【新女大学・18】
婦人は家を治めて家庭内の経済を預かるが、いわば支出だけを管理して収入を知らない者も多い。これは甚だ不安なことである。
夫だっていつまでも生きられる身ではないし、老少の順番でいくと夫のほうが先に世を去るのだから、早く夫に死に別れて大勢の子供の世話をはじめ、家事の全てを婦人の一手に引き受けるという万一の不幸もある。
そのときになって夫の存命中、外でどのような仕事をして誰とどのような関係があったのか、金銭上の貸借はどうか、その約束はどうかなど、詳細の事実を知らず、帳簿を見てもよく理解できず、そのために様々な行き違いを生じて、ひどいときには訴訟の沙汰に及ぶことも世間には珍しくないのだ。
これはつまり婦人が家計の外部に注意していなかったために起こることであるから、夫婦が一緒に暮らしているならば外の仕事は全て男子の責任とはいいつつも、その仕事のだいたいのことについては婦人もこれを心得おいて、その時々の変化や盛衰に注意するのは大切である。
私が女子に経済の思想が必要であると言っているのはこのあたりの意味である。
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新女大学-19
最終更新:2007年11月06日 21:39