【新女大学・12】
女子の結婚は男子と同様、他の家に嫁入りする者もあり、実家にとどまって婿養子を迎える者もあり、
あるいは男女共に実家を離れて新家をおこす者もある。
その事情はどうであっても、結婚した以上は夫婦は共白髪まで、苦楽を共にするという契約を守り、
かりそめにも背いてはならない。
女子が生涯独身であればその身は却って気楽なものだが、
それではすまないということで結婚するのはある意味苦労の種を自ら求めるようなものであるともいえるが、
男女が家庭を共にするのはこの世のさだめであるから、その家庭の楽しみは苦しみを償ってあまりあるものである。
結婚は独身時代の苦楽がそれぞれ倍になるのが運命である。
快楽も大きい代わりに苦労もまた多い。
夫婦はまさしく一身同体である。
妻が病気のときには夫の身をも苦しめ、
夫の恥辱のときには妻の心を痛ましめ、その感じるところにはほんのわずかの違いもない。
世の中の男女の中にはこういった苦労の道を知らずに、結婚はただ快楽の一方のみと思って、
苦労がこれに伴うのを忘れて、男子が老いた妻を棄てて妾をつくり、
婦人が家の貧苦を嫌って夫を置き去りにするなどの怪事がある。
つまり、結婚の契約を重んじない非人である。慎むべきことである。