はこのように獲物を銜えて
振り回す習性がある。

ぷちっ。ひゅーん。

「ゆわあ!れいみゅおしょら、ぶべぇっ!?」
リボンがはずれ、壁に激突する子れいむ。子犬は外れたリボンを銜えたまま伏せをした。
「いぢゃいよぉ…!……や、やめちぇー!れいみゅのおりぼんやぶきゃないでぇぇぇ!」
子犬は前足でリボンを押さえ、口でひっぱってびりびりとリボンを破き始めた。
これも犬の習性である。
「か、かえしちぇ…。れいみゅのおりぼん…。」
ずりずりとリボンの元に這っていく子れいむ。しかしそれは死亡フラグだ。
リボン破きに飽きた子犬の次のターゲットは弱った獲物、つまり子れいむである。
子犬は立ち上がると子れいむの髪を銜え、前足で押さえ込む。
「は、はなちてねぇぇー!」
ぷりんぷりんと尻を振ってなんとか前足から逃げようとする子れいむ。勿論無駄だった。
しっかり押さえ込むとそのまま髪をひっぱる!
ブチブチ…。
「ゆ、ゆっぎゃああああ!?れいみゅ、れいみゅのきれーなかみがー!」
ブチブチ。
「や、やめちぇ!れいみゅはげになっちゃう!」
ブチブチ。あらかた引き抜き終わると次はベロベロとなめ始めた。
「ゆっ!くしゅぐったいよ!」
べろべろ。なめ続ける。
「ゆー?ゆ゛っ!なめないでね!ふやけちゃう!」
べろべろ。もちろんやめてくれるわけはない。
「れいみゅのおはだ、やぶけちゃうー!?!?」
べろべろ。子犬はまだまだなめ続ける。

「ゆゆ!またひめいだよ!まりさ、さっさとたすけにいってきてね!」
洞窟の入り口。親れいむは自分の立場を失念しかけていた。もちろんまりさは無視した。
「つぎはれいむ、おまえなんだぜ!さっさといくのぜ!」
「どぼじでぞんなごどいうのぉぉ!?れいむばよげんじゃでじょおお!
 じんぐるまざーでじょおおお!!
 がわいぞうなんだよおおおおお!?!?」
自分に危険が迫っていることを知ってついにキレる親れいむ。もちろん群は戦闘態勢
でそれに答える。ひるむれいむ。
ひるんだところに、まりさが体当たりを仕掛ける。
「ゆべっ!い、いちゃい!なにずるの!」
「いかないならうそをついたつみでせいさいだぜ!いいのかだぜ!?
 おまえのちびどもはちゃんとはいったのぜ!おやのくせになさけないくずゆっくりだぜ!」
「ゆー!れいむはうそなんかついてないよ!それに、れいむはよげんしゃさんだよ!
 くずなんかじゃないよ!
 れいむがそれをしょうめいするよ!ぐずゆっくりどもはそこでみててね!」
安い挑発に簡単に乗る親れいむ。そして洞窟へとはねていった。

「ゆー!おちびちゃーん!どこー!?」
ぽいんぽいんと洞窟をはねる親れいむ。
「ゆっ!このにおいはあまあま!あまあまどこっ!?」
あっさり子ゆっくり達のことを忘れ去った。でいぶスゴいよでいぶ。
「あまあま~♪……ゆっ!?ゆゆーっっ!?お、おちびちゃんたちー!?!?」
もちろんあまあまなどない。そこには子ゆっくりを引き裂いている子犬がいた。
犬さんはゆっくりできない、それを忘れて親れいむは飛び掛った。
「れいむのおちびちゃんをゆっくりさせないばかはしねっ!」
キャイン!子犬は親れいむに体当たりされて跳ね飛ばされてしまった。
ガウウンッ!
「ゆ、ゆぎゃああああ!!??」
親れいむの左目が急に見えなくなった。そして頭に激痛が走る。
親犬だ。子犬が襲われ、とっさに攻撃してきたのだ。
大きな口をあけ、れいむの左目を食いちぎる親犬。
「い、いやあああ!でいぶ、じにだぐないっ!」
あっさり子れいむ達を置いて逃げ出す。が、犬の足にかなうわけもない。
親犬が、れいむに襲い掛かった。

ゆ、ゆっぎゃぁぁぁ………。
洞窟の奥から大きな悲鳴が聞こえた。
「ゆっ。やっぱりれいむはよげんしゃさんなんかじゃなかったんだぜ!ただのうそつき
 だったんだぜ!
 これでせいさいはかんりょうだぜ!」
「さすがはまりさだみょん!」
「もちろんありすはさいしょからまりさがとかいはゆっくりだってわかってたわ!」
「わかるよー!むれのりーだーはまりさにきまりなんだねー!」
「ゆーっ!そこまでいわれちゃしかたないのぜ!みんな、まりさについてくるのぜ!」
わっと歓声が上がる。迷走を続けていた群に、新しい指導者が決まったのだ。
興奮が広がっていく。まりさは照れながらも満足そうに笑っていた。

興奮もほんの一瞬だった。リーダーが決まったところで、エサが森に無いことは
変わりない。あのでいぶ親子に振り回されて(作者も)すっかり忘れていたが、
今は晩秋。エサがなければ越冬失敗である。
「りーだー、どうするんだみょん!ごはんがないみょん!」
「わかるよー。りーだーはむさくなんだねー。」
「もうっ!ありすにとかいはなごはんをだせないなんて、とんだいなかものね!」
「ゆっ、ゆっがぁぁぁ!じぶんかってなことばかりいうんじゃないんだぜぇぇ!
 りーだーにみつぎものをもってくるのが、おまえたちのやくめなんだぜえええ!」
一事が万事、この調子である。越冬など不可能だろう。
そんな騒々しい群に、一匹のまりさが戻ってきた。予言者れいむと時を同じくして、
エサを探しに里に下りていったまりさだ。
騒がしい群を不思議に思いつつも、戻ってきたまりさは広場の真ん中で大声を上げた。
「ゆー!みんなちゅーもくするんだぜ!まりさがすごくたいせつなことをつたえるんだぜ!」
群の注意が一気にあつまる。同時に、エサが見つかるかもしれないという期待も膨らんだ。
「まりさはにんげんさんのところでたいせつなことをまなんだのぜ!
 はたけさんはにんげんさんがつくっているもので、かってにできあがる
 ものじゃないんだぜ!」
ゆっへん!と胸(?)を張って、そう言った。
「はたけさんはにんげんさんがおやさいさんのためにつくった、おやさいさんの
 ゆっくりぷれいすなのぜ!
 ほかのゆっくりのゆっくりぷれいすをおそうのはゲスなのぜ!
 だから、おやさいさんをおそうのもまたゲスなんだぜ!」
ポカンとした表情。きっと自分があまりに画期的で、わかり易い説明をしているから
関心してるんだ!と戻りまりさは思った。当然勘違いなのだが。
群は『神秘の畑さん』という嘘に振り回されてひどいダメージを受けていたのだ。
そこに「畑を襲うのはゲス」などとゆっくりできないことを言われた。
群の全員があまりのことに驚き、呆れていた。
「ゆふん!まりさはにんげんさんとおやくそくしたのぜ!はたけさんをおそうのは
 ほかのゆっくりをおそうのとおなじなのぜ!げすなのぜ!
 だから、はたけさんにはいかないようにするんだぜ!まりさとのおやくそくなんだぜ!!」
きまった!戻りまりさは説得に成功したと確信する。
確信は、しかしすぐに恐怖へと変わった。
「なにがゲスなんだぜえええ!わけのわからないこといって、おまえこそゲスなのぜ!!」
「このいなかものっ!はたけさんはみんなのものよ!にんげんなんかのものじゃないわ!」
「だいたいそのせなかのおやさいさんはなんだみょん!?じぶんだけごはんを
 とってきたのかみょん!!」
「わかるよー!!まりさははたけさんでおやさいさんをとってきたんだねー!」
群の全員が戻りまりさに襲い掛かった。
「や゛、や゛め゛る゛んだぜぇぇ…。まりざは、うぞなんがいっでないんだぜぇぇぇ…。」
野菜を奪われ、ほっぺとあんよを食いちぎられ、それでも戻りまりさは主張する。
畑さんは、人間さんが一生懸命お野菜さんのために作ってるんだぜ、と。
しかし予言者れいむに振り回された群にとっては火に油。
戻りまりさは痛めつけられて群を追い出されてしまった。

「ゆー!みんなきくんだぜ!あのゲスまりさははたけさんにいってきたのぜ!
 そのはたけさんにいって、おやさいさんをあつめるのぜ!
 これでふゆごもりができるのぜ!」
「ゆっ!とってもとかいはなていあんだわ、まりさ!」
「でもにんげんがいたらどうするみょん?」
「りーだーであるまりささまがいるのぜ!にんげんなんかけちらしてやるんだぜ!」
「すごいんだねー!りーだーまりさがいればあんしんだね、わかるんだよー!」
ゆー!と威勢のいい声を上げて群の全ゆっくりがふもとの里へと駆け出した。

果たして、畑はあった。しかも柵が開いていた。
「ゆー!はたけさんはめのまえなのぜ!ゆっくりとつげきするのぜー!!」
ゆー!!気合の入った声を上げる群。一気に畑の中へなだれ込んだ。
「みょん!あそこにおやさいさんがはえているみょん!」
「あれはだいこんさんねっ!とかいはなありすにふさわしいおやさいさんだわ!」
「わかるよー!すぐにひきぬくんだねー!」
群は入り口のちょうど真向かいの柵の近くに生えていた大根らしきものへと突撃していった。


ところ変わってここは畑の持ち主のお兄さんの家。お兄さんの家には、畑に侵入した
群にもともといたぱちゅりー3匹がいる。お兄さんとぱちゅりー達はわけあって
一緒にくらしていた。
「おにいさん?」
「なんだ、ぱちゅりー。」
ぱちゅりー達に読んであげていた本(おいしい野菜の育て方 お野菜お兄さん著)から
顔を上げて聞くお兄さん。
「はたけさんにおやさいさんがのこっていたようだけど、しゅうかくしないのかしら?」
「むきゅー、それはぱちぇもきになってたわ。」
「あのままだと、からすさんにたべられちゃうとおもうわ。」
心配を口にするぱちゅりー達。しかしお兄さんは笑顔で答える。
「ああ、あれは罠だよ。畑の柵、空けておいただろ?」
「むきゅ?たしかにあいてたわ。」
「あれだとゆっくりもはいれちゃうんじゃないかしら。」
「それだよ。ゆっくりが入って野菜を抜こうとするだろ?あれ、偽物なんだよ。
 抜くと仕掛けが作動して、入り口の柵が落ちるんだ。
 で、ゆっくり達を閉じ込める。あとは春までまてば餓死したゆっくりが
 肥料に変わるってわけ。頭いいだろ?」
ぱちゅりー達は顔を見合わせた。そして、申し訳なさそうに、
「むきゅー…、やまにいるむれはくいしんぼうだから、ともぐいになるわ…。」
「さいごのいっぴきまでたべつくすの。」
「ひりょうになるのは、1ぴきぶんだけだわ…。」
お兄さんの間違いを指摘した。
「あれー…、また俺の勘違いか…。」
がっくりうなだれるお兄さん。ぱちゅりー達はそんなお兄さんに寄り添う。
「むきゅ!げんきだして、おにいさん!」
「そうよ!はるになったら、ぱちぇたちがのうさぎょうをてつだから!」
「こんどはぱちぇたちがわなをかんがえるわ。ゆっくりのことはゆっくりにまかせてね!」
とても性格の良いぱちゅりー達だった。ちょっと考えの足りないお兄さんには
心強い味方だ。
「ありがとうな。来年も野菜、いっぱい育てよう。春が楽しみだな、ぱちゅりー!」
「「「むきゅっ!たのしみだわー!」」」

お兄さんとぱちゅりー達が楽しく冬を過ごすころ、畑には霜が降りていた。
凍った土を掘ることもできず、畑に侵入した群は崩壊。いまや1匹を残すばかり
となった。
「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ、ざ、ざむ゛い゛ん゛だぜぇぇ…。」
ぶるぶると震えるまりさ。大量のお飾りをあつめ、なんとか寒さをしのいできたが
それも限界のようだ。
死臭漂うお飾りにうもれ、リーダーまりさは迫りくる永遠のゆっくりプレイスに
怯え、体を限界以上に震わせていた。
「ま゛、ま゛り゛ざざま゛ば…、り゛ーだーな゛の゛ぜぇぇ…。」








長い上につまらない文章になっちゃってごめんなさい。
面白く、盛り上がるようにしたいのに、どうしてもそう書けない…。



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感想

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  • なんかたまってたものがスッキリした感じのする物語だった。
    サンクス -- 2013-09-15 17:57:29
  • おもしろかった できれば戻りまりさのその後をみたい -- 2013-05-05 20:38:21
  • 畑で働くゆっくりが大好きです -- 2013-01-23 04:35:40
  • 1家に1匹かしこいパチュリー
    ゆっくりはやっぱ99パーセントクズ -- 2012-07-10 12:20:04
  • 面白かった
    ぱちゅりー可愛いが可愛すぎる -- 2012-06-19 23:32:25
  • 戻りまりさ…少し好きだったのにな… -- 2012-02-25 23:25:28
  • まったく・・・バカでアホでカスでクズでゴミでうんこの糞饅頭でゲスで救いようがない
    地球の腐敗物に一言言わせてもらおう。



    ざまぁwwww -- 2011-11-12 03:04:53
  • 戻りまりさもいずれ農作業組に・・・って無理か -- 2011-07-11 18:35:01
  • 戻りまりさェ… -- 2011-05-13 02:50:54
  • 結局これか。予想の範囲内だったけど面白かった。 -- 2010-11-25 22:23:24
  • 共食いしてもうんうんは残るから
    それが肥料になるんじゃない -- 2010-10-10 23:38:45
  • ぱちゅりーはかちこいなぁ。こんなぱちゅりーなら飼ってみたい。

    あのれいむは、ざまぁみろ、だったけど、戻りまりさが可哀想だなぁ -- 2010-10-08 17:39:09
  • 戻りまりさの末路が気になります。 -- 2010-09-13 19:00:19
最終更新:2009年10月26日 17:44
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