俺が、ゆっくりだ! 3 15KB
『俺が、ゆっくりだ! 3』
・「俺がれいむでれいむが俺で」的設定です
・俺の考えたことは、ゆっくりでもわかる語彙であれば自動的に翻訳されてれいむが喋りやがります
・見た目、性能はゆっくり、頭脳は人間です
・「
その2」を読んでいないとよくわからないかと思われます
五、
ゲロ袋…ことぱちゅりーがまだぴーぴー泣いてる。泣きながら歩いてはいる。器用な饅頭だ。だいたい泣きたい
のは俺のほうだ。ぱちゅりーをかばうために後頭部を地面で強打→ゲロ袋にファーストキス奪われる、という鬼畜
コンボをお見舞いされているというのに…。世話好きのありすがぱちゅりーに寄り添いながら、行動してるためか
全体的に歩みが遅い。まぁ、街を抜けて森の中に入ったわけだから、いきなり人間に出会ってゲームオーバー…と
いうことはないだろう。
それにしても…ある程度は自分ちの近くの森だから、ピクニック気分で進んでいけると思っていたのだが…予想
以上に薄暗いことに気付いた。まだ夜が明けたばかりだというのにな…。人間の姿で来てもちょっと奥地に侵入す
るのはご遠慮願いたい雰囲気だが…しかも、後ろには頼りない饅頭共が4匹も…っ!
「れいむっ…れいむ…!」
まりさが駆け寄ってくる。おおかた、ぱちゅりーを休ませろとか言ってくるんだろうな…先手を打つ。
『ゆっ!きゅうけいさんはまだしないよ!』
「どうしてなのぜ…?れいむはぱちゅがしんぱいじゃないのぜ?」
馬鹿野郎が。こんな自分たちの姿がモロバレの開けた場所で野生動物にでも出くわしたら、即・全滅だろうが。
犬一匹にでも出会えば殲滅させられるのに、こんなところで悠長に休憩なんぞできるかよ…。…おお、さすがにこ
こまで漢字を混ぜた思考だと、翻訳はできんか。
はは、馬鹿すぎるわ。
『おお、おろかおろか』
…ってなんだとおぉぉぉぉぉ???!!!!油断もスキもねぇ、この腐れ饅頭型自動翻訳機が!!!人間の姿に
戻ったら、まずはこいつを叩き潰してやるわ!!!!!
「ちぇんもわからないよー…でも、れいむのかんがえならだいじょうぶなきがするよー」
呑気なクソ猫饅頭が…。こっちはスライム以下のザコ饅頭をいかに全滅させずに生きて行くかを考えてる、っつ
ーのに…って、んん…?別にこいつら全滅してもいいんだよな…?ふぅ…でも、さっきはゲロ袋に絶対死なせない
とか言っちまったし…。ああ、ややこしい、ややこしい。
「むきゅぅ…ぱちゅはだいじょうぶよ…。でも、れいむ…かんがえがあるのならきかせてほしいわ…。ぱちゅたち
でもれいむのおてつだいができるかもしれないもの…」
そうだなぁ。じゃあ、命ずる。お前ら黙って後ろをついてこい。それだけで十分だ。
『じゃあゆっくりめいれいするよ!だまってれいむのあとについてきてね。それだけでいいよ!』
「れいむ…どうしてそんなつめたいいいかたしかできないの…?とかいはじゃないわ…」
ありすに関してはアレだな。いちいち都会派、都会派うるさいな…。都会、っつったら大阪や東京みたいな場所
を言うのさ…。こんな九州のド田舎は都会なんかじゃ、断じてない(作者は九州出身です)。
さっさとこいつらをまとめて、もうちょっと奥にいかないとな…。なんとか日が暮れる前に水場と、なるだけ近
い場所に家を…巣か…巣なんだよな…。とにかく居住スペースを造らないといけない…。本当にこいつらはいつ、
どこにいても死亡フラグが立ってやがるな…。そりゃ、ゆっくりしたくもなるわ。俺が人間なら、絶対させてやら
ないけどなぁ(笑)
『ゆっくりおみずをごーくごーくできるばしょをさがすよ!』
「それはいいけど…すこしぐらいやすんでもいいんじゃないのぜ…?」
『ゆっ!かくれたりするにはもりのおくのほうがゆっくりできるよ。だから…』
「だから、なぜそんなにいそぐひつようがあるのかをきいてるんだわ!」
このクソ饅頭がぁ…っ!
『…わかったよ!じゃあすこしきゅうけいするよ!』
不服そうに言ってるのがわかるんだろうな。饅頭共もなんだかなぁ…って感じでもそもそ休憩始めやがった。や
れやれ…こいつらの相手は疲れるな…。それにしても固まってれば安全とでも思ってるのかねぇ…?後ろどころか
前後左右ガラ空きじゃねぇか…。そりゃ殺してくれ、って言ってるようなもんだろうよ。危機意識が低すぎる。結
局、全方位を見張るのは俺の役目、ってか…馬鹿らしい…。
「…れいむ?なにをさっきからきょろきょろしているの…?」
「れいむもこっちにくるのぜ…みんなでくっついてるとしあわせー!できるのぜ?」
馬鹿饅頭共が…。こんな動きにくい体であちこち見渡してる俺の身にもなりやが…れ…?
「わかるよー…ちぇんはまだつかれてないから、れいむといっしょにきょろきょろするよー」
猫…饅頭?お前、まさか…理解したのか?俺の考えを…?
『ちぇん…?まさか…れいむのかんがえをゆっくりりかいしたの…?』
「わかるよー。れいむはみんなのために、まわりをみはってくれてるんだねー」
「「「!!!!!!!!」」」
猫饅頭…。俺はお前だけは潰さないでおいてやろうと思う。つーかなんだなんだ。ちぇん種、ってのは意外とい
い饅頭じゃないか…。なんというか無垢だよな…スレてない、っつーか。それに比べて残りのカス共ときたら…。
自分さえゆっくりできればそれでいいってか。ゆっくり道、ここに極まる、って感じだな。賢者(笑)のぱちゅり
ーでさえ、ゆっくりへの欲求には勝てないわけか。
「むきゅ…みんな…まずはみんなでゆっくりできるおうちをさがしましょう」
「ゆっくりりかいしたのぜ…!」
「れいむ…その…」
おいおい、散々文句垂れてたくせにもう休憩はいいのかよ?気の持ちようでどうにでもなるなら、すぐヘタレぬ
かすんじゃねぇよ…。
『もうきゅうけいはしなくていいの?』
嫌みを込めて言ったのも理解してるんだろうな、こいつら。ていうか今のは翻訳できるのかよ…。まだ見極めが
難しいな。それに加えてなんか挑発的な思考ばっかり、音声が拾っていってるような気がするんだが…。…ああ、
なんとなくわかった。だから、こいつらはゆっくりなんだろうな。人間をイライラさせる天才。
「もう…っ!れいむはいじわるだわ!」
「そうなのぜ…れいむはなにもいってくれないから、なにをかんがえてるかわからないのぜ…」
ああ、すまんすまん。極力お前らと会話をしたくないもんでな…。それと…現代ッ子は自分の考えをなかなか言
わないもんさ。そういうふうにできている。しかし…、生き残るためにはこいつらとの“会話”は必要なのかも知
れないな…。いざ、というときにはこいつらを身代わりにして逃げないといけないわけだし…。
「むきゅ…れいむのかんがえをきかせてくれれば…みんなれいむのかんがえにあわせてうごくことができるわ…」
「そうなのぜ!れいむがきょろきょろするのにつかれたら、まりさがかわってあげられるのぜ!」
「わ、わたしも…すこしぐらいならかわってあげても、いいのよ…っ?」
「みんなでがんばれば、たくさんゆっくりできるんだねー…。わかるよー」
え?ちょ、何?ゆっくりって意外と頭悪くないんじゃね?野良とはいえ、元飼いゆばっかりだろこのメンツ…?
何かに依存して頼り切って生きてるだけの連中かと思ったら…ちゃんと自分たちで生きて行くためにはどうするか
考える力があるんじゃないか…。
『ゆ…もしかして…』
「なんなのぜ?」
危ない危ない…。もしかしたら…ゆっくりから生きて行くための力、というか思考を奪い取ってるのは人間だっ
たりしてな…。言うことさえ聞いてればメシはもらえるし、住む場所も確保してもらえるし…。極論を言えば、人
間に媚びてさえいれば生きて行くことができる…と。なまじ思考とか感覚が人間に近い分…楽ができるなら…ゆっ
くりできるなら…モノに頼っちまう、ってわけか。
人間でさえ…楽するために文明の利器に頼って生きてるわけだし。それを思えば、野良ゆってのは文明の利器を
奪われた人間、みたいなもんか…。どうやって生きていくんだろうな、人間がそんな状態になったら…。生きるた
めになんでもするんだろうな。ちょうどゴミを漁る野良ゆみたいに。そして神様が気まぐれで天災でも起こして、
人間を殺したりするんだろう。ちょうど人間が野良ゆを気まぐれで潰すみたいに。
「れ…れいむっ!!!!!」
『ゆ?』
「「「「れみりゃだーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」」」」
マジですか?
六、
オラ、走れ走れ!!!馬鹿饅頭共!!!!あんな森の入り口付近で休憩してた結果がこれだよっ!ああ、ゆっく
りっぽい口調になってる俺がいるっ!!!!さすがに焦ってんだろうなぁ…!つーかなんだあいつ!ゆっくりの癖
に飛べるってだけでもチート設定なのに、速い!
「ゆぅぅぅぅぅぅ!!!!!」
「とかいはじゃないわ!!!!」
「ゆっくりできないんだねー!!!!わかるよーーーー!!!!」
緊張感のない叫び声上げてんじゃねぇよ!カス共がああああああ!!!!ん…?あれは…っ!!
『ゆっ!あのしたにゆっくりできそうなあなさんがあるよっ!!!!』
“俺”の喋り方も緊張感ねぇな!そりゃこいつらよりかは冷静なつもりだがよ…っ!そのセリフの言い回しはな
いでしょうよっ!!!そんなゆっくり喋ってるからすぐ捕まるんだよ、てめぇらはっ!!!!
「さすがはれいむなのぜ!!」
「れいむ!とかいはよ!!」
「わかるよーー!!!!」
立ち止まるなボケ共がぁ!!!!はぁ…はぁ…ちくしょう…正直疲れてる俺がいる…。なんとなく体力の順位は
まりさ>ちぇん>れいむ>ありす>ぱちゅりーだとばかり思っていたが違うのか?いやいや、落ち着けそんな体力
ランキングなんてのはどうでもいい!!!!饅頭共が一斉に穴の中に逃げ込んでいきやがる。こういうときだけ動
きが速いもんだ…。
こないだの台風の影響かな…!木が根本からへし折られて、下の岩盤ごとぶっ壊してるからちょうどいい洞窟み
たいになってる。しかも倒された他の木が入り口付近にあるから…巣としては…いや、家としてはもってこいかも
知れん!住む場所はとりあえず決まったかな?
そんなことより、この捕食種をどうするかだけどな!!!!!!
「む…むきゅ…むきゅぅ…」
「「「ぱちゅりーーーーー!!!!」」」
安全な穴の中から叫んでるんじゃねぇよ、クソ饅頭共が。助ける気ねーだろお前ら。あと…なんなんだろうな。
この“れみりゃ”の自信満々っぽい微笑みはよっ(元からです)!!!!“俺”たちなんざ取って食うのは余裕で
す、ってか。生意気な…クソ饅頭だぜっ!!!!!
「む…きゅ…れい…む…ぱちゅのことは…」
『それはさっきもきいたよっ!れいむがれみりゃとたたかうからぱちゅりーははやくあなのなかににげてねっ!』
「でも…」
ああ、じれってぇ!!!!てめぇみたいなのがいると足手まといにしかならないんだよっ!!うわぁ…れみりゃ
のキバ、パネェ。あんなので噛まれたら…こんな饅頭の皮、一瞬でぶち破られるぞ…っ。
「うー!うーー!!!」
来やがった…っ!速いな、オイ…。だが舐めるなよ…“俺”はただのれいむじゃねぇっ!!!!てめぇの直線的
な動きなんざ…読み切ってるんぐぼあ゛あ゛っ??!!!!!
『ゆぐぼあ゛あ゛っ??!!!!!』
「「「れ、れいむーーー!!!」」」
「む…むきゅーーー!!!!」
痛ぇ…ちくしょう、なんだ…。もしかして…動きの鈍さは、れいむのままなのか?!それだと俺に死亡フラグが
立ちまくりなんですが!!!やば…二撃目がくる…。さっきのキバでやられたのかな…?足が痛ぇ…。動けねぇ…。
こんなところで…死ぬのかよ…。情けねぇ…。ああ。正直もう、目を閉じたね。死んだと思ったから。
「むきゅううう!!!」
「うー!!!」
いやいやいや…饅頭共も開いた口がふさがらない様子だが、とりあえず俺も予想外の超展開にびっくりだ。あの
貧弱なゲロ袋が…、れみりゃに体当たりしやがった…!死角から来られたんだろうな。予想外にれみりゃの受けた
ダメージが大きいみたいだ…。相変わらず笑顔のまま転がってるけど、あいつの表情はあれで固定なのか?
「ゆっくりつれていくよ!!!!」
“俺”の揉み上げをまりさが噛んで引っ張っていく。ぱちゅりーにはちぇんとありすがついてる。お前ら…。
『ゆ…』
「なにもいわなくていいのぜ!」
そうはいかない。れみりゃの三度目の攻撃が迫ってるんだよ!ターゲットはやっぱりぱちゅりー組かぁぁ!!!
「わ゛がら゛な゛い゛よ゛ーーー!!!」
「きゃああっ!!!!」
「むっぎゅぅぅぅ!!!!」
三匹が一発で吹っ飛ばされやがった…。どこまでチート設定なんだよ、あの饅頭は…っ!でも、飛ばされた先が
穴の近くだ。そのまま逃げろっ!!!!
「ぱちゅはおくにかくれててっ!ありすとちぇんがまもってあげるわ!!!」
「まもるんだねー、わかるよー!!」
何、顔膨らませて威嚇してやがる!!!そんなの無駄だ、無駄だ!!!!
『まりさ!!そこにおちてるえださんをひろってれいむにわたしてねっ!!!』
「これなのかぜ…?」
すっげぇ嫌だけども、その枝を咥える俺。この枝は尖ってはない。この枝で殴ってれみりゃを倒すのも難しいだ
ろう…っ。けどな…。枝の使い道は殴る以外にもあるんだぜっ!人間をなめるなよっ、クソ饅頭がぁぁぁっ!!!
「れれれれ、れいむぅぅぅぅぅ??!!きたのぜーーー!!!」
『ゆっくりれいむのうしろにかくれててねっ!!!!』
一直線にれみりゃが飛んでくる。このスピードをかわすのは無理だろう。…かわすのは。
「「「「!!!!!!!」」」」
「う゛…っ!!!う゛ーーーー!!!!う゛ぅ…っ!!!」
“俺”の目の前で転げまわるれみりゃ。大きく開かれた口の間に枝を挟みこんでやった。ははは!馬鹿め!口が
閉じれまいっ!!!!…って、おっ?
「よくもぱちゅをーーー!!!」
ありすがれみりゃに体当たりしやがった。吹っ飛ばされるれみりゃ。さっきまでの捕食種としての脅威はまるで
ないな。餌を目の前に、相変わらずの笑顔で泣きじゃくってやがる。追い打ちをかけようとするありすを“俺”は
止めたね。ここでトドメを刺すから、次のれみりゃに狙われるんだよ…。
「はなしてちょうだいっ!ぱちゅにあんないたいおもいをさせるようなれみりゃは…っ!!」
『ゆっ…もうれいむたちのかちだよ』
「え…?」
「う゛ぅ…だずげで…ほじぃんだどぅ…」
泣きながら謝りたい気持ちはよくわかるが、ついさっきまでこっちを殺す気満々だったわけだがら、最後まで悪
役を貫いてほしいもんではある。
『れみりゃ!ゆっくりりかいしてねっ!!!』
“俺”の言葉に、れみりゃだけじゃなくて残りの饅頭共も黙り込んでしまった。そんなに怒鳴りつけてるつもり
はないだけどな…。
『れいむ“たち”はれみりゃをやっつけたよ!でもたすけてあげるよ!!!』
「「「「ゆゆゆゆゆゆ???!!!!」」」」
納得はいかんか。浅はかな饅頭共よ。まぁいい。
『れいむ“たち”にかてないことがわかったら、ゆっくりしないでおうちにかえってね!!!!』
「わが…わがっだんだどぅ…」
口、閉じれないくせによく器用に喋る。
『こんど、れいむ“たち”をたべようとしたら、こんどはゆっくりできなくさせるからねっ!!!!』
「う…うぅ…ざぐやーーー!!!!」
ふらふらと羽根を動かして空に飛び去るれみりゃ。恐らくあのれみりゃは、自分の巣穴…あるいは群れの中で自
分たちのことを話すだろう。自分たちよりも強いゆっくりがいた、ということを。あのサイズから言ってあのれみ
りゃは親のはずだ。これで不用意にこのあたりには近寄ってはこまい。
「れいむーーー!!!!」
まりさが…ありすが、ちぇんが駆け寄ってくる。ぱちゅりーは穴の中から出てはこないが命に別状はなさそうだ。
しかし…“俺”も含めてつくづく悪運の強い饅頭共だぜ…。半日あるかないかのうちに、人間に捕まって殺されそ
うになったり、捕食種に追い回されたり…。こりゃ、早めに住処周辺の防御を整えないとな…。
振り返って岩肌の洞窟を視界に入れる。耐久性もよさそうだ。次、台風がきたら洞窟ごと壊れる可能性はあるが。
5匹住むには少し狭いかも知れないが…入り口周辺を掘っていけば拡張することもできそうだ。あとはこの近くに
小川があれば言うことナシだが…そこまで求めるのは贅沢、ってものか…。
なついてくる三匹と一緒に、“俺”は初めて洞窟の中に足を…あんよを踏み入れた。…いける。しばらくはここ
で暮らすことになりそうだ。
『ゆっくりおなかがすいたよ…』
思わず先に声に出る。この饅頭共にとっては英雄みたいな存在である“俺”がそんなことを言ったのが可笑しか
ったのだろうか。緊張の糸が切れたこともあってか、4匹は笑っていた。…今はなんとなく、俺も笑ってもいい気
分だ。
『ゆふふ…』
「れいむが…」
「わらったのぜ…っ!!」
「わかるよー、れいむはわらってるほうがかわいいんだねー!」
「むきゅっ…」
理由はわからんが、ぱちゅりーだけはご機嫌斜めだ。“俺”が笑うのが気に入らない、ってかゲロ袋が…。せっ
かく助けてやった、ってのによぉ…っ。
『ゆ!ここでゆっくりくらすことにするけど…そのまえにしっかりしたおうちをつくるよ!』
「ゆっくりりかいしたのぜ!」
「とかいはなおうちにこーでぃねーとしてあげるわ!」
「がんばるんだねー!」
「ぱちゅもおてつだいするわ…!」
『でもそのまえに』
「「「「ゆゆ?」」」」
一呼吸置いてから、言ってやる。俺の本心も入ってるけどな。正直、お前ら頑張ったよ。饅頭のくせに良くやっ
たと思う。
『つかれたからみんなでゆっくりするよ!おうちをつくるのはそれからだよ!!』
「「「「ゆっくりりかいしたよ!!!!!」」」」
とりあえず、ぱちゅりーとありすを一番奥に。まりさとちぇんと“俺”の三匹で入り口側。ここからなら見張り
役は一人でいい。周囲に気を配る必要はない。前方だけに気をつけていればいいから。
「ゆっ…まりさがおきてみはってるのぜ…だからみんなゆっくりやすんでね!」
誰が言うともなく、まりさがそう名乗り出た。“俺”とちぇんも後で交代する、という約束をした。
俺は正直、このゆっくりという生き物についてはまったく理解していないが…。人間基準で考えたとしても、今
ここにいる連中は…すごくゆっくりしていると言っていいと思う。いつもなら、ぶっ壊してやりたくなる饅頭共の
寝顔だが…。とりあえず、今はこいつらの寝顔を守ってやれただけでも、良かったかな…?なんて思ったりしてる。
多分、一時の気の迷いさ。
後から思ったが、れみりゃは肉まんだったな。饅頭じゃなかった。こんなことなら食ってやれば良かったぜ。
つづ…く?
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このSSへの感想
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最終更新:2009年10月27日 16:39