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新女大学-10

【新女大学・10】
女子が成長して家庭や学校の教育が終了したならば男子と結婚する。
結婚は生涯の一大事であるから、西洋諸国においては男女がお互いに見て択び、
互いに行き来して親しみ、いよいよ決心した後父母に告げ、その同意を得て結婚式を行うという。

この点、日本においては趣が異なっている。
日本では男子、女子のために配偶者を求めるのは父母の責任である。
その男女が年頃に達したならば辛苦してこれを探索し、
ああでもないこうでもないと選んだ結果、いよいよこの人物ならばと父母の間で内決して、
まず本人の意向を問い、本人が父母の決めた人に異存がないと答えたなら、
そこで初めて成立するということになる。

だから、表面から見ると子女の結婚は父母の意であって、
本人はただ結果を仰ぐのみであるかのようにも見えるが、実際にはそのようなことはない。
父母は単なる発案者であり決議者ではない。

これを本人に告げて可否を問い、もし「この人ではだめ」ということならば強いることはできない。
この場合はただちに白紙に戻し、また別の人物を探索するのだから、
外国人などが日本流の結婚を見て「父母が決めてしまうのか」と言うのは、
実際を知らない者の言うことであるから取るに足らない。


たとえば封建時代に武家は百姓や町人を斬り棄てると言いながらも実際には斬り棄てた者がないように、
そう言われているだけで習慣として実際には許されないことである。

ただし、世の中は広く、実の父母が金銭のために娘を売ることさえあるくらいだから
所謂親の威光を以って娘に嫁入りを強いる者もいるだろう。

これは昔の馬鹿侍が酔狂に道端の小民を手打ちにするのと同様、
情け知らずの非人として世間の人から顰蹙を買い排斥されるべきものであるが、
実際にはこういう者がいないというわけではない。
そういう極端な例を除いて、概していえば、日本における結婚でも女子に大きな不平はないといってよいだろう。


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新女大学-11

最終更新:2007年11月06日 21:26
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